切歌「え、これって作者が死んだことになってるデスか?」
調「大丈夫だよ、切ちゃん。明日になったらきっと現れるから」
バトラが成虫となる少し前、響は未来と一緒に学校から帰っていた。
バトラの行方が分かっていなかったが学校を休む訳にはいかないのでとりあえずではあるがオフという扱いで帰宅したのだ。
未来「やっぱり、ガウくんはまだ目覚めないの?」
響「うん…エルフナインちゃんやユウコさんが言うにはバトラとの戦いで出来た傷から血が沢山出たからそれで一時的に体の機能が低下してるって」
未来「そうなんだ。じゃあ、命に関わったりすることはもうないんだね?」
響「うん。それは大丈夫だって」
未来「そう、良かった。テレビで
そう未来は言うのには理由があった、名古屋での戦いは大々的に世界中で報道されていた。
レギオン以来となるゴジラの敗北は報道関係からすれば格好のスクープとなっていた。
それを未来と留守番していたリルが見て凄く心配していたのだ。
響「そうなんだ。じゃあ、リルくんに早く伝えないとね」
未来「うん、きっと喜ぶよ」
バトラの恐怖を忘れて楽しそうに話す響。
だがそれも直ぐに終わるときが目の前まで迫っていたのをまだ知らない。
アメリカ軍・ミサイル発射基地。
アメリカの攻撃及び防衛用のミサイルがある発射基地はすでに火の海と化していた。
辺りには破壊されたミサイル、護衛の戦車や戦闘機、管制施設にレーダー、瓦礫と化した施設の下には軍人らしき人間が何人も押し潰されていた。
パワードレッドキング(雄)「ピギャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
日本にいるレッドキングよりゴツゴツとした皮膚、髑髏らしい顔つき、赤黒く立派な体格を持つ怪獣―ギアナ高地を縄張りとしている『パワードレッドキング(雄)』が雄叫びを上げて相手を威嚇する。
バトラ「ギャウオォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!」
パワードレッドキングが相手をしているのは成虫として成長したバトラだった。
バトラは手始めにアメリカ軍のミサイル発射基地を襲撃、幼虫には無かった機動性を活かしてたった数時間で基地と護衛部隊を殲滅させた。
その後、対米国方面将軍 パワードゴモラの指示で基地周辺の警戒に当たっていたパワードレッドキングと遭遇、交戦していたのだ。
パワードレッドキング(雄)「ピギャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
パワードレッドキングは空中にいるバトラに岩を持ち上げて投げる『リフティングクラッシュ』を繰り出した。
バトラ「ギャウオォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!」
だがバトラはリフティングクラッシュを機動性で回避するとあっさりとパワードレッドキングの後ろに回り込んだ。
回り込んだバトラは幼虫の時より遥かに強化されているプリズム光線を目から発射、パワードレッドキングの後頭部に命中させた。
パワードレッドキング(雄)「ピギャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?」
後頭部にプリズム光線を喰らい、パワードレッドキングは倒れる。
バトラ「ギャウオォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!」
倒れたパワードレッドキングの尻尾をバトラは掴む翼を羽ばたかせて持ち上げた。
4万2000tというパワードレッドキングを悠々持ち上げたバトラは高速で高高度まで行くと離した。
パワードレッドキング(雄)「ピギャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?!?」
高高度で落とされたパワードレッドキングは頭からミサイル発射基地に落下、まだ破壊前のミサイルを押し潰してしまい爆発、それに巻き込まれた。
これだけでは終わらず爆発したミサイルにより他のミサイルも誘爆。
さらにはアメリカが使用するはずだった反応兵器全てが誘爆した。
パワードレッドキング(雄)「ピギャアァァァァァァァ……………………」
パワードレッドキングの悲痛な断末魔が爆発と共に響き渡った。
バトラ「ギャウオォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!」
基地の完全破壊と邪魔者の排除を完了したバトラは勝利の雄叫びを上げて飛び去って行ってしまった。