戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第421話 聖骸攻防戦

仏壇に手を合わせるクリス。

 

クリス「それじゃ、学校に行ってきます」

 

仏壇にはクリスの父『雪音 雅律』と母『ソネット・M・ユキネ』の霊碑があった。

 

仏壇の下には自身の誕生日会に来た響たちとの集合写真が置かれていた。

 

 

 

クリス「えっくしぶ!この寒さ、プチ氷河期どころじゃないぞ…ガウの奴は良く半袖でいるなぁ……」

 

通学中にくしゃみをしたクリスは言う。

 

極寒の南極においてガウはガウ自身のサイズにあった響たちと同じS.O.N.G.の制服を着ていたが普段着は夏の装い、つまりは半袖で生活しているのだ。

 

本人曰く、"人の感じる寒さは別に感じない"らしい。

 

響「クーリスちゃん!」

 

そんなクリスの後ろから響と未来がいつの間にか来ていた。

 

未来「おはよう。今日も寒いね」

 

クリス「あぁ、寒いな」

 

響を見て未来に言うクリス。

 

響「寒いよね~。でも温かいよね~。お似合いの手袋」

 

クリス「毎朝毎朝押しつけがましいんだよ馬鹿!!」

 

キレたクリスは通学鞄で響の頭にダイレクトアタックした。

 

クリスの嵌めている赤い手袋は響、未来、ガウ、リルが見つけたプレゼントである。

 

未来「調子に乗り過ぎ。はしゃぎすぎ」

 

殴られた響に未来が呆れて言う。

 

響「だってさ。みんなで一緒に選んだあの手袋、クリスちゃんに喜んでもらえてるみたいだから」

 

プレゼントした赤い手袋を見て嬉しそうに言う響。

 

響「手袋して休まず登校してくれるし!」

 

未来「言われてみれば。推薦で進学も決まってるのにね」

 

クリス「それはだな…あたしはみんなより学校に行ってないから…その分を…だけど…そろそろ呑気に学校に通ってるわけにはいかないのかもしれないな」

 

恥ずかしくなりながらもクリスは真剣な顔になり言う。

 

 

 

場所は変わり、ライブの為に翼はレッスンしていたがプロデューサーは首を横に振った。

 

翼自身もレッスンに身が入っていなかった。

 

緒川「何かに心を奪われてるようですね」

 

マリア「そ…そうね。任務の合間に陣中見舞いして見ればこの体たらく。凱旋ライブの本番は三日後だというのに」

 

緒川と何故か黒スーツで黒サングラスのマリアが言う。

 

緒川「お疲れ様でした」

 

翼「いえ…」

 

マリア「世界に再び脅威が迫る中気持ちは分かるけどね。でもステージの上だってあなたの戦う場所でしょ?」

 

上がってきた翼にマリアは言う。

 

翼「それはそうだが…南極からの帰還途中であんなことが起きたのに…はたしてここは私の立つ所なのだろうか?」

 

それは極寒の南極から帰還途中のことである…。

 

S.O.N.G.本部に鳴り響く警報音。

 

翼「状況は!?」

 

藤尭「洋上にアルカノイズの反応検知!」

 

友里「米国新型空母 トーマス・ホイットモアが襲撃を受けています!!」

 

米国が新たに造った空母『トーマス・ホイットモア』と護衛艦6隻のイージス艦を複数のアルカ・ノイズが攻撃していた。

 

響「やっぱり南極で回収した遺骸を狙って…」

 

クリス「こっちの申し出を無下にしやがるから!」

 

聖骸の護衛にS.O.N.G.とゴジラの護衛に付く話があったが米国はそれを断ったのだ。

 

断った結果がアルカ・ノイズによる襲撃である。

 

マリア「警戒待機していた調と切歌、ガウは?」

 

友里「先行しています!」

 

 

 

トーマス・ホイットモア上空にロケットが来て、バラバラになると中から切歌と調、ガウが飛び降りる

 

調「切ちゃん!リンカーを忘れるなんて!」

 

切歌「よく気が付いたデス!」

 

調「ガウくんが持ってきてくれたんだよ」

 

空中で切歌が忘れたリンカーを渡す調。

 

切歌「ありがとうデス、ガウくん!」

 

ガウ「がう!」

 

切歌「さっそくこのポカを返上するデスよ!」

 

調と抱き合ってお互いにリンカーを打ち合う。

 

切歌「Zeios igalima raizen tron…」

 

起動詠唱を唄い、ギアを纏う。

 

ギアを纏い、降下しながら鎌で近くの周囲にいたアルカ・ノイズを切り刻む切歌。

 

さらにトーマス・ホイットモアに着地すると切・呪りeッTぉを繰り出して周囲のアルカ・ノイズを切り裂く。

 

調はΔ式艶殺アクセルで切歌の切・呪りeッTぉと共にアルカ・ノイズを切り刻む。

 

調「キリッ!」

 

切歌「デース!」

 

バレーのように踊るように戦う切歌と調。

 

ガウ「ガルルルル!ガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

ガウは容赦なく、トーマス・ホイットモアの甲板を破壊しながらアルカ・ノイズを尻尾で凪ぎ払い、背鰭で体当たりして倒す。

 

 

 

エルフナイン「アルカ・ノイズが相手であれば調さんと切歌さん、ガウくんの敵ではありません」

 

一方的にアルカ・ノイズを倒す切歌たちを見て言うエルフナイン。

 

弦十郎「ああ。だとすれば…」

 

アルカ・ノイズがいれば必ず出した輩がいると警戒する弦十郎。

 

 

 

トーマス・ホイットモアの近くにバルタン星人に似た姿型をした巨大アルカ・ノイズが船の艦橋の一部を破壊した。

 

破壊された艦橋の瓦礫から逃れようとする切歌だが下敷きにされる。

 

切歌「だけど逃げないデース!」

 

瓦礫を退かして切歌が飛び出してきた。

 

飛び出してきた切歌にレーザーを発射する巨大アルカ・ノイズ。

 

レーザーを回避した切歌はブーストして鎌を蹴り押す『断突・怒Rぁ苦ゅラ』を繰り出して巨大アルカ・ノイズを両断した。

 

切歌「うわっ!」

 

巨大アルカ・ノイズを両断した切歌が着地した瞬間、細い尻尾のようなのが強襲し、吹き飛ばした。

 

調「切ちゃん!」

 

ガウ「がう!」

 

吹き飛ばされた切歌に近寄る。

 

切歌「あれが…アルカノイズを召喚した…」

 

ガウ「ガルルルル!!」

 

ピンクの髪に、小柄な体、獣耳をし、小さなキャリーバッグを持った少女―パヴァリア光明結社の残党錬金術師の1人『エルザ・ベート』を見る。

 

 

 

4人『錬金術師!!』

 

緒川「やはりでてきましたね」

 

弦十郎「あぁ、この一連の裏万事する残党」

 

やはりと、緒川と弦十郎は言う。

 

 

 

エルザ「私めとこの怪獣が相手であります」

 

エルザはそう言ってテレポートジェムを出すと海に向かって投げた。

 

ノイズギャビッシュ「キュアァァァギャウオォォォォォォーーーーーーーーーーーーン!!」

 

テレポートジェムが落ち、海に入った瞬間、水柱を上げて醜悪な顔をし、背中に青い毛を持ったノイズ怪獣―『凶悪分解怪獣 ノイズギャビッシュ』が雄叫びを上げながら出現した。

 

ガウ「がうぅぅぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

ノイズギャビッシュが現れてガウはトーマス・ホイットモアから飛び降りて雄叫びを上げてゴジラに変身した。

 

ノイズギャビッシュ「キュアァァァギャウオォォォォォォーーーーーーーーーーーーン!!」

 

現れたゴジラにノイズギャビッシュは威嚇する。

 

 

 

ノイズギャビッシュを出してゴジラの出現を確認したエルザは崩れて出来た亀裂から艦内へ飛び降りた。

 

切歌「やらいでか!デース!」

 

調「切ちゃん!もっと常識人らしく!」

 

2人もエルザを追って艦内へ入っていくのだった。

 

 

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

ノイズギャビッシュ「キュアァァァギャウオォォォォォォーーーーーーーーーーーーン!!」

 

トーマス・ホイットモアの近くにてゴジラとノイズギャビッシュの戦いが起こっていた。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

ゴジラの右ストレートがノイズギャビッシュの頬を捉えた。

 

ノイズギャビッシュ「キュアァァァギャウオォォォォォォーーーーーーーーーーーーン!!」

 

しかし、殴られながらもノイズギャビッシュは尻尾からは電撃を放った。

 

ゴジラ「グルルルルル!!」

 

流石に海上で電気の威力が上がるのかゴジラは怯む。

 

ノイズギャビッシュ「キュアァァァギャウオォォォォォォーーーーーーーーーーーーン!!」

 

怯んだのを見てノイズギャビッシュは瞬間移動して鋭い牙で背中からゴジラに噛みついた。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

噛みついたノイズギャビッシュにゴジラは体内放射で抵抗した。

 

ノイズギャビッシュ「キュアァァァギャウオォォォォォォーーーーーーーーーーーーン!!」

 

体内放射から逃れるためにゴジラの真正面に瞬間移動したノイズギャビッシュは口からは針状の光線を吐く。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

ノイズギャビッシュの針状の光線に対してゴジラは放射火炎を放って対抗した。

 

ノイズギャビッシュの針状の光線が放射火炎に飲み込まれ、ノイズギャビッシュ本体に当たるとゴジラが思った時だった。

 

ノイズギャビッシュの目に放射火炎が吸収されてしまった。

 

ゴジラ「グルルルルル!?」

 

ノイズギャビッシュの目に放射火炎が吸収されたのを見て驚く。

 

ノイズギャビッシュ「キュアァァァギャウオォォォォォォーーーーーーーーーーーーン!!」

 

目から吸収したゴジラの放射火炎をノイズギャビッシュは口から跳ね返して来た。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?」

 

ノイズギャビッシュの攻撃にゴジラは反応できずに跳ね返された放射火炎をモロに喰らってしまい吹き飛ばされてしまった。

 

ノイズギャビッシュ「キュアァァァギャウオォォォォォォーーーーーーーーーーーーン!!」

 

ゴジラを吹き飛ばしてノイズギャビッシュは雄たけびを上げる。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

だがたかが跳ね返された放射火炎に参るほど軟なゴジラではない。

 

すぐさま起き上がって放射火炎をまた放った。

 

ノイズギャビッシュ「キュアァァァギャウオォォォォォォーーーーーーーーーーーーン!!」

 

ノイズギャビッシュは相手の光線を目から吸収し口から跳ね返す『カウンター光線』を使用、ゴジラに放射火炎を跳ね返した。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

ノイズギャビッシュが跳ね返した放射火炎をゴジラは受け止めた。

 

今度は吹き飛ばされないように踏ん張っていた。

 

そして受け止めた放射火炎のエネルギーを体全身で吸収・変換させ背鰭に溜める。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

跳ね返ってきた全ての放射火炎のエネルギーを吸収したゴジラはそれを上乗せした放射火炎を発射した。

 

ノイズギャビッシュ「キュアァァァギャウオォォォォォォーーーーーーーーーーーーン!!」

 

ノイズギャビッシュは放たれた放射火炎も跳ね返そうと吸収する。

 

しかし、放射火炎のエネルギー量が多く吸収しきれなかった。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

さらに放射火炎の威力を上げるゴジラ。

 

ノイズギャビッシュ「キュアァァァギャウオォォォォォォーーーーーー……………………」

 

放射火炎を吸収しきれず、ノイズギャビッシュは断末魔を上げて爆散した。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

ノイズギャビッシュを倒したゴジラの勝利の雄叫びが轟いた。

 

ゴジラ「グルルルルル……」

 

ガウ「がう!」

 

トーマス・ホイットモアに近付いたゴジラはガウに戻り、着地。

 

甲板から調たちを探し始めた。

 

 

 

ゴジラがノイズギャビッシュを倒した時、調は切歌とはぐれてしまっていた。

 

電力をやられて暗く複雑な艦内で見失ってしまっていたのだ。

 

すると後ろからエルザの気配を感じて追いかける。

 

調「鬼ごっこならシュルシャガルナで!!」

 

シュルシャガナの機動力で追跡する調。

 

角を曲がるとエルザが待ち構えていた。

 

先制しようとした調だが後ろからアルカ・ノイズ2体が攻撃してきた。

 

エルザ「アタッチメント」

 

アルカ・ノイズ2体が調に攻撃したのを見てエルザが言うと鞄開き、中から鞭がエルザの尾てい骨あたりに繋がり、尻尾となった。

 

エルザ「ネイル!撃ち抜くであります!!」

 

尻尾の先が手のようになって、その爪が調の腹部に命中し、床に叩きつけた。

 

 

 

切歌「調!!」

 

別の場所にて切歌は調の異変を察知した。

 

その瞬間、壁が分解されて奥から複数のアルカ・ノイズが現れた。

 

切歌「今更ノイズが何体来たところで!って!?』

 

壁から現れたアルカ・ノイズと戦おうとしたが狭い艦内でアームドギアが引っ掛かってしまった。

 

そんな切歌にせまるアルカ・ノイズ。

 

切歌「デエエェェ~!!」

 

万事休すの切歌の声が艦内に響く。

 

 

 

エルザ「他愛ないであります。完全なる命を砕いたシンフォギアがこの程度なんて…やはり、現状はゴジラが最大の難所……」

 

調を倒したと思っているエルザだったが言ってる側から転がったヨーヨーの奇襲、アルカ・ノイズ2体を撃破した。

 

エルザ「まさか!?」

 

ヨーヨーによりアルカ・ノイズが倒されてエルザは驚く。

 

調「私を変えてくれた人がいる…私を強くしてくれた人がいる…」

 

エルザの攻撃を小型化していたアームドギアで防御していた調はアタッチメントを弾き返す。

 

調「簡単には負けられない!!」

 

立ち上がり調は小型のノコギリを放った。

 

調の攻撃をエルザはアタッチメントで防ぐ。

 

エルザがアタッチメントで小型のノコギリを防いでいる隙に接近する調はすれ違い様にヨーヨー攻撃した。

 

エルザはアタッチメントを手に変化させて地面に着けて回避する。

 

しかし、直ぐに調はヨーヨーで翻弄する。

 

ヨーヨーで敵の周囲を囲み追い詰め、翻弄する『β式獄糸乱舞』を繰り出した。

 

 

 

小型化した二振りのアームドギアで撃破した切歌はアルカ・ノイズの包囲を突破した。

 

切歌「サイズダウンしてしまえば、狭くたって問題ないのデス!」

 

包囲を突破した切歌は急ぎ調の元へ向かう。

 

 

 

エルザをヨーヨーで牽制しつつおい立てる調。

 

切歌「調!」

 

そこへ切歌が合流、エルザを挟み撃ちにする形にした。

 

調はヨーヨーを合体、巨大化させてピッチャーのように投げた。

 

エルザ「そんな大雑把な攻撃が当たるわけが!」

 

ヨーヨーを回避するエルザ。

 

が、調の狙いはエルザではなく、向こう側にいる切歌だった。

 

調が投げたヨーヨーを自身のアームドギアと合体させる。

 

エルザ「嘘であります!?」

 

驚くエルザを調の小型ノコギリで攻撃する調。

 

エルザは直ぐにアタッチメントで防御する。

 

そこへ、ベイブレードのように合体させたアームドギアの先を切歌は発射した。

 

コマとなった合体アームドギアは分離して調が操る。

 

合体アームドギアをエルザは何とか避けるが徐々に間合いを詰められる。

 

そして艦の側面で爆破が起きた。

 

調「やったね切ちゃん!」

 

切歌「今夜はハンバーグなのデース!」

 

何故かそう言いながらバッティングする切歌。

 

なぜ、ハンバーグで野球!?

 

エルザ「やってない!任務遂行を優先してこちらが加減してたのであります!」

 

瓦礫を退かしてエルザは言う。

 

ヴァネッサ《そうよエルザちゃん。やりすぎて船ごと沈めるわけにはいかないわ。撤退しましょう》

 

ヴァネッサが通信でエルザに言う。

 

エルザ「撤退でありますか…?そんな簡単に…」

 

撤退指示に不満なエルザ。

 

ヴァネッサ《かわいいエルザちゃんをぼろぼろにしてまでの任務じゃないわ》

 

エルザ「…ガンス。帰投であります」

 

"かわいい"と言われてエルザは照れながらテレポート用のジェムを出して帰還しようとした、その時だ。

 

エルザと切歌、調の間の屋根が崩れた。

 

『!?』

 

咄嗟に3人はそれぞれがそれぞれの回避をする。

 

ガウ「がうぅぅぅぅぅぅぅ!?」

 

瓦礫に混じり、ガウがエルザに向かって落ちてきた。

 

どうやら崩れた場所の真上にいたようだ。

 

エルザ「!?」

 

落ちてきたガウに反応出来なかったエルザ。

 

瓦礫により埃と煙が辺りを覆う。

 

ガウ「~!?」

 

起き上がるガウは自身がエルザの上に乗っていることととんでもないことになっていることに驚いて急いで起き上がる。

 

エルザ「~~~~~!!」

 

片や顔が赤くなっているエルザ。

 

そしてアタッチメントが拳となってガウに襲ってきた。

 

ガウ「がう!?」

 

慌ててエルザから離れて調と切歌に合流する。

 

エルザ「よ、よくも…よくも私めの初めてを…この屈辱は必ずや晴らさせてもらうであります!!」

 

口に手をやりながらエルザはそう言ってジェムを叩き割り、撤退していった。

 

調「とりあえず…勝てた?」

 

切歌「少なくともあの気味の悪いミイラは守れたのデス…あとは……」

 

調・切歌「「ガウくん、いったい何したの?/デース?」」

 

ガウ「がうがう…」

 

訳:言ったら殺される… 

 

ともかく聖骸を守護できたことが分かって良かったのであった。

 

 

 

弦十郎「ただちに救護班を向かわせろ!」

 

戦いが終わり、弦十郎はすぐさま指示を出す。

 

翼「世界に敵対する新たな脅威……」

 

現れたパヴァリア光明結社の残党を見て翼は呟くのだった。

 

クリス「かっこよくそれっポイことを言ってるとこわりーんだが…(バカ)を止めるのを手伝ってくれませんかね、先輩!!」

 

呟いていた翼の後ろで毛を逆立て、息を荒し興奮状態の響を抑えるクリスとマリアがいた。

 

実はさっきまでの戦闘の会話はギア搭載のマイクから聞こえておりガウがエルザに何かしたことを聞いた響が本部の壁をぶち壊して無理矢理にでも出撃しようとしていたのだ。

 

翼「世界に敵対する新たな脅威……」

 

マリア「2度も言わなくていいから手伝いなさい翼ぁ!!」

 

現実逃避する翼にマリアが怒鳴るのだった。

 

この後、帰艦したガウは簀巻きにされて響に連行されたがその後のことは誰も知らない。

 

 

 

翼「我々S.O.N.G.も極寒にて回収した遺骸の警護に当たるべきではないでしょうか?」

 

マリア「気持ちは分かるわ。でも遺骸の調査・扱いは米国主導で行うと各国機関の取り決めだから仕方ないじゃない」

 

緒川「日本政府とS.O.N.G.にこれ以上聖遺物に関わらせたくない国も多いですからね。それに怪獣軍団とただでさえ強硬派な米国です。怪獣軍団と友好・協力体制にあるS.O.N.G.や日本政府にあまり貸しを作りたくないかと」

 

聖骸護衛に付くべきではという翼にマリアと緒川は言う。

 

翼「せめて私達が警護に当たれれば被害も抑えられ…あいたっ!?」

 

まだ言う翼にマリアはデコピンした。

 

マリア「今やる事とやれることに集中するのステージに立って歌うのはあなたの大切な役目のはずでしょ?」

 

翼「うむ…不承不承ながら了承しよう……」

 

マリアに図星を突かれて翼は言う。

 

翼「だがそれには一つ条件がある」

 

マリア「は?」

 

キョトンとするマリアに翼は不適な笑みをしていたのだった。

予定より早いですが、XV篇(IFルート)で幸せになって欲しい人は?

  • エルザ
  • ミラアルク
  • ヴァネッサ
  • 3人とも

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