戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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クリス「もう何も言わないからな」

ガウ「がう」
訳:うん

作者「それはそれで寂しいな」


第344話 偽物を見分けろ

博多湾に出現したグローリア号にヘルダイバー隊は苦戦を強いられていた。

 

グローリア号は原子力潜水艦、攻撃して下手に破壊すれば放射能が辺りを汚染してしまうからだ。

 

ゴジラやカボラなどの放射能をエネルギーに変えられる生物が居れば話は別だが生憎と怪獣たちは全面的に協力を拒否している。

 

現段階では何とか原子力潜水艦であるグローリア号を傷付けずにドルメ艦隊に攻撃しなければならない。

 

だが…。

 

不破「もら…」

 

不破機が建物の隙間から40mm速射砲でドルメ艦隊のマイドラー級に砲撃しようとするがそこへグローリア号が割って入り盾となって攻撃を妨げていた。

 

不破「くっ!」

 

グローリア号が原子力潜水艦だと知っている不破は攻撃を躊躇う。

 

その隙にマイドラー級が出て来て砲撃を開始する。

 

不破「チッ!」

 

マイドラー級の砲撃に不破機は後ろへジャンプして回避する。

 

刹那にマイドラー級の砲撃で隠れていた建物が崩壊、不破機に向かって倒れ込んできた。

 

回避しようとするが破壊された車に足を取られ転倒する。

 

転倒した不破機に倒壊する建物が向かっていく。

 

これまでかと思った、その時だ。

 

建物に無数の小型ミサイルが飛んできて木っ端微塵に破壊し、不破機を助けた。

 

クリス「大丈夫か!?」

 

声がした方を不破は見るとロケットに乗ったクリスが上空にいた。

 

不破「シンフォギア…S.O.N.G.か!」

 

クリスを見て不破はそう言って機体を起こした。

 

不破「救援に感謝する」

 

クリス「気にすんな。当然のことをしただけだからな」

 

不破に礼を言われるとクリスはそう言って別の方へ向かって行く。

 

不破(娘とそう変わらない年齢なのに、大したものだな)

 

別の方へ向かって行くクリスを見て不破はそう思っていた。

 

 

 

「司令、敵増援を確認!シンフォギアです!」

 

デルハイン「クラーケンめ、しくじったか」

 

シンフォギアが来たことを聞いてデルハインは言う。

 

ドルメ「だがシンフォギアだろうとこちらには原子力がある!このまま優位を保たせるぞ!」

 

原子力であるグローリア号が手の内にある限りシンフォギアは手が出せないと判断してドルメは言う。

 

ドルメ(しかし、何かが変だ…事前調査で日本軍に空母は無いと報告があった。だが実際は空母はあった。いくら隠しきれていたとしても何らかの予兆はあったハズだが…)

 

戦い続けてドルメは考えていた。

 

 

 

ドルメ艦隊の上空をロケットに乗ったマリア、翼、切歌、調、合流したクリスが飛んでいた。

 

翼「やはりイギリス海軍のグローリア号」

 

マリア「でもあの艦は1隻しか無かったんじゃなかったの?なんで3隻も…」

 

イギリスが開発したグローリア号は1隻のみ。

 

それが現在は3隻もいることに疑問を言う。

 

ユウコ『恐らく本物は1隻、あとの2隻はそっくりに造られた偽造艦かと思われます』

 

エルフナイン『ただ、偽造艦とは言え本物のグローリア号を元に造ったのならばエンジン部分は分かりませんが戦艦並みの火力があると推測されます』

 

疑問に答えるようにユウコとエルフナインの2人が通信で言ってきた。

 

調「つまりは撹乱させるための偽物」

 

切歌「そうと分かれば早く偽物を破壊するデス!」

 

クリス「バカ。偽物って分かんねーように造られてんならどうやって見分けるんだよ」

 

クリスに言われて全員が同じ事を思った。

 

本物そっくりならば偽物だと分からないようにするために造られている。

 

それを見分けるのは難しい、戦いながらだとなおさらである。

 

翼「しかし何かせねば敵に反撃の機会を許すことになる。早急に本物を見分け、偽物を叩かねばなるまい」

 

クリス「ってことは結局またゴリ押しか。いつも通りだな、全く」

 

翼の発言にクリスは言うと腰部から無数の小型ミサイルを発射する『MEGA DETH PARTY』を放った。

 

 

 

「シンフォギア、ミサイルを多数発射!」

 

ドルメ「対空防御、始めぇ!!」

 

ドルメの指示でゲシュペンスト、ドルギラ級、ギーズル級は対空機関砲を。

 

マイドラー級は主砲、副砲による砲撃でクリスが発射したミサイルを撃ち落としていく。

 

だが数で勝るクリスの小型ミサイルにマイドラー級3隻が主砲や副砲、艦尾に直撃を喰らう。

 

「シンフォギアのミサイルにマイドラー級3隻被弾!内1隻が艦尾に直撃、航行不能!」

 

ドルメ「近くの僚艦に兵を救出させろ!ドルギラ級、ギーズル級は全艦対空攻撃、マイドラー級は全艦グローリア号の護衛に回せ!シンフォギアが攻めてくるぞ、近づけさせるな!!」

 

ドルメの指示が嵐のように次々に飛んで行く。

 

 

 

翼「よし、行くぞ!!」

 

翼の合図でクリス以外のメンバーがドルメ艦隊に向かって降下する。

 

目標はグローリア号とその偽物のである。

 

クリスは翼たちの援護のためにミサイルを打ち続ける。

 

翼たちはドルギラ級、ギーズル級の対空機関砲、マイドラー級の砲撃をミサイルを盾に回避して接近する。

 

翼「先ずは露払いだ!」

 

ドルメ艦隊に接近して、翼はそう言って跳躍する。

 

翼「初手より奥義でつかまつる!!」

 

跳躍した翼はアームドギアを巨大化させて振り下ろした。

 

振り下ろされたアームドギアはドルギラ級1隻と近くにいたギーズル級3隻を両断、爆発・炎上・沈没した。

 

マリア「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

マリアは蛇腹状にしたアームドギアでマイドラー級3隻のブリッジと艦尾を貫き爆発させ破壊した。

 

調「行くよ、切ちゃん!」

 

切歌「了解デスよ、調!」

 

調はツインテール状のヘッドギアから無数の丸ノコを放ってそれに合わせて切歌が鎌型のアームドギアの刃を複数展開してスイングしてブーメランのように放った。

 

調の丸ノコがギーズル級1隻が船体全体に刺さり、だめ押しで切歌のアームドギアの刃が刺さると爆発し、沈没していく。

 

 

 

「シンフォギアにより我が艦隊のドルギラ級1隻、ギーズル4隻、マイドラー級3隻が轟沈、さらに上空からのミサイルに被弾艦が増大しています!!」

 

デルハイン「たった5人に、それも小娘どもに我々が押されているだと!?」

 

被害の報告を聞いてデルハインは言う。

 

ドルメ「狼狽えるな!狼狽えれば敵に勝機を与えてしまう!特務艦隊に通達、砲撃を許可、シンフォギアがある程度高度や距離を取ったら対艦ミサイルを発射させろ!特務艦隊の砲撃と同時に本艦も主砲斉射だ!!」

 

狼狽える将兵たちはドルメの一言で我に返り、指示を受ける。

 

 

 

翼「よし、露払いはこんなところか。あとは……!?」

 

ある程度ドルメ艦隊の艦を減らしてグローリア号の方を向いたとき、翼はグローリア号のローター式の主砲が回転を始めたのに気付く。

 

しかも1隻ではなく偽物も含めた3隻全てが回転し始めていた。

 

翼「まずい!!」

 

グローリア号の動きを見て翼は高度を上げる。

 

マリアたちもグローリア号の動きに気付いて高度を上げ、クリスは攻撃しさを止めて距離を取り始めた。

 

同時にグローリア号3隻のローター式の主砲が一斉に火を吹いた。

 

加えてゲシュペンストの主砲も火を吹いて翼たちに襲い掛かった。

 

グローリア号は潜水艦だが戦艦並みの火力を有しているのは独特のローター式主砲が起因する。

 

ローターには横1列に5門の軽巡用の主砲があり、それが縦1列に10門、計50門に及ぶ。

 

ローターが回転すると横1列の5門が砲撃を始め、次の5門が砲撃を始めると次から次へと機関銃のように主砲が連射されるのだ。

 

これにより、通常砲撃で次弾装填まで一瞬の隙すら無くなってしまうのだ。

 

グローリア号3隻とゲシュペンストの砲撃の雨を掻い潜りながら翼たちは高度を上げるしかなかった。

 

翼「流石は最新鋭艦と言ったところか」

 

マリア「感心してる場合?私たちが地球人の兵器に苦戦するなんて笑えないわ」

 

ある程度、高度を上げてマリアは冗談半分で翼に言う。

 

切歌「それにしても偽物も攻撃出来るってズル過ぎデス」

 

調「でもあそこまで本物に似せるとなるとノンマルトは日本並みの技術力があるのかもしれない」

 

偽物ですら本物と全く同じだけの火力を有していると分かって切歌と調は話す。

 

するとグローリア号3隻の艦首先端が開き、中から対艦ミサイルが翼たちに向かって発射された。

 

『!?』

 

3本の対艦ミサイルに翼たちが気付いた時にはすでにミサイルは加速しきり目の前まで迫っていた。

 

刹那、ミサイルが爆発し翼たちが炎と爆煙の中に包まれた。

 

クリス「せ、せんぱあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!」

 

炎と爆煙を見てクリスの叫びが博多湾の空に響き渡った。

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