戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

1213 / 1283
第901.5話 林の回想

それは神室町で最初のバイオハザードが起きる数日前のことである。

 

近江連合直系郷龍会事務所にて、DDはワインボトルからワインをグラスに注いでいた。

 

その後ろには林が睨み付けていた。

 

林「おどれの目的はなんなんや?」

 

DD「目的?」

 

林に聞かれてDDは惚けるように首をかしげる。

 

林「二階堂となんやこそこそやっとるやろ」

 

DD「それならお身内の二階堂さんと話されるのが筋でしょう?わざわざ私を尾けてきたのは二階堂さんが怖いから?」

 

二階堂と密かに計画を立てていることを言われて、DDは再度惚けつつ、林を小馬鹿にするように言う。

 

林「アホ抜かせ。わしの方が兄貴分じゃ」

 

言われた林は少しキレ気味に否定する。

 

確かに郷田が失脚して、二階堂は近江内で頭角を表し、いまや郷田の跡を継ぎ郷龍会三代目会長にまで登り詰めている。

 

いつ立場が逆転されるか分からず、焦ってはいたのは確かだった。

 

DD「縦社会で下に追い越されるのって、どこの国でも悲劇ですよね」

 

そんな林の焦りを見抜いたDDはワインを一口のみながら言う。

 

林「話を逸らすんやない」

 

話を逸らすDDに林は話を本題に戻す。

 

林「こっちもな、ワレが武器商人で、なんや妙ちくりんな連中と裏で手を組んどるところまでつかんどんのじゃ」

 

DD「だとしたら?」

 

自身が武器商人であり、林曰く妙ちくりんな連中こと蛇竜一派と手を組んでいるという情報をつかんでいると言われながらもDDは棚にワイングラスを置いて余裕を崩さずに聞き返す。

 

林「わしんとこは今、そないな戦争抱えとらん。ほな、二階堂はなんでワレみたいなもんに用があんのんじゃ?おどれら、なに企んどんねん?」

 

先の郷田が引き起こした東城会との一大抗争を終えて以降は武器商人が出るような大きい抗争の兆しも起きている情報は無い。

 

にもかかわらず裏社会で名を広めているDDのような闇の武器商人と二階堂が接触しているのか問いただそうと林は言う。

 

DD「それについては、やはりあちらからお聞きいただいた方がいい」

 

林に問われたDDは視線を別の方向に向けながら言うと、林はその方を向いた瞬間だった。

 

腹部からズブリと鈍く激しい痛みに襲われて下を見ると、腹部に穴が空いて血が滲み出ていた。

 

ビーザック「キーッヒッヒッヒッヒッ!」

 

自身の体から血が滲み出ているのを確認した林の目の前にゆらりと背景が歪むとハチの腹を模した武器【ハードックショッカー】を突き刺した蜂型の怪人【ビークラッシャー】の1人【変幻鎧将】の異名を持つ【ビーザック】が現れた。

 

現れたビーザックは林を蹴り飛ばしてハードックショッカーを引き抜いた。

 

林「ぐおぁ!?」

 

蹴り飛ばされた林は仰向けに倒れこんでしまう。

 

二階堂「林さん。同じ組うちだとうが、人のシノギに口出すんはまずいちゃいまっか?」

 

そこへ二階堂が現れて刺された林に言う。

 

林「に、二階堂……!」

 

吐血しながら林は二階堂を睨む。

 

武器商人だけでなく、怪人と手を組んだ二階堂に林は怒りが汲み上げていたのだ。

 

DD「でも、ちょうどよかった」

 

そこへ瀕死の状態である林にDDが拳銃のような機械を取り出して近づく。

 

DD「あなたのような、骨のある男を捜していたんです。かまいませんね?」

 

二階堂に確認を取ると、DDは林を蹴り飛ばしてひっくり返すと頭を掴んで持ち上げ、装置を首に押し付ける。

 

林「ワレ、なにさらすんじゃ!?」

 

DD「タナトス。ギリシャ神話の死を司る神です。苦痛はありませんよ。ただ受け入れればいいんです。甘美な死を」

 

林に聞かれたDDはそう答えると拳銃型の注射器のトリガーを引くと、温羅鬼やアラハバキに着いていた同じ装置が林の首に取り付けられた。

 

 

 

桐生「それでお前はそんな姿に…」

 

事情を聞いて桐生は、林が今の姿に成り果ててしまったことを理解する。

 

林「わしが…掴んだ情報やと…DDは…いや…蛇竜は…二階堂を利用して…ラ…ラクーンの…再来を…そし…て…用が済めば…に…かい…ど…」

 

二階堂を利用し、あのラクーンの再来を引き起こし、用が済めばと言ったとき、林の様子が変わり始めた。

 

林「あ、あぁ……か、甘美な死やぁあ!」

 

最期はタナトスに侵され、林はそう叫んで力無く絶命してしまった。

 

しかし、その目には涙が流れていた。

 

郷田「林ほどの男が……」

 

五代目近江連合舎弟頭補佐にまで登り詰めた林ほどの実力者すら、タナトスによりクリーチャーに変えられ、極道の道を外れたバイオテロに荷担させられたことと弟分である二階堂を止められなかった悔しさを、涙から感じとった郷田は言う。

 

桐生「郷田…」

 

心中を察した桐生は聞くと郷田は握り拳を作る。

 

郷田「行くで…この手で、ケジメをつけなアカンからな」

 

大事な舎弟や身内を利用しているDDたちにケジメを付けると宣言し、郷田は先へ進もうとする。

 

リル「かう!かうかう!!」

 

そこへリルも後ろから付いていこうとする。

 

桐生「どうやらこの上にいるやつにケジメつけたいのは、こいつも一緒のようだな」

 

リルの言葉を察して桐生も付いていこうとする。

 

郷田「…なら、離れるんやないで」

 

2人を見て郷田が言うとドアが破壊されてなにかがのれんを潜り抜けてきた。

 

極道ゾンビ『ガアァァァァァァァァァァァァァ!!』

 

イツキにより殺害されたであろう組員たちがゾンビとなって向かってきていた。

 

そんなゾンビたちに桐生は対物ライフル、郷田はガトリング、リルは四つん這いになって、それぞれ戦闘態勢を取るのだった。

バイオハザード5篇について!

  • 明日からでもいいからOTE篇と交互に!
  • OTE篇のあとでいいよ!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。