戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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セレナ「今回は私と…」

マリア「私たちが出番の大半を占めてるわ!」

響「だ、だんだん私たちの出番が食われてる…」

翼「なんとかせねば!」


第139話 カデンツァヴナ・イヴ姉妹

弦十郎「全員無事で何よりだ」

 

クリス「無事なんかじゃねーよ」

 

切歌「あの黒いノイズに手も足も出なかったデス…」

 

マリア「無理もないわ。相手はカルマノイズ…普通のノイズとは格が違い過ぎるわ」

 

ガウ「がうー」

 

セレナ「カルマノイズ?」

 

カルマノイズと聞いてセレナたちは首を傾げた。

 

マリア「その反応だとまだ戦闘経験が無いようね…」

 

調「何か知ってるんですか?」

 

マリア「えぇ、知ってるわ。何度も戦ったわ」

 

翼「出来れば教えてはくれないだろうか?」

 

マリア「良いわ。これから奴らとも戦わないといけないから少しでも情報を共有しておきましょう」

 

そしてマリアは話した、カルマノイズの恐ろしさとその能力を…。

 

マリア「……っと今のところ分かっているカルマノイズのことよ」

 

弦十郎「なるほど…一方的に人間を炭素化させるとは…」

 

翼「しかも生半可な攻撃では倒しきれず再生してしまう…」

 

調「それに絶唱とイグナイトって言うのでようやくギリギリの戦いになるなんて…」

 

クリス「んな滅茶苦茶なルール無用な奴は小型でも被害甚大じゃねーか!?」

 

マリア「そうよ。でもカルマノイズにはイグナイトは使えないわ」

 

切歌「何でデスか?」

 

マリア「カルマノイズ自体が人に破壊衝動を植え付ける呪いを持っているの。イグナイトの魔剣の呪いとカルマノイズの呪いが重なり破壊衝動に飲まれてしまい、最終的には暴走状態になるわ」

 

セレナ「じゃあ…あのカルマノイズ相手にそのイグナイトは…」

 

マリア「使えないわ。それとガウと同じくらいの大型のカルマノイズは私でも初めて見たわ。それに怪獣に化けているなんて」

 

ガウ「がうがうー!」

 

カルマノイズがゴジラに化けて暴れていたことにマリアと化けられたガウは言う。

 

弦十郎「カルマノイズ…全く厄介なのが現れたものだな」

 

マリア「でもカルマノイズを何とかすればこの世界の異変を防げるハズよ」

 

クリス「だったら早く奴らを見つけてたたんじまおうぜ!」

 

翼「そうは言うが何も手掛かりがないのだぞ?」

 

響「そうだよ~。マリアさんの話が確かならカルマノイズは神出鬼没だよ~」

 

クリス「そうだった…」

 

弦十郎「とにかく今日のところは家に帰ってくれ」

 

翼「そうですね」

 

響「はぁ~…もうクタクタだよ~」

 

弦十郎に言われて全員が帰って行った。

 

 

 

マリア「ごんなさいね。少しの間厄介になるわ」

 

ガウ「がう!」

 

並行世界から来たマリアとガウは切歌、調、セレナの家に厄介になっていた。

 

切歌「構わないデス!」

 

調「向こうの私たちのことも知りたいし」

 

セレナ「………」

 

並行世界の自分たちのことを聞きたい切歌と調に対してセレナはマリアを見て少し浮かない顔をしていた。

 

まだマリアがいることに違和感を感じているのだ。

 

確かにこの世界のマリアは死んだ…でも目の前にマリアがいる…嬉しいのだがどこかで否定している自身にセレナは心がぐちゃぐちゃになっていた。

 

ガウ「がう~」

 

そんなセレナの前にガウはトコトコと歩いて来て横になると目の前で丸まった。

 

セレナ「え?あ…」

 

自身の目の前で丸まったガウにどう対処したら良いか分からず戸惑ってしまうセレナ。

 

マリア「頭を撫でてあげて」

 

セレナ「え?」

 

戸惑っているセレナにマリアは言う。

 

マリア「ガウは基本的に「がう」しか言えないからその分を体の行動で伝えているのよ」

 

マリアの解説を聞いてセレナはガウの頭を撫で始めた。

 

ガウ「がう~♪」

 

頭を撫でられてガウは嬉しそうに尻尾をフリフリ振っていた。

 

そんなガウの姿を見てセレナは自身の心がぐちゃぐちゃになっていることを忘れていた。

 

 

 

マリア「セレナ…何か抱えてることはない?」

 

セレナ「え?」

 

寝る時間になって調と切歌はガウと共に寝るらしくガウを自身たちの部屋に連れ去ってマリアはセレナと寝ることにしてそう聞いてきた。

 

マリア「貴方を見ていると前に行った並行世界で会った奏を思い出したの」

 

セレナ「奏さんって…前に翼さんとユニットを組んでいた前のガングニールの適合者だった…」

 

マリア「そう…この世界にも奏と翼はユニットを…」

 

セレナ「それで私を見てると並行世界の奏さんを思い出すって?」

 

マリア「似てるのよ。目の前で大切な人を失ってしまったのに並行世界からその大切な人が現れて心の中がぐちゃぐちゃになってるのが」

 

セレナ「………」

 

図星を突かれてセレナは暗い顔になる。

 

マリア「大丈夫よ。それは私だって同じ…私だってセレナを目の前で失った…でも並行世界でまたこうしてセレナと会えた。確かに心の中がぐちゃぐちゃになったけど…それより『並行世界ではセレナが生きていてくれている』…そんな嬉しさがあったわ」

 

暗い顔になったセレナにマリアは優しく微笑みながら言う。

 

セレナ「マリア…姉さん…う…うぅ…うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」

 

マリアの微笑みを見てセレナはマリアに抱きついて大いに泣いた。

 

今まで塞き止めていた想いが涙となって自身の心の中にあったぐちゃぐちゃと共に流れていく。

 

泣き続けるセレナをマリアは優しく頭を撫でていた。

 

セレナ(変わらない…並行世界のマリア姉さんでも…マリア姉さんはマリア姉さんだ…私の知ってる…優しくて…大好きな…マリア姉さん……)




切歌「あー…ガウくんの髪はさわり心地抜群デース」

調「うん。並行世界の私たちはこんな気持ちいいのに毎日触ってるなんて…羨ましい」

ガウ「がう~♪」

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