戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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前回までのあらすじ

神室町で発生したバイオハザード。

響、クリス、切歌、リル、充瑠、瀬奈、為朝の7人は、今回のバイオハザードの首謀者である関西のヤクザ【近江連合直系郷龍会三代目会長・二階堂哲夫】が目撃されたエイジアへ向かう。

そこには先に来ていた元近江連合直系二代目会長にして【関西の龍】の異名を持つ漢【郷田龍司】がいた。

郷田に自身の計画である【東城会殲滅】と伝説の漢【桐生一馬抹殺】を話し、協力を持ち掛ける二階堂。

しかし郷田は一般人をも巻き込む二階堂のやり方に賛同せず、協力を拒否した。

郷田の答えを聞いた二階堂は頭を冷やせと言って、現在の郷田の師であるたこ焼き屋のおやっさんを細菌兵器【タナトス】を用いてB.O.W.【ヤツカハギ】にしてしまう。

さらに侵入していた響たちの存在にも気づいていた二階堂は、桐生一馬の泣き所と自らが称する少女を人質に手出しできないようにしたうえで逃走してしまう。

二階堂に逃げられて追いかけようとした面々にヤツカハギが立ちふさがる。

触手による連続攻撃でギアが纏えない響たちに代わり、郷田とキラメイレッド、グリーン、イエローに変身した充瑠たちが戦う。

だが、郷田のガトリングガンとキラメイジャーの攻撃ですらヤツカハギは即座に再生してしまう。

さらにヤツカハギはホールに大穴を開けて全員を引きずり込もうとするのだった。


第892話 恩師から受け継いだ技

響「リルくん!」

 

ヤツカハギの開けた穴に落ちかけるリルの手を響は掴んで助ける。

 

リル「かう…がっ!?」

 

安心したのも束の間、リルの首に絡まり、締め上げる細い紐状のものがあった。

 

ヤツカハギ「!!」

 

リルの首を絞める細い紐状のものの先にヤツカハギが触手を伸ばしてぶら下がっていた。

 

リル「が…ぐ…」

 

締め上げられて息ができない状態に苦しみながらもリルは必死になって耐えていた。

 

響「リルくん、頑張って!」

 

苦しむリルを励ましながら響も必死になってリルを支える。

 

しかしいくら鍛えている響でも女子高生での腕力ではリルだけならまだしも、B.O.W.のヤツカハギも加わった重量を支えるのは無理があった。

 

クリス「行くぞ!」

 

切歌「はいデス!」

 

苦しむリルと響を助けるためにクリスと切歌はコンバーターギアを出した。

 

クリス「Killter Ichaival tron…」

 

切歌「Zeios igalima raizen tron…」

 

起動詠唱を唄い、ギアをそれぞれ纏う。

 

切歌「デース!!」

 

響「うわ!」

 

リル「ぎゃう!」

 

ギアを纏った切歌はアームドギアである鎌でリルの首に巻き付いている触手を切り裂き、その反動でリルと響は吹き飛ばされた。

 

クリス「持ってけ全部だ!!」

 

間髪をいれずにクリスがガトリングガンを掃射して弾丸の雨を降らす。

 

ヤツカハギ「!!」

 

しかしヤツカハギは素早く奥へ逃げて攻撃を回避する。

 

キラメイグリーン「大丈夫!?」

 

響「あ、はい…なんとか」

 

リル「かう~…」

 

吹き飛ばされた2人にキラメイグリーンが近寄って安否を確かめると、2人は無事なことを伝える。

 

キラメイイエロー「あいつ、どこ行きやがった?」

 

穴だらけとなったホールの周辺を見渡しながらヤツカハギを探す。

 

クリス「そこか!」

 

背後から気配を感じたクリスがいち早くガトリングガンを掃射するが、そこにあったのは触手だけだった。

 

クリス「触手!?」

 

ヤツカハギではやく、触手だけであったことに驚いているとその背後に忍び寄る影があった。

 

響「Balwisyall Nescell gungnir tron…」

 

クリスの後ろに忍び寄る影に気づいた響はコンバーターギアを出して、起動詠唱を唄いギアを纏った。

 

響「どりやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

切歌「デース!!」

 

ギアを纏った響の拳で吹き飛ばし、切歌のアームドギアで切り裂くが、またも触手だけであった。

 

響「また触手だけ!?」

 

またも触手だけであったことに驚いていると残りのホールの穴から次々に触手が現れた。

 

キラメイレッド「触手だけ出してる!」

 

クリス「あたしらが疲れるのを待ってやがるのか!」

 

触手だけだして本体は地下で隠れ、相手が疲れるのを待っていると察する。

 

それと同時に触手が一斉に襲いかかる。

 

切歌「き、来たデスよー!」

 

襲いかかって来た触手を見て全員攻撃を回避しながら迎撃する。

 

キラメイイエロー「くそ、これじゃキリがねえ!!」

 

キラメイレッド「なんとかして誘き出さないと!」

 

触手を迎撃し、破壊してもすぐさま再生し、再度襲いかかってくるためにじり貧状態になっており、何とかして本体を誘き出さないといけないと話す。

 

郷田「…!」

 

それを聞いた郷田はある人物から受け取ったあるものを取り出した。

 

郷田「全員、耳塞いどけ!!」

 

そう言って郷田はエイジアのオーナーから受け取った手榴弾の安全ピンを抜いて穴に投げ込んだ。

 

ヤツカハギ「ガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?」

 

数秒後に爆発と共にヤツカハギが飛び出して来た。

 

クリス「手榴弾で上に追い出したのか」

 

手榴弾の爆発によるダメージに驚かしてヤツカハギを地上に追い出したことを言う。

 

郷田(感謝するで、オーナー)

 

オーナーに感謝しながら郷田はヤツカハギを見る。

 

ヤツカハギ「ガアァ…ガアァァァァァァァ…」

 

手榴弾の爆発による衝撃にヤツカハギは怯んでいた。

 

キラメイイエロー「よし、今の衝撃で怯んでるぞ!」

 

クリス「一斉に攻撃だ!!」

 

怯んでいるヤツカハギを見てキラメイイエローとクリスが言う。

 

響「どりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

切歌「デース!!」

 

クリス「ほだえやがれ!!」

 

『キラメイショット!!』

 

郷田「うおらあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

リル「がうがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

2人の言葉を合図に全員が一斉にヤツカハギに攻撃を加える。

 

ヤツカハギ「ガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?」

 

一斉攻撃を喰らいヤツカハギは悲鳴のような雄叫びを上げる。

 

ヤツカハギ「ガ、ガアァァァァァァァ………」

 

触手を全て破壊されたヤツカハギだったが、まだ生きており千切れた触手も再生が始まっていた。

 

キラメイイエロー「まだ生きてやがるのかよ!!」

 

クリス「だが、虫の息だ!完全に回復する前に…」

 

未だに動くヤツカハギにさらなる攻撃で追い詰めようとした矢先、郷田が静止した。

 

郷田「……」

 

そしておもむろに落ちていた先が尖ったパイプを拾い上げるとヤツカハギを見る。

 

ヤツカハギ「グルルルル…」

 

ダメージが大きいヤツカハギは威嚇するように喉を鳴らす。

 

そんなヤツカハギを見て、郷田はパイプを握る手に力を籠め、あの日のことを思い出していた。

 

 

 

それはおやっさんから郷田に伝授しようとした締め方だった。

 

まな板には仕入れた生タコがおり、おやっさんの手に触手を絡ませていた。

 

おやっさん「郷田よ、よく見とけ。たこをしめるときゃな、急所を一息に突き刺してやんだ」

 

郷田「急所?」

 

おやっさん「あぁ。下手に加減したりすりゃかえってたこを苦しめちまうからな」

 

たこを苦しませず、ひと刺しでしめることを言う。

 

おやっさん「いいか?目と目の間だ。そこを……」

 

たこの目と目の間に狙いを定めたおやっさんは活け締め用のピックで突き刺した。

 

急所を突き刺され、たこは一瞬で動かなくなった。

 

おやっさん「こうやって愛情込めてな」

 

郷田「へい」

 

おやっさん「これが一発で決められるようになれば一人前だ。お前も早く憶えて、いつか俺の跡を継ぐんだぜ」

 

郷田に期待をしていたおやっさんはそう優しく微笑んで言うのだった。

 

 

 

郷田「たこの急所…一息に刺す」

 

教えられたことを思い出しながら郷田はパイプを構える。

 

郷田「おやっさん。今、楽にしたる」

 

そう言って覚悟を決めた郷田は走り出し、同時にヤツカハギは千切れた触手の再生が終わり、郷田に襲いかかってくる。

 

郷田「堪忍や……!」

 

かつて恩師の生前の姿と思い出が郷田の中でフラッシュバックし、触手を回避すると教えてもらった通りに、目と目の間にパイプ刺した。

 

ヤツカハギ「グガ…!?」

 

パイプが刺さり、それまで再生しようとしていたヤツカハギは色抜けするように真っ白になり、動くことは無かった。

 

響「や、やった…?」

 

クリス「どうやって…」

 

白く変色し、動かなくなったヤツカハギを見て、不死身に近い敵をどうやってトドメを刺したのかとクリスは聞く。

 

郷田「たこの…急所や」

 

クリスの疑問に答えるように、郷田はそう言うと奥歯を噛みしめながらホールから出ていこうとする。

 

(実際のタコも目と目の間に急所があり、それをハサミなどを差し込んで切るもしくは、ナイフや活け締めピック、割り箸などで刺すことが絞め方とされている。)

 

キラメイイエロー「あ、おい!」

 

キラメイレッド「為くん!今は一人にさせてあげよう」

 

追いかけようとしたキラメイイエローをレッドが呼び止めた。

 

ただでさえ、大切な恩師が目の前でB.O.W.に変異させられてしまったことにショックを受けている郷田をそっとしておこうというレッドなりの優しさだった。

 

最後の急所による一撃は、これ以上恩師を苦しませないように覚悟を決め、師の技を受け継いだ弟子の手向けであった。

 

そられを察したイエローは郷田を追うことはなかった。

 

 

 

郷田「……」

 

エイジアから出ると辺りをすでに暗くなっており、行きかう人も少なくなっていた。

 

壁を一つ挟んで、バイオテロの現場となっているのだから仕方ないとは言え、少し危機感が感じられなかった。

 

その時だった。

 

オンラキ「グウォオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」

 

雄たけびのような声が聞こえて、見るとエイジアの近くに設置されていた壁が突如強い衝撃と共に拉げ、隙間からオンラキが顔を覗かせていた。

 

壁を警備していた自衛官たちは後退して銃を構え、迎え撃とうとする。

 

ゾンビ『ガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!』

 

それと同タイミングで、オンラキが空けた隙間からゾンビたちが集団となってなだれ込んできた。

 

ゾンビたちの集団に驚いた人々は我先にと逃げ始め、構えていた自衛官たちは銃を発砲してゾンビの侵攻を防ぎ始めた。

 

しかし、多勢に無勢故にあっという間に自衛官たちはゾンビの群れに飲まれて悲鳴を上げて食い殺された。

 

郷田「…うおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

逃げる人々の流れに逆らって、郷田はゾンビの大群とオンラキへ単身向かっていくのだった。

バイオハザード5篇について!

  • 明日からでもいいからOTE篇と交互に!
  • OTE篇のあとでいいよ!
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