戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第305話 諸刃の剣

ヤントラ・サルヴァスパのお陰で翼とクリスのギアが強化されて翌日、街でオートマシンと戦っていた。

 

翼「ヤントラ・サルヴァスパから力を得たギアで、オートマシンに対抗できる様になったのはいいが…」

 

クリス「今度は数で押してくるとはな!!」

 

今まで1~2体、多くても4~5体くらいが出て来たが今日は十数体現れていた。

 

翼「キリが無いな。一体どこから現れているんだ?」

 

クリス「二課が突き止めてくれればいいんだけどな」

 

翼「そうだな……。それまでは泥縄でも現れる端から潰していくしかないが」

 

クリス「ほんとに、骨が折れる」

 

翼「装者が私たち2人きりなんだ。仕方あるまい」

 

ガウ「がうがう!がうがう!!」

 

訳:ちょっと!僕もいるよ!!

 

翼の言葉にガウは反論するように鳴く。

 

翼「すまない。ガウもいたな」

 

クリス「あのバカ、いい加減に戻って来いって」

 

翼「む。噂をすれば、だ」

 

響「はああああああああーーーーーー!!」

 

響を話題に出していると本人が現れてオートマシンを破壊は出来ないが吹き飛ばした。

 

響「やっぱり堅い!?」

 

普通のギアでは貫けず響は言う。

 

翼「よく戻ったな」

 

響「はい、ただいま戻りました!」

 

クリス「ったく。おせーぞ」

 

シャロン「……ッ!!」

 

翼たちと話しているとシャロンが駆け寄ってきた。

 

響「シャロンちゃん!今帰ったよ!」

 

駆け寄ってきたシャロンに響は笑って言う。

 

ガウ「がうがう!」

 

響「ガウくんも、ただいま!」

 

ガウにも響は笑って言う。

 

響「ん?あれ?でも、どうしてシャロンちゃんもここに?」

 

シャロンが戦闘している場所にいることを今頃気付いて聞く。

 

翼「オートマシンが出現したと聞いて、どうしてもついてくると言ってな……危険だと言ったんだが…」

 

響「もしかして、それで翼さんとクリスちゃんもそのギアになれたんですね!」

 

翼「それもこれもこの子のおかげだ」

 

クリス「そういうことだ」

 

自身と同じく変化した2人のギアを見て察する。

 

シャロン「……」

 

響「そっか。ありがとうね、シャロンちゃん」

 

シャロン「……(こく)」

 

お礼を言われてシャロンは嬉しそうに頷いた。

 

シャロン「…ッ!!」

 

そして体を光らせて響のギアを変化させた。

 

響「あ、私のギアも、また!?」

 

変化したギアを見て驚く。

 

クリス「このギアが3人揃えば怖い物なしだ」

 

翼「ああ。一気にせん滅する。行くぞ、立花!!」

 

響「はい!ガウくん、シャロンちゃんを護って!」

 

変化したギアで3人はオートマシンに向かっていく。

 

ガウ「がうがう!!」

 

任されたガウはシャロンの側によって周囲を警戒する。

 

そんなガウの警戒網の死角にある建物の陰から狙いを定めるものがあった。

 

それは一瞬だけ小さな火花を散らすと小さいが細長く、先が尖ったカプセルが飛び出してガウの背中に命中した。

 

ガウ「がう?」

 

チクリとした感じてガウは気にするが気のせいと思ったのかあまり気にしなかった。

 

 

 

数時間後、響たちの活躍でオートマシンたちは全滅した。

 

クリス「殲滅完了、っと」

 

翼「毎回こうだと良いんだがな」

 

響「これもシャロンちゃんのおかげだね」

 

翼「ガウも、よく護ったな」

 

途中何体かに抜かれたがその都度ガウが撃破したので助かり、誉める。

 

だが2人は何も反応せず、上の空だった。

 

響「……シャロンちゃん、ガウくん?」

 

響は2人に話しかけた時に気付いた。

 

シャロン「………」

 

ガウ「……」

 

2人の顔色が悪くなっているのだ。

 

響「なんか、顔いろが…」

 

シャロン「……!?」

 

ガウ「……!?」

 

顔色が悪くなった2人は急にその場に倒れてしまった。

 

響「2人とも、どうかした…!?」

 

倒れてしまった2人を抱える響。

 

響「シャロンちゃん!?ガウくん!?」

 

クリス「おい!しっかりしろ!!」

 

必死に呼び掛けるが全く反応しなかった。

 

 

 

緊急で響たち二課へ行き、2人を預けた。

 

緊急事態に二課の医師たちによる2人の緊急メディカルチェックが行われた。

 

八紘「待たせた。メディカルチェックの結果が出た」

 

響「シャロンちゃんとガウくんの容態、どうなんですか?」

 

八紘「状況は想像以上に深刻だった」

 

響「そんな!?」

 

八紘の言葉に響は驚く。

 

翼「具体的にはどの程度なのですか?」

 

八紘「少女の方は全身に聖遺物の浸食が増大し、既に重要器官にまで及びだしているそうだ。立花くんから先ほど貰った情報と比較しても、かなり危険な状態だ。そして怪獣王…いや、ガウは体内から未知のウイルスが検出され、今しがた隔離室に隔離されている」

 

響「そんな…」

 

クリス「でも前回のメディカルチェックじゃ、そこまでじゃなかったんだろ?それにガウだってさっきまで元気でアタシらと戦ってたろ?」

 

さっきまで元気だった2人が急に倒れてしまった疑問をクリスは言う。

 

八紘「ああ。少女はここ数日で急速に進んだと見るのが妥当だろう。だがガウは原因が不明だ」

 

響「でも……、どうして急に……」

 

翼「…まさか!?」

 

クリス「何か心当たりがあるのか?」

 

原因が分からない中、翼が何か心当たりがあるのか声を上げる。

 

翼「ガウは分からないがシャロンは私たちのギアを変化させたあの力……」

 

クリス「!?あの力が、浸食を加速させたってことかよ!!」

 

シャロンがヤントラ・サルヴァスパの力で響たちのギアを変化させたので聖遺物との融合が速まってしまったと思う。

 

響「それじゃあ、私たちを助けるために……」

 

自分たちを助けるために命を削るような真似―まさに諸刃の剣である行為をしたシャロンに響はショックを受けるのだった。


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