戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第320話 上陸

アナウンサー「えー、ただ今、我々各報道ヘリは、ここ島根県竹島沖上空に来ています!私の手元の資料と大変酷似した1945年4月7日に沈没したはずの戦艦大和が…いえ、”自称大和”と名乗る巨大不審船が…日本領海内に存在しています!!」

 

戦艦 大和と名乗る巨大不審船が出現して翌日、各報道ヘリが竹島沖上空に集まって報道していた。

 

 

 

自称大和のことはS.O.N.G.も知るところにあった。

 

ゴジラが砲撃されてS.O.N.G.も少なからず参加することになった。

 

砲撃されたゴジラは翌朝、竹島から50km離れた海域でガウに戻った状態で浮かんでいるのを海上保安庁の巡視艇により発見された。

 

幸いにして軽症で、救助されたあと直ぐに意識を取り戻してS.O.N.G.本部の医務室で精密検査を受けていた。

 

弦十郎「まさしく戦艦 大和だな」

 

発令室にある大型モニターに映された自称大和を見ながら弦十郎は呟く。

 

藤尭「いったい誰が大和なんか」

 

友里「宇宙人…ってことはないかしら?」

 

エルフナイン「それはないかと」

 

大和が宇宙人の作った代物ではないかと藤尭と友里が話しているとエルフナインが言ってきた。

 

響「なんで言い切れるの?」

 

ユウコ「こちらを見てください」

 

響に聞かれてエルフナインに代わりユウコが持っていた端末を操作してモニターに2つの写真を写し出した。

 

ユウコ「右が第二次世界大戦時の戦艦 大和の写真、左が今回現れた大和の写真です」

 

マリア「写真って…あの戦艦の周りには高度なジャミングがされてたんじゃないの?」

 

2枚目の大和、自称大和の写真を見てマリアは聞いてきた。

 

実は自称大和には飛行機器や衛星カメラに対する高度な妨害技術を使用されて確認が取れなかった、今さっきテレビ映像も妨害が受けない外から遠距離レンズから撮影されたものなのだ。

 

ユウコ「アナログカメラによる撮影です。アナログなら妨害技術も効果ありませんから」

 

ユウコから理由を聞いて全員が納得する。

 

エルフナイン「写真だけでも分かるように12.7cm連装高角砲の数、主砲の46cm3連装砲塔の数、その他の銃器兵装の数は一致しています。さらにこの2枚を照合した結果…」

 

エルフナインが言うとユウコは再び端末を操作して第二次世界大戦時の戦艦 大和と竹島に現れた自称大和の写真を合わせた。

 

すると画面に『一致』の文字と『99.9%』の数字が出てきた。

 

つまり、この自称大和は第二次世界大戦時に沈んだ大和である何よりの証拠となる。

 

あくまでも外見が、だが。

 

クリス「完全に一致したな。だがこれだけじゃ宇宙人が作った代物じゃないって分かんないだろ?」

 

ユウコ「実は自称大和が現れた時に砲撃されたガウくんに付着していた破片を調べた結果、地球の金属成分でできているものと分かりました」

 

疑うクリスにユウコが言う。

 

切歌「じゃあ、あの戦艦は地球で作られたものってことデスか?」

 

ユウコ「そうなります」

 

調「いったい誰が何のために…」

 

弦十郎「現状ではまだ分からん。しかし、何者かの陰謀があるにしろ警戒をしなければならない。装者たちは万が一に備えててくれ」

 

翼「分かりました」

 

 

 

S.O.N.G.の方針が決まった頃、日本側に動きがあった。

 

自称大和の近くに停泊していた海上保安庁の巡視艇に1機のヘリが着陸した。

 

ヘリからは中井防衛大臣と着物を着て、点滴を射たれ、呼吸器を持った男性―日本国総理大臣『伊部 晋造』が降りてきた。

 

「伊部総理着船!全員敬礼!!」

 

伊部を迎えて海保隊員たちは敬礼する。

 

中井「総理…やはり官邸に戻りましょう。お体が万全ではありませんし…まして独断でこのような行動は性急過ぎます」

 

体の体調を崩している伊部に中井は言うが伊部は自称大和の方を見ると言った。

 

伊部「ボートの用意を頼む…!」

 

中井・海保隊員『!?』

 

伊部のこの一言に中井や海保隊員は驚く。

 

中井「総理!自称大和と言ってはいますが今だ警戒すべき不審船なんですよアレは!総理の身に何かあったらどうするんですか!近づくのはまだ危険です!」

 

伊部「いいからボートを出せ!竹島へ上陸する!」

 

中井(えぇ!?そ、それこそ大問題じゃないか…!大体あの自称大和はギャオスを消滅させ、ゴジラも負傷させたんだぞ!?)

 

竹島はかつて日本と韓国が領土争いをしていた。

 

現在はアダムにより壊滅・廃国になった韓国を含む朝鮮全土(現日本・福岡県の離県)が無くなり日本の領土になったがいまだ反発が多い上にのだ。

 

中井(我が民民党の歴代党首随一の慎重・穏健派の伊部 晋造氏がいったいどうしてしまったんだ…)

 

変わってしまった伊部を見て中井は思う。

 

 

 

アナウンサー『えー、竹島近海にて動きがありました!海上保安庁巡視艇からボートが1艘出されました!いったいどこへ向かうのでしょう……あぁーーーーーー!しゅ、首相です!ボートに伊部首相が乗っています!』

 

弦十郎「なに!?」

 

アナウンサーの発言に弦十郎は驚いた。

 

藤尭「伊部首相って民民党の歴代党首随一の慎重・穏健派じゃ…」

 

友里「確かイベノミクスを打ち出してましたよね…でも国民からは良い印象がなかったかと…」

 

友里の言うとおり、生放送されていた東京都内の大型テレビなどの前にいた人々からブーイングの嵐が起きたのは言うまでもない。

 

 

 

中井「総理…なぜ総理自ら竹島へ上陸なされるのですか?」

 

伊部「なさねばならんのだよ、中井防衛大臣…ギャオスを消滅させ、ゴジラを負傷させたあの“自称大和”は日本国に…すなわち内閣総理大臣であるこの私に手荒くも今一度問うて来たのだよ。“さあ…どの国のものだ”とな…ここで他国に先を越されるなんて事があってはならんのだ!絶対に!!」

 

中井に聞かれて伊部は答える。

 

伊部(竹島(ここ)は日本固有の領土である!!)

 

伊部 晋造氏、竹島に上陸する。

 

伊部「さあ…“自称大和”よ、しかと浮けとれい!」

 

この私の…日本国代表、伊部 晋造の覚悟を…!

 

現内閣総理大臣の大和魂を―――!!

 

着物の上着を脱いで持ってきた筒から出した日の丸の旗を振る伊部。

 

その大和魂を見せる伊部の姿をカメラや画面越しに人々は見入り、ブーイングが収まっていた。

 

そんな伊部を自称大和は第二砲塔を向ける。

 

「あぁ!大変です、大臣!」

 

中井「どうした!?」

 

「“自称大和”の砲身が竹島(こちら)向いています!!」

 

中井「何ぃ!?」

 

砲身を向けたことに気づいた隊員に言われて中井は驚き、走り出す。

 

同時に自称大和の第二砲塔の真ん中の砲身が火を吹いた。

 

中井「総ーーーーーー理ィーーーーーー!!」

 

伊部を守ろうと飛び出す中井。

 

少し遅れて伊部がいる位置から少し離れた海に着弾、水しぶきが盛大に上がった。

 

中井「そ…総理!お怪我は!?」

 

伊部の前に来て聞くが伊部はある方向を見ながら言った。

 

伊部「見なさい、中井防衛大臣!」

 

中井「あ…!」

 

伊部に言われて中井は同じ方向を見るとそこには虹がかかっていた。

 

エールにも似た虹を残し、この日巨大不審戦艦“自称大和”は虹の夕日の中へ消えていったのだった。

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