戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第299話 ヤントラ・サルヴァスパ1

響「おっ買い物~♪おっ買い物~♪シャロンちゃんとおっ買い物~♪」

 

ガウ「がうがう~♪」

 

シャロン(………)

 

ルンルンで街に来た響とガウ、シャロンは買い物に来ていた。

 

響(いけない。歩幅を考えて歩かないと)

 

響「ガウくん、少し歩くの遅くして。シャロンちゃんと離れちゃう」

 

ガウ「がう」

 

シャロンが少し響とガウの歩幅より小さいことに気付いて響はガウに言う。

 

少女「………」

 

響「ごめんね、シャロンちゃん。歩くの速かったね」

 

ガウ「がう」

 

響「離れないように手、繋ごうか」

 

シャロン「………(こくり)」

 

響が右、ガウが左に回ってシャロンの手を握る。

 

響「フフ……」

 

響(かっわいいなー。未来の話じゃなけど、なんか初めて娘ができたお母さんになったみたいな気持ち)

 

シャロン「……ッ!?」

 

響「シャロンちゃん?どうしたの……」

 

ガウ「がうがう!!」

 

急に怯えだしたシャロンに響が聞こうとするとガウが2人を突き飛ばした。

 

響「うわっ!!」

 

シャロン「ッ!?」

 

突き飛ばされた響はシャロンが怪我しないように庇う。

 

2人が突き飛ばしされて直ぐにガウは何かに押し潰されてしまい、地面が砕かれ粉塵が舞う。

 

響「シャロンちゃん、大丈夫?」

 

シャロン「……(こくり)」

 

シャロンが無事なのを確認した響はガウの方を見た。

 

ガウ「が…がう………」

 

何かに体を地面に押し付けられて身動きが取れないガウが見えた。

 

響「ガウくん!?」

 

ガウを助けようと向かう響だが直ぐに足を止めた。

 

ガウを押さえ付けているモノ、それは2体のオートマシンだった。

 

響「なッ!?オートマシン!?」

 

ガウを押さえ付けている2体のオートマシンに驚いていると新たに1体のオートマシンが現れた。

 

響「なんで、こんなところに!」

 

現れたオートマシンを見て響は考えているとシャロンが映った。

 

シャロン「………」

 

響(ホントにシャロンちゃんをねらってッ!?)

 

オートマシンの狙いがシャロンかもしれないと思い響は驚く。

 

響「大丈夫。お姉ちゃんが絶対に護ってあげるから!」

 

怖がるシャロンにそう言って響はギアを出した。

 

響「Balwisyall Nescell gungnir tron…」

 

起動詠唱を歌い、ギアを纏う響。

 

シャロン「………ッ!?」

 

ギアを纏った響にシャロンは驚く。

 

響「シャロンちゃんに絶対に!指1本触れさせない!!」

 

宣言するかのように響は言うとオートマシンに向かっていく。

 

 

 

ヴォルガー「あーあ、あの野郎。街中で堂々と襲いやがって。切羽詰まってるってか?」

 

響とオートマシンが戦っているのをビルの屋上からウォッカを飲みながらヴォルガーは言う。

 

ヴォルガー「だがあのガキは今、抑え込まれてる。攻めるなら今だな。キラータンク!!」

 

2体のオートマシンに押さえ付けられているガウを見てヴォルガーは叫ぶとなにもない空間が円状に波打ちキラータンクが姿を現した。

 

ヴォルガー「行け」

 

現れたキラータンクはヴォルガーの指示を聞いて響たちの方へ向かっていく。

 

 

 

キラータンクが向かっているのにまだ気付かない響はオートマシンの装甲の堅さに苦戦していた。

 

響「くっ!やっぱり装甲が堅い!!」

 

装甲が以前より断然に堅くなっているオートマシンに響の攻撃が通じないのだ。

 

するとギアに内臓されている通信機が受信音を鳴らす。

 

翼『立花!今そちらに向かっている!』

 

クリス『アタシらが着くまでなんとか持ち堪えろ!!』

 

響「うん、分かった!」

 

翼とクリスが向かっている、それを聴いて響は踏ん張ろうとする。

 

だがそうはさせまいとオートマシンが攻めてくる。

 

響「ぐあ!!」

 

オートマシンの攻撃に響は膝を着いてしまう。

 

響「ぐ……」

 

何とか翼とクリスが来るまで持ちこたえようと立ち上がる響だがそこへ、キラータンクが到着した。

 

響「あれってキラータンク!?こんな時に!!」

 

到着したキラータンクを見て響は焦る。

 

今、ガウは響が相手しているのと別個体2体に押さえ付けられていて動けない。

 

かといって響自身は今相手しているオートマシンの装甲により苦戦している。

 

まさに絶体絶命だった。

 

シャロン「……!?」

 

絶体絶命の響をシャロンは心配そうに見ていた。

 

響「だ、大丈夫だよ、シャロンちゃん…。こんなの…へいき、へっちゃら、だから!!」

 

心配そうに見ているシャロンに響は言う。

 

響「はああああああああーーーー!!」

 

渾身のパイルバンカーパンチを繰り出した。

 

パイルバンカーパンチにオートマシンは吹き飛ばされ、ビルに叩き付けられた。

 

響「やった?」

 

倒したかと思う響。

 

しかしそんな淡い思いは直ぐに打ち砕くかのように無傷のオートマシンが現れた。

 

響「そんな…あれが、効いてないなんて……」

 

渾身のパイルバンカーパンチが効かないことに響はショックを受ける。

 

そんな響にオートマシンは一気に接近して連続パンチを浴びせる。

 

響「ぐああああああ!!」

 

オートマシンの連続パンチを喰らい、響は吹き飛ばされてしまうが何とか踏ん張る。

 

響「うく……」

 

吹き飛ばされずに済んだが膝を着いてしまう。

 

シャロン「……!!」

 

膝を着いてしまう響にシャロンは近付く。

 

近付くシャロンを見てキラータンクがクローになっている左手で狙いを定める。

 

響「ダメ……シャロンちゃん……来ちゃダメーーーーーー!!」

 

響が叫んだ時だ、シャロンの身体が光だした。

 

響「なに、この光……」

 

光を見て響は驚く。

 

 

 

ヴォルガー「こいつは!?まさか、これが狙いだったのか!?」

 

シャロンが光っているのを見てヴォルガーは驚き、飲んでいたウォッカを落とした。

 

 

 

響「私の…ギア、が………?」

 

シャロンの光に反応するように響のギアが変化した。

 

マフラー部分がなくなった代わりにファンネルのように新たに2つの腕が浮遊していた。

 

響「これは……どうして、急に?それに、この溢れるちからは?」

 

変化したギアに戸惑いを隠せない響にオートマシンが攻めてくる。

 

響(今は考えてる場合じゃない!!)

 

響「今度こそ、倒してみせる!はああああああああーーーーーー!!」

 

攻めてくるオートマシンに気付いて響は右に浮遊している腕で殴った。

 

殴られたオートマシンは一撃でバラバラになって破壊された。

 

響「凄い…これなら!!」

 

苦戦させられていた装甲を貫ける力に響はガウを押さえ付けている2体のオートマシンに向かっていく。

 

響「ガウくんから、離れろおおおおおおおお!!」

 

左右の浮遊している腕がガウを押さえ付けている2体のオートマシンを貫いた。

 

響「ガウくん、大丈夫!?」

 

ガウ「がうがう!」

 

響に助けられたガウは起き上がって言う。

 

響「良かった。ッ!!」

 

ガウが無事だと分かり安心する響だがそこへキラータンクが左手のクローを発射した。

 

響「ふんッ!!」

 

発射されたクローを自身のとファンネルの両腕で掴んで受け止めた。

 

響「どりゃああああああああああああああああああ!!」

 

掴んだクローを掴んだ響はハンマー投げのようにキラータンクを振り回して投げ飛ばした。

 

ガウ「!?」

 

数万tはいかなくても数千tは下らないキラータンクを投げ飛ばした響にガウは驚く。

 

響「はああああああああーーーーーー!!」

 

投げ飛ばしたキラータンクを響は跳躍して両腕を放って貫いた。

 

響「はあ、はあ、はあ……」

 

着地した響は息を荒らしていた。

 

響(あの装甲を一撃を貫いて…それにあのキラータンクも簡単に倒せた…この力っていったい…確か、シャロンちゃんが……)

 

響「そうだ!シャロンちゃん、無事!?」

 

敵を倒してシャロンが無事かと響は叫ぶ。

 

シャロン「……ッ!!」

 

響を見てガウと響に抱きついた。

 

響「うん、怖かったよね。でも、もう大丈夫だから」

 

ガウ「がうがう」

 

抱きついたシャロンに響とガウは言う。

 

翼「立花!ガウ!」

 

クリス「無事か!?」

 

そこへ翼とクリスが到着した。

 

響「あ、2人とも…うん、何とか」

 

ガウ「がうがうがうー」

 

聞かれた響とガウは無事だと言う。

 

クリス「チビも怪我無いか?」

 

響「うん、大丈夫みたい」

 

シャロン「……(こくり)」

 

クリスに聞かれて頷くシャロン。

 

翼「それにしても。そのギアは…?」

 

変化した響のギアに翼は驚く。

 

響「わかりません。急にシャロンちゃんの身体が光って、そしたら……」

 

翼にギアが変化した経緯を話す。

 

翼「この子の力だというのか……ともあれ後の処理は任せて二課に戻ろう。話はそちらで聞かせてもらう」

 

響「は、はい。そうですね」

 

とりあえず二課へ引き上げていく面々。

 

 

 

響たちが引き上げていくのをヴォルガーは見ていた。

 

ヴォルガー「やってくれるぜ。これがヤントラ・サルヴァスパの力か。あんたの狙いは最初から覚醒が目的だったってわけか!!」

 

キラータンクを倒されながらもヴォルガーは笑って言うのだった。


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