切歌「久しぶりのいろいろな人編デース!」
マリア「セレナァ…私を守ってぇ……」←アガートラームを握り呟く。
翼「奏ぇ…私も今…そっちに……」←奏の写真を握り、目と口から血を流しながら呟く。
調「せめてお夕飯を何にするか……」←セール品のチラシを握り呟く。
ガウ「……………」
その日、ガウはソファーの上で横になってどんよりしていた。
リル「かうかう、かうかうかう~」
ソファーの上で横になってどんよりしているガウと遊びたくてリルはユサユサと体を揺らす。
ガウ「がう…がうがう……」
体を揺らされたガウは尻尾を振って遊びたくないとアピールする。
リル「かう~……」
ガウのアピールを見てリルはしょんぼりして離れた。
クリス「はあ!?ペット!?」
切歌「ガウくんがデスか!?」
ところ変わって別の場所こと、響たちが通うリディアン音楽院の学食にてクリスと切歌は驚いて声を上げていた。
調「なにがあったんですか?」
未来「それがね」
それは数時間前の朝の朝礼にまでさかのぼる。
先生「たーちーばーなーさーん!!」
響「ひー、すいません!ごめんなさい!すいません!ごめんなさい!」
担任の先生の怒声に響はペコペコと頭を下げていた。
理由は今日提出期限の宿題を響が昨日頑張ってやったのにも関わらず、素で忘れて来てしまったのだ。
まあ、いつもの事なので他の生徒たちは慣れてしまっている。
でも、未来は顔を手で覆って呆れていた。
未来(昨日ちゃんと言ったのに…)
昨日頑張ってやったから忘れないように言っておいたが素で忘れてしまったのだから仕方なかった。
ガウ[がう~]
未来(今のは…)
小さな声で聞こえた声に未来は窓側を見ると…。
ガウ[がうがう~]
窓際にガウがおり、手を降っていた。
未来「が…!?」
"ガウくん"と危うくいいかける未来。
学園祭でもないのに学校関係者じゃない人間(まあ、ガウはある意味で人間であって、ある意味で人間じゃないけど)がいることはどの学校でも良くないことである。
未来[ガウくん、なんでここ?]
何でガウが学校の、しかも窓際にいることに驚きながらも未来は先生や他の生徒たちに気付かれないように小声で聞く。
ガウも学校は関係者以外は基本的に入ってはダメだと分かっているのだが、バレないように窓伝いで来たようだ。
ガウ[がうがう、がうー!]
すると未来に聞かれたガウは背中に手を回すと紙の入ったファイル―響が忘れて来た宿題のプリントを出した。
どうやら響が忘れた宿題を持ってきてくれたのだ。
未来[それを届けに来てくれたの?]
ガウ[がう!]
未来[分かった。渡しておくから、早く学校から…]
ガウからファイルを受け取って未来がいいかけた時…。
響「あーっ、ガウくーん!」
未来[響ーっ!!]
ガウ[がうーっ!!]
訳:バカーっ!!
ガウを見て興奮して声を上げた響に2人は言う。
響「えー、何でガウくんがここにいるの?もしかして寂しくなって……」
先生「た~ち~ば~な~さ~ん…」
響「…………」
再び感じる戦慄に響は"ギギギ……"と振り向くと赤いオーラを出している先生がいた。
先生「学校にペットを連れて来るのは禁止ですよ!!!」
ガウ「がふ…」
先生の言葉にガウの心にグサリと何かが刺さったのだった。
未来「ってことがあって…」
事の次第を話し終える未来。
クリス「ガウがペットって…アイツよく怒んなかったな」
子供と言われればすぐに怒ってゴジラになるガウが怒らなかったことにクリスは不思議に思っていた。
未来「まあ、皆がいたのと…ペット呼びされたのが初だったからじゃないのかな?」
クリス「なるほどな」
調「それで響さんとガウくんは?」
未来「ガウくんはショックでどんよりしてる。響はガウくんが届けてくれた宿題を提出しに行ってるのと先生のお説教パート2を受けてる」
切歌「どこまで行っても響さんは全然ついてないデス…」
未来「こんな時、響だったらこう言うかもね」
4人『私、呪われてるかも…』
その日の夕方、響と未来をリルと迎えに来たガウ。
しかし、その足取りもどんよりしているのか重たそうだった。
まだ、ペット呼びされたショックから立ち直れていないようだ。
校門前でいつも待っていることにしているガウとリル。
だがリルはただ待つだけではつまらないのでよく近くの木を掘って虫を探したりしている。
で、ガウはショックから立ち直れず、壁に寄りかかって校門前で2人を待っていると…。
?「あら、貴方は…」
ガウ「!?」
聞き覚えのある声に反応するガウ。
そこには響たちの担任の先生がいた。
またペット呼びされると思った時だった。
先生「今朝はごめんなさいね。貴方をペットなんて呼んで」
ガウ「がう?」
いきなり謝れて意外そうな顔をするガウ。
先生「貴方のことは政府の人や国連の人から予め連絡されて聞いていたわ」
ガウ「がうー…」
政府や国連の人と聞いてガウは九分九厘、八紘と弦十郎だろうと思った。
先生が響たちのことは理解している。
ならば、八紘と弦十郎から予め連絡があったのなら自分のことを思って今朝のペット呼びしたのだろうとガウは思った。
先生「貴方が立花さんたちのサポート役で、立花さんの彼氏さんだってこと」
ガウ「がう!?」
先生の発言にガウは驚く。
ガウ「がうがう、がうーがう!?がうーがうがうがうー!!」
訳:いやいや、彼氏ってなに!?全然違うから!!
抗議するガウだったが…。
先生「大丈夫よ、一線さえ越えなかったら不純異性交遊にはなりませんから」
ガウの言ってる意味を抗議ではなく、彼氏であることを隠そうとするモノと捉えて先生はそそくさと学校内に戻ってしまった。
ガウ「がうーがうがうー!がうがうがうー!!」
訳:ねーちょっとー!だから違うってばー!!
八紘と弦十郎から何を聞いたかは知らないが響の彼氏と勝手に勘違いされてしまったガウだった。
先生の爆弾発言があった頃、響が教室で帰る準備をしているのを廊下で待っていた未来は…。
未来(何だろう…ガウくんに去勢手術受けさせたくなった……)
っと、思っていたのだった。
そしてガウは…。
ガウ(がうがう…)
訳:月に逃げよう…
未来の殺気を感じたのかは定かではないが、ふとそう思っていたのだった。
弟「最近、番外編ばかりですいません。実は今週いっぱいまで番外編です。来週以降は番外編じゃないのが始まりますのでお楽しみにしててください」