戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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とある場所、通路のいたるところには血で汚され、引きずった後があった。

場所の最新部にはその血の主らしき深手を負った男性が何かを操作していた。

男性は左腕は無く、右胸に貫かれた跡があった。

?「システム…オール…グリーン……」

残った右腕で石碑を操作する男性。

?「ネットワークジャマーの実行まで…300…カウント…これで…!」

男性は右腕を石碑に軽く叩きつけると血が石碑の表面を汚すと石碑が起動した。

そしてモニターに地球と月が映し出され、地球から月に向かって赤い線が伸びた。

内部で巨大な機械が動くと月の表面に緑の魔法陣が現れた。

?「だが…すまない…僕達には全てを説明するだけの時間も…言葉も…最早失われて…」

致死量の血が流れていたのか男性はグラリとその場に倒れてしまった。

?「許してほしい…フィー…ネ………」

"フィーネ"の名を口にして男性は事切れるのだった。


第418話 浮上する棺

ある日、S.O.N.G.は南極にいた。

 

友里「装者たちの到着とほぼ同タイミングと思われます!ですがガウくんは少し遅れるようです!」

 

S.O.N.G.本部の発令室では戦闘体制状態でオペレーターの友里と緒川が状況を分析していた。

 

緒川「情報と観測データを照合する限り棺とはやはり先史文明期の遺跡と推察されますが…」

 

今回の目標である棺なるもののことを緒川は呟く。

 

エルフナイン「ボストーク氷底湖内のエネルギー反応飛躍!数値の上昇止まりません!」

 

弦十郎「来るか…!総員!棺の浮上に備えるんだ!」

 

エルフナインの報告で弦十郎は装者たちに指示を出す。

 

 

 

南極大陸にある氷底湖―『ボストーク湖』上空に2機のS.O.N.G.のヘリが到着した。

 

響「さ~ぶ~い!しばれる~!どこの誰だよ南半球は夏真っ盛りとか言ってたのは~!」

 

切歌「デ~ス!」

 

扉が開いて文句を言う響と追随する切歌。

 

クリス「夏だって寒いのが結局南極だ。ギアを纏えば断熱フィールドでこのくらい…」

 

寒がる響にクリスはそう言いかけているとボストーク湖の真下から赤黒く、巨大なレーザーが発射された。

 

幸いにしてレーザーが発射されたのは響たちの乗るS.O.N.G.のヘリ2機の間だったためにヘリは無事だったが吹雪を起こしていた分厚い雪雲が貫かれ、空の一角を晴らした。

 

そのレーザーの威力に全員が驚いていた。

 

分厚い雲を貫き、空を晴らしすなどの行為が出来るのはガウだけだと思っていたからだ。

 

翼「なかなかどうして…心胆寒からしめてくれる…」

 

その中で翼は何とか言葉を発する。

 

レーザーが発射されたボストーク湖の氷を砕きながら巨大なペンギンのような姿をしたモノが姿を現した。

 

調「あれが…あんなのが浮上する棺…切ちゃん、棺って何だっけ?」

 

切歌「常識人には酷なこと聞かないでほしいのデース!」

 

浮上したモノ―『浮上する棺』を見て調は切歌に聞くも切歌も想定外で、答えれなかった。

 

翼「アレならばガウの放射火炎と同威力を出すのも納得いく…」

 

クリス「つーか毎回毎回、何でこうもアタシらの相手は想定やら規格やらの枠から飛び出てんだよ!?」

 

マリア「いつだって想定外など想定内!行くわよ!!」

 

マリアに言われて全員がヘリから飛び降りた。

 

響「Balwisyall Nescell gungnir tron…」

 

降下しながら起動詠唱を唄い、それぞれのギアを纏う。

 

響「うおりやあぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

ギアを纏って直ぐに響はブーストして加速し、先制の一撃を放つ。

 

だが棺も響たちに気付いており、振り向き様にパンチ(ペンギンでいえば鰭)を繰り出し対抗した。

 

両者のパンチの威力が互角だったのか互いにぶっ飛ぶ。

 

マリア「互角!?それでも!気持ちでは負けてない!!」

 

響のパンチと互角の威力を持つ棺のパンチにマリアは驚くが直ぐに切り替える。

 

すると棺の胸のクリスタルが光ったかと思いきやペンギンに似た顔の口からさっきの赤黒いレーザーを発射した。

 

発射されたレーザーを見て響たちは一斉に散開して回避する。

 

遅れてレーザーが着弾、爆発と同時に緑の光と共に一瞬だけ魔法陣が現れて爆発を結晶のようにした。

 

クリス「なんなんだよあのデタラメは!どうする!?まだガウは来ないぞ!!」

 

マリア「どうもこうも…止めるしかないじゃない!」

 

翼「散会しつつ距離を詰めろ!観測基地には近づけさせず、ガウが到着まで時間を稼ぐぞ!!」

 

クリスに聞かれて翼とマリアは言う。

 

ボストーク湖のある南極大陸にはロシアのボストーク湖観測所があり、それが棺の進路予想先であるのだ。

 

基地ではまだ観測員たちの避難が済んでいない状況だった。

 

翼の指示で響、切歌、調が棺に向かっていく。

 

調「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

ヘッドギアの左右のホルダーから小型の丸ノコを連続で放つ『α式・百輪廻』を繰り出した。

 

切歌「りゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーー!!」

 

同時に切歌は鎌の刃部分を分裂させブーメランのように投擲して左右から挟撃する『切・呪りeッTぉ』を繰り出す。

 

だが棺は重鈍な体躯には似合わず、ジャンプして百輪廻と呪りeッTぉを回避した。

 

響「うおりやあぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

ジャンプして空中に出た響の背を押して体勢を崩し、氷の上に叩きつけた。

 

クリス「うおりゃあぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

氷の上に叩きつけられた棺にクリスは腰部アーマーから小型ミサイルを一斉に発射する『MEGA DETH PARTY』を発射した。

 

発射されたミサイルは全弾が棺に命中、爆発と爆煙が棺を包み込む。

 

…が、棺は傷1つ付いておらず、起き上がってレーザーを発射した。

 

クリス「効かないのかよ!!」

 

ぼやきながらレーザーを回避する。

 

 

 

緒川「接近する対象を苛烈に排撃…こんなものをはたして棺と呼ぶべきでしょうか?」

 

レーザーを発射し、シンフォギアの攻撃でも傷付かない棺を見て緒川は言う。

 

弦十郎「攻撃ではなく防衛…不埒な盗掘者を寄せ付けないための機能だとしたらどうしようもなく棺というより他あるまい」

 

緒川の疑問に弦十郎はそう解釈して答えた。

 

弦十郎(だとすれば…棺に眠るのは本当に…)

 

解釈した弦十郎は棺の中身が何なのか察する。

 

友里「指令!棺に新たな動きが!」

 

弦十郎・緒川「「!?」」

 

 

 

棺は身体中にトゲを出すとそれらを放った。

 

放たれたトゲは羽虫のような姿をしたファンネルのようで、尻尾の部分から緑のレーザーを発射してきた。

 

響はレーザーを回避しながらブーストして加速を加えた跳躍でファンネルを殴り壊し、さらにマフラーを振り回して破壊していく。

 

地上では切歌と調がアイススケーターのように滑る。

 

調「こちらの動きを封じるために!」

 

切歌「しゃらくさいのデス!」

 

調を切歌が持ち上げ、持ち上げられた調がアームドギア でファンネルを切り刻む。

 

クリス「群れ雀なんぞに構いすぎるな!」

 

クリスは片方2門のガトリングガン2丁の計4門で滞空攻撃してファンネルを撃ち抜きながら言う。

 

翼「ならば行く道を!」

 

翼が言うと大量の小型が豪雨のように降り注ぎ、ファンネルを打ち砕き、棺の道を切り開いた。

 

翼が切り開いた棺への道を響とマリアが走り抜ける。

 

響「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

右腕の手甲を変形させる響。

 

マリア「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

左腕の手甲を変形させるマリア。

 

響「最速で!最短で!」

 

マリア「真っ直ぐに!一直線に!」

 

響・マリア「「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーー!!」」

 

互いに変形させた手甲を高速回転させてWドリルナックルを放った。

 

響とマリアのWガングニールドリルナックル(マリアは元ガングニール装者、今はアガートラーム)を喰らい棺は仰け反り、胸のクリスタルが砕けた。

 

翼「効いている!それだけだ!」

 

棺のクリスタルを破壊したのを見て翼は言う。

 

だが棺の首元が光ると体勢を直ぐに立て直して降下中の響とマリアを殴った。

 

殴られた2人は顔面から叩き付けられ、滑った。

 

調「2人とも!」

 

切歌「しっかりするデスよ!」

 

殴られた2人に調と切歌が駆け寄り、翼がフォローに入る。

 

そこに棺はレーザーを放とうとする。

 

翼「来るぞ!」

 

レーザーを放とうとする棺を見て翼が叫ぶ。

 

クリス「間に合えぇーーーーーーーーーーーーーっ!!」

 

そこへクリスが割って入り、両腕をクロスさせて腰部のアーマーを展開するとリフレクターを展開する。

 

同時にレーザーを発射してきた。

 

レーザーがリフレクターに着弾、爆発と爆煙と魔法陣からの結晶が響たちを包み込んだ。

 

 

 

藤尭「リフレクターによるダメージの軽減を確認!」

 

友里「棺からの砲撃、解析完了!マイナス5100℃の指向性エネルギー波…って…何よこれ!?」

 

エルフナイン「埒外物理学による…世界法則への干渉…」

 

棺の放つレーザーの解析結果を聞いてエルフナインは驚く。

 

エルフナイン「こんなの…現在のギア搭載フィールドでは何度も防げません!!」

 

棺のレーザーの能力にエルフナインは言う。

 

 

 

棺は響たちを倒したと思い、基地へ向かおうとする。

 

その時だった。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

棺の前の氷が砕けて地球最強生命体にして全ての地球怪獣たちの王、怪獣王 ゴジラが姿を現した。

 

火山のマグマの中を平気で泳ぐゴジラである、人間では命の危機すらあり得る南極の極寒の海でも平気で泳ぐことができる。

 

(不凍液…?さあ、知らない子ですねぇ(笑))

 

 

 

友里「ガウくんが棺の前に出現!交戦状態に入りました!!」

 

弦十郎「間に合ってくれたか!」

 

出現したゴジラを見て叫ぶ。

 

 

 

ゴジラ「グルルルル…ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

結晶にやられた響たちを見て上陸したゴジラは怒りの雄叫びを上げる。

 

ゴジラを見た棺は身体中のトゲを再び起動させて大量のファンネルを飛ばす。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

たかが数だけのファンネルをゴジラは放射火炎で一掃する。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

ファンネルを一掃してゴジラは棺に尻尾を叩き込んで転倒させる。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

転倒した棺にゴジラは放射火炎を直撃させる。

 

放射火炎の直撃を喰らいながらも棺は直ぐ様、体勢を立て直して殴りかかった。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

殴りかかった棺にゴジラも拳で対抗。

 

響「うぅ…が…ガウ…く…ん………」

 

戦っているゴジラ(ガウ)の姿を見た響は意識が薄れて気を失ってしまったのだった。

予定より早いですが、XV篇(IFルート)で幸せになって欲しい人は?

  • エルザ
  • ミラアルク
  • ヴァネッサ
  • 3人とも

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