切歌「ヤバいデスよ、響さんの怒りメーターが急激に上がってるデス!」
翼「は、早く小日向を…!」
調「それがまたおばあちゃんが怪我してお見舞いに…」
クリス「タイミング悪すぎだろ!!?」
マリア「私たちだけじゃ止められないわよ!?どうするの!?」
番外編 ガウといろいろな人(SP)
ガウ「くあぁ~…」
いつものように真冬でも唯一暖かい昼の日差しを受けながらガウは気持ちよく昼寝をしていた。
ただ…。
?「………」じーっ
ガウの隣では褐色の肌に尖った耳をした、腰まで長く伸びた金髪のダークエルフの少女が見ていた。
ガウ「………」
流石のガウもこれをどうしたものかと考えていた。
?「………」じーっ
ガウ「がう~…」
我慢出来ず動ごうとするガウ。
すると少女はガウの尻尾を掴んだ。
ガウ「がう~…がう?」
尻尾を掴まれてガウは少し不機嫌になって少女を脅かそうとしたが自身の尻尾を掴む少女の手が震えていることに気付いた。
ガウ「がう?がうがう…」
手が震えている少女にガウは脅かすのを止めて再び眠りについた。
?「……」
再び眠りについたガウを見て少女はその隣に横になって眠り始めた。
その日の夕方。
響「ガ~ウく~ん!」
未来「ただいま~…ってアレ?」
授業が終わって近くの商店街に買い物に行ってきた響と未来が見たのは寄り添うように眠っているガウと少女だった。
響「ふえ!?だ、誰なn…むが!?」
少女に驚いて大声を上げそうになる響を未来が塞いだ。
未来「気持ち良さそうに寝てるから晩ご飯が出来るまで静かに寝かせて上げよう。ね、響」
小声で響に未来は言う。
響「未来…う、うん…」
少し納得出来ないでいる風の響は頷いた。
未来「じゃあ、響。晩ご飯作るの手伝って」
響「えぇ!?わ、私も!?」
未来「そうだよ。ガウくんに響の美味しいご飯を食べさせてあげよう。ね?」
響「うぅ…わ、分かった…」
そう言う未来は内心ではガウのことになると響は色々なものを破壊して被害を出してしまうと翼たちから聞かされていたので家の物を破壊される前に響を引き離そうという未来の策略であった。
ガウ「がう?」
台所から良い匂いを感じてガウは目を覚ました。
響「あ、ガウくん!」
未来「ナイスタイミングで起きたね。丁度晩ご飯出来てるよ」
丁度晩ご飯を並べ終えた響たちが起きたガウに言う。
因みに今日の晩ご飯はハンバーグのようだ。
ガウ「がう~!がう、がう~」
晩ご飯が出来ていると聞いてガウは寄り添って寝ている少女を起こした。
?「………!?」
起きた少女は響と未来を見て驚いてガウの影に隠れた。
響「ど、どうしたの?」
急に自分たちを見て隠れた少女を見て響は驚く。
隠れた少女はカタカタと体を震わせていた。
ガウ「がうがう。がう~、がうがうがう~」
震えている少女にガウは優しく鳴きながら言う。
?「………」
ガウの言葉が理解できているのか少女は響たちを見る。
響たちを見ている少女からガウは離れて席に座ると空いている席を叩いた。
ガウ「がうがうがう~、がう~」
?「………」
本当にガウの言葉が理解できているのか少女はガウが叩いていた席に座った。
未来「じゃあ、ガウくんたちも席についたから…」
響・未来「「いただきます」」
ガウ「がうがう!」
?「………」
手を合わせて言う響たちを見て少女も真似をした。
?「………?」
箸を知らないのか使い方が分からない少女は戸惑っていた。
未来「あ、ちょっと待ってて」
そんな少女を見て未来は食器棚からスプーンを出した。
未来「はい、よかったら使って」
?「………」
差し出されたスプーンに少女は恐る恐る受け取った。
少女がスプーンを受けとると未来は笑顔で少女を見た。
?「………」
未来からスプーンを受け取った少女はハンバーグを切って食べ始めた。
響「そう言えば…君、名前はなんて言うの?」
?「………」
響に名前を聞かれて少女はガウに助けを求めるように近付いた。
まだ響には警戒心があるようだ。
ガウ「がう、がう、がう~、がうがう~」
助けを求めるように近付いてきた少女にガウは響が安全な人だと伝えるように鳴いて言う。
?「………」
ガウの言葉を聞いて少女は響を見て口を開けた。
ウァラ「ウァラ…私の名前…ウァラ」
ダークエルフの少女―『ウァラ』はそう名乗った。
響「ふー…ふー…ふー…」
クリス「な、何とか止まったか…」
調「ギリギリ…」
切歌「未来さ~ん…早く帰って来てくださいデ~ス…」