戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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響「いやー、昨日は作者がすいませんでした。理由は活動報告に」

ガウ「がうがう~♪」
訳:それではどうぞ~♪


第381話 動く影

バトラの行方がどの世界でも掴めない中で訪れた平穏。

 

人々はバトラの存在を一時、忘れて平和な日常を送っていた。

 

S.O.N.G.本部である艦は係留している海上自衛隊横須賀基地にいた。

 

その発令室にて弦十郎は兄の八紘と今後の対策を話していた。

 

八紘『そうか…まだゴジラは目を覚まさないか』

 

弦十郎「あぁ。何とか尽力して治療しているがあの時のダメージが大き過ぎたようだ」

 

バトラの名古屋市襲撃で無茶な戦い方をしたガウを思い出しながら弦十郎は言う。

 

八紘『現在、各国軍はバトラの脅威に対し特異級の限界体制をとっている。特にアメリカは再び反応兵器使用を決定した』

 

弦十郎「またか…ガウや元宇宙怪獣のアントラーでさえ敵わなかった相手に反応兵器など何の役に立つんだ…」

 

アメリカがまた反応兵器を使用を決定したことを聞いて弦十郎は呆れて言う。

 

八紘『アメリカはただでさえパヴァリア光明結社の事件以来、怪獣・国際社会から信用を失っている。さらにこれまで出現した脅威に対しアメリカは軍をズタズタにされている。少しでもいまだに自国は強いとアピールしたいんだろう』

 

アメリカが反応兵器を使用することの本当の意味を八紘は推測して言う。

 

弦十郎「つまりは体面を気にしているのか」

 

八紘『どこの国も体面ばかりを気にする輩は多い。気にしないのは怪獣軍団とノンマルト共和国だけだろうな』

 

弦十郎「そうか…それで八紘兄貴。日本はこれからどうするんだ?」

 

八紘『日本は陸海空の自衛隊の総力を上げてバトラの警戒に当たっている。そして次にバトラが出現した場合、機龍の使用を閣議決定される予定だ。だが三式機龍でどこまで対抗出来るか…』

 

不安を漏らす八紘。

 

機龍はかつて宇宙怪獣である『バガン』に対抗するためにエルフナイン監修でゴジラを元として製造されたロボット怪獣である。

 

正式名は『3式多目的戦闘システム 三式機龍』、別名『メカゴジラ』である。

 

その機龍のオリジナルであるゴジラですらバトラに有効打を与えられないまま敗れた。

 

さらにバトラはエジプトで元宇宙怪獣のアントラーを破っている。

 

機龍でどこまでバトラと戦えるか不安なのだ。

 

八紘『バトラは恐らくバガン以上の強敵だ。そのような相手に我々人類が造り出した兵器で勝てるのか…』

 

弦十郎「不安なのは分かるが八紘兄貴、ガウだって小さな体に翼たち以上の傷を作りながらも俺たちの為に戦ってくれてるんだ。俺たちだって頑張らないと話にならないぞ」

 

八紘『そうだな。すまない、弦。我々も確りせねばなるまい』

 

弦十郎「あぁ」

 

 

 

風鳴兄弟が今後を話したその日の夜、満月が照らす太平洋海上。

 

バトラ「ギャウオォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!」

 

傷が癒えたバトラ浮上、雄叫びを上げる。

 

浮上したバトラは体をバチバチと電流を走らせると一気に体を発光させて姿を変えた。

 

バトラ「ギャウオォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!」

 

体色は黒を基本とし、所々に赤や黄色がちりばめられ、稲妻模様が刻まれた赤い翼、触覚ではなく飛行の邪魔にならないように退化した3本の短い角を持った黒いモスラ―『戦闘破壊獣 バトラ』が成虫となって雄叫びを上げ、飛翔したのだった。


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