戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第391話 宇宙最強の力を求める者

?『ドルン!ドルン!』

 

ギャラルホルンの保管区にいた怪人たちは扉を破壊して通路に出てきた。

 

通路に出て先へ行こうとする怪人たち。

 

クリス「ここから先は行かせるかよ!!」

 

クリスの声と共に雨のように銃弾が飛んできた。

 

だが怪人たちは持っていた盾を使い、西洋の陣形―亀甲隊形になって銃弾を防いだ。

 

クリス「くそっ、防がれた!」

 

ミサイルなら何とかなるだろうが本部の狭い通路ではそんな真似をするわけにはいかなかった。

 

翼「雪音は援護だけに集中しろ!」

 

そう言って翼、マリア、ガウが前に出た。

 

翼「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

通常のアームドギアで怪人たちに斬りかかる。

 

怪人たちは盾の間から槍を出して構えていた。

 

マリア「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

だがそこへマリアの蛇腹状にしたアームドギアが飛んできて怪人たちの槍に絡まった。

 

アームドギアが絡まってマリアは思いっきり引っ張った。

 

引っ張られて怪人たちの手から槍が離れる。

 

槍を奪われて怪人たちの陣形が崩れ、そこに翼が飛び込み、怪人たちを切り伏せた。

 

ガウ「がうがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

続けてガウも怪人たちに飛び込み、尻尾で凪ぎ払う。

 

?「ドルン!!」

 

ガウの背後から怪人の1体が槍を構えてガウを刺そうとしていた。

 

未来「させない!」

 

怪人の真横から未来がアームドギアから光線を発射してきた。

 

?「ドルゥゥゥゥゥゥゥン………」

 

未来の光線を喰らって怪人は倒される。

 

ガウ「がう♪」

 

未来に助けられてガウはお礼を言う。

 

切歌「デエェェェェェーーーーーーーーーーーーーーーーーーース!!」

 

調「やあぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

翼とガウに続いて切歌と調が怪人たちに飛び込み、調はヨーヨー型のアームドギア、切歌はいつもの大鎌から小型の鎌にサイズを小さくして狭い通路でも戦えるようにしていた。

 

翼「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

?「ドルアァァァァァァァ……………」

 

翼が最後の怪人を切り伏せた。

 

数十分の戦いで侵入してきた怪人たちは全て撃破されていた。

 

マリア「どうやら、さっきので最後だったみたいね」

 

翼「あぁ。連携が取れていたからかなり訓練されていたが1体1体がそこまで強くはなかったな」

 

戦いを終えて怪人たちのことを話す。

 

クリス「しかし何だったんだ、コイツら。しかもこんな数がどっから侵入したんだ?」

 

根本的な疑問をクリスは言う。

 

切歌「そうデスね…」

 

調「本部には厳重なセキュリティがあるから簡単には侵入出来ないハズだけど…」

 

未来「可能性があるとしたら……」

 

厳重なセキュリティを有する本部に侵入した怪人たち、それがどこから出てきたかは誰もがある物を疑った。

 

ギャラルホルンだ。

 

クリス「だけどギャラルホルンは聖遺物、特にアタシらシンフォギアにしか反応しないだろ?」

 

未来「でもエルフナインちゃんやユウコさんが言ってたけど、ガウくんは聖遺物でもシンフォギアでもないのにギャラルホルンで並行世界に行けるんだよ?」

 

クリス「あ、そっか」

 

翼「ならばこの怪人たちはガウのように聖遺物あるいはシンフォギアに似た特性があると?」

 

未来「そこまでは分かりませんけど……」

 

ガウ「がう?ガルルルルルルルル!!」

 

未来たちが怪人たちの侵入経路のことを話していると突然、ガウが威嚇の声を上げた。

 

未来「どうしたの、ガウくん」

 

威嚇の声を上げるガウに未来は訪ねる。

 

?「ほう、中々勘の良い者がいるではないか」

 

合成音のような声が聞こえたかと思いきやギャラルホルンの陰から1人の人物が姿を現した。

 

クリス「何者だ!?」

 

ガイソーグ「我が名はガイソーグ。宇宙最強の力を求める者…」

 

紫色ベースにした色をした騎士に似た鎧を纏い、右手には竜の顔が装飾された柄で峰の所がギザギザしている剣、左手には盾を装備した人物―『ガイソーグ』は名乗る。

 

調「宇宙最強の力を求める者…」

 

切歌「ガイソーグ、デスか…」

 

翼「貴様か、この基地に怪人たちを手引きしたのは!!」

 

怪人たちを手引きしたのがガイソーグだと思い、翼は言う。

 

ガイソーグ「フン、それは違うな。俺はたった今来たところだ。そこに転がっているのはドルン兵、ドルイドンが作り出したホムンクルスの兵士だ」

 

翼たちが倒した怪人たち―『ドルン兵』のことを教えるガイソーグ。

 

マリア「つまりは貴方とはまた別系統の敵がいるわけね」

 

ガイソーグ「そうなるな。だが貴様らの味方という訳ではないがな」

 

クリス「そいつは最初っから知ってるよ!!」

 

少し広くなっている保管区でクリスは思いっきり小型のミサイルを発射する。

 

ガイソーグ「甘い!!」

 

クリスの小型ミサイルをガイソーグは愛刀―『ガイソーケン』を一振りするとエネルギー波を発生させて小型ミサイルを全て破壊してしまった。

 

クリス「なに!?」

 

たった一振りで全てのミサイルを破壊したガイソーグに驚く。

 

ガイソーグ「そんな玩具で俺を倒せると思ったのか?」

 

クリス「んだと!!」

 

マリア「挑発に乗らない!」

 

ガイソーグの挑発に危うく乗りかけたクリスをマリアが止める。

 

調「ミサイルがダメなら!」

 

切歌「アタシたちのコンビネーションならやれるデス!!」

 

自信満々に調と切歌はガイソーグに向かって行く。

 

ガイソーグ「自信満々なのは良いが……」

 

向かってくる2人を見てガイソーグはそう言うと高速で移動して、切歌の前にきた。

 

切歌「!?」

 

ガイソーグ「遅い!!」

 

目の前に来たガイソーグに反応できず、切歌は左頬を殴られて保管区の壁に叩きつけられた。

 

調「切ちゃん!!」

 

ガイソーグ「仲間を心配している場合か?」

 

調「!?」

 

切歌を心配していた調の前にガイソーグがおり、ガイソーグは容赦無く調の腹部を殴った。

 

殴られた調は上へ上げられ、天井に激突、床に叩きつけられてしまった。

 

ガイソーグ「弱いな」

 

そう言ってガイソーグは調を踏みつける。

 

クリス「テンメェ、その足を離しやがれぇぇぇぇ!!」

 

調を踏みつけたガイソーグにクリスは怒りの声を上げて周りが狭いのに大型ミサイルを展開した。

 

翼「ま、待てゆき…」

 

クリス「食らいやがれぇ!!」

 

翼が制止するよ早くクリスは大型ミサイルを発射してしまった。

 

発射されたブースターの火が翼、未来、マリア、ガウたちを襲う。

 

ガイソーグ「フン…」

 

発射されたミサイルを見てガイソーグは鼻を鳴らすとガイソーケンを構えた。

 

同時にミサイルが着弾する。

 

保管区を中心に本部の船体の一角が爆発と火を吹いた。

 

クリス「はあ…はあ…はあ…どう…!?」

 

爆発と火に耐えて体力を消耗したクリスが見たのは無傷のガイソーグだった。

 

ガイソーグ「この程度か」

 

クリス「ウソ…だろ!?」

 

大型ミサイルをまともに受けたハズなのに無傷でいるガイソーグにクリスは驚きと恐怖を感じた。

 

ガイソーグ「今度はこちらからだ!」

 

そう言ってガイソーグはクリスとの間合いを一瞬で詰め、ガイソーケンを振り上げた。

 

クリス「!!」

 

咄嗟にアームドギアをクロスさせてガードしようとするクリス。

 

ガイソーグ「無駄だ!!」

 

ガードしようとするクリスを見てガイソーグはガイソーケンを振り下ろした。

 

振り下ろされたガイソーケンはクリスのアームドギアを両断、クリスの体を胸から腹部にかけて左斜めに斬りつけた。

 

クリス「かはっ……………」

 

斬られ、吐血したクリスはその場に倒れた。

 

倒れた場に血が流れ出てきていた。

 

翼「ゆ、雪音ぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーー!!!」

 

声を見ると傷だらけの翼、マリア、未来がおり、翼がクリスの姿を見て声を上げたのだった。




響「ちょっと、クリスちゃん大ピンチになってるよ!?なんでこんな時に私は謹慎なんてしるのーっ!!」

ガウ「がうがう…」
訳:自業自得…

リル「かう…」
訳:ママ…

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