戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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1つ! ジーナの言葉"偽者は偽者"という言葉が響の心に突き刺さる!

2つ! ジーナに襲われた響はクリスたちにより危機を脱する!

そして、3つ!謎の男が漆黒のコアメダルを回収してしまった!


第362話 涙と経験と復活の時

響「ん~、朝だ~♪ってあれ?」

 

響がジーナに襲われて翌日のことだった。

 

響の傷は大したことなく当てがわれてた宿舎に未来とクリスと共に体を休めていたが朝、目を覚ますと違和感に襲われた。

 

違和感の方を見るとリトが自身に抱き着いた状態で眠っていた。

 

響「り、リトちゃん!?」

 

自身に抱き着いた状態で眠っているリトを見て響は驚く。

 

リト「ん…ん~…」

 

片やリトはまだ気付いてないのか響の体に顔を埋める。

 

響「り、リトちゃん、起きて!リトちゃん!」

 

リト「ん…あれ…ひびママ?………!!」

 

響に起こされたリトは自身が何をしているのかを見て顔を赤くした。

 

リト「いや、あの、その、これはえっと…!!」

 

慌てて響から離れるリト。

 

響「落ち着いてリトちゃん!」

 

慌てるリトを落ち着かせる響。

 

リト「ご、ごめんなさい、あの、私…ずっとママたちと一緒に寝てたから…ママがひびママ…響さんを傷つけて営倉入りしちゃって…夜寂しくって……」

 

恥ずかしくって泣きそうになりながらリトは言う。

 

昨日、ジーナは響を襲ったためにギアを没収のうえで営倉(←旧日本軍に存在した規則を破ったりした兵士を閉じ込める場所。アメリカにもあったがアメリカのはモンキーハウスと呼ばれる金網の部屋で晒し者、日本は外が見えないようしている。今回は日本の方ですのでご了承ください)に入れられたのだ。

 

リトもまたいまだにこちらの世界の響たちが死んでしまったことへの傷が残されている。

 

それに加えて母であるジーナがしばらく営倉に入ることになった。

 

そのため1人で寝るのが心細く、怖かく仕方なく響のところで眠っていたのだ。

 

響「大丈夫、いつでも一緒に寝ても良いから、ね?」

 

泣きそうになりながら理由を言ってくれたリトに響はそう言いながら頭を優しく撫でた。

 

リト「響さん…」

 

響「ひびママでいいよ。その方が呼び慣れてるみたいだし。それに泣きたかったら泣いても大丈夫だよ」

 

リト「はい…うぅ…うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーん!!」

 

響に言われてリトは響に抱き着いた。

 

今まで塞き止めていた涙を流しながらリトは泣く。

 

そんなリトを響は受け止めていた。

 

クリス「ったく、何してんだよアイツら…こっちが入りづらいじゃねーか」

 

部屋の前のドア近くの壁にクリスは隠れるようにいた。

 

理由はいまだに起きないと思っていた響をお越しに来たのだが状況が状況だけに入れずにいたのだった。

 

 

 

その頃、未来はある場所に1人で向かっていた。

 

未来「ここかな?」

 

少し古びた倉のような建物がある場所の前に着いた未来はドアのノブを回して開けると中に入った。

 

未来が来た場所、それはジーナが入れられている営倉である。

 

未来「ジーナ、いる?」

 

少し中を覗いて未来はジーナを呼ぶ。

 

?「君、そこで何してるの?」

 

未来「!?」

 

後ろから声を掛けられて未来は驚いて振り向いた。

 

理由は未来は誰にも言わずにここに来ているからだ。

 

映司「あれ?君は確か…」

 

未来に声を掛けたのは映司だった。

 

未来「ひ、火野さん…」

 

声を声を掛けてきたのが日本軍の人ではなく映司だと分かり未来はホッとする。

 

未来「どうして火野さんがここに?」

 

映司「ちょっとジーナちゃんって子に会いにね。もしかして未来ちゃんも?」

 

未来「はい。ジーナを見てるとちょっと放ってはおけなくて…」

 

映司「あぁ、なるほど。俺と同じか。じゃあ、一緒に行こうか」

 

未来「はい」

 

映司も未来と同じくジーナと話がしたいらしく2人は一緒に営倉に入っていく。

 

 

 

薄い暗く、僅かな光だけが頼りで進んでいくと厳重にロックされた小窓の付いたドアがあった。

 

未来はドアにある窓を覗くと壁に寄りかかって座っているジーナが見えた。

 

ジーナ「なんだよ、偽響の次は偽未来か…」

 

気配に気づいてジーナは呟く。

 

未来「あの、良かったら話でもって…」

 

ジーナ「うっせー…テメエと話す気はねぇ。とっとと失せやがれ」

 

殺意の満ちた視線を向けながらジーナは言う。

 

未来「………ッ」

 

殺意に満ちた視線を受けて未来は怖くなりそうになった。

 

映司「未来ちゃん、ちょっと」

 

そんな中で映司が言うと未来は場所を変わった。

 

映司「ジーナちゃん?火野だけど、ちょっといいかな?」

 

ジーナ「んだよ、話す気はねぇって言ってるだろ」

 

映司「そんなこと言わないで、ね?」

 

ジーナ「チッ…」

 

これは断っても無駄だなと判断したジーナは舌打ちして黙った。

 

映司「そうだな…まず、俺がであった女の子の話でもしようか」

 

そして映司は語りだした。

 

自身が経験したことを。

 

自分が貧しい人々のために寄付したつもりがゲリラの資金になっていたり、そのせいで自分が滞在していた村が空襲に巻き込まれて仲良くなった女の子を目の前で爆撃されてしまったり、それを美化されて政治家だった家族の人気取りに利用されたり、それで家族とは疎遠状態になったり、そんな中でアンクと出会い、オーズとして戦うことになることまでを話した。

 

ジーナ「なんか…お前、バカでお人好しだな」

 

聞いていたジーナは率直に言う。

 

映司「よく言われるよ」

 

率直に言われて映司は笑う。

 

映司「でも、俺がジーナちゃんと同じなら襲ったりはしないよ」

 

未来・ジーナ「「!?」」

 

映司の言葉を聞いて驚く2人。

 

映司「ごめん、風鳴さんからいろいろ聞いてたんだ」

 

驚いている2人に映司は言う。

 

ジーナ「何が分かるってんだよ、テメエに!アタシの気持ちが分かるってのかよ!!」

 

映司「正直に言って分からない。でも、これだけは分かってるつもり。俺がもしジーナちゃんの立場なら例え並行世界から来た子でも、生きててくれたことに正直に嬉しいって思うよ」

 

ジーナ「それはテメエだから…」

 

未来「それは違うと思うよ」

 

ジーナが言いかけでいるときに未来が言ってきた。

 

未来「ジーナが私を助けてくれた時、貴女の目は一瞬だけど嬉しそうだった。それって心のどこかで私たちが生きていたことに嬉しさを持ってたんじゃないのかな?」

 

ジーナ「何を言って…」

 

未来「ううん。否定しようとしてもダメだよ。心はちゃんと正直なんだから」

 

ジーナ「………!」

 

未来の言葉を聞いてジーナはこの時初めて自身が涙を流していることに気づいた。

 

ジーナ「なんで…涙が…もう…全部…流した…ハズ…なのに……」

 

涙を流す自身の眼に戸惑うジーナ。

 

映司「それは君の心が泣きたがってるからだよ」

 

ジーナ「アタシの…心…が?」

 

映司「どんなに言葉で否定いても、心では響ちゃんたちが生きていてくれたことが嬉しいんだよ。例え並行世界から来たからでも…」

 

ジーナ「アタシ…アタシ…うぅ…」

 

未来「泣きたかったら思いっきり泣いていいんだよ。響だってそうするから」

 

ジーナ「うぅ…うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーん!!」

 

未来や映司に言われてジーナは泣き始めた。

 

あの時…あの戦争以来、涙は枯れ果ててしまい、泣くことがなかったが今日この日、ジーナは泣いた。

 

溜めに溜めていたモノを流し続けた。

 

それを映司と未来は黙って聞いていた。

 

数時間後、ジータは泣き止んだ。

 

未来「落ち着いた?」

 

ジーナ「あぁ…すまねぇ…いろいろ酷いこと言って…」

 

未来「私に言うより先に言わないといけない子がいるでしょ?」

 

ジーナ「………」

 

未来に言われてジーナは頷いた。

 

?「残念ながらその願いは叶えられませんよ」

 

映司「このこe…ぐあっ!!」

 

未来「映司s…きゃっ!!」

 

声に反応して振り向こうとした瞬間、異形の手が映司と未来を襲った。

 

ジーナ「未来、火野!!」

 

窓から見ていたジーナが叫ぶ。

 

?「これで邪魔をする者は排除した。さあ目覚めさせてもらいますよ、漆黒のグリードを」

 

異形の手の主―漆黒のコアメダルを持ち去った左肩に不気味な人形を乗せた男性はそう言って石の皿を砕くと中には10枚のメダル―『漆黒のコアメダル』があった。

 

その中の1枚を取り出すとジーナに向かって投げた。

 

コアメダルは漆黒に輝きながら小窓を割り、ジーナの中に入った。

 

ジーナ「ぐ、ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

コアメダルが入ってジーナは苦しみ、声を上げる。

 

?「安心してください。苦しいのはほんの一瞬ですから」

 

そう言って男性は一気に4枚のメダルを取ると投げる。

 

4枚のメダルも漆黒に輝きながらジーナの中へ入っていく。

 

ジーナ「ぐぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ジーナの悲鳴が響き渡る。

 

真木「さあ、復活の時です。漆黒のグリード」

 

苦しむジーナを見ながら男性―『真木 清人』は言うのだった。




―おまけ―

響がジーナに襲われてその日の夜、響、クリス、未来の3人は当てが割れた宿舎で眠っていた。

そんな宿舎のドアが開いた。

開いたドアから人影が1つ入ってきた。

抜き足、差し脚、忍び足と人影はゆっくりかつ素早く目的の人物の元へ向かう。

響「ん~…むにゃむにゃ……」

人影が立ち止まったのは響が寝ているベッドだった。

?「………」

人影は寝ているのが響だと分かると響が寝ているベッドに潜り込んだ。

響と同じ場所まで来ると響にしがみついた。

リト(あぁ…やっぱり、こっちのひびママも死んじゃったひびママと同じ匂いがする…優しくって…暖かくって…安心する…)

響のベッドに潜り込んだのはリトだった。

響の体に顔を埋めてリトは安心仕切った顔で眠りにつくのだった。

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