戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第315話 本当の力で

ヴォルガー「ウオラッ!!」

 

ダブルサタンマグナムを発砲しながら響に突っ込むヴォルガー。

 

響「ハアアアアアアアアーーーーーーーッ!!」

 

響は当たりそうなダブルサタンマグナムの弾丸を殴り、軌道をずらす。

 

響「どりゃああああああーーーーーーーーーッ!!」

 

弾丸を全て弾いた響はヴォルガーに接近するとドリルナックルを繰り出した。

 

ヴォルガー「んな単調な攻撃が俺のジャアクンドーに勝てると思っているのか!!」

 

ドリルナックルを繰り出す響の腕にヴォルガーはジャアクンドーで防ぎにかかる。

 

だが、響はもう片方の腕をドリルナックルにして殴りかかった。

 

ヴォルガー「なに!?ぐおっ!!」

 

もう片方のドリルナックルに驚き、ヴォルガーは対応できずに両腕のドリルナックルを喰らい、吹き飛ばされてしまった。

 

響「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!」

 

吹き飛ばされるヴォルガーに響はブーストして目の前まで行くと空中でオラオララッシュで殴りまくる。

 

殴られ続けてヴォルガーの肉体に所々にヒビが入る。

 

響「これで、止めだああああーーーーーーーーっ!!」

 

響の渾身のナックルがヴォルガーの肉体を貫き、吹き飛ばす速度を上げた。

 

ヴォルガー「ぐがああああああああああああああああああああああ!!」

 

貫かれ、吹き飛ばされたヴォルガーは悲鳴を上げながらヴィマーナの壁に叩きつけられると床に崩れるように倒れると目から光が消えた。

 

響「シャロンちゃん!!」

 

ヴォルガーを倒した響は急いでシャロンの元へ向かったその時だ、シャロンのいる柱が変形してオートマシンに近い姿を変えた。

 

響「これって!?」

 

変形したオートマシンを見て驚く。

 

クリス「オズワルドのやつ、あんなものを仕掛けてやがったか!!」

 

響(この中にシャロンちゃんがいるなら、下手な所を攻撃できない……)

 

変形したオートマシン―ヴィマーナの最大の守護者にして制御装置である機体『マスターガーディアン』は攻撃を戸惑う響に殴りかかった。

 

響「ぐう!?」

 

咄嗟に両腕をクロスさせてガードするが防げずにダメージを負い、吹き飛ばされてしまった。

 

響「シャロン…ちゃん……ごめんね、シャロンちゃんが苦しんでる時に、助けてあげられなくて。あの時、連れていかれるシャロンちゃんを止められなくて。でも……今度こそ、助ける……から、ね……だから、一緒に帰ろう!!」

 

叫ぶ響。

 

シャロン(……帰る、あの人のところへ。……お日様のように温かい、あの場所へ……帰りたい、帰りたいよ……)

 

響の声が聞こえたのか、マスターガーディアン内にいるシャロンに光が刺さる。

 

しかし、マスターガーディアンはそれとは関係なく、容赦ない攻撃を繰り出す。

 

響「くう……」

 

必死にガードや回避して直撃を避けるだけの響。

 

響(どうすればシャロンちゃんを傷つけずに倒せるの?)

 

マスターガーディアンを攻撃すればシャロンが傷つくかもしれないと思い、攻撃を戸惑ってしまう。

 

響「シャロンちゃん……聞こえる?シャロンちゃんは私を忘れてなんかいない……だって、シャロンちゃんの意志をわたしはしってるから。わたしたちの力になってくれる、このギアがシャロンちゃんの意志、わたしたちに助けを求める声なんだ!!私は、いや、わたしとガウくんはもう一度シャロンちゃんと話がしたい。あの部屋で一緒に過ごしたい!だから……そんな機械なんかに、シャロンちゃんを大切にしねい人なんかに、絶対に渡したりしない!!」

 

響は必死になってシャロンに呼び掛ける

 

シャロン(わたしと一緒に……わたしも、わたしも一緒にいたい……だから!!)

 

響「だから聞かせて!どうすればシャロンちゃんは笑顔になれるか!!」

 

シャロン「助けて!響お姉ちゃん!」

 

響の呼び掛けにシャロンは意識を…声を取り戻して叫んだ。

 

響「シャロンちゃん、聞こえたよ!待ってて、すぐそんなところから出してあげる!!」

 

シャロンの声を聞いた響。

 

だがマスターガーディアンの危機を感じたのか、オートマシンの大群が響の前に立ち塞がる。

 

響「くっ」

 

大群となって立ち塞がるオートマシンに響は足を止めかけた。

 

その時だ、オートマシンたちの真下に閃光が輝き蒼白い炎が吹き上がって破壊した。

 

響「今のって…」

 

蒼白い炎を見て響は開いた穴を見るとゴジラが真下にいた。

 

真下から放射火炎で援護してきたのだ。

 

翼「恐れるな!手を差し伸べることを!立花ならやれる。今まで数多くの奇跡を起こしてきた、立花のそのギアならば!!」

 

クリス「お前のギアが、大切なもんを傷付けるはずないだろ!行け!自分の力を信じろ!!」

 

残りのオートマシンたちを翼とクリスが抑えに向かう。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

訳:行けー、響ーーー!!

 

鎖を持ってヴィマーナの移動を抑えるゴジラ。

 

響「翼さん、クリスちゃん、ガウくん。シャロンちゃん…いま、助けてあげるからね………」

 

みんなに助けられ、開いたシャロンへの道を響は突っ切る。

 

BGM:【KNOCK OUTッ!】

 

響「はああああああああーーーーーーッ!!」

 

みんなが切り開いた道を響は突っ切り、殴りかかる。

 

マスターガーディアンは殴りかかる響を避けようと後ろへ跳ぶ。

 

響「わたしは!この手で助けるんだ!!」

 

後ろへ跳ぶマスターガーディアンを響は追撃する。

 

シャロン「聞こえる、響お姉ちゃんの歌が……」

 

マスターガーディアンの中で響の歌を聞くシャロン。

 

するとシャロンの前に新たな光が輝いた。

 

シャロン「あッ!」

 

響の拳がマスターガーディアンを貫き、シャロンを助け出した。

 

響「シャロンちゃん!!」

 

マスターガーディアンからシャロンを引きずり出して抱き抱える響。

 

響「大丈夫!?怪我はない!?」

 

シャロンに怪我は無いか確かめる。

 

響「待たせたってごめんね」

 

シャロン「響…お姉ちゃん……」

 

シャロンに謝る響。

 

響「そんあ可愛い声してたんだね、シャロンちゃん」

 

シャロンの声を生で聞いて響は言う。

 

シャロン「あ……」

 

自身に声が出せると気付くシャロン。

 

シャロン「ありがとう」

 

響「良かった……やっと見れたよ、シャロンちゃんの笑顔」

 

シャロン「みんな、響お姉ちゃんのおかげだよ」

 

互いに抱き合うシャロンと響。

 

クリス「感動の再会もいいけど、そろそろ脱出するぞ」

 

シャロン「あ……」

 

感動の再会をしているとクリスたちが来た。

 

響「2人とも、無事だったんだ。よかった」

 

翼「ああ。マスターガーディアンが倒れ、シャロンが解放されたせいか、オートマシンも一斉停止してな」

 

鍵であるシャロンを失い、機能を停止したマスターガーディアンと同時に子機であるオートマシンたちも一斉に機能を停止したことを言う。

 

響「あ、シャロンちゃん、お話できるようになったんですよ」

 

シャロン「あ、あの……クリスおねえちゃん、翼おねえちゃん……ありがとう」

 

喋れるようになったシャロンはクリスと翼に言う。

 

翼「ああ、シャロンこそ、無事で何より」

 

クリス「そのバカがどうしてもいうから少しばかり手伝っただけだ。礼をいわれることじゃないっっての」

 

響「ふふ、クリスちゃん照れてる」

 

クリス「う、うるせーぞ、バカ」

 

シャロン「ふふ」

 

騒いでいる響たちを見てシャロンは笑う。

 

翼「さて、ゆっくり喜びをかみしめていたいところだが、これ以上の時間はないようだ」

 

響「え?」

 

ガスドリンカーズもオートマシンたちも倒して、さらにシャロンを取り戻したのになぜ急いでいるのか響は分からず首をかしげる。

 

翼「こちらの目論見通り、ヴィマーナは機能を停止したわけだが。どうやら、そのおかげで落下し始めてるみたいでな」

 

響「ええええええ!?」

 

翼に言われて響は驚く。

 

クリス「驚くな、当然だろ」

 

驚く響にクリスは言う。

 

急いで脱出しようと響たちはヴィマーナの外へ向かおうとするがシャロンは足を止める。

 

響「シャロンちゃん?」

 

クリス「ほら行くぞ」

 

シャロン「………」

 

シャロンが見つめる先にはオズワルドの死体があった。

 

シャロン「……お父さん」

 

酷いことをされたとはいえ、シャロンにとっては父親である。

 

色々と思うところがあるのだ。

 

響「シャロンちゃん…」

 

シャロン「……大丈夫…お父さんはいっぱい悪いことしたから…」

 

響「それでも…泣きたいときは泣いていいよ」

 

シャロンを優しく抱き締める響。

 

シャロン「うん…響…お姉ちゃん…」

 

抱き締められたシャロンは響の胸元で泣く。

 

?「ふざ…けるな…」

 

『!?』

 

声がした方を見るとヴォルガーが再び立ち上がっていた。

 

クリス「てめえ、生きてやがったのか!?」

 

立ち上がったヴォルガーを見て言う。

 

ヴォルガー「俺たちアルゴル星人は機械生命体だ。肉体は貫かれても簡単に修復できる。もう、ヴィマーナは使えない…こんな星ごと吹き飛ばしてやる!!」

 

怒るヴォルガーは懐からピラミッド型の装置を出して起動させるとどこかへ消えてしまった。

 

響「奴はどこへ…!?」

 

消えてしまったヴォルガーを捜す響たち。

 

翼「まさか、あれが転送装置か何かか!?」

 

残されたピラミッド型の装置を見て予測する。

 

 

 

ヴォルガー「待たせたな、相棒。ひと暴れするぞ!」

 

転送されてきたヴォルガーはどこかのコックピットに来て操縦を開始した。

 

 

 

ゴジラ「グルルルル…」

 

高度を落とすヴィマーナを見て未だに脱出しない響たちを心配していた。

 

するとゴジラの前の空間が揺らぎ、キラータンクが姿を現した。

 

ゴジラ「グルルルル!?」

 

キラータンクを見てゴジラは驚く。

 

何回出てきたら気が済むのかキラータンクを見てゴジラは半ば嫌気がさしていた。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

出てきて直ぐにゴジラはキラータンクに放射火炎を発射したがキラータンクの目の前で放射火炎は四散した。

 

ゴジラ「グルルルル!?」

 

放射火炎が四散してゴジラは驚く。

 

ヴォルガー「今までのキラータンクとはひと味違うぞ!!」

 

操縦してヴォルガーはキラータンクの左腕のガトリングガンを発射した。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?」

 

ガトリングガンの弾丸の雨を喰らい、ゴジラは大きく後退する。

 

ヴォルガー「さらにオマケだ!!」

 

大きく後退したゴジラにキラータンクは右腕のクローを射出した。

 

ゴジラの首を掴んで、平から針を伸ばして体内に入ると何かを注入した。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?」

 

何かを注入されたゴジラは苦しみだし、更に体のあちこちが機械化し始めた。

 

ヴォルガー「今のは金色の雪を数十倍に濃縮したものだ。濃縮した分、ウイルスの回りは早い、これで終わりだ」

 

金色の雪を数十倍に濃縮した薬を打ち込まれて倒れるゴジラを見ながらヴォルガーは言う。

 

そこへヴィマーナから響たちが脱出してきた。

 

響「ガウくん!?」

 

脱出して響はゴジラの状況に驚いていた。

 

クリス「金色の雪の症状!?どうなってんだ!?」

 

翼「まさか、あのロボットにまだ金色の雪があったのか!?」

 

機械化しているゴジラを見て言う。

 

ヴォルガー「シンフォギア…よくも俺の計画を破綻させてくれたな!」

 

ヴィマーナから脱出した響たちを見つけたヴォルガーはキラータンクのガトリングガンを向ける。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

ガトリングガンを響たちに向けるキラータンクをゴジラは苦しむ中でも何とかしようと立ち上がって銃口を抑える。

 

ヴォルガー「ちぃ、まだ動けたか!!」

 

抑えてきたゴジラにヴォルガーはキラータンクのガトリングガンで弾き飛ばすと直ぐに発射した。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?」

 

金色の雪とガトリングガンの攻撃でゴジラは大ダメージを受けて倒れてしまった。

 

ヴォルガー「先にお前を殺してやる」

 

響たちを後回しにしてヴォルガーはキラータンクを動かしてゴジラに接近する。

 

クリス「まずいぞ!」

 

響「何とかしないと…」

 

何とかしないとゴジラが殺られてしまうが生半可な攻撃はキラータンクには通じない。

 

どうするかと考えているときだ。

 

シャロン「ガウくん…お願い、ガウくんを助けたいの!」

 

シャロンが祈る時、シャロン自身の体が光だした。

 

それに呼応するようにゴジラの体が光だした。

 

ヴォルガー「なんだ!?ぐおっ!?」

 

光だしたゴジラに驚いていると、光がキラータンクを吹き飛ばした。

 

光は形を変えて1台の車両になった。

 

バギーのような車体に屋根には大砲を備えた車両だ。

 

クリス「なんだ、あの機体は!?」

 

響「シャロンちゃん、また力を?」

 

シャロン「ううん。ただ祈ったら…」

 

突然現れたバギーに驚いていた。

 

翼「まさか、純粋に助けたいと思うシャロンの心にヤントラ・サルヴァスパの力が発動した?」

 

響「じゃあ、あれはヤントラ・サルヴァスパの…シャロンちゃんの本当の力で生まれた?」

 

翼「ああ。それも悪意ある力が変化した、な」

 

ゴジラを見ながら翼は言う。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

雄叫びを上げながらゴジラはクローを引きちぎると立ち上がり、キラータンクを尻尾で殴り飛ばした。

 

その姿には金色の雪の影響で機械化していた部分が取り除かれていた。

 

ヴォルガー「まさか、ヤントラ・サルヴァスパの力が金色の雪を新たな物へと造り変えた(・・・・・)のか!?」

 

機械化が取り除かれていたゴジラとゴジラを蝕んでいた金色の雪から生まれたバギー―『ブラストバギー』を見てヴォルガーは驚く。

 

ゴジラ「グルルルル…ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

ゴジラが雄叫びを上げるとブラストバギーは走り出して段差になっていた所から飛び上がると車体と大砲で分離すると車体はタイヤを水平に展開、先端からはブレードが出るとゴジラの左腕に、大砲はトリガーが出ると右腕で掴んだ。

 

ゴジラ・フルブラスト「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

ブラストバギーと『獣怪合体』したゴジラ―『ゴジラ・フルブラスト』は雄叫びを上げる。

 

ヴォルガー「そんなこけおどし!」

 

ヴォルガーはゴジラ・フルブラストを見て指を鳴らすと周囲から数十台のキラータンクが出現した。

 

ゴジラ・フルブラスト「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

数十台出現したキラータンクにゴジラはシールドである『ブラストシールド』の先端部を突き刺して支柱にして回転しながら全方位射撃を加える『スピニングブラスト』を繰り出して一気に倒した。

 

ヴォルガー「おのれ!!」

 

数十台のキラータンクを倒されてガトリングガンを乱射しながらヴォルガーのキラータンクは向かって行く。

 

だがゴジラはブラストシールドを再び地面に突き刺して壁にしてガトリングガンを防ぐと自身の放射火炎のエネルギーを大砲『ブラストランチャー』に移動させて発射した。

 

発射されたエネルギー弾はキラータンクのガトリングガンを撃ち抜いた。

 

ヴォルガー「なに!?」

 

ガトリングガンを撃ち抜かれたヴォルガーは驚く。

 

武装を失ったキラータンクにゴジラ・フルブラストはブラストシールドの上にブラストランチャーを固定した砲撃モードにするとエネルギーを砲身にチャージする。

 

ヴォルガー「そう簡単に殺られるか!!」

 

再び指を鳴らすと無事だったキラータンクがヴォルガーのキラータンクを守ろうと一列に並ぶ。

 

ゴジラ・フルブラスト「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

一列に並ぶキラータンクたちにゴジラ・フルブラストはチャージしたエネルギーを一気に発射する『ブラストランチャー・フルブラスト』がキラータンクたちを全て貫いてヴォルガーのキラータンクに向かっていく。

 

ヴォルガー「なんだとおおおおおおおおおおおお!?ぐがああああああああああああああああああああああ……………………」

 

全ての壁であるキラータンクを貫き、自身の乗るのキラータンクも貫いたブラストランチャー・フルブラストに驚きながらヴォルガーはキラータンクと共に爆発した。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

ヴォルガーの最期を見てゴジラ・フルブラストは勝利の雄叫びを上げるのだった。


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