戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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響「あー、今回はクリスちゃんのシャワーシーンだね~」

翼「雪音のシャワーシーンなら録画せねばな」

クリス「おい!なに勝手なこと言ってんだ!つーかシャワーシーンは装者全員だろ!?」


第42話 くそったれな思い出

解放された市街地にて国連軍が市街地に暮らしていた民間人に食料提供や治療などで対応していた。

 

響「良かった。国連軍の対応が早くて」

 

金網越しにそれを見る響たち。

 

翼「あっちも対応してくれてるからな」

 

翼の視線を見ると民間人の子供たちとボール遊びで遊ぶガウの姿があった。

 

両親が怪我して元気がなかった子供やはぐれてしまった子供たちにガウが遊び相手をして元気付けていたのだった。

 

クリス「くっ…」

 

だがクリスはそれは見えていないのか金網を強く握っていた。

 

響「クリスちゃん?」

 

クリス「なんだよ」

 

響「なにかあったの?」

 

クリス「なんでもねーよ」

 

クリスがそう言うと一台のトラックが来て止まった。

 

荷台には調と切歌が乗っていて運転手はマリアだった。

 

切歌「市街地の巡回、完了デース!」

 

マリア「乗って、本部へ戻るわよ」

 

響「分かりました。ガウくーん、行くよー」

 

ガウ「がーう!がう、がうがう~♪」

 

響の声を聞いてガウは持っていたボールを近くの子に渡して手を振りながら響たちの方に向かって荷台に乗り込んだ。

 

子供たち『バイバーイ!』

 

発進したトラックに乗ったガウに子供たちは手を振っていた。

 

ガウ「がうがーう!」

 

ガウも答えるように手を振って言うのだった。

 

 

 

市街地を出て一同を乗せたトラックは本部がある港に向かっていた。

 

因みにガウは前の戦闘からの子供たちとの遊びに疲れたのか響の膝を枕に眠っていた。

 

調「私たちを苦しめたアルカ・ノイズ…錬金術の断片が兵器として軍事政権に流れてたなんて…」

 

調がそう呟くように言う。

 

響「パヴァリア光明結社…」

 

 

 

先日の潜水艦内にてのことだった。

 

響「遅くなりました!」

 

発令室に入ると弦十郎たちが待っていた。

 

弦十郎「揃ったな。さっそくブリーフィングを始めるぞ」

 

弦十郎がそう言うとメインモニターにマリア、翼、緒川が映った。

 

クリス「先輩!」

 

調「マリア、そっちで何かあったの?」

 

マリア『翼のパパさんからの特命でね。S.O.N.G.のエージェントとして魔法少女事変のバックグラウンドを探っていたの』

 

翼『私も知らされていかったのでてっきり寂しくなったマリアが勝手に英国にまでついてきたとばかり…』

 

マリア『だからそんな訳ないでしょ!!』

 

緒川『マリアさんの捜査で1つの組織の名が浮上しました。それが『パヴァリア光明結社』』

 

エルフナイン「チフォージュ・シャトーの建設にあたりキャロルに支援していた組織だったようです。裏歴史に暗躍し、今の欧州を暗黒大陸と言わしめる要因とも囁かれいます」

 

響「それにダイゴさんたちの世界にいる敵…デーボス軍と…

 

調「ムサシさんたちの世界にいる宇宙人にアルカ・ノイズを渡して…」

 

マリア『そうね。さらに言えば怪獣にテレポートジェムを埋め込んで操ろうとした。そしてマムやドクターと通じてF.I.Sを武装放棄させた謎の組織…私たちにとって向き合い続けなければならない、闇の奥底だわ』

 

翼『フロンティア事変と魔法少女事変の双方と異世界や宇宙人たちに異端技術を流していた組織、パヴァリア光明結社…』

 

かつて『獣電戦隊 キョウリュウジャー』の世界に現れたアルカ・ノイズの力を持った怪人、『デーボモンスター・ノイズ』と『ウルトラマンコスモス』の世界にいた『宇宙狩人 ノワール星人』が操ったアルカ・ノイズやノイズ化した『分解怪鳥 ノイズリドリアス』こと『友好怪鳥 リドリアス』を思い出す響たち。

 

エルフナイン「これを機会に知られざる結社の実体に至ることが出来るかもしれません」

 

緒川『存在を伺えさせつつもなかなか尻尾を掴ませてはくれなかったのですが…マリアさんの情報を元に調査部でも動いてみたところ…』

 

そう言って緒川は画面にある写真を映し出した。

 

そこには破壊され町をあるくアルカ・ノイズの姿があった。

 

響「アルカ・ノイズ!?」

 

緒川『撮影されたのは政情不安な南米の軍事政権国家…』

 

クリス「バルベルデかよ!?」

 

次に映し出されたアルカ・ノイズが首相の肖像画がある破壊された町を歩く姿の写真を見てクリスは驚く。

 

そんなクリスを響は見ていた。

 

弦十郎「装者たちは現地合流後、作戦行動に移ってもらう、忙しくなるぞ。それと作戦にはガウも参加してもらう」

 

ガウ「がう!」

 

 

 

本部に着いたマリアたちはシャワーを浴びて汗を流していた。

 

マリア「S.O.N.G.がいくら国連直轄とは言え武力による加入は出来ないけど…」

 

翼「異端技術を行使するのならば見過ごすわけにはいかないからな」

 

クリス「アルカ・ノイズの軍事利用…」

 

調「リンカーの数さえ揃っていれば…」

 

切歌「ラスト一発の虎の子デス。そう簡単に使うわけには…デデデ!?」

 

そう言いながらシャワー室から出た切歌の手を手に取る響に切歌は驚く。

 

響「大丈夫だよ!何かをするのにリンカーやギアが必要な訳じゃなんだよ!さっきだってヘリを守ってくれた、ありがとう!」

 

そう真剣に言う響だが切歌は目のやりどころに困っていた。

 

切歌「そ、そう言われると照れ臭いデス…」

 

そう言う切歌は視線に気付いて見ると調がじーっと見ていた。

 

切歌「め、目のやり場に困っちゃうくらいデース…」

 

そう言う切歌だった。

 

『パパ、ママ!離してソーニャ!』

 

『ダメ!危ないわ!』

 

クリス「くっ…くそったれな思い出が領空侵犯して来やがる…」

 

響たちが話してる時にクリスはそう言う。

 

ガウ「がう~…」

 

クリス「ん?」

 

声に気付いて見ると目を瞑って頭が泡だらけのガウが来ていた。

 

どうやら響に頭を洗ってもらっていたが途中でいなくなって勘だけで捜しに来ていたようだ。

 

クリス「おい、響!ガウの頭をほったらかしにしてるんじゃねー!!」

 

響「あぁ!忘れてたぁ!!」

 

自身のシャワーでガウの頭を洗いながら響に怒鳴るクリスだった。

 

クリス(ったく、こんな調子だとくそったれな思い出に縛られてる自分がアホみたいだな…)

 

そう思ってしたうクリスだった。




おまけ2

ガウ「がう~♪」

体を振って水を弾くガウ。

マリア「こら、動物みたいなことしないの。ほらじっとして、拭いてあげるから」

ガウ「がう~」

マリアに髪や体を拭かれるガウ。

調「なんだが前にムサシさんに言われたこと、本当のような気がする…」

切歌「たやマはたやマでも『ただの優しいマリアママ』なのデス♪」

響「そうなるとお父さんは翼さんになるよね~」

クリス「あー、確かにそうだな」

マリア「ちょっと貴女たち、変なこと言わないの!!」

翼「っというかなぜ私が父親なのだ!?」

響「いや~、あの部屋を見たらねぇ…」

クリス「確かに…アレを見たらなぁ…」

調「とても女の人の部屋とは思えない…」

切歌「デース…」

翼のあの散らかった部屋を思い返しながら言う。

翼「うっ…」

なにも反論出来なかった防人 翼であった。

ガウ「がうっきし!」

そんな中、ガウは珍しくくしゃみをしたのは誰も気付かなかった。

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