戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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前回までの3つの出来事!

1つ! 未来を助けた少女に襲われる響たち!

2つ! 響たちを襲っていた少女を止めたのはリルと瓜二つの顔をした少女、リトだった!

そして、3つ! リトの案内で少女とリトの指揮官に会いに行くことになるが、新たな脅威が迫っていた!


第358話 理由と説明と戦争

リトの案内で響たちはとある軍が駐屯している場所に案内されていた。

 

響「ここは?」

 

リト「ここは日本軍バルベルデ派遣駐屯地です」

 

ギアを解いて迷彩服の姿であるリトは言い、なぜか少女はいまだにギアを纏っている。

 

クリス「日本軍って、日本は自衛隊じゃなかったのかよ?」

 

リトの発言にクリスは聞く。

 

リト「1~2年前までは自衛隊だったんですけど…」

 

そこまで言ってリトは言葉を止めた。

 

未来「どうかしたの?」

 

リト「いえ、何でもありません…」

 

未来に聞かれてリトはそう言う。

 

響「それで、なんで軍になったの?」

 

?「知りたきゃおっさんにでも聞け」

 

響が再度問うと響たちに襲い掛かってきた少女が言う。

 

リト「そうですね。私の口からはちょっと…出来れば司令に聞いてください」

 

響「…うん、分かったよ」

 

最終的にリトが言うと響は納得する。

 

響「あ、ねぇ、貴女の名前聞かせてくれない?」

 

藪から棒に響は少女に聞いてきた。

 

?「あ?何言ってんだよ、テメェ」

 

響に聞かれて少女は睨み付けた。

 

響「テメェじゃないよ、私は立花 響だよ」

 

?「名前まで一緒かよ、ふざけてんならこの場で殺すぞ」

 

槍を向けて威嚇する少女。

 

リト「もう、ママ!」

 

威嚇する少女にリトは止めに入る。

 

ジーナ「チッ、アタシはジーナだ」

 

リトに止められ、槍を納めて少女は『ジーナ』と名乗る。

 

ジーナ「アタシに2度と話しかけんなよ、偽者ども!」

 

軽蔑した目を向けながらジーナは言う。

 

話はそこで途切れて響たちは駐屯地の中で唯一、日本の国旗と旭日旗の2本が立てられた建物に案内された。

 

響たちを案内していたリトはある部屋の前まで行くとドアをノックした。

 

すると奥から「入ってくれ」っと声が聞こえた。

 

ジーナが先にノブを回して開ける。

 

ジーナ「入るぞ、おっさん」

 

リト「ママ!もう…失礼します、司令」

 

行儀悪く入るジーナにリトは言う。

 

ジーナとリトに続いて響たちも入る。

 

中には自衛隊…いや、この世界では『日本軍』の兵士と同じ迷彩服を着て、軍の帽子を被った弦十郎がいた。

 

弦十郎「待っていたぞ、2人とも。そして…」

 

ジーナとリトを見て響たちを見る。

 

弦十郎「本当に響くんたち…なのか?」

 

自身の目が信じられないのか弦十郎は聞いてきた。

 

クリス「あぁ。だが、正確にはここの世界の住人じゃないけどな」

 

弦十郎「どういう意味だ?」

 

クリス「それは…」

 

弦十郎に聞かれてクリスは話した。

 

自分たちが別の歴史を持った別世界の住人であること。

 

並行世界同士を繋ぎ合わせる完全聖遺物 ギャラルホルンのこと。

 

そして自分たちがこの世界に来た理由を。

 

弦十郎「なるほど…。この世界の異変を食い止めるために…そして仲間を助けるために来たのか」

 

理由を聞いて弦十郎は確認すると響たちは頷いた。

 

クリス「今度はこっちが聞く番だ。あの青いノイズは何なんだ?」

 

弦十郎「それを説明する前に2人とも、メンテナンスベースで検査を受けてこい」

 

ジーナとリトに弦十郎はそう指示を出した。

 

リト「はい」

 

ジーナ「へいへい」

 

弦十郎に言われて2人は部屋から出ていった。

 

弦十郎「これでよし。さて、アレはネオノイズと呼ばれるアルカ・ノイズの強化型だ」

 

響「アルカ・ノイズの強化型…」

 

未来「ネオノイズ?」

 

群青色をしたノイズ―アルカ・ノイズの強化型である『ネオノイズ』と聞いて首をかしげる。

 

弦十郎「そうだ。この世界では日本は朝鮮と戦争状態に入り、日朝戦争が勃発した。国力の差で日本が優位に立っていた時、パヴァリア光明結社の残党錬金術師の協力で朝鮮はネオノイズを開発・投入してきた」

 

響「この世界にもパヴァリア光明結社がいたんですか」

 

弦十郎「あぁ、異端技術を使用した朝鮮を討伐するためにいまだにS.O.N.G.と呼ばれていた我々はこちらの世界の響くん、クリスくん、翼、マリアくん、切歌くん、調くん、未来くん、ジーナ、リトの9人のシンフォギア装者を投入した」

 

未来「この世界の私もS.O.N.G.に?」

 

弦十郎「こちらの世界の未来くんは響くんと変わらない適合率を見せていた」

 

クリス「世界が違うと適合率のことも違うのか」

 

こちらの世界では未来もS.O.N.G.の一員であると聞かされて意外に思う。

 

響「それで戦争はどうなったんですか?」

 

弦十郎「戦争は…9人の装者を投入した日本の勝利に終わった…だが……」

 

そこまで話して弦十郎は奥歯を噛み締めた。

 

弦十郎「その戦争の最中、ジーナとリト以外…つまりこちらの世界の響くんたちは…朝鮮の使用した核爆発に巻き込まれ…死んだ…」

 

「「「!?」」」

 

弦十郎の一言に響たちは驚いた。

 

弦十郎「アレはネオノイズの生産工場を制圧に当たる任務だった。だが、奴らは生産工場を囮に工場のエネルギー源にしていた核発電施設を暴走・爆発させた。ジーナとリトは万が一のために後衛にいたが響くんたちは突入班援護のために施設近くにいたためにギアによる防御ですら…我々が着いたときには大爆発し、辺りの森林を根こそぎ吹き飛ばし、地面を抉り出来たクレーター、その中で、焼け焦げた真っ黒な死体を抱えて泣き崩れているジーナとジーナの側で泣いているリトの姿だった」

 

響「じゃあ、ジーナちゃんが私たちを襲ったり、偽者って言ったりするのって…」

 

弦十郎「恐らく、信じたくなかったのかもしれない。自分の目の前で死んだ…大切な人たちと同じ姿、同じギアを纏っていた並行世界から来た君たちという存在を」

 

ジーナが自分の目の前で死んだこちらの世界の響たちと同じ姿、同じギアを纏っている別の世界の響たちの存在を信じたくなかったという弦十郎の推測を聞いて響たちは何も言えなかった。

 

弦十郎「響くんたちが死んだ時、ジーナは言っていた」

 

 

 

ジーナ『絶対に許さねぇ…ぶっ殺してやる…この国の奴ら、全員、アタシがぶっ殺してやる!!』

 

 

 

弦十郎「その言葉通り、ジーナは国一国をたった1人で滅ぼした。だが、ジーナの心に出来てしまった深い傷はいまだに癒えてはいない」

 

クリス「無理もない、目の前でこっちのアタシらが死んだんなら」

 

弦十郎「そうだ。それ以降、S.O.N.G.は解散、ジーナやリトを始め、旧S.O.N.G.は日本軍第915独立部隊となった。日本は軍と改めた自衛隊を様々な紛争地域に派遣している。我々はバルベルデ政府が異端技術を兵器利用していると聞いて来たんだ」

 

未来「そうだったんですか」

 

響「この世界で私たちは死んでるんだ……」

 

この世界で起きたことを聞いて響たちは言葉があまり出なかったのだった。




昨日は本当に申し訳ありませんでしたぁ!

詳しくは活動報告に上がってます!

それでは次回にてお会いしましょう!

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