第287話 響と少女
その日、響と未来はショッピングをしていた。
未来「どうしよう。どっちもいい色だから迷っちゃうな……」
洋服店で未来は服を選んでいた。
響「未来はそっちのフリルのスカートの方が似合うんじゃないかな」
未来「そうかな?でも、デザインがちょっと可愛すぎる気もして」
響「そんなことないよ。絶対に合うってッ!私が保証する」
自信満々に響は未来に言う。
未来「そこまで言うなら、こっちにしようかな」
響「うんッ!!」
服を買った響と未来は人気の限定ランチを食べて帰路についていた。
響「新しい服も買えたし、人気の限定ランチも並ばずに食べれたし。今日は最高だね」
未来「フフ……そうだね」
幸せいっぱいな2人。
響「あれ…?」
そんな中、響は何かに気付いた。
未来「どうしたの、響」
響「うん、あの子。なんかフラフラって…」
少し先にいる少女を見ながら響は言っていると急に駆け出した。
未来「あ、響!」
駆け出していく響に未来は叫ぶ。
響「ねぇ、大丈夫?」
少女「……」
少女の側に駆け寄る響。
響「具合悪いの?お家の人は?」
少女「……ッ!」
響がそう聞いていると突然、少女は倒れた。
響「えッ!?」
倒れた種所に響は驚く。
未来「大変ッ!」
少し離れた所から見ていた未来は急いで駆け寄る。
未来「貧血?熱中症かな?意識はッ!?」
駆け寄って来た未来は響に少女の容態を聞く。
響「熱は無いみたい。でも息が荒いし、顔も真っ青だよ……」
抱きかかえた少女の様子を見ながら響は言う。
響「お姉ちゃんの声、聞こえるかな?」
少女「……(こく)」
響に聞かれて少女は苦しそうにしながらもなんとか頷く。
響「意識はあるみたい」
未来「とにかく救急車呼ぶね」
響「うん、お願い!もう大丈夫だよ。今、お医者さんよんでるからね!」
未来が救急車を呼んでる内に響は少女に言う。
少女「…………」
響に何かを言っているのかボソボソ言う。
響「なあに?」
少女「助け、て……」
耳を澄ませて少女の言葉を聞く。
響「大丈夫、絶対お姉ちゃんが助けてあげるから!」
少女の言葉を聞いて響はそう言って勇気づける。
未来「救急車、すぐに来てくれるって」
響「ありがとう、未来」
救急車を呼んだ未来に響は言う。
未来「この子、1人なのかな?外国人みたいだけど……」
響「どうなんだろう……?」
少女は肌色か、ベージュに近い色をしたクセ毛で長さの揃わない髪は右前の髪は右目が隠れるほど長くなっている。
女性「ああ。こんなところにッ!」
人だかりをかき分けて1人の女性が現れて少女を見て叫ぶと近寄る。
未来「この子のお母さんですか?」
母親「はい、そうです。すみません、ご迷惑を」
響「そんな、迷惑だなんて。ただ偶然に通りすがっただけですから。でも、どうしてこの子を1人で?」
母親「この子ったら急に家を抜け出して……慌てて捜してたんです」
響「家を……?」
母親の言葉に響は首を貸すげていた。
母親「ありがとうございます。代わります」
響「あ……そうですね。お母さんの方が安心出来ると思います」
少女を母親に渡す響。
未来「今、救急車が向かってますから」
母親「何から何までお世話に……」
未来「何かご病気…とかですか?」
母親「いえ、あの……特に持病は無かったんですけど。ただ、最近……」
響「最近?」
母親「この子、頻繁に夢でうなされてるみたいで、どうにも元気が無くて……」
響「夢?」
母親の言葉に響は何かに引っかかる。
そうしていると救急車が到着した。
救急隊員「患者さんはどちらに?」
救急車から救急隊員が降りてきて聞いてきた。
未来「こっちです!さあ、お母さん」
母親「はい。どうもありがとうございました」
未来に言われて母親は響たちにお礼を言うと少女を抱えて救急隊員と共に救急車に乗りこんだ。
少女と母親が乗ると救急車はその場を去っていく。
未来「すぐ良くなるといいね」
響「うん。そうだね……」
母親と少女を乗せた救急車を見送りながら未来と響は心配そうにしていた。
そんな響に通信機のアラートが鳴る。
響「あ、本部からだ。はい、こちら響です」
通信機を出して応答する。
弦十郎『ギャラルホルンのアラートが鳴った。至急本部へ集合してくれ』
響「了解しました!」
通信機を切ってなおすと未来の方を見た。
響「ごめんね、未来。デートの途中なのに、また……」
未来「いいよ。それより気よつけてね、響」
響「うん、ありがとう。行ってくるね」
未来に言われて響は本部へと向かって行く。
これが響に迫られる大きな決断を余儀なくされるとはまだ知らない。