マリア「それではどうぞ…って翼はどこ行ったの?」
響「さぁ?」
クリス「ったく、どこに行ったんだよ…なんだ?この赤いの?」
奏「おーいアタシだー、奏だぞー」
ノイズ襲撃から翌日、奏は泉に来ていた。
ガウ「がうがう~♪」
奏の声を聞いてガウが泉から顔を出した。
ガウ「がう~♪がうぅ~♪」
奏が来て嬉しいのかガウは尻尾を出して振っていた。
奏「なぁ、ちょっと聞いていいか?」
ガウ「がう?」
奏「昨日アタシたちをノイズから助けてくれたのってお前…うわっ!?」
何かを聞こうとした奏にガウは泉の水をかけた。
ガウ「がうぅ~」
水をかけたガウは笑っていた。
奏「コイツ、やったな!」
水をかけられた奏は服を脱いだ。
奏が服を脱ぐと下はスクール水着だった。
奏「とう!!」
水着になった奏は泉に飛び込んだ。
奏「そぉら!!」
泉に入った奏はガウに水をかけた。
ガウ「がう!がうがう~♪」
水をかけられたガウはお返しとばかりに奏に水をかけた。
奏「このやろう~♪」
ガウ「がう~♪」
楽しそうに泉で遊ぶ二人。
遊びに夢中になりすぎて辺りはすっかり夕方になっていた。
奏「んじゃあ、アタシは帰るな」
体を拭きながらガウにそう言う奏。
すると町の方から爆発音がした。
奏「な、なんだ!?」
爆発音が聞こえて奏は行こうとした時、ノイズが大量に現れた。
奏「ノイズ!?」
ノイズの出現に奏は驚く。
ノイズたちは一斉に奏に襲いかかってきた。
ガウ「がうがあぁぁぁぁぁぁぁ!!」
そこへガウが乱入してきて尻尾を使いノイズを凪ぎ払った。
奏「お前…」
ガウ「がうぅーーーーーーーーーー!!」
雄叫びを上げて体を光らせた。
ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァ!!」
ガウはゴジラになって奏を手に持つとノイズたちに放射火炎で攻撃した。
放射火炎を受けたノイズたちは人魂になって灰となり消滅した。
奏「す、スゲェ…」
ノイズを倒したゴジラの手のひらの上で見ていた奏は唖然としていた。
ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァ!!」
辺りのノイズを一掃したゴジラは町に向かって歩き出した。
その頃、町ではノイズが猛威を振るっていた。
弦十郎「こんなに大量のノイズが一辺に現れるとは…」
自衛隊と共に調査に来ていた『特異災害対策機動部二課』(後のS.O.N.G.)の司令官である弦十郎が現れたノイズたちに驚く。
了子「まだシンフォギアシステムは完成していないのに…不味いわね」
眼鏡をかけた白衣の女性―『櫻井 了子』が言う。
弦十郎「ともかく島民の避難を急がせるんだ!」
島民の避難を急がせるように指示を出した時、フライング型のノイズたちが奇襲するように一斉に急降下してきた。
行き先は完全に逃げている島民たちだった。
弦十郎「不味い!!」
弦十郎がそう言った時、フライング型のノイズたちの後ろから蒼白い熱線―放射火炎が飛んで来てノイズを消滅させ、さらに角度を変えて地上にいたノイズたちを放射火炎は呑み込んで消滅させた。
弦十郎「ノイズが…消滅した!?」
了子「アレは…」
何を思ったのか了子はノートパソコンを出して調べた。
了子「どうやらあの熱線はシンフォギアシステムに近い能力があるようね」
弦十郎「では聖遺物を扱う者がいるのか?」
了子「それは分からないわ。まぁ、会って解析させてくれればいい…」
ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァ!!」
爆煙で姿は見えないがゴジラの雄叫びが辺りに木霊した。
弦十郎「今のは何だ!?」
了子「どうやらここの守護神かもね」
笑いながら了子は言う。
雄叫びを上げたゴジラは奏を降ろしてガウに戻っていた。
奏「やっぱり…あの怪物はお前だったのか…」
ガウ「がう…」
奏に言われてションボリするガウ。
しかし奏はガウの頭を優しく撫でた。
奏「ありがとな。みんなお前のお陰でみんなが助かったよ」
ガウ「がう~♪」
嬉しそうにガウは尻尾を振っていた。
奏「あのさ、実はアタシ、明日別の場所に行くことになってんだ」
ガウ「がう!?」
奏の言葉を聞いてガウは驚いてしまった。
奏「そんな顔をするなよ…またいつか遊びに来てやるよ。約束だ」
ガウ「がう!」
約束だよっとガウは頷いた。
しかしこれが奏を見る最後になるとは思ってもいなかった。
数年後、ツヴァイウィングコンサート会場にて奏は翼と共にギア―ガングニールを纏ってノイズと戦っていたが次から次へと現れるノイズに奏はギアを維持する限界が近付いていた。
奏「今日はこんなにたくさんの…」
今だ現れる大量のノイズを見る奏。
奏「だからアタシも出し惜しみなしでいかなくちゃな…」
逃げ遅れた上に重症を負ってしまった響を救うために奏はアレを唄うことにした。
奏「Gatrandis babel ziggurat edenal
Emustolronzen fine el baral zizzl…」
翼「だ、ダメだ奏!今の状態でそれを唄えば奏は…」
奏が唄う歌を聞いて翼は止めようとするが間に合わなかった。
奏「Gatrandis babel ziggurat edenal
Emustolronzen fine el zizzl…」
翼「ダメーーーーー!!」
奏「忘れないでくれよな。アタシの歌はアタシの生きた証…例え燃え尽きる運命でも覚えてくれいる人がいれば怖くない――ありがとう、生きていてくれて…」
奏が唄い終わり、そう言った瞬間に奏を中心に巨大なエネルギーが会場を包み込み、同時にノイズを全て消滅させた。
翼「奏!」
慌てて翼が駆け寄ってきて奏を抱き上げる。
奏「…どこだ…翼…真っ暗で…お前の…顔すら…見えやしない…」
翼「ここだよ、そばにいるよ奏……」
奏「悪いな…もう…一緒には…歌えないみたいだ…」
翼「どうして?どうしてそんなことを言うの?奏は意地悪だ…」
奏「…だったら…翼は…泣き虫で…弱虫だ…」
翼「それでも構わない!だから…ずっと一緒に歌ってほしい!」
泣きながらそう言う翼に奏は笑っていた。
奏「知ってるか?翼…思いっきり歌うとな…すっげぇ…腹…減るみたい……だ…ぞ…………」
そう言った時、奏の体が消滅し始めた。
翼「か…奏ぇぇぇぇーーーーーーー!!」
消滅する奏を見て翼の哀しみの声が響いた。
奏(あぁ…アイツとの約束…果たせそうに…ないな…)
消滅し行く中、奏はガウのことを思い出していた。
奏(…アイツにも…アタシの歌…聞かせて…やりたかったなぁ…)
少し後悔染みたことを思う奏は完全に消滅してしまった。
ガウ「がう?」
泉で魚を捕っていたガウは何かを感じたのか泉から急いで出た。
ガウ「がう~…」
胸の辺りから哀しい気持ちが込み上げてきた。
ガウ「がう…がうぅ…」
気が付くとガウは目から大粒の涙を流していた。
ガウ本人に理由は分からなかったが涙は流れ続けたのだった。
翼「か…かな…奏の…すく…水…」←大量の鼻血を出してる
響「つ、翼さーん!!」
クリス「おい、誰か救急車呼べぇ!!」
マリア「お見苦しいところをお見せしてすいませんでした…ではまた次回にてお会いしましょう。翼ぁーー!しっかりしてー!!」
翼「か…かな…かな…かな、で…ガクッ………」