弦十郎「……………」
その日、弦十郎は超緊張さていた。
小型とはいえ、クリスのイチイバルのミサイルを1発も外すことなく全て掴んで投げ返し、翼の刀型のアームドギアを人差し指と中指の2本でがっしり掴むし、思いっきり地面を踏んで隆起させるほどのOTONAな弦十郎が緊張していた。
理由は弦十郎の反対側の席に座っている女性―人間体となった『モスラ』だった。
モスラは元から人間になれる能力があったらしいのだがガウと違い、かなり体力を消費するためにまた怪獣の姿になるには1日経たないとなれないという。
モスラ「………」
ジッと弦十郎を観察するように見るモスラ。
弦十郎「………」
方や弦十郎は観察されるように見られてどうしたらいいか悩んでいた。
モスラ「………この度は…」
先に口を開くモスラ。
モスラ「この度は私の弟がご迷惑をかけて申し訳ありませんでした」
頭を下げて
弦十郎「頭を上げてください!
頭を下げて謝罪するモスラに弦十郎は少し慌てて言う。
モスラ「いいえ、バトラの罪は姉である私の罪です。何の罪もない人々を傷つけ、命を沢山奪ってしまいました」
涙を流しながらモスラは言う。
モスラは弟であるバトラが多くの命を奪ってしまった罪悪感があるのだ。
弦十郎「モスラさん…」
モスラの罪悪感を感じて弦十郎はどう声をかけたら言いのか分からなかった。
弦十郎が人間のモスラと会っている頃、響は医務室にいた。
理由は再び意識を失ったガウを担ぎ込んだのだが心配して治療されているのを見守っていた。
クリス「やっぱりここにいたか」
声の方を見るとクリスが来ていた。
響「クリスちゃん…」
クリス「あんまり気負いするなよ。ガウだって無茶をしたことくらい気絶してても分かってるだろ」
響「そうだけど…あんなに大きな傷付いた体を押して私たちの危機に駆けつけて、それでまた傷ついて…」
クリス「そこまでだ。確かにガウは傷ついた状態でアタシたちを守ろうとして傷ついた。でもな、お前がそんな顔してたらガウが余計心配して治すもんも治せなくなるだろ?」
クリスの言う顔とは響がガウを心配し過ぎて悲しい顔になっていたのだ。
響「クリスちゃん…そうだね、私が悲しい顔してたらガウくんも体の傷を直せないよね」
クリスに言われて響は言う。
クリス「そうだよ。ほら、ガウのことは医務室の人たちに任せてアタシらは発令室だ。おっさんから召集がかかった」
響「うん、分かった」
クリスに言われて響は医務室を後にするのだが響の心には未だにガウを無茶させてしまったことへの申し訳なさがあったのだった。
クリス「つーか、ガウの行動ってG時代のお前の行動に似てるんじゃねーか?」
翼「言われてみればそうだな」
未来「私を助けるために響が頑張ったもんね」
響「XVでも頑張るよ!」
ガウ「がうがうー」
訳:無茶はだめだよー
クリス「お前が言うなっ!!」