星獣…それは銀河の平和のために戦う神秘の動物たちのことである。
メールとシオンによる事件から3週間、響たちは平和な日々を過ごしていた。
事件の無い日々の中でも彼女たちは忙しい。
特に響、切歌、調の3人は。
響・切歌・調『………』
机に向かって黙々と何かに取り組む3人。
だが…。
響「も…」
響・切歌「「もうダメ~…」」
机にうつ伏せで倒れながら響と切歌は言う。
クリス「まだ10分も経ってないぞ」
近くのソファーにてクリスが呆れて言う。
響「だって分からないんだもん!」
切歌「そうデス!古典が特に分からないデス!」
呆れて言うクリスに響と切歌は言う。
実は響たちはあと1週間もしない内にリディアンで定期的に行われる試験…要するにテストがあるのだ。
響、切歌、調の3人は前のテストで赤点を取ってしまい次に赤点を取れば補習を受けなければならない。
しかしその補習の日には翼とマリアのライブがあり、ガウとリルに2人のライブを見せて上げたいと響の提案でマネージャーである緒川に頼んでチケットを人数分貰っていたのだ。
なので赤点回避のためにクリスの家で泊まり込みの試験対策の勉強会を行っているのだ。
因みにガウとリルは邪魔にならないように未来と買い物に出掛けている。
クリス「お前らが赤点とったらライブ行けねーだろ」
響「うぅ…なんでライブの日に補習が…」
クリス「口を動かす前に手を動かせ、手を動かす前に頭を動かせ」
切歌「夏休みの宿題以上に苦しいデス…」
調「頑張ろう、切ちゃん」
切歌「デス~…」
励ませながら再び対策勉強をする。
そんな時だ。
通信機のアラームが鳴り響いた。
響「はい、響です!」
弦十郎『勉強中にすまない!東京都E地区に怪現象が発生した!』
調「そこって!?」
クリス「ガウたちが買い物行ってる商店街の近くだぞ!?」
切歌「なんデスとぉ!?」
響「急いで向かわないと!!」
連絡を聞いて響たち4人は一時勉強を取り止めて外へ飛び出して行く。
一方でE地区の商店街ではガウがたった1人である怪人と戦っていた。
ガウ「グルルルルル……」
ボタボタと血を流してガウは片膝を着いていた。
?「ふん。この程度みてーだな、怪獣王さんよ」
ガウの前には中世のガレオン船を彷彿とさせる胴体に、典型的な海賊のイメージを持つ眼帯・フック・帽子をつけている怪人が刀を向けて近づく。
未来とリルの2人と一緒に買い物に来たのだが帰りに空が渦を巻くように歪んだかと思いきやあの怪人が現れて暴れ回ったのだ。
2人を先に逃がしてガウはたった1人で怪人と戦ったが圧倒的な力の差を見せつけられ一方的に打ちのめされているのだ。
?「これで止めだ!」
ガウの前で来ると刀を振り上げた。
ここまでかと思ったその時、怪人の手に火花が散った。
?「ぐおっ!?」
突然の火花に怪人は驚き、数歩ほど後ろへ後退する。
クリス「ガウ、無事か!!」
ガウの前にギアを纏って拳銃型のアームドギアを持ったクリス、続いて響、切歌、調が現れた。
ガウ「がう!」
クリスの問いに答えるようにガウは鳴く。
?「ぬぅ、小娘どもやってくれるじゃねーか」
響たちが現れたのを見て怪人は言う。
翼「貴様、いったい何者だ?」
ゼイハブ「ふん、俺の名はゼイハブ。この宇宙の星々の命を奪いつくす宇宙海賊バルバンの船長だ」
宇宙を渡り歩き、ターゲットに定めた星を蹂躙し、最後は魔獣に食べさせてその星の『星の命』を宝石にして自らのコレクションにする残虐な一団―『宇宙海賊 バルバン』の船長『ゼイハブ船長』は名乗る。
調「う、宇宙海賊 バルバン?」
切歌「ぜ、全然知らないデス…」
ゼイハブ「そいつは無理もねぇ。俺様はこことは別世界の住人だからな」
クリス「なに!?」
ゼイハブの言葉に驚く。
ゼイハブ「話はここまでだ。こいつでも喰らいな!!」
話が終わったとゼイハブは鉤爪に内蔵されている大砲を出すと砲撃する。
ゼイハブの砲撃にクリス、切歌、調、そしてガウを抱えた響は跳躍して回避する。
ゼイハブ「逃がすか!」
跳躍した響たちの内、クリスに狙いを定めたゼイハブは砲撃する。
クリス「ぐあっ!」
ゼイハブの砲撃を喰らい、クリスは地面に落ちる。
響「クリスちゃん!?」
調「よくもクリス先輩を!」
切歌「許さないデス!」
クリスが落ちたのを見て調はヘッドギアから小型の丸ノコを放ち、切歌は鎌のアームドギアでゼイハブに斬りかかる。
しかしゼイハブは丸ノコを全て剣で弾き、切歌の攻撃を受け止めた。
ゼイハブ「あめぇんだよ、んななまっちょろい攻撃が俺様に通じるかよ!!」
至近距離でゼイハブは切歌に砲撃を加える。
切歌「ぐぅ!!」
至近距離から砲撃を喰らい切歌は吹き飛ばされた。
調「切ちゃん!!」
ゼイハブ「よそ見してる場合かよ!!」
切歌の心配をしていた調にゼイハブは砲撃する。
調「しまっ…きゃあぁぁぁぁっ!!」
ゼイハブの砲撃を受けて調も地面に落ちてしまう。
響「みんな!!」
着地した響はゼイハブの砲撃で倒されたクリスたちを見て叫ぶ。
ゼイハブ「お前も寝てな!!」
着地した直後の響にゼイハブは砲撃する。
響「うわっ!!」
ガウ「ぎゃうっ!!」
砲撃を喰らった響は吹き飛ばされてしまい、ガウも地面に叩き付けられてしまい傷口がさらに広がり悪化する。
ゼイハブ「ふん。大した事ねーな。テメェら」
剣を肩に当てながらゼイハブは言う。
響「が、ガウくん…」
傷口が広がり出血量が増大しているガウの側による響。
ガウ「がう…くぅ…」
響が側によってきてガウは痛む体を押しながら顔を上げる。
ゼイハブ「さてぼちぼち止めと行くか」
そう言ってゼイハブは砲門を響たちに向ける。
ゼイハブ「あばよ、小娘ども」
ゼイハブの砲門が火を噴きかけたその時だ。
?・?「「ダブル炎のたてがみ!!」」
ゼイハブ「ぐおっ!?」
ゼイハブの砲撃を2つの火炎が阻み、ダメージを与える。
ゼイハブ「こ、この技は!?」
炎の攻撃にゼイハブは心当たりがあるのか驚いた様子で炎が来た方を見た。
そこには6人の若者たちがいた。
ゼイハブ「て、テメェらはギンガマン!!!」
現れた6人にゼイハブは驚く。
リョウマ「ゼイハブ、これ以上の破壊は許さない!行くぞみんな!!」
『おう!』
リョウマ・ハヤテ・ゴウキ・ヒカル・サヤ『ギンガ転生!!』
『リョウマ』、『ハヤテ』、『ゴウキ』、『ヒカル』、『サヤ』の5人の左手首に装備している腕輪―『ギンガブレス』のベゼル(ダイヤル)の矢印を自分の色に合わせてスイッチを押した。
それぞれ『獅子』、『隼』、『ゴリラ』、『狼』、『ヤマネコ』をモチーフにした姿になった。
ヒュウガ「騎士転生!!」
『ヒュウガ』の専用武器―『ブルライアット』のセイバーモードを掲げるとブルライアットのクリスタルから放出されたエネルギーがヒュウガを包み込み、『バッファロー』をモチーフにした姿になった。
レッド「ギンガレッド・リョウマ!!」
グリーン「ギンガグリーン・ハヤテ!!」
ブルー「ギンガブルー・ゴウキ!!」
イエロー「ギンガイエロー・ヒカル!!」
ピンク「ギンガピンク・サヤ!!」
ヒュウガ「黒騎士 ヒュウガ!!」
レッド「銀河を貫く伝説の刃!星獣戦隊!!」
『ギンガマン!!』
ギンガマン―それは勇気ある者のみに許された、名誉ある銀河戦士の称号である。
響「星獣戦隊…ギンガマン…」
ガウ「がうがう」
グリーン「君たちのことはキョウリュウジャーから聞いている」
切歌「ダイゴさんたちを知ってるデスか?」
ゴウキ「あぁ、知っている」
イエロー「なんたって俺たちの後輩だからな」
クリス「つまりは先輩の戦隊なのか…」
ピンク「そうなるのかな」
ヒュウガ「話はここまでだ。みんな、今はゼイハブを倒すんだ」
ヒュウガに言われてゼイハブに構える。
ゼイハブ「貴様ら…また俺様の邪魔をしに来やがったな!!」
ギンガマンを見てゼイハブは怒りを露わにして言う。
レッド「例え異世界でも星の命を奪う奴は許さない!!」
ヒュウガ「覚悟しろ、ゼイハブ!!」
レッド・グリーン・ブルー・イエロー・ピンク『星獣剣!!』
左腰のホルダーに収めてあるギンガマン専用の武器―『星獣剣』を出すと向かって行く。
ゼイハブ「全員血祭りにあげてやる!!」
向かってくるギンガマンにゼイハブは砲撃しようとする。
ヒュウガ「そうはさせるか!ブルライアット!!」
砲撃しようとするゼイハブに向かってヒュウガが銃形態のブルライアット・ショットガンモードで攻撃して妨害する。
レッド・グリーン・ブルー・イエロー・ピンク『アース光招来!!』
5人の星の力『アース』を合わせて作り出した光の玉がゼイハブを貫く。
ゼイハブ「ぐおおおおおおおおおおおっ!!」
5人の攻撃を喰らいゼイハブは大きく後退する。
レッド「いまだ!!」
響「うっ…くっ…お…」
「「「「「おおおおおおおおおおおおおおお!!」」」」」
レッドに言われた響たちは立ち上がる。
クリス「持ってけ、全部だぁぁぁーーーーーー!!」
12機もの大型ミサイルを展開し発射する『MEGA DETH INFINITY』を繰り出した。
ゼイハブ「ぐああああああああああああああっ!!」
クリスの攻撃にゼイハブはダメージを喰らい剣を落とした。
切歌「行くデスよ、調!」
調「うん、切ちゃん!」
切歌と調の2人は跳躍するとそれぞれのアームドギアを合体させる。
切歌・調「「はああああああああああああっ!!」」
空中で調のアームドギアのヨーヨーを切歌のアームドギアの鎌の柄の先に接続し、巨大な刃が付いた車輪状に変化させ、回転させながら2人が相手に突撃するコンビネーションアーツ『
ゼイハブ「おのれ!!」
切歌と調の攻撃にゼイハブは口から火炎を発射した。
しかしゼイハブの火炎は切歌と調のコンビネーションアーツの前に四散する。
ゼイハブ「くそ!!」
火炎が四散してゼイハブは回避しようとする。
直撃を避けれたが代わりに左腕を失った。
ゼイハブ「くっ…おのれぇ…」
左腕を失い、ゼイハブは弱る。
レッド「止めだ!!」
弱るゼイハブにレッド星獣剣を再び構える。
グリーン、ブルー、イエロー、ピンクは棍棒型の武器『獣撃棒』を出して構える。
響「ガウくん、行くよ!」
ガウ「がう!」
ガウは言われて頷くと響の背中に飛び乗る。
ガウが背中に飛び乗って響はブーストしてゼイハブに向かって行く。
グリーン・ブルー・イエロー・ピンク『獣撃破!!』
獣撃棒を大砲形態『獣撃破』にしてアースを通常より多く込めて発射した。
レッド「炎一閃!!」
レッドは星獣剣の刀身にアースを集中させて4000度の炎と共に一刀両断する『炎一閃』。
ヒュウガ「黒の一撃!!」
ヒュウガはセイバーモードのブルライアットにエネルギーを集中させて回転ジャンプからの敵を一刀両断する『黒の一撃』。
響「どりゃああああああああああああああああああッ!!」
ガウ「がうううううううううううううううううううっ!!」
響がドリルナックルを繰り出すと同時にガウは自身の体からエネルギーを発生させて響のドリルナックルに纏わせる『我流・獣王轟転突破』を繰り出した。
ゼイハブ「ぐああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
獣撃波、炎一閃、黒の一撃、我流・獣王轟転突破の順に喰らったゼイハブは爆発の中に飲み込まれた。
ゼイハブ「ぐっ…これで終わったと…思うなよ…いずれ…新たな…バルバンが…この星の命を…奪って…やる…ぜ……………」
そう言い残した後、石化して砂となって消滅した。
響「危ないところを助けてもらってありがとうございます!」
ガウ「がう♪」
戦いの後、響たちは元の世界へ帰るリョウマたちの見送りに来ていた。
リョウマ「星を守ろうとする者同士が協力するのは当たり前だろ」
ハヤテ「あぁ。その通りだ」
お礼を言う響とガウにリョウマとハヤテは言う。
切歌「星の力アースを使う皆さん、恰好良かったデス!」
調「うん。凄かった」
ゴウキ「君たちもシンフォギアの力はすごかったぞ」
ヒカル「そうだぜ、歌を力にするなんてすごいじゃねーか!」
ピンク「うん。最後にあのゼイハブにダメージと止めを刺したんだから」
切歌と調にゴウキとヒカルとサヤは言う。
ヒュウガ「みんな、そろそろ迎えが来るぞ!」
ヒュウガが言うと夕日に赤く染める茜の空に巨大な穴が開いてそこから6体に巨大な生物たちが現れた。
切歌「なんか出て来たデス!?」
リョウマ「あれは星獣たち。俺たちの大切な仲間だ」
巨大な動物たちに驚く響たちにリョウマは言う。
ギンガレオ「ガアアアアアアアアオオオオオオオオオオオ!!」
ギンガルゴン「キイイイイイイイイイイイヤアアアアアアアアアア!!」
ギンガリラ「ウオォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
ギンガべリック「ウォオオオオォオオオオオオオオオオオオオオン!!」
ギンガット「ギャアァアアアアアアアアアアアアアアアアアアオ!!」
ゴウタウラス「ブモオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
赤い獅子『ギンガレオ』。
緑の隼『ギンガルゴン』。
青のゴリラ『ギンガリラ』。
黄色い狼『ギンガベリック』。
ピンクのヤマネコ『ギンガット』。
黒いバッファロー『ゴウタウラス』のギンガマンと共に戦い、星を守る神秘の動物たち『星獣』である。
リョウマたちはそれぞれの相棒に乗ると相棒であるギンガレオたちは跳躍して穴に入り元の世界へ帰っていったのだった。
因みに響たちのテストの結果は何とかギリギリのラインでセーフで翼とマリアのライブには間に合ったのだ。
リョウマたちギンガマンを響たちが見送りをしている時の同刻、ゼイハブが倒された場所には1人の人物がいた。
砂と化しているゼイハブの亡骸に手を突っ込むと砂の中から時計型の何かを出した。
?「ふっ」
時計型の何かを見て人物は笑うとスイッチを押した。
スイッチを押された時計型は針の所が回り、ゼイハブの顔が浮かび上がった。
そして短く音声が流れる。
ゼイハブ!!
機動を確認した人物は時計型のそれを持ってどこかへ行ってしまったのだった。
Continue to next time…………
響「次回から多分、機械仕掛けの奇跡編!」
ガウ「がうがうがう!」
訳:変更の可能性大!
未来「次回をお楽しみに♪」