戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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クリス「………で、何で本編放送から3ヵ月も後なんだ?」

作者「いや、まあ、やんないといけないXD編があるから…」

クリス「んな、理由で後にするんじゃねー!!」

作者「ずびばぜん!!」

クリス「ったく、あ、今日はタイトルが2つあるから気よつけてくれよ」


第347話 ユウコとガウ(反攻作戦 2)

ノンマルト軍太平洋方面遠征軍攻略作戦を開始するためにS.O.N.G.本部は空母 いずもを旗艦とした機動部隊と怪獣軍団海将恐龍 チタノザウルス率いる海棲怪獣軍団と共にノンマルト軍に占領された太平洋へ向かっていた。

 

ガウ「………」

 

S.O.N.G.の本部にてガウは待機室に1人でいた。

 

ただガウの表情は暗くなっていた。

 

理由は響である。

 

太平洋海戦で響がノンマルトに捕まってしまったことをクリスたちから聞いたのだ。

 

自分がもっと確りしていれば響が捕まることはなかっただろう…とガウは自分自身を責めているのだ。

 

そんなガウの後ろから首に冷たい感触が襲ってきた。

 

ガウ「ひゃう!?」

 

驚いたガウは飛び上がって振り向いた。

 

振り向いた先には缶ジュースを2本持っているユウコがいた。

 

ガウ「がうがう…」

 

相手がユウコだと分かるとガウは警戒心を解いた。

 

ユウコ「ごめんなさい。少し驚かせ過ぎたかな?」

 

ガウ「がう」

 

ユウコに聞かれてガウは首を横に振って答える。

 

ユウコ「良かった。はい、これよかったら飲んで」

 

片方の缶ジュースを差し出すユウコ。

 

ガウ「がうがう~」

 

ユウコが差し出した缶ジュースを受け取り、ガウは早速プルタブを開けて飲み始めた。

 

ユウコ「条約や響ちゃんのこと、あまり気負いしないで」

 

ガウ「………!」

 

ユウコに言われてガウは飲むのを中断して下を向いた。

 

ユウコ「条約は仕方ないよ、ガウくんはノンマルトと仲良くしようと思ってしたことなんだもんね」

 

ガウ「がう…」

 

ユウコ「私ね、死ぬ前にある種族に出会ったの」

 

ガウ「?」

 

本来いた世界のことを語りだすユウコにガウは耳を傾ける。

 

ユウコ「それはフツアって言う種族でね…私、その種族を軽蔑してたの…」

 

ガウ「がう?」

 

なんでと言うようにガウは鳴く。

 

ユウコ「理由は"よく分からない種族"だから…かな。フツアってもしかしたら見捨てられた地球人の末裔なんじゃないかなって言われてたけど、私は信じたくなかったの。"何を考えているか良く分からないような種族が私たちと同じ地球人のハズがない"って……」

 

そう話すユウコにガウは少なからず同情していた。

 

ガウもかつて人間たちを怨み続けていた時に"人間は良く分からないような生き物、自然を守るなどといいながら自然破壊を止めない"。

 

"人種に差など無いとうたいながら差別・貧富の差が大きくなる"。

 

"戦争はもうしないなどと言いながら戦争を止めようとしない"。

 

"そんな奴らが自分たちと同じ地球生命のハズがない"と思い続けていた。

 

だから人間たちを地球から根絶やしにしようと配下の怪獣軍団と共に世界中で戦った。

 

だが響たちと出会って今までの考えに新たな道が出来た。

 

"人間は…一部だが荒廃した何かを…満たしてくれる。失った家族と同じ…暖かで、荒廃した何かに癒しを与えてくれる"。

 

響だったからかもしれないがガウにとってはこれほど満たされたのは家族と過ごした日々以来であった。

 

ユウコ「でも先輩は…あぁ、ハルオ先輩ね。ハルオ先輩はそんな私を叱ってフツアと分かり合おうとしていた。私はそれを否定したの」

 

増殖都市(メカゴジラシティ)でのハルオとの意見の相違でぶつかったことを思い出す。

 

フツアを軽蔑していた自身とは対象に歩み寄り、分かり合おうとしたハルオ。

 

それがあの運命へ繋がったのでは考える時があるのだ。

 

ユウコ「でもこっちの世界に来てその考えが変わったの。怪獣と人類が共存した世界は実在した、姿形や考えが違っててもそれを理解して歩み寄ろうとする人が沢山いるって。だからガウくんがノンマルトと仲良くしようとしていたことは凄いって思うよ。だから悪い方面ばかりに考えないで、これからどうしようかを考えよう。1人でが無理なら私たちも一緒に考えるよ」

 

微笑みながらガウの頭を撫でてユウコは言う。

 

ガウ「がう…がう!」

 

ユウコに言われてガウは色々と吹っ切れたのか強く頷いた。

 

いちいち悪い方ばかり考えてたんじゃ前には進まない。

 

だったら"これからどうするか、どうやったら前に進めるか"、それを考えればいい。

 

1人でダメなら皆と考えればいい。

 

そうすればいい考えが浮かぶのだから。

 

ガウ「がうがう、がう~♪」

 

ユウコ「きゃっ、ガウくん!くすぐったいよ~!」

 

お礼のつもりでガウユウコに抱き付いて頬をスリスリするのだった。

 

 

 

一方、太平洋方面遠征軍本拠地ではノンマルト軍の艦艇が続々と集結していた。

 

太平洋方面遠征軍は元々はドルメが指揮していたがそのドルメが反逆罪で逮捕され、さらに上官であるディンツ提督までもが逮捕されたために現在、軍を指揮しているのはムルヘである。

 

ムルヘは太平洋方面遠征軍の指揮官として就任して直ぐに地球各地に遠征していた軍の規模を縮小、太平洋方面遠征軍本拠地に集結させていた。

 

「閣下!第42インド洋方面打撃軍、到着しました!」

 

「第36駆逐戦隊、到着!」

 

ヴァイスリッターのブリッジにて艦長席に座るムルヘに続々と地球各地の戦場で戦っていたノンマルト軍の艦隊が集結の報が集まっていた。

 

ムルヘ「ふふふふ、これこそが我がノンマルト大帝国の象徴である。数こそが全てである!来るがいい、愚かなる侵略者どもよ!そして獣以下の怪獣軍団よ!我がノンマルト大帝国の力の前に完膚なきに叩き潰してくれるわ!!」

 

ムルヘ率いる新生太平洋方面遠征軍の艦隊数、戦艦級であるドルギラ級、空母級であるアドノル級、ノンマルトの中では旧式ではあるがいまだに現役の『三段階空母 レベリス級』、巡洋艦級であるギーズル級、駆逐艦級であるマイドラー級の全て総勢2万が自衛隊の機動部隊、S.O.N.G.、怪獣軍団を待ち構えていたのだった。


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