戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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ガウ「がうがう!?」
訳:10日間連続!?

グリッドマン「まさか、カーンデシファーかアレクシス・ケリヴが!?」

アレクシス「酷い言われようだよ、グリッドマン」


第343話 見えぬ敵

ノンマルト軍が滷獲したイギリス海軍所属の原子力潜水艦『グローリア号』を出す少し前。

 

S.O.N.G.が博多へ向かって航行している時だった。

 

八紘『現在、ノンマルト軍の機動部隊と海上自衛隊機動部隊、博多では敵上陸部隊に対して陸上自衛隊機械化空挺師団が戦闘を行っている』

 

クリス「海上自衛隊の機動部隊?」

 

マリア「日本には空母を持っていなかったハズなんじゃ…」

 

八紘『いや、日本にはすでに3隻の空母、『いずも型空母 いずも』、その2番艦『かが』、そして『いぶき型空母 いぶき』を有している。いずれも形式上は軽空母だがそれでも十分な戦力になる』

 

調「いつの間に…」

 

『いずも型空母 いずも』、2番艦『いずも型空母 かが』、『いぶき型空母 いぶき』の3隻(いずれも形式上は軽空母ながら)の空母を日本が有していると聞いて全員、驚いていた。

 

八紘『度重なる超常現象と宇宙人や宇宙怪獣の襲来に備え、護衛艦であった3隻を空母に改造した。まさか、最初の任務が戦争に使うことになるとは思わなかったが…』

 

最初の任務が戦争による使用は八紘も予想外であった様子で話す。

 

弦十郎「それで、戦況はどうなってるんだ?」

 

八紘『敵に多少は裏をかかれはしたが敵機動部隊と爆撃機隊は我々日本が空母を持っていたことに驚き、かなり混乱しているようだ。上陸した敵地上部隊は警察のパトレイバーと自衛隊のレイバー隊によりほぼ鎮圧。博多湾に出現した敵軍も別動隊の自衛隊レイバー隊により押されている状況だ』

 

切歌「太平洋での戦いでの負けが嘘みたいデス」

 

戦況を聞いてアメリカ海軍が壊滅までに追い込まれたのに対して日本ではノンマルト軍に対して優位を確立させていると察した面々。

 

八紘『それに現戦況にお前たちS.O.N.G.が加わればこの戦いは我々の勝ちになる』

 

弦十郎「あぁ。あと3時間内に…」

 

っと弦十郎がそこまで言った時だった、発令室に警報が鳴り響き、通信が切れてしまった。

 

弦十郎「どうした!」

 

藤尭「それが我々の後方より魚雷が接近!数は3!」

 

弦十郎「後部対艦ミサイル、発射!接近中の魚雷を破壊しろ!!」

 

弦十郎の指示でS.O.N.G.本部の後部に新たに設置された対艦ミサイルが発射され、接近中の魚雷に向かっていく。

 

発射された対艦ミサイルは魚雷3本の内1本に命中、爆発を起こすと他の2本もその衝撃や破片で誘爆させた。

 

友里「魚雷の破壊に成功!ですが魚雷を発射したと思われる艦の反応がありません!」

 

弦十郎「どこかに潜んでいるハズだ!熱源、音響、各種センサーで何としても見つけ出すんだ!!」

 

魚雷の破壊に成功はしたものの、それを発射した艦が見つけられないと聞いて弦十郎は指示を出す。

 

 

 

S.O.N.G.本部から8海里(約14.816km)後方に1隻の潜水艦が航行していた。

 

前方はトゲトゲしい装飾で、見ようには魚にも見受けられる灰色の潜水艦であった。

 

「キャプテン、魚雷3本破壊されました」

 

音響を聞いていた兵士が艦長であるノンマルト人に言う。

 

?「敵もなかなか冷静に判断してきたな」

 

青を基調とした軍服で、口に髭を生やしたノンマルト人が言う。

 

?「普通だったら慌てるんですがねぇ。敵の指揮官もキャプテンと同じくらいの度量があるんじゃないですか?」

 

短い茶髪で、揉み上げとアゴヒゲが合わさってしまっている男性が言う。

 

クラーケン「そうだな、イゴル。ドルメ司令の言うとおり、S.O.N.G.の艦長は楽しませてくれる。このルヴォフ・クラーケンをな」

 

ノンマルト軍所属特殊任務潜航艦『UX-501』の艦長『ルヴォフ・クラーケン』大佐は副長の『イゴル・ハニ』大尉に言う。

 

イゴル「それでどうします?敵の艦長は意外とやるってことが分かったんですが」

 

クラーケン「フッ、俺たちは俺たちのやり方でやるだけだ。ん?」

 

次の手をどうするか話しているとクラーケンは潜望鏡を覗いた。

 

潜望鏡にはサーモグラフィであるが浮上しようとしているS.O.N.G.本部の熱源が見えた。

 

クラーケン「奴らめ、シンフォギアだけでも先に行かせるつもりか」

 

イゴル「え~、んなことされたらドルメ司令に大目玉でっせ」

 

クラーケン「そうをさせないのが俺たちの仕事だ。敵は海面へ向かって浮上している、1、3番には通常魚雷、2番には高速酸素魚雷を装填!」

 

イゴル「アイアイ・サー!魚雷装填準備!!」

 

クラーケンの指示でUX-501の艦首に装備された魚雷発射口内に魚雷が装填される。

 

イゴル「魚雷装填完了!」

 

クラーケン「撃ぇぇぇ!!」

 

クラーケンの合図でUX-501から魚雷が一斉に発射される。

 

内、1本の魚雷は先端から空気を出しながらジェットのように加速する。

 

 

 

藤尭「新たな熱源!魚雷3!内1つは高速で接近中!!」

 

弦十郎「迎撃!」

 

瞬間、S.O.N.G.本部の後方に高速酸素魚雷が命中、遅れて通常魚雷2本が着弾、3本の魚雷を受けて本部は海中で爆発した。

 

 

 

クラーケン「命中。少し期待外れだったな」

 

潜望鏡から爆発した本部を見ながらクラーケンは言う。

 

イゴル「仕方ないですよ。この艦は海水とほとんど同じ温度、さらには各種センサーに反応しずらいステルス能力がありますからね~」

 

クラーケン「そうだったな」

 

UX-501の性能を語る2人。

 

その時だ、轟音とともにUX-501の船体が激しく揺れた。

 

クラーケン「何があった!」

 

「こ、攻撃です!ミサイルによる攻撃です!!」

 

クラーケン「バカな、この海域に我々の他に何が!?」

 

兵士の報告にクラーケンは言う。

 

「艦長!海上の空域に歌が!!」

 

クラーケン「歌だと……まさか!!」

 

歌が聞こえたと聞いてクラーケンは上を見上げる。

 

そう、海上にはイチイバルを纏い、ロケットに乗ったクリスが大型ミサイルをUX-501に向かって放っていた。

 

クリス「さんざん好きにやってくれたな!利子のしつけで返してやる!!」

 

今までいいようにノンマルト軍にしてやられていたのでクリスは鬱憤を晴らすようにミサイルを発射する。

 

 

 

友里「クリスちゃんによる空中攻撃継続中!!」

 

藤尭「エルフナインちゃんとユウコさんの作戦が上手くいきましたね」

 

弦十郎「あぁ。まさか見えぬ敵とは思わなかったがな」

 

話す3人はエルフナインとユウコのことを言う。

 

今回、弦十郎はデコイによる囮を使用して敵の位置を探り当てたのだ。

 

UX-501は海の温度と同じように冷やされている。

 

だが魚雷を発射した一瞬だけ熱が上がるのだ。

 

その技術に気づいたのはユウコである。

 

ユウコはかつてメカゴジラシティでのことを思い出してこの作戦を思いついたのだ。

 

ユウコの本来いた世界のメカゴジラは体を破壊されても頭部のみで巨大な建築物を作り上げ、ゴジラの細胞であるG細胞あるいはそれによく似た細胞を持つものを見分けて襲っていた。

 

この応用で敵は海より熱い熱源を目印にしているのではと考えたのだ。

 

デコイを打ち上げて浮上しているように見せかけ、本体は機関を停止して深海へ下がり、身を潜め、敵がデコイに攻撃を仕掛けたのと同時にクリスを乗せたミサイルを発射、そのまま一瞬だけ感知した熱源に攻撃したのだ。

 

 

 

イゴル「どうしやす、キャプテン!」

 

クラーケン「チッ、やはり敵はかなりの手練れだな。デコイ魚雷発射と同時に機関始動、最大全速で離脱する!」

 

イゴル「アイアイ・サー!」

 

思いもよらぬ攻撃に少々驚いていたクラーケンだったがすぐに冷静さを取り戻して指示を出す。

 

クラーケン(やってくれる、S.O.N.G.の司令官殿)

 

 

 

藤尭「敵艦、熱源を無数に発射!」

 

友里「熱源が多過ぎて敵艦本体が見分けられません!」

 

クリス『どれを撃てばいいんだ!?』

 

デコイを多数放たれてUX-501を見失う。

 

弦十郎「自身の弱点を突かれた攻撃を受けたんだ、引き上げる為のデコイだ。深追いは無用だ、一旦浮上しクリスくんを回収した後、航行を再開する!」

 

敵艦を見失って弦十郎はそう言う。

 

弦十郎「あおい、八紘兄貴にもう1回繋いでくれ」

 

友里「はい」

 

弦十郎に言われ通信を繋ぐ。

 

八紘『弦!』

 

弦十郎「すまん、兄貴。敵艦と遭遇して…」

 

八紘『いや、それよりまずいことになった。ノンマルト軍が先ほどイギリスから奪ったと思われる原子力潜水艦 グローリア号を使用してきた!』

 

弦十郎「なんだとぉ!?」


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