戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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響「復帰兼特別回ー!」

クリス「ちょっと滅茶苦茶な感じだが許してくれよ?」

翼「では…」

ガウ「がうがう~!」


クリスマス・特別復帰回
特別回 ~メリークリスマス~


「「「「メリー・クリスマース!!/デース!!」」」」

 

響、未来、切歌、調の4人が同時にクラッカーを鳴らした。

 

ガウ「がう?」

 

ただ1人、ガウだけはクリスマスの意味が分からないのか首を傾げていた。

 

響「あれ、どうしたのガウくん?」

 

未来「もしかしてクリスマスを知らないの?」

 

ガウ「がう…」

 

ガウが何で響たちがこんなに楽しそうにしているのか理解出来ないのを悟った未来が言うと頷くガウ。

 

調「そっか。ガウくんは元々恐竜だったから人間の行事を知らないんだっけ」

 

クリス「そう言えばそうだな…って何でアタシの家に来てんだよ!!」

 

今更ながら響たちがいるのはクリスの家で、絶賛家主がツッコミを入れる。

 

響「もう良いじゃんクリスちゃん、細かいことは」

 

クリス「細かくねーよ!!」

 

口喧嘩しだす2人。

 

ガウ「がう…がうがう~」

 

そんな2人をほっといてガウは未来の側に寄る。

 

未来「どうしたの?」

 

ガウ「がうがう~、がう~」

 

未来「もしかしてクリスマスのことを知りたいの?」

 

ガウ「がう~」

 

未来「そうね…簡単に言えば1年に1度だけ、誰でも幸せになれる日、かな」

 

ガウ「がう?」

 

未来「世の中には恵まれない人たちが沢山いるんだよ。でも1年に1度だけそんな人たちでも幸せになれる日…それがクリスマスなんだ」

 

ガウ「がう…がうがう、がうがうがう」

 

1年に1度だけ誰でも幸せになれると聞いたガウは自身を指差して聞いてきた。

 

未来「うん。ガウくんもだよ」

 

ガウ「がう~」

 

言われてガウは未来に抱きつく。

 

未来「もう、ガウくんったら…いきなり抱きつかないでよ」

 

響「あー!ガウくんずるーい!私も混ぜろー!!」

 

未来に抱きつくガウに響はクリスとの話を打ち切り乱入してきた。

 

クリス「はしゃぐな、バカ!!」

 

怒鳴るクリスだが内心は羨ましがっていた。

 

クリス「誰がだよ!!」

 

切歌「クリス先輩…誰にツッコミを入れてるデス?」

 

調「マリアといい、翼さんといい…みんなたまに誰にツッコミを入れてるか分からないよね」

 

クリス「気にするな」

 

 

 

その日の夜、ガウは響と未来が住んでいる部屋のベランダに出ていた。

 

ガウ「………」

 

寒い中、ガウは夜空を見上げていた。

 

今まで楽しい日々を過ごしていてふとガウは家族を思い出していた。

 

ガウが家族と住んでいたラゴス島は太平洋にある島で寒さとは無縁であったが1度だけ寒気に包まれたことがあった。

 

感じたことのない寒さが幼き自分や家族に襲いかかった。

 

寒さに耐えれず息絶えるのが何匹も出た…。

 

その時、家族が自身を中心にして固まり暖を取ったのだ。

 

最初は冷たく、寒かった…でも次第に暖まっていき寒くなくなった。

 

ガウはそれを気に家族の愛情を知ることができた。

 

だが今はその家族はいない…みんな死んでしまったから…あの悪魔の光で…。

 

生き残ったのは自分だけ…この世でたった1匹…。

 

そう思い出したガウの目から自然と涙が流れだした。

 

響「ガウくん」

 

ガウ「!」

 

呼ばれて振り向くと響が後ろに立っていた。

 

響「どうしたの?こんな寒い夜に…星空観賞?」

 

冗談混じりに言う響。

 

ガウ「がう~…」

 

涙を拭いてガウは響に抱きついた。

 

響「ガウくん……」

 

一瞬驚いた響だがガウが自身のパジャマを強く握っているのを見て何かを察するとガウの頭を優しく撫でた。

 

響「大丈夫だよ…ガウくんには私たちがいる。寂しいなんて言わせない、思わせない」

 

ガウ「がうぅ……」

 

響の言葉を聞いてガウは今まで塞き止めていた寂しさが涙となって流れだした。

 

響「よしよし…」

 

そんなガウを響は優しく撫でて慰めた。

 

ガウが暫くして泣き止むと待っていたように雪が降り始めた。

 

響「ほらガウくん、見て。雪だよ」

 

ガウ「がう…がう」

 

響に言われてガウは雪を見た。

 

響「神様もガウくんが元気になってほしくてホワイトクリスマスにしてくれたのかもね」

 

ガウ「がうがう。がうがう、がうー」

 

言われたガウは少し元気になって降ってくる雪の1つを手に乗せた。

 

ひんやりとしたあと直ぐに溶けてしまったがガウは不思議と冷たさより逆に暖かさを感じていた。

 

今の自分には新しい家族がいる…前の家族と同じ暖かさがある家族が…。

 

未来「2人して何してるの?」

 

響「未来!?起きてたの?」

 

未来「ちょっと寒くなったからね。ほらほらあまり雪が降ってるからって調子に乗ってると風邪引いちゃうよ。早く部屋に入ろう」

 

響「あはははは…そうだね。ガウくん、入ろう」

 

ガウ「がう!」

 

未来に言われて響とガウは部屋に入るとベッドに潜った。

 

未来「2人とも冷えきっちゃってるね」

 

響「えへへへ…未来は暖かいな~」

 

未来「もう…アレ?」

 

調子に乗っている響に未来は呆れているとガウが幸せそうな顔で寝ていることに気づいた。

 

未来「気持ち良さそうに寝てるね」

 

響「うん…きっと思いっきり泣いたからつっかえが取れたのかもね」

 

未来「うん。きっとそうだよ…」

 

響・未来「「ガウくん…メリークリスマス」」

 

幸せそうな顔で寝ているガウを見て2人はそう話すのだった。

 

今宵は12月24日…誰もが幸せになれる日。

 

生きとし生きる者に平等に幸福が舞い降りてくる日なのだ。




切歌「クリスマスはみんなとお祝いすると楽しいデス!」

調「うん。大切な人と大切な時間を過ごすといいことあるからね」

マリア「そうね」

響「それでは皆さん!」

「「「「「「「「メリークリスマス!!」」」」」」」

クリス「ん?何か人数多くないか?」

奏「さて何のことやら…」

セレナ「分かりませんね」

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