戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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奏「今回はちょっと長めだ」

セレナ「なんでもAXZに間に合わせるために長めにしたそうです」

奏・セレナ「「それではどうぞ!」」


第25話 復活の守護神

響「え!?帰ってきてない!?」

 

ホテルに着いた響とクリスはロビーにてエルフナインたちが帰ってきてないことを聞かされて驚いていた。

 

従業員「はい。一条一日は帰れないと仰ってましたが2日経っても連絡がないので我々も心配しておりまして」

 

ロビーの従業員が言う。

 

響「クリスちゃん、玉泉洞に行ってみよう」

 

クリス「いや、アタシ一人で行く。お前はここで置物を見ていてくれ」

 

響「でも…」

 

クリス「安心しな。アタシがそう簡単にくたばるかよ」

 

そう言ってクリスは置物が入った箱を響に預けてホテルを出ていった。

 

 

 

その頃、エルフナインはメカゴジラの頭部内部にてコントロールパネルの修理をしていた。

 

エルフナイン「ふぅ…」

 

修理が終わったのかエルフナインは息を着く。

 

司令官『どうやら終わったようですね。降りてきてください』

 

司令官の声が聞こえてエルフナインはメカゴジラから降りていく。

 

後ろからは銃を持った第三惑星人がついて来ていた。

 

司令官「ではメカゴジラの復活を祝って乾杯しようではありませんか」

 

司令官はそう言って自身のコップにブランデー、エルフナインのコップにジュースを注いだ。

 

エルフナイン「それよりみなさんを早く釈放してください!」

 

司令官「あぁ、そうでしたね。直ぐに手配しましょう、ついてきてください」

 

エルフナインは司令官についていく。

 

 

 

司令官とエルフナインが行き着いたのはある部屋の扉だった。

 

扉の前には見張りの第三惑星人がいた。

 

司令官「扉を開けろ」

 

第三惑星人「はっ」

 

司令官に命令されて扉を開ける。

 

司令官「どうぞ」

 

入るようにエルフナインに言う。

 

エルフナインは少し警戒しながらも部屋に向かう。

 

入り口までエルフナインが行くと司令官が背中を押した。

 

エルフナイン「うわっ!」

 

押されてしまったエルフナインはバランスを崩して倒れてしまった。

 

その瞬間、扉が閉まり鍵を掛けられた。

 

マリア「エルフナイン!」

 

翼「無事だったか!」

 

背中を押されて倒れたエルフナインに駆け寄るマリアと翼。

 

エルフナイン「みなさんもご無事で…」

 

友里と緒川もいる、互いに無事であることを確認した。

 

司令官「最期の夜を共に過ごしてください。ははははははは!!」

 

窓からエルフナインたちを見て司令官は戻っていった。

 

友里「怪我は無いみたいね。でもそこに休ませましょう」

 

そう言ってエルフナインを近くの段差に座らせようとした時だった。

 

段差の穴から高熱の水蒸気が噴射した。

 

緒川「あつっ!」

 

エルフナイン「熱い!」

 

別の方の段差に行くがそこからも高熱の水蒸気が噴射された。

 

他の段差全てからも高熱の水蒸気が噴射された。

 

中央に避難するが屋根の電球から高温の熱により照らされる。

 

翼「私たちを蒸し殺す気か!!」

 

第三惑星人たちの意図に気付いて言う。

 

司令官「フフフフ…」

 

そんな姿を司令官は笑いながらブランデーを飲んでいた。

 

第三惑星人「司令、洞窟に侵入者です」

 

モニターの前にいた第三惑星人が司令官に報告した。

 

司令官「ん?」

 

報告を聞いた司令官はモニターを見ると玉泉洞内部の映像にクリスが映っていた。

 

司令官「始末しろ」

 

第三惑星人「はっ」

 

司令官の指示を聞いて席を立ってクリスの始末に向かった。

 

 

 

クリスは辺りを警戒しながらエルフナインたちを捜していた。

 

クリス「センパイたち、無事でいてくれよ」

 

そう呟きながら先に進むクリス。

 

その後ろからは銃を持った第三惑星人が近付いていた。

 

クリスはまだ気付いていない。

 

銃の引き金に指を掛けた。

 

玉泉洞に銃声が響いた。

 

クリス「!?」

 

第三惑星人「ぐあぁぁぁぁぁ…」

 

クリスが振り向くと気絶して倒れる第三惑星人がいた。

 

クリス「なにがどうなって…」

 

なにが起きたか分からないクリスは第三惑星人に近づくと第三惑星人の腕が猿人のような毛深いのに変わった。

 

すると玉泉洞の入り口側からサングラスを掛けている男性が現れた。

 

その手には黒光りした物―拳銃が握られていた。

 

?「またお会いしたね」

 

クリス「あんたはいったい…」

 

南原「これは申し遅れたインターポールの捜査官 南原です」

 

クリスに聞かれて男性はインターポール捜査官『南原』と名乗った。

 

クリス「アタシは…」

 

南原「君たちのことは有名だから知っている。国連直轄のタスクフォースS.O.N.G.所属でシンフォギアの雪音 クリスさんだね」

 

名乗ろうとしたクリスのことを知っているようで言った。

 

南原「我々は半年前からコイツらの不可解な行動に目をつけてマークしていたんです」

 

クリス「マジかよ…」

 

南原「マジだよ。おら、起きろ」

 

南原は気絶している第三惑星人を蹴って起こした。

 

第三惑星人「ぐっ、つぅ~…!?」

 

起き上がった第三惑星人は自身の前で銃を構えている南原に驚く。

 

南原「貴様らのアジトに案内してもらおうか」

 

銃を向ける南原に言われて第三惑星人はアジトまで二人を案内する。

 

とある一角の壁に着くと鍾乳石に偽造したスイッチを押して閉じられた入り口を露にした。

 

第三惑星人『アルファ!』

 

入り口の向こうから声が聞こえた。

 

第三惑星人「ケンタウルス!」

 

そう言うと入り口が開いて中から別の第三惑星人が出てきた。

 

南原「はっ!」

 

第三惑星人A「ぐあっ!!」

 

第三惑星人B「ぎゃっ!!」

 

入り口が開いて直ぐに南原は最初の第三惑星人を気絶させて、入り口から出てきた第三惑星人を撃ち殺した。

 

南原「よし、中に入るぞ!」

 

クリス「あぁ!」

 

中に侵入する二人。

 

侵入した二人はそのままある部屋の前にきた。

 

部屋にあった窓からクリスは中を見た。

 

そこには部屋の中央にいるエルフナインたちがいた。

 

クリス「センパイたち!?」

 

エルフナインたちの姿を確認するなりクリスは部屋の扉を開けようとするが鍵が掛かっていて開かなかった。

 

南原「どけっ!」

 

南原に言われてクリスは扉から離れた。

 

クリスが離れたのを確認した南原は扉の横にあった赤いボタンに向かって発砲し、破壊した。

 

赤いボタンが破壊されて扉が開いた。

 

クリス「センパイ、エルフナイン、マリア!!」

 

中には入ったクリスは翼とエルフナインに駆け寄る。

 

南原「大丈夫ですか!?」

 

南原もあおいと緒川に駆け寄る。

 

第三惑星人C「動くな!!」

 

5人を連れ出そうとした時、銃を向ける第三惑星人二人がいた。

 

第三惑星人D「銃を捨てろ!」

 

南原「ちっ…」

 

不利と判断した南原は銃を捨てる。

 

第三惑星人C「両手を頭の上に上げろ!」

 

言われるがままに両手を上げるが南原は腰を経由した。

 

そして…

 

南原「伏せて!!」

 

南原が言いながら腰にあった新たに2丁の銃を出して発砲した。

 

第三惑星人C・D『ぎゃあぁぁぁぁぁ……』

 

2丁の銃から放たれた弾丸は第三惑星人の首に当たり、血を吹き出して倒れ、ゴリラの顔に近い本性が露になった。

 

クリス「これで3度助けられたな」

 

南原「3度?」

 

クリス「洞窟と今、そして船の時も入れてだよ」

 

南原「分かってましたか。ですが今は出口に行きましょう!」

 

南原に言われて7人は外へ向かった。

 

 

 

7人が外に出ると辺りは暗くなっていた。

 

響「クリスちゃーん!!」

 

そこへ置物が入った箱を持った響が慌てて走ってきていた。

 

響「あ、翼さんたち無事だったんですね!」

 

翼「あぁ、雪音たちが間に合わなければ蒸し焼きになっていた」

 

クリス「響!お前、待ってろって言ったろ!!」

 

響「ご、ごめん。でも空に赤い月が…」

 

エルフナイン「え!?」

 

響が指差した方を見ると赤い月が沈みつつあった。

 

南原「こうも予言が当たるなんてな」

 

響「あ、貴方は?」

 

クリス「インターポールの捜査官だと」

 

響「えぇ!?」

 

南原「まぁね。私はもう一度奴らの基地に侵入するよ」

 

エルフナイン「なら僕も連れていってください!翼さんたちを救うためとは言え悪魔に協力してまったんです。責任を取らせてください!」

 

翼「それなら私たちも行こう」

 

マリア「取られたギアを取り戻さないといけないからね」

 

南原「分かりました。ではお二人はS.O.N.G.の司令官に事を伝えてください」

 

友里・緒川「「分かりました」」

 

クリス「じゃあ、アタシと響は祠に行くぜ」

 

南原「なら急ぎましょう!」

 

8人はそれぞれの目的の場所へ向かっていった。

 

 

 

祠に向かったクリスと響。

 

月は沈み、空は明るくなりつつあった。

 

響「ここみたいだよクリスちゃん」

 

クリス「らしいな」

 

祠に近づいた時、祠の後ろから那美と那美の祖父を人質に取った二人の第三惑星人が現れた。

 

第三惑星人E「コイツらを殺されたくなければ置物を渡せ!!」

 

クリス「卑怯ものが!」

 

人質を取っている第三惑星人たちを睨みながら言うクリス。

 

祖父「これもみんなアンタらのせいじゃ!アンタらが置物をそっとしといてくれればワシも那美もこんな目には遇わなかったんじゃ!」

 

響とクリスに向かってなじる。

 

第三惑星人F「さぁ、どうする!!」

 

響「渡そう…クリスちゃん…」

 

クリス「くっそ!」

 

響が置物を地面に置いて離れた。

 

第三惑星人の二人は互いに顔を見合わせて頷くと祠前にあった階段を降りたその時、響とクリスの後ろから銃声がして第三惑星人二人の腕を負傷させ銃を落とさせた。

 

響・クリス((今だ!!))

 

響「Balwisyall Nescell gungnir tron…」

 

クリス「Killter Ichaival tron…」

 

好機と判断した二人は『ガングニール』と『イチイバル』の起動詠唱を唄う。

 

響「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

クリス「ぶっ飛びやがれ!!」

 

ギアを纏って響は殴り飛ばし、クリスはボウガンで攻撃した。

 

第三惑星人E・F『ぐぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ……」

 

響に殴り飛ばされた第三惑星人は祠の後ろにあった岩壁に叩きつけられ、クリスに攻撃された第三惑星人は矢が刺さって仰向けに倒れ、本来の姿を露にした。

 

響「それにしても今の銃声は…」

 

?「いやぁ、それがシンフォギアの力ですか」

 

声の方を見るとサングラスを掛けている白いスーツの男性が現れた。

 

その左手には拳銃を持っていた。

 

クリス「アンタは?」

 

田村「インターポール捜査官 田村です」

 

響「インターポール!?じゃあ南原さんとは…」

 

田村「はい、同僚です。それより早く置物を」

 

響「あ、はい!」

 

南原の同僚のインターポール捜査官『田村』に言われて響は箱を拾うと階段を登り、箱を開けて祠の上に置物を置いた。

 

そして日が登り始めた。

 

クリス「おい、太陽が西からも上がってきたぞ!」

 

クリスに言われて見ると東だけでなく西からも太陽が登り始めていた。

 

田村「いや、アレは蜃気楼だ」

 

響「そうか『太陽が西から登る』って蜃気楼だったんだ!」

 

響がそう言った時、蜃気楼の太陽の日が置物に当たった。

 

朝日は置物によって増幅され、万座岬の岩山を撃った。

 

万座岬は大爆発で岩肌が崩落し穴が開いた。

 

そしてその中から1匹のシーサーに似た怪獣―『キングシーサー』の姿があった。

 

響「アレがキングシーサー…」

 

クリス「でも動いてねーぞ?」

 

田村「まさかまだ深い眠りについたままか?」

 

 

 

第三惑星人G「司令、キングシーサーが姿を現しました!」

 

司令官「ようし、復活したメカゴジラの餌食にしてやる。メカゴジラ、発進!!」

 

司令官がそう言うと格納庫の天井が開いてメカゴジラが足元のロケットを噴射させて出撃した。

 

丁度そこへエルフナインたちが来たがメカゴジラはすでに出撃して空の彼方だった。

 

南原「くそ、遅かったか」

 

エルフナイン「コントロール室に行って装置を破壊しましょう!」

 

エルフナインの提案を聞いて一同はコントロール室に向かった。

 

 

 

メカゴジラ「キシャアァァァァァァァァァァ!!」

 

基地を発進して僅か数分でメカゴジラは万座岬に着いて着地すると眠っているキングシーサーの元へ向かい始めた。

 

クリス「おい、やべーぞ!なんで起きねーんだよ!!」

 

メカゴジラが来ても起きないキングシーサーにクリスは苛立っていた。

 

メカゴジラとキングシーサーを交互に見ていた那美は意を決してどこかへ走り出した。

 

響「あ、危ないですよ!!」

 

止めに行こうとした響を那美の祖父が止めた。

 

祖父「キングシーサーを目覚めさせる者は、安豆味王族の継承者、那美しかいない」

 

そう響たちに告げた。

 

そして那美は万座毛の浜辺に着くと座り込んで祈りをするような体勢になった。

 

那美「くらい夜の とばりが消える

 

朝が来たら ねむりから さめてほしいの

 

私のシーサー 星の浜辺で 待っているの

 

シーサー 力強く 青いコラールをこえて

 

ほほの涙を ふいておくれ 

 

私のむねで もえている もえている

 

シーサー シーサー シーサー

 

キング シーサー

 

 

 

くらい夜の とばりが消える  

 

朝が来たら ねむりから さめてほしいの

 

私のシーサー やしの葉かげで 待っているの

 

シーサー 力強く 赤いディゴをぬって

 

私の願い 聞いておくれ

 

私のむねで まっている まっている

 

シーサー シーサー シーサー

 

キングシーサー」

 

キングシーサー「グウォォォォォォォォォォォォォォォ!!」

 

那美が捧げた歌―『ミヤラビの祈り』を聞いてキングシーサーが目を覚まし、咆哮上げて穴から出てきたのだった。




響「次回でメカゴジラ編が最後になるよー!」

クリス「見逃すんじゃねーぞ!」

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