訃堂《報告書には目を通した。政治介入があったとはいえ先史文明期の貴重なサンプルの調査権を米国にかすめ取られてしまうとはなんたる無様!!》
S.O.N.G.本部の発令室では弦十郎と八紘の父にして、日本を影から操る『風鳴 訃堂』が弦十郎に怒りをぶつけていた。
弦十郎「反応兵器の使用をはじめ今日までの争乱に様々な横槍を入れてきた米国に対し一層の注意を払うべきでした…」
訃堂《さらにはパヴァリア光明結社の残党をのさばらせおって!》
そう言う弦十郎に訃堂は厳しく責める。
弦十郎「それについても対応中であり…」
訃堂《お前にも流れる防人の血を辱めるな!!》
実の子である弦十郎にそう訃堂は言うと通信を切るのだった。
弦十郎「ふう…」
友里「指令。あったかいものどうぞ」
弦十郎「ああ、あったかいものどうも。すまないな」
友里が差し出したコーヒーを貰って弦十郎は言う。
藤尭「鎌倉からのお叱り…今まではほとんどなかったのに随分と頻度が増えましたね」
鎌倉こと風鳴宗家、ひいては訃堂からの叱りの頻度が増えたことを言う。
弦十郎「うむ…そうだな」
藤尭に言われなくとも弦十郎はそのことを気にしていた。
同刻、とある高速道路に車が大混雑していた。
響「久々のライブだよ!?翼さんの凱旋公演だよ!?だけどこんなんじゃ間に合わないよ~!」
1台の車の中で響が未来に言う。
クリス「どうしようもないだろ!道路が混雑してんだから!!」
隣にクリス、調、切歌の乗る車が止まり、クリスが言う。
調「マリアも急に来られなくなるなんて…」
切歌「ついてない時はどこまでもダメダメなのデス…」
せっかくの翼の凱旋ライブをマリアも見ようと話していたが急に来れなくなったことを話す。
響「ガウくんとリルくんが待ってるのに~!もう、こうなったらギアを…マアボ!!」
未来「ひ、響~!?」
ガウとリルは基本的にフリーなので先にライブ会場で待つことになっていたが車が進まずにいる状況に響はガングニールを纏って行こうとするのを何かが後頭部に命中した。
クリス「アホな発想でギアを使うな、バカ!!」
クリスが自身の靴を投げて阻止したのだ。
一方、ライブ会場ではライブが開始されていた。
その際、翼の名前と共にマリアの名前が出ていた。
観客「え?マリアって確か…」
翼の名前と共に出たマリアの名前に観客は驚く。
ガウ「がう!?」
訳:マリア!?
リル「かうかう!?」
訳:なんで!?
先に入場して特別席に座っていたガウとリルもこれには驚いていた。
ステージから2人が現れて歌い、踊り始めた。
何故マリアがライブに参加したかというと今から3日前、翼の出した条件だった。
それは今回のライブにマリアも出演することであったのだ。
マリア「そんなの無理よ!できないわ!」
突然のことにマリアは言う。
翼「いつか私と歌い明かしたいと言ったな」
マリア「でも…私には…」
フロンティア事件のことを思い出すマリア。
翼「私は歌が好きだ。マリアはどうだ?」
そんなマリアに翼はそう問いた。
マリア(アーティストとオーディエンスが一つにつながり溶け合ったような感覚…まるであの日の…故郷の歌が起こした奇跡のような…)
マリアも自身が歌が好きであると気付かされた。
そう思っていた、その時だった。
歌が終わり、観客が盛り上がっている真上に魔方陣が現れた。
1つではない、数十…いや、数百はある数のアルカ・ノイズの魔方陣であった。
翼「これは…!」
アルカ・ノイズの魔方陣を見て翼たちは驚く。
藤尭「横浜湾岸のコンサート会場にアルカ・ノイズの反応を検知!」
弦十郎「装者を急行させる!ヘリの用意だ!」
状況にS.O.N.G.本部でも検知し、直ぐに弦十郎の指示が飛ぶ。
コンサート会場ではすでに第1陣のアルカ・ノイズの大群が降下・着地。
人々を奇襲する形で襲った。
翼「やめろぉー!!」
アルカ・ノイズに殺される人々を見てあの時のライブの日を思い出してしまい翼はギアを纏う。
マリアも続くようにギアを纏う。
緒川「皆さん落ち着いてください!こちらの指示に従って!」
緒川が必死になって言うがアルカ・ノイズの奇襲で人々はパニックになり指示が聞こえなかった。
クリス「ライブにアルカノイズをけしかけるなんて…錬金術師は何が狙いだ!」
高速道路にて車から降りてヘリとの合流を待ちながらクリスは呟く。
会場では翼とマリアが必死になってアルカ・ノイズから必死を守ろうとするが間に合わずに次々に殺されていく。
ガウはリルを抱えて特別席から飛び降りてアルカ・ノイズを蹴散らしながら緒川の方へ走る。
緒川にリルを預けて翼たちの援護に向かうためだ。
ゴジラになればアルカ・ノイズなど一気に殲滅出来るがパニック状態の観客で埋め尽くされた会場では下手に変身でもすればかえって被害が大きくなるだけであると判断しているのだ。
ガウ「がうがうー!」
訳:緒川ー!
緒川を見つけて呼ぶガウ。
緒川「ガウくん、リルくん!無事でしたか!」
呼ばれて(鳴き声に反応して)振り向きガウとリルを見つけた緒川は言う。
ガウ「がう~…がう?」
緒川と無事合流できて少し安心したガウだったがリルが両手で耳を塞いで怖がっているのが目に入った。
リル「かうぅぅぅぅ………」
アルカ・ノイズに殺される人々の悲鳴、怒号がリルに恐怖心を植え付けていたのだ。
ガウ「がうがう、がう~」
そんなリルをガウはぎゅっと抱き締める。
リル「かう………」
ガウに抱き締められてリルもガウを抱き締める。
少しでも気を紛らわそうとしているのだ。
その時だった。
ミラアルク「あはは!恐れよ!怖じよ!うちが来たぜ!ここからが始まり!首尾よくやってみせるぜ!」
ノイズキュラノス「フウォオォォォォォォォォーーーーーーーーーーー!!」
声が聞こえて見上げると上空にパヴァリア光明結社残党錬金術師の1人『ミラアルク・クランシュトウン』がコウモリそのまんまの外見をして、額にアルカ・ノイズの発光器官があるノイズ怪獣『吸血分解魔獣 ノイズキュラノス』を率いて現れた。
ガウ「がう!がうがう!!」
ノイズキュラノスを見てガウはリルを緒川に託してノイズキュラノスに向かって行く。
リル「かう!」
訳:パパ!
緒川「ガウくん、気よつけて!」
ノイズキュラノスに向かって行くガウを見て2人は言う。
ガウ「がうぅぅぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
雄叫びを上げ、ゴジラに変身してノイズキュラノスに構える。
ノイズキュラノス「フウォオォォォォォォォォーーーーーーーーーーー!!」
現れたゴジラにノイズキュラノスは雄叫びを上げて臨戦する。
ミラアルク「やっぱゴジラがいたか。だが、キュラノスなら大丈夫だろ。それにうちの標的はお前だぜ!風鳴 翼!」
臨戦したノイズキュラノスとゴジラを見てミラアルクは言うと翼の方を見て言う。
翼「パヴァリアの残党…歌を血で汚すな!!」
コンサートを滅茶苦茶にされて翼は怒り任せに斬りかかる。
ノイズキュラノス「フウォオォォォォォォォォーーーーーーーーーーー!!」
ゴジラに臨戦したノイズキュラノスは巨大な翼を羽ばたかせて爆風を起こした。
ゴジラ「グルルルルル!!」
ノイズキュラノスの起こした爆風にゴジラは吹き飛ばされないように踏ん張るがズルズルと押されていく。
ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
このままではまずいと判断したゴジラは右足を軸にして回転、テールスマッシュをノイズキュラノスには放った。
ノイズキュラノス「フウォオォォォォォォォォーーーーーーーーーーー!!」
ゴジラの放ったテールスマッシュをノイズキュラノスは爆風を一旦止めて翼で弾き返した。
ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
ノイズキュラノスがテールスマッシュを弾き返すために爆風を止めたのを確認してゴジラは走り出した。
ノイズキュラノス「フウォオォォォォォォォォーーーーーーーーーーー!!」
向かってくるゴジラにノイズキュラノスは目から音波を出した。
ゴジラ「グルルルルル!?」
音波を聞いてゴジラは自身の体が動かなくなったのに気付く。
ゴジラ「グルルルルル!?ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
何とか動こうとするが全く体が動かなかった。
ノイズキュラノス「フウォオォォォォォォォォーーーーーーーーーーー!!」
ゴジラ「!?」
ノイズキュラノスが鳴いて腕を動かすとゴジラの体が勝手に宙返りして地面に叩き付けられた。
ノイズキュラノス「フウォオォォォォォォォォーーーーーーーーーーー!!」
ゴジラが地面に叩き付けてノイズキュラノスは再び音波を目から放った。
ゴジラ「!?」
音波を聞いてまたゴジラの体は動かなくなる。
ノイズキュラノス「フウォオォォォォォォォォーーーーーーーーーーー!!」
ゴジラの体がまた動かなくなる中でノイズキュラノスは再び鳴き、腕を動かすとゴジラの体が勝手に動き、起き上がった。
ノイズキュラノス「フウォオォォォォォォォォーーーーーーーーーーー!!」
起き上がったゴジラにノイズキュラノスは鳴き、腕を動かすとゴジラの体がまた宙返りして自身を傷つける。
これがノイズキュラノスの能力、相手を思い通りに操る『催眠怪音波』である。
ノイズキュラノス「フウォオォォォォォォォォーーーーーーーーーーー!!」
三度、催眠快音波を放つノイズキュラノス。
ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
催眠怪音波により体の自由を奪われるゴジラ。
ノイズキュラノス「フウォオォォォォォォォォーーーーーーーーーーー!!」
ゴジラの体の自由を奪ったノイズキュラノスはゴジラの後ろに回ると鋭い牙を首筋に突き立てた。
ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?」
ノイズキュラノスに噛みつかれるゴジラ。
何とか離そうとするが催眠快音波により肉体の自由を奪われてしまい、抵抗出来なかった。
抵抗できないゴジラに噛みついているノイズキュラノスはゴジラからオルガナイザーG1以外の血液を吸い上げる。
ミラアルク「大人しくいじらせてもらえると助かるぜ!」
翼の攻撃をかわしながらミラアルクは自身の羽を腕に纏わせて豪腕のようにしてカウンター攻撃する。
翼「戯れるな!!」
頭に血が上り、怒れる防人の刃はミラアルクには通じない。
マリア「翼!深く追いすぎないで!ガウの援護だってあるのよ!!」
徐々に煙に包まれる戦場を見ながらマリアは言うが翼の耳には届かない。
翼は煙に消えたミラアルクに奇襲しようと斬りかかるがそこにいたのは逃げ遅れた少女を掴み、盾にしているミラアルクだった。
翼「何…!?」
人質を取られたと翼は刃を止める。
ミラアルク「やってくれるぜ風鳴 翼!弱く不完全なうちらでは敵わないぜ」
翼「弱い…?」
ミラアルク「そう弱い。だからこんなことしたって恥ずかしくないんだぜ!」
自身を"弱い"と言うミラアルク。
次の瞬間、ミラアルクは右手で少女の胸を貫いた。
少女の血が翼の顔を汚す。
翼「うわあああー!!!!」
少女の死を目の当たりにした翼の悲鳴が響く。
あの日、大切な相棒を目の前で失った悲しみが脳裏を過る。
ミラアルク「刻印、侵略」
そんな翼にミラアルクは少女の死体を離してステンドグラスのような目となり翼を見る。
翼の目がミラアルクと同じステンドグラスとなるが直ぐに戻った。
翼「貴様ぁー!!!!」
怒りを爆発させて翼は斬りかかる。
ミラアルク「総毛立つ!さすがにここまでだぜ!キュラノス!!」
羽を拡げ、空へ逃げるミラアルクはノイズキュラノスを呼び寄せる。
ノイズキュラノス「フウォオォォォォォォォォーーーーーーーーーーー!!」
呼ばれたノイズキュラノスはゴジラから離れてミラアルクの後ろへ飛翔する。
ゴジラ「………」
ガウ「が、がうー………」
ノイズキュラノスが離れてゴジラは血をかなり持っていかれてしまいガウに戻ってしまった。
翼「その不埒!掻っ捌かずにいられようか!!」
辺り構わずに翼は斬撃を放つがミラアルクどころかノイズキュラノスにすら当たらなかった。
マリア「落ち着きなさい!ここにはまだ逃げ遅れた者がいるのよ!」
荒れる翼を羽交い締めにしてマリアは言う。
ミラアルク「そろそろ尻尾を巻かせてもらうぜ!」
そう言ってミラアルクとノイズキュラノスの周りに飛行型のアルカ・ノイズが数十体出現、雨霰が如く会場に降り注いだ。
藤尭「錬金術師の追跡…不能」
友里「10万人を収容した会場が崩壊…」
ミラアルクが撤退間際に放った止めの一撃により会場が崩壊したのを言う。
友里「生命反応は…待ってください!!」
翼たち以外の生命反応が無いと言いかけた時、会場に反応があるのを見つけた。
ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
雄叫びを上げながら首筋から血を流しているゴジラが瓦礫を退かして起き上がった。
ゴジラの下には数万人の一般人が気絶はしているが無事な姿を見せていた。
間一髪でガウがゴジラに再変身したお陰でミラアルクの撤退時の攻撃から数万人の一般人を守っていたのだ。
その際、ガウはケムラーの毒ガスを数百万倍に薄めた痺れ毒を蒔いて一般人の意識を一時的に失わせていたのだ。
そのため有毒ガスや一酸化炭素などから守ったのだ。
ゴジラ「グ、グルルルルル…………」
限界が来たのかゴジラは横たわり、ガウに戻ってしまった。
首筋にはノイズキュラノスに噛まれた跡がくっきりと、残されていた。
響「マリアさん!翼さん!ガウくん!リルくん!」
会場の上空を響たちが到着、響が瓦礫の上に立っている翼と座り込んでいるマリア、その横でリルとリルを抱えている緒川を見つけていた。
翼(守れなかった…大切なものばかりこの手からすり抜ける…)
哀しみに包まれ、翼の手からアームドギアがこぼれ落ちた。
場所は変わり、米国の研究所では聖骸が調べられていた。
CTスキャンのレーザーが腕輪に触れた瞬間、光輝いて聖骸が崩れ落ちた。
研究者「記録!そして報告だ!急げ!」
この現象に研究所のリーダーらしき研究者が言うのだった。
弦十郎「トゥアァァッ!今日のCM担当は俺たち!」
緒川「あの事件のあとだとやりずらいですね」
弦十郎「家族みんなで、楽しめる作品コンセプトはどこに…」
緒川「ん?僕の知らないシンフォギアの話ですか?」
リル「かうかうかう?」
訳:ママたち以外のシンフォギアって?
ガウ「がうがうがう、がうー」
訳:OTONAの事情だから、聴かないように
予定より早いですが、XV篇(IFルート)で幸せになって欲しい人は?
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エルザ
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ミラアルク
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ヴァネッサ
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3人とも