響「ガウくん、嫌だったら逃げていいからね」
クリス「変なこと言うな!!」
朝の日差しがカーテンの隙間から漏れる光とともにタイマーをセットした時計のタイマーが鳴っていた。
クリス「ん…もう朝…!?」
タイマーを止めて目を開けたクリスが見たのは裸で寝て股間辺りをクリスの顔に近づけていたガウだった。
クリス「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
驚いてクリスは人前では絶対に出さない声を上げて下がるがベッドから落ち頭を打ってしまった。
ガウ「がう…がう~」
クリスの声で目を覚ましたガウだがすぐにパタリと寝てしまった。
クリス「服着て寝ろぉーーーーー!!」
クリスの怒りの声が響き渡った。
ガウ「がう~…」
頭にたんこぶがあるガウは朝食のパンを食べていた。
あの後クリスの鉄拳が飛んで来て服を着て起きたのだ。
クリス「ったく、クーラーのタイマーで切れて暑くなって寝てる間に服脱ぐ奴があるかよ」
そう文句を言いながらクリスもパンにジャムを塗って食べる。
クリス「ん?ガウ、なんも付けないで食べてるのか?」
ガウ「がう?」
何も付けずにパンを食べているガウに聞くがクリスの言っている意味がわからないのかガウは首を傾げた。
クリス「ちょっと貸してみろ」
ガウ「がう」
クリスに言われてガウは食べていたパンを渡した。
パンを受け取ったクリスはジャムを塗った。
クリス「ほら食べてみろ」
ジャムを塗ったパンを渡して言う。
ガウ「がう…」
初めて見るジャムに少し警戒しながらガウは一口食べた。
ガウ「……」
一瞬の沈黙からの速攻で丸々一枚食べてしまった。
クリス「美味かったか?」
ガウ「がうがうー!!」
本当に嬉しかったのか尻尾を振って言うガウ。
クリス「そいつは良かった。ほら口にジャム付いてんぞ」
口に付いたジャムをティッシュで拭いてあげるクリス。
クリス「よし、綺麗になったな」
ガウ「がう~!」
拭いてもらったガウはお礼を言うように鳴いた。
ガウ「がう!がう~!」
クリスも口にジャムが付いているのに気づいたガウは椅子に立ってクリスの顔を掴んで直接舐めた。
クリス「わひゃ!?」
今回二度目になるクリスらしからぬ声を上げた。
クリス「お前な!」
ガウ「がう?」
怒られる理由が分からないガウは首を傾げた。
クリス「全く、お前は少し世話の焼ける弟だな」
まだまだ現代の一般常識が分からないガウをこれ以上怒っても仕方ないと判断したクリスはそう言ってガウの頭を撫でた。
ガウ「がうー」
ガウもクリスのことを最初は怖い女の人かと思っていたが意外と優しい一面を持っていることを知り、厳しくも優しいお姉さんと思っていた。
ただ…。
響「クリスちゃーん!!」
クリス「ひっつくなバカ!!」
ひっついてくる響を思いっきり殴るクリス。
響「いったー!?」
殴られた響は頭を抑えた。
ガウ「がう…」
この二人は仲が良いのか悪いのか、それだけが分からなかった。
翼「あれは仲がいい証拠だな」
ガウ「がう?」
マリア「まだガウには早い早いわよ。翼」