戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第288話 響と少女2

少女「…………」

 

日本の某所の森にて病院の服に似た服を着て肌色か、ベージュに近い色をしたクセ毛で長さの揃わない髪は右前の髪は右目が隠れるほど長くなっている1人の少女が走っていた。

 

少女「―ッ!?」

 

走っていた少女が後ろを振り向くと数十体のノイズが迫っていた。

 

少女「……ッ、……ハァ……」

 

ノイズから逃げようと少女は必死で走る。

 

少女「ッ!?」

 

走っていた少女は木の根か何かに足を取られてしまいこけてしまう。

 

少女「………ッ!」

 

起き上がろうとする少女、しかしそこにノイズが迫っていた。

 

少女「ぁ……ぅ……ッ!?」

 

迫るノイズに少女は怯えてしまい動けなかった。

 

響「はああああああーーーーーッ!!」

 

少女に迫るノイズにガングニールを纏った響が現れてのノイズを殴り飛ばして消滅させた。

 

響「もう大丈夫だよッ!」

 

ノイズを倒して響は少女に言う。

 

少女「…………」

 

響の姿に少女は不思議そうな顔をしていた。

 

響「あれ……君。さっきの…」

 

少女の姿を見て響はさっき会った少女を思い出す。

 

翼「立花ッ!まだ敵は残っているぞ!作戦中に呆けるな!!」

 

少女を見ていた響にギアを纏った翼が現れて言う。

 

響「あ、はい!すいません!!」

 

翼に言われて響は構える。

 

響たちの登場に反応するかのようにバルタン星人似の大型と小型のノイズが姿を現した。

 

ガウ「ガルルルルル!!」

 

現れたノイズたちにガウは威嚇する。

 

クリス「全く、うじゃうじゃと!団体でお出ましかよ!!」

 

現れたノイズたちにクリスは文句を言う。

 

翼「要救助者が背後にいる以上、戦線を後退させるわけにはいかない。行けるか?」

 

響「勿論です!任せてください!!」

 

翼「よし、ならば私たちは地上の、ガウは巨大のノイズだ!!」

 

クリス・響・ガウ『おう!/はい!/がう!』

 

ガウ「がうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

ガウは雄たけびを上げてゴジラになると巨大ノイズに向かって行く。

 

少女「―ッ!?」

 

ガウが人間からゴジラになったのを見て少女は驚く。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

ノイズに向かって行くゴジラは掴みかかる。

 

ゴジラに捕まれそうになる巨大ノイズは両腕のハサミ部分でゴジラを殴ろうとする。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

殴りかかって来たノイズの腕をゴジラはがっしりと受け止めると背負い投げで投げ飛ばした。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

背負い投げで投げ飛ばしたゴジラは放射火炎を発射した。

 

巨大ノイズ「!?」

 

放射火炎を喰らい、巨大ノイズは灰となって消滅してしまった。

 

ゴジラがあっさりと巨大ノイズを倒したのと同時に響たちもノイズを全滅させていた。

 

ゴジラ「グルルルルル……」

 

響たちもノイズを倒したのを確認してゴジラはガウに戻った。

 

戻るなり、ガウは響に近寄る。

 

響「お疲れ様、ガウくん」

 

近寄よって来たガウの頭を撫でる響。

 

ガウ「がうがう~♪」

 

撫でられてガウは尻尾をフリフリと振って喜ぶ。

 

響「これで全部かな?」

 

近くにノイズがいないことを確認しながら響は翼とクリスに聞く。

 

翼「そのようだな」

 

確認した翼はそう言う。

 

クリス「全く。到着早々、ノイズに出くわすなんて…」

 

着いて早々にノイズと出くわして文句を言うクリス。

 

翼「だが偶然わたしたちがこの場に来なければ、この子が危なかった。助けられてよかった」

 

そう言って翼は少女に近づく。

 

少女「……」

 

翼「君、名前は?どこの子だ?」

 

少女「……ッ!」

 

翼の顔を見るなり少女は逃げて行き、響にしがみ付いた。

 

響「えッ!?ど、どうしたの?」

 

突然、少女にしがみつ付かれて驚く響。

 

クリス「先輩の顔がおっかなかったんじゃないのか?」

 

翼「私の顔が?そ、そうなのか!?」

 

クリス「冗談だって。そんな真に受けなくても。まだガウの方がおっかない顔するだろ」

 

ガウ「がう!?」

 

クリスに言われてガウはショックを受けてしまう。

 

クリス「それにそのバカが真っ先に庇ってくれたから懐いたんだろ」

 

翼「そ、そういうものか……」

 

ガウ「………」

 

クリスに言われて少し安心する翼だがガウはショックで口が開いたままであった。

 

響(この子、やっぱり私たちの世界で見たあの子にそっくりだ…偶然なのかな?)

 

少女を見て響は少し戸惑っていた。

 

ガウ「がう?がうがう」

 

クリス「どうしたんだ、ぼーっとして」

 

響「え?ううん、なんでもない」

 

ガウとクリスに言われて響は我に帰って言う。

 

少女「……」

 

響「もう大丈夫だよ。お姉ちゃんたちが護ってあげるからね」

 

しがみついている少女に響は言う。

 

響「どうしてこんなところにいたの?1人?」

 

少女「……」

 

聞いてみるが少女は何も答えてはくれなかった。

 

響「まだ怖いのかな?」

 

翼「もしかしたら…喋れないんじゃないのか?」

 

響「え?そうなの?それじゃあ、どうしよう……」

 

クリス「ゆっくり話してる時間は無さそうだ。次が来たぞ!!」

 

ガウ「ガルルルルル!!」

 

喋れないかもしれない少女にどうやったら事情が聞けるか考えているとクリスが叫び、ガウは威嚇の声を上げる。

 

同時に黒い瘴気と共に黒いノイズが姿を現した。

 

翼「あれは…まさかカルマノイズか!?」

 

クリス「ちっ、駆けつけ三杯にしちゃヘビーすぎんだろ!」

 

響「でも、私たちなら大丈夫…!?」

 

カルマノイズと戦おうとして構える響だが動けなかった。

 

響「えっ、ちょっと!?」

 

少女「……」

 

理由は少女が響にギュッと掴んでいたからだ。

 

響「そんな風にギュッとされたら戦えないよ!?」

 

少女「……」

 

響「ど、どうしよう!?」

 

離してくれない少女に響は慌てる。

 

クリス「仕方ない。いいからそのまま離れてろ」

 

翼「一般人がカルマノイズに近づけば、あの瘴気の影響を受ける。雪音の言う通り、立花はその子と離れていてくれ。この場は何とか私と雪音で処理する。ガウ、お前は2人の護衛を頼む」

 

ガウ「がう!」

 

響「了解です!!」

 

クリスと翼に言われて響は少女を連れて離れ、ガウは2人の護衛に回り、クリスと翼はカルマノイズに挑む。

 

翼「はあッ!!」

 

クリス「はああああああーーーーー!!」

 

翼の斬撃、クリスの銃撃がカルマノイズをバラバラにする。

 

しかしカルマノイズは直ぐに体を再生して元の姿になってしまう。

 

翼「相も変わらず面倒な!」

 

クリス「やっぱ単発の攻撃じゃ、まともに効かないか」

 

カルマノイズの再生能力にクリスと翼は言う。

 

響「2人とも!やっぱり私たちも行かないと…」

 

少女「………」

 

苦戦する2人に響は加勢したいが少女はいまだにギュッと掴んでいた。

 

響「ごめんね。このままじゃ、みんなが危ないの。お姉ちゃんたちも君も」

 

少女「………」

 

響「怖いのはお姉ちゃんもよく分かるよ。昔、私も君みたいにノイズに襲われそうになったことがあるから……」

 

少女「………」

 

少女に昔のことを話す響。

 

響「あのね、どんな時でも頑張れるようになる魔法の言葉を教えてあげる!」

 

少女「?」

 

響「『へいき、へっちゃら』って唱えるの。そしたら、大丈夫」

 

少女「………」

 

響「声に出さなくていいから思ってみて。『へいき、へっちゃら』って」

 

少女「……(こくり)」

 

響に言われて少女は心の中で『へいき、へっちゃら』と唱える。

 

すると少し安心したのか響から離れた。

 

響「ありがとう。それじゃ、行ってくるね。ガウくん、この子を護ってあげて」

 

ガウ「がう!」

 

響に任せられたガウは鳴く。

 

響「直ぐ戻ってくるから!」

 

少女とガウにそう言って響はクリスと翼の元へ急いだ。

 

響「お待たせしました!!」

 

翼「立花!?あの子はどうした?」

 

響「離れたところでガウくんと待ってくれてます!」

 

クリス「それじゃあ、とっとと片付けるぞ!!」

 

響「うん!!」

 

翼「ああ、相手がカルマノイズならばS2CAだ!」

 

響「はい!行きます!!」

 

クリス「ってちょっと待て!」

 

S2CAを放とうとした時、カルマノイズは姿を消した。

 

翼「消えた…逃げられたか……」

 

クリス「ったく、空気読まない敵だな……」

 

響「なんにしても、一度あの子のところに戻ろう」

 

カルマノイズが消えて響たちは少女の元へ戻るのだった。


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