戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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前回までの3つの出来事!

1つ! プテラノドンヤミーの前にピンチになった響たちを救ったのは仮面ライダーオーズこと火野 映司とアンクだった!

2つ! 映司たちは鴻上ファウンデーション会長―『鴻上 光生』の情報提供により新たなるメダル―『漆黒のコアメダル』を探しに来ていた!

そして、3つ! ジーナは響に牙を剥き、その凶刃が響を襲うのだった!


第361話 偽者と本音とOTONA

時間を少々遡り、ジーナを連れていって響とリトが医療棟に来たところまでになる。

 

ジーナ「離せって言ってるだろ!!」

 

響に向かってジーナは言うと響の手を振り払う。

 

響「リトちゃん1人じゃ支えられないと思ったから…」

 

そう言って響はリトと一緒にジーナを支えようとするが…。

 

ジーナ「うるせえ!偽者のクセに、アタシに触れるな!!」

 

ジーナは頑なに響を"偽者"と呼び、自身に触れさせないようにする。

 

響「私は偽者じゃないよ、私は…」

 

ジーナ「並行世界から来ただろうが何だろうが、アタシにとってはお前も、あの2人も偽者でしかないんだよ!!」

 

響「………ッ!!」

 

ジーナの言葉が響の心に突き刺さった。

 

"偽者は偽者"、この世界にとって…いや、ジーナにとっては並行世界から来た響たちであっても、この世界の響じゃない。

 

彼女が最も信頼し、共に生活し、戦ってきた響たちは戦争と呼ばれる多くの人間が傷付くことにより失い、奪われてしまっているからだ。

 

リト「ママ、言い過ぎだよ!」

 

ジーナ「お前は黙ってろ!!」

 

言い過ぎだと言うリトにジーナは言うと自身のギアであるトリアイガのコンバーターユニットを出した。

 

シーナ「Ferocious wolf triaiga tron……」

 

起動詠唱を唄い、ギアを纏う。

 

ジーナ「もう我慢できねえ、ここでお前を殺す!!」

 

アームドギアまで出してジーナは響に襲いかかった。

 

響「そんな、いきなり!?」

 

襲いかかってきたジーナを見て響は驚きながらも回避する。

 

ジーナ「アタシたちの響たちは死んだんだ!なのに…なのにテメエらみたいなのがいるなんて認めて堪るかぁ!!」

 

本音を言いながらジーナは響ごと医療棟の壁をアームドギアで破壊する。

 

響「Balwisyall Nescell gungnir tron……」

 

間一髪で響はガングニールの起動詠唱を唄い、ギアを纏うと着地した。

 

ジーナ「ウオオオオオオラアァァァァァァァァァァァァァァァッ!!」

 

ジーナは咆哮のような気迫の声と共に医療棟から飛び出すと響の後頭部に槍型のアームドギアが叩き込まれた。

 

響「かはっ!!」

 

後頭部にアームドギアを叩き込まれて響は地面に叩き付けられてしまう。

 

響「うぅ…うぐっ!!」

 

立ち上がろうとした響の背中をジーナは容赦なく踏みつけ押さえつけるとアームドギアを響の首筋に向けた。

 

ジーナ「止めだ、偽者」

 

殺意に満ちた目で響を見ながらジーナはアームドギアを高く上げる。

 

リト「ママ、ダメエェェェェェーーーーーーーーー!!」

 

医療棟から飛び出てきたリトの声は届いていないのかジーナはアームドギアを振り下ろした。

 

鮮血が宙を舞い、地面に突き刺さる長いもの―ジーナのアームドギアの槍。

 

ジーナ「あぐぁっ!!」

 

アームドギアを持っていた手を抑えながらジーナは2~3歩後退、響から離れた。

 

その手からは血が出ており、地に落ちた血が地面を汚す。

 

クリス「ふう、ギリギリ間に合ったか」

 

ギアを纏い、アームドギアを拳銃型にしているクリスは言う。

 

ジーナ「テメエ!!」

 

手をやられてジーナは殺意をクリスに向ける。

 

殺意を向けられて構えるクリス。

 

その時だ。

 

弦十郎「いい加減にしろ、ジーナ!!」

 

ジーナ「!?」

 

弦十郎の声が聞こえたかと思いきやジーナに何かが命中、爆発した。

 

ジーナ「ぐっ…これは……」

 

爆発によるダメージはギアにより防がれているが急に力が抜けていくのを感じるジーナ。

 

弦十郎「アンチリンカー弾だ。対敵対装者用に開発した奴だ。まさかお前に使う羽目になるとはな」

 

戦車が使うような砲弾を片手で悠々と持っている弦十郎が言いながら歩いてきていた。

 

映司「砲弾を片手でって…どんだけ力持ちなの!?」

 

アンク「アイツ、グリードか何かか?」

 

常人ならば両手でやっと砲弾を弦十郎は片手で持ち、片手で投げる…そんな弦十郎を見て映司とアンクは言う。

 

片やクリスたちは「あ、こっちのおっさん(司令)はアタシらの方のおっさん(司令)同類(OTONA)か」っと思っていた。

 

弦十郎「少しは反省しろ、バカ者」

 

ジーナ「あがっ………………」

 

ジーナの前まで来た弦十郎はそう言ってジーナの首に手刀を叩き込んで意識を奪う。

 

未来「響!」

 

リト「ひびママ!」

 

戦いが終わって未来とリトは響に駆け寄る。

 

響「いったた…へいき、へいき。少し休めば大丈夫だから」

 

起き上がって響は2人に言う。

 

弦十郎「すまない、ウチの装者が手荒なことを…」

 

ジーナを気絶させて弦十郎は響に謝罪する。

 

響「いえ、気にしないでください。それよりジーナちゃんは?」

 

弦十郎「気を失わせたからしばらくは起きんだろう。だが今回はこちらの落ち度だ。ジーナには処分を受けてもらわないとな」

 

響「あの、私は気にしてないから出来ればそんなに厳しいものには…」

 

弦十郎「安心してくれ、ジーナはウチの装者の1人だ。銃殺なんてことにはせん」

 

響「そうなんだ。よかった…」

 

弦十郎の言葉を聞いて安心する響だったが…。

 

未来「何が"よかった"よ!心配かけて!!」

 

響「ご、ごめん、未来~!許して~!!」

 

未来に怒られてしまうのだった。

 

 

 

バルベルデのどこかにある古びた地下研究施設のような場所に1人の男性がいた。

 

?「ここですか…」

 

不気味な人形を左肩に乗せたメガネの男性は一番下の階まで来るとそう呟いた。

 

施設は洞窟をくり貫いたかのような広い空間に机、その上にはフラスコなどの研究器具が埃を被っていたり、割られてたりして放置されていた。

 

そしてその奥には丸い石の皿のような物が置かれていた。

 

男性はその皿の元へ行くと右手で拾い上げた。

 

?「全てを無へと飲み込む漆黒のコアメダル…確かに頂きましたよ」

 

そう呟くと男性は踵を返して去っていくのだった。


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