戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第375話 その名はバトラ

謎の黒い幼虫の襲撃から数時間後、S.O.N.G.はフィリピンにある海軍基地のドッグを間借りして本部の損傷した箇所を修理していた。

 

近くの山にはモスラが休んでおり、体力を回復させていた。

 

響「いや~、ガウくんが無事で良かったよ~♪」

 

ガウを膝の上に乗せて頭を撫でながら響は言う。

 

ガウ「がう~♪」

 

頭を撫でられてガウは嬉しそうに尻尾を振る。

 

クリス「しっかし、あの黒い幼虫は何だったんだろうな」

 

黒い幼虫についてクリスは話題にしてきた。

 

翼「私たちの攻撃やガウの放射火炎を受けながらも無傷であったあの堅牢な体、恐らくは宇宙怪獣なのだろう」

 

マリア「確かにそうね。宇宙怪獣だとするなら前に現れたレギオンと同系統の可能性が高いわね」

 

北海道に飛来した隕石に潜んでいた昆虫型の宇宙怪獣『ソルジャーレギオン』と『マザーレギオン』を思い出し、黒い幼虫もその系統にいると推測する。

 

弦十郎「ガウの放射火炎が効かないとなるとほとんどの兵器は通用しないと考えていいだろう」

 

現状で、ガウの放つ放射火炎が地球上の中で最も高い威力を有している。

 

なによりかつてアメリカが勝手に発射し、一時はガウが命を落とすきっかけとなった反応兵器を一瞬の内に蒸発させたほどだからだ。

 

(反応兵器は核兵器より威力が強く、人類はゴジラが現れるまで反応兵器が最強であったがゴジラにより一瞬で蒸発させられたために最強の座をゴジラに奪われているのだ)

 

それが効かないとなると地球上にあの黒い幼虫を倒す兵器は存在しないとなるのだ。

 

切歌「ガウくんのが効かないとなるとどうやって倒せばいいんデスか…」

 

調「うん。それにあの幼虫の光線、モスラのレーザーと互角だった」

 

モスラのレーザー―クロスヒート・レーザーと互角に渡り合った黒い幼虫の光線の威力を思い出して言う。

 

弦十郎「何にしても生きている生き物なのなら必ず何かしらの弱点があるハズだ。何とかしてそれを見つけ出して突破口にせねばなるまい」

 

黒い幼虫の弱点を見つけると弦十郎は言う。

 

?・?『あれは、バトラです』

 

対策を考えていると全員に語りかけてくるような2人の女性の声がした。

 

響「この声って!」

 

声に覚えがあり、言うと小さな蝶のように綺麗な姿をした蛾―『フェアリー』に乗った2人の小人―地球の先住民の1つ『少美人』こと『コスモス』の『ヒオ』と『マナ』だ。

 

マリア「貴方たち、あの黒い幼虫が何なのか知ってるの?」

 

現れたヒオとマナに聞く。

 

ヒオ・マナ「「はい」」

 

ヒオ「あれはバトラ」

 

マナ「バトラは破壊本能だけのバトルモスラ」

 

ヒオ「1万2000年前、私たちコスモスの先祖の文明を滅ぼした張本人です」

 

響「ヒオさんたちのご先祖様たちの文明を滅ぼしたって…」

 

黒い幼虫―『バトルモスラ』こと『バトラ』がヒオたちの祖先の文明を滅ぼしたと聞いて言葉を無くす。

 

ヒオ「かつて私たちの祖先はモスラを地球の守り神と崇め、今の人類より進んだ技術と科学力を持っていました」

 

マナ「ですが、とある科学者が天候を自由に操れる装置を完成させてしまったんです」

 

ヒオ「そのせいで地球は自身の身の危険を感じ、黒いモスラ…バトラを生み出したんです」

 

調「地球が身の危険を感じた?」

 

"地球が身の危険を感じた"と聞いて首をかしげる。

 

マナ「私たち生命が生きているように地球自身も生きているんです」

 

ヒオ「バトラは地球に害をなす存在を徹底的に破壊します」

 

マナ「私たちの祖先は天候を操る装置を作ったために地球に害をなす存在としてバトラに襲われました」

 

ヒオ「ですがモスラが私たちの為に弟であるバトラと戦い、海底に封印しました」

 

マナ「ですがバトラによって天候を操る装置を破壊され、大洪水が起きました」

 

ヒオ「モスラと共に高い場所に逃れていた一部のコスモスを除いてほとんどは大洪水に飲まれてしまいました」

 

クリス「じゃあ、なんで封印したそのバトラが今になって蘇ったんだよ?」

 

話を聞いてクリスは聞く。

 

マナ「バトラは確かに封印されました。しかし現在の人類が地球環境を破壊してしまったために封印が弱まり復活したと思います」

 

ヒオ「バトラは今、現在の人類を地球に害をなす存在として認知しています」

 

バトラ復活の原因が人類にあると言われて黙る面々。

 

確かに今の人類は地球を汚し過ぎた。

 

森林破壊、オゾン層の破壊、海水面の上昇、生活及び工場排水による水質汚染、排気ガスなどによるco2増加など上げればキリがない。

 

そんな中でバトラは復活、人類を地球に害をなす存在として狙いを定めたのだからそれは人類の自業自得になる。

 

弦十郎「だからと言って我々が指を咥えて見ている訳にはいきません」

 

マナ「私たちもそうです。何としてもバトラを止めないと」

 

ヒオ「私たちの祖先のように悲しい思いをしてほしくありません」

 

そう話していときだった、発令室に警報音がなり響いた。

 

弦十郎「何があった!」

 

藤尭「日本・本土能登半島沖にバトラ出現!」

 

友里「現在、空自と海自による攻撃が行われていますが効果が無いもよう!」

 

バトラが能登半島沖に出現、空自と海自と戦闘していることを伝える。

 

藤尭「司令!本土の防衛大臣・中井大臣より入電!ゴジラ及びS.O.N.G.に救援要請!」

 

弦十郎「了解した!直ぐに向かうと伝えてくれ!!」

 

藤尭「はい!」

 

要請を受けて弦十郎は言うと藤尭はそれを中井大臣に伝える。

 

弦十郎「っというわけだ。総員、出撃だ!!」

 

『了解!/デース!』

 

ガウ「がう~!」

 

話を聞いていた面々は弦十郎に言われて言うのだった。


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