クリス「今回はどんな敵が出るんだろうな」
翼「分からないがどんな敵でも私たちなら大丈夫だ」
ガウ「がう~!」
第172話 隕石
その日、翼とマリアは北海道の支笏湖の北西約1km先にある恵庭岳近くに来ていた。
恵庭岳にはすでに陸上自衛隊第11師団化学防護小隊が現場近くを封鎖して現場検証していた。
渡良瀬「S.O.N.G.の方々ですね。陸上自衛隊大宮駐屯地から派遣されています渡良瀬 佑介二等陸佐です」
花谷「同じく陸上自衛隊大宮駐屯地から派遣されています花谷一等陸尉です」
現場に着いた翼とマリアは近くのテントに入ると大宮駐屯地から派遣された二等陸佐『渡良瀬 佑介』と一等陸尉『花谷』の2人が出迎えた。
翼「S.O.N.G.の風鳴 翼です」
マリア「同じくマリア・カデンツァヴナ・イヴです」
渡良瀬「さっそくですが現場に付いて説明させていただきます。昨夜未明に北海道全域に隕石が降り注ぎました」
花谷「その内の1つがここ恵庭岳に落ちました。落ちて直ぐに陸上自衛隊第11師団化学防護小隊が出動しましたがすでに隕石はありませんでした。代わりにこんなのが…」
そう言って花谷は現場と思われる写真を机に置いて翼とマリアに見せた。
写真には巨大なクレーターとそれに続いたような薙ぎ倒された木々や抉られた地面が道のようになっているのが写っていた。
マリア「何かが通った跡?」
翼「怪獣…にしては小さすぎるな」
マリア「じゃあUFO?」
渡良瀬「UFOにしてはこんな地面すれすれで動くには不自然過ぎます」
翼「そうですね…じゃあいったいなぜこんな跡が…」
渡良瀬「それを今回、我々自衛隊とあなた方S.O.N.G.とで調べるんです」
マリア「分かりました。私たちも生で現場を見たいので」
花谷「分かりました。では自分が案内します」
花谷に案内されて翼とマリアは現場を見に行った。
マリア「翼、どう思う?」
翼「あの跡か?私になり今考えてはいるが…宇宙怪獣にしては幅が小さすぎるからな…」
マリア「ガウなら何か分かると思うけど…」
翼「あぁ…ガウは今、季節が真逆の国にいるからな」
見せられた写真のことを話していると不意に季節が真逆の国にいるガウのことを言う。
オーストラリア南東部のタスマン海に面するニューサウスウェールズ州の州都シドニーから約20km彼方の場所にて1頭の怪獣が疾走していた。
?「グオガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
顔はイグアナに似ていて、獣脚類に近い体型。
イグアナや人間に似た長い腕が特徴で、頭部の上側が平らに近く、目や鼻が水平になっているのは現生や古代のワニやカピバラ、カバや古代の鯨などに似ている特徴がある怪獣。
かつてニューヨークに出現したゴジラに似て非なる怪獣―『ジラ』が雄叫びを上げて疾走していた。
ジラの時速は400kmから480kmで目の前までシドニーの都市が見えていた。
ジラがシドニーに入りかけたその時…。
ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
シドニーに迫っていたジラの前の地面からゴジラが出現した。
シドニーに出現して現地軍が最初に攻撃したがジラの俊敏と知能の高さの前に壊滅、現地政府はS.O.N.G.に救援を要請と同時にゴジラの出現要請が来たのだ。
救援と出現要請を受けて大陸プレートを通ってゴジラはオーストラリアに辿り着いたのだ。
ジラ「グオガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
2体の怪獣が同時に雄叫びを上げて威嚇する。
ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
先にゴジラが放射火炎を発射する。
ジラ「グオガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
ジラは俊敏に動いて放射火炎をかわすとゴジラの側面に回る。
側面から攻め込む算段なのだろうがゴジラにそんなのは通用しない。
側面から回り込んでくるのが分かっているゴジラは一回転して尻尾をジラの横腹に叩き込んで凪ぎ払った。
ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
凪ぎ払ったジラにゴジラは放射火炎を発射する。
ジラ「グオガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
放射火炎を喰らってジラは断末魔を上げて爆散した。
ゴジラ「グルルルルル……」
爆散したジラを見てゴジラ引き上げようとしたが何かを感じて振り向いた。
ゴジラ「グルルルルル……」
何かを感じていたゴジラだが何も無いと判断して引き上げていった。
ジラが倒れた炎の中でゆらりと揺れ動く影があったがゴジラは気付いてはいなかった。
調「では次回を…」
切歌「お楽しみにデース!」