戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第289話 響と少女3

少女「………」

 

響たちは少女は森を散策していた。

 

響「お嬢ちゃん、どこから来たの?」

 

少女「………」

 

響「お名前は?」

 

少女「………」

 

クリス「まいったな。何も喋ってくれないか」

 

全く喋ってくれない少女に頭を悩ませていた。

 

響「喋れないの?」

 

少女「………(こくり)」

 

響「そうか……」

 

翼「弱ったな……。どこの誰かもわからないではどこに連れて行ったら良いものか」

 

クリス「それにあの服……。どこかの病院か施設から抜け出してきたんじゃないのか?」

 

少女「確かに、そんな風な服装ではあるな。ともかくずっと森の中というわけにもいかないだろう。とりあえず、街まで出るとしよう」

 

響「あ、はい。そうですね。さ、お姉ちゃんたちと行こうか?」

 

少女「………」

 

響に言われて少女は確りと掴んで離れないようにしてついていく。

 

ガウ「がう?ガルルルルル!!」

 

街に向かって歩いていると急にガウが威嚇の声を上げる。

 

クリス「どうした、ガウ?」

 

翼「何か邪な気配を感じているのかもしれない」

 

響「それってまたノイ…」

 

またノイズが現れたのかと構えた瞬間だった。

 

黒服A「手を上げろ!!」

 

出てきたのは黒服を着てサングラスを掛けている人物数人が銃を向けていた。

 

響「…ズじゃなくて、ええ!?だ、誰!?」

 

現れた人物たちに驚く。

 

翼「どこの組織の者だ?」

 

黒服B「それはこちらの台詞だ」

 

クリス「いきなり銃を突き付けてくるなんて、穏やかじゃないな」

 

黒服C「ん?女と子供だけ…だと?それに変わった格好…」

 

ガウ「がう!がうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

子供扱いされたガウはキレて雄たけびを上げてゴジラになって咆哮を上げる。

 

黒服A「ば、化け物!?」

 

ゴジラを見て黒服の人物たちは驚く。

 

響「ガ、ガウくん!落ち着いて!!」

 

ゴジラ「グルルルルル……」

 

落ち着かせようと響は慌て言う。

 

?「待て。こちらに戦う意思はない」

 

黒服A「し、司令!?」

 

黒服の人物たちより奥から1人の人物が現れた。

 

八紘「いいから全員、銃を下ろせ。無駄な争いはしたくない」

 

現れたのは翼の父親である『風鳴 八紘』であった。

 

ゴジラ「グルルルルル……」

 

現れた八紘の言葉にゴジラはガウに戻った。

 

翼「お、お父様!?」

 

現れた父親に翼は驚いて声を上げる。

 

ガウ「がう!!」

 

翼「痛ッ!?」

 

そんな翼にガウはどこからかハリセンを出してスマッシュした。

 

響「ガウくん…ハリセンなんてどこから出したの?」

 

ガウ「がうがう」

 

訳:企業秘密

 

響に聞かれてガウはそう答える。

 

八紘「コホン、我々は特異対策機動部だ。悪いが今ここで何があったのか説明してもらいたい、そして君たちがいったい何者なのかも」

 

クリス[随分と他人行儀だな]

 

響[私たちの世界とは違う事情ですかね?]

 

八紘を見てクリスと響は小声で話す。

 

翼「私たちは…」

 

翼が八紘に事情を説明しかけた時だった。

 

ガウ「がうがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

黒服C「!?」

 

なんとガウが黒服の人物の1人に尻尾を振り回して襲い掛かってきたのだ。

 

響「ガウくん!?」

 

襲い掛かるガウに響は驚く。

 

だがガウが攻撃したのは黒服の人物ではなかった。

 

ガウの放った攻撃と共に硬いモノ同士がぶつかり合う音がした。

 

ガウ「ガルルルルル!!」

 

尻尾で貫き倒したモノに乗り、地面に叩き付けて止めを刺すかのように破壊するとガウはさらに威嚇の声を上げる。

 

八紘「大丈夫か!?」

 

黒服C「は、はい…」

 

黒服A「いったい何が…」

 

心配して駆け寄り、ガウが倒したのを見る。

 

八紘「あれは…まさか!?」

 

ガウが尻尾で貫いて倒したのは某カードゲームに出てくる仲間たちとコンタクトして未知なる力を発揮するHEROモンスターに似た黒い人型のロボットに八紘は驚く。

 

八紘「オートマシン!?」

 

翼「オートマシン?」

 

クリス「見たことない敵だな」

 

『オートマシン』と呼ばれるロボットに首をかしげる。

 

翼「気をつけろ、突っ込んでくるぞ!立花!!」

 

ガウが倒したのとは別の新たなオートマシンが現れて響に向かって突っ込んで行く。

 

響「ええ!?何で私!?」

 

少女「!?」

 

突っ込んで来るオートマシンに驚く響と響より驚く少女。

 

響「掴まって!!」

 

少女を抱えて響はオートマシンから離れようとするがオートマシンは響を追い掛けて行く。

 

響「ちょっ!追って来た!?」

 

追い掛けて来るオートマシンに驚く。

 

翼「なに?まさか、狙いはその少女か!?」

 

響「ええー!?何で!?」

 

オートマシンの狙いが響ではなく少女だと言われてさらに驚く。

 

クリス「そんなことわかるかよ!今はとにかく迎撃するぞ!!」

 

響「う…うん!!」

 

クリスに言われて響は少女を降ろす。

 

響「ここで待っててね、すぐに終わるから!ガウくん!!」

 

ガウ「がう!!」

 

響に呼ばれガウは倒したオートマシンから尻尾を引き抜いて跳躍して来る

 

響「この子をもう一度護ってあげて」

 

ガウ「がうがう!」

 

響の頼みを聴いてガウは頷く。

 

ガウの頷きを見て響はさっきまで追い掛けてきていたオートマシンに構える。

 

オートマシンは構わず突っ込んでいく。

 

響「何が目的かは知らないけど、ここは通さない!」

 

ブーストしてオートマシンを殴ろうとする。

 

しかしオートマシンは響の攻撃を悠々と回避する。

 

クリス「これでも喰らえ!!」

 

響の攻撃を回避したオートマシンにクリスが拳銃型のアームドギアで攻撃する。

 

クリスの銃撃に対してオートマシンは弾丸と弾丸の間をすり抜けるように回避した。

 

クリス「今のをかわすのかよ!?」

 

不意打ちに近い攻撃ですら回避したオートマシンに驚く。

 

翼「まるで戦い慣れたベテランの兵士だな…」

 

戦い慣れた戦士のような動きをするオートマシンに翼は呟く。

 

ガウ「がう…がうがう、がう~」

 

オートマシンの動きに苦戦している響たちを見てガウは少女に耳を両手で塞ぐようにとジェスチャーする。

 

少女「………」

 

ガウのジェスチャーに少女は理解したのか耳を両手で塞いだ。

 

ガウ「がう」

 

両手で耳を塞いだ少女を見てガウは思いっきり息を吸う。

 

ガウ「があぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」

 

辺りに響き渡る大声を上げた。

 

『!?』

 

大声を上げたガウに全員が一斉に耳を塞いで動けなくなった。

 

ガウの大声で動けなくなった面々を見てオートマシンはガウに向かって突っ込んで行く。

 

響「どりゃあああああああっ!!」

 

木々の真上からドリルナックルを繰り出している響が現れてガウに向かって突っ込んでいたオートマシンの背中に叩き込んで真っ二つに破壊した。

 

クリス「………っ、なんて声を上げてるんだよ…」

 

ガウの大声で少しクラクラしているクリスは文句を言う。

 

ガウ「がう~…がう?」

 

クリスに言われてガウは少し反省していると違和感を感じて振り向くと背鰭部分を掴んでいる少女がいた。

 

クリス「おっ、次はガウに懐いたみてーだな」

 

翼「立花を何とか助けようとしていたガウを見て懐いたのかもしれないな」

 

クリス「だからってあんな大声は…」

 

翼「だが何とかなったが………」

 

クリス「何なんだ、この敵は?」

 

ギアを解除して響とガウが破壊したオートマシンを見ながら首をかしげる。

 

八紘(オートマシンを倒せるとは……)

 

八紘「場所を移そう。すまないが、ついて来てくれ」

 

響「は、はい!」

 

八紘に言われて響たちはそのあとをついていくのだった。


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