弦十郎「昨日の入電から丸一日、目立った動きはなさそうだが兄貴はどう見てる?」
昨日のロスアラモス研究所にての事件のことを弦十郎は八紘に聞く。
八紘《ロスアラモス研究所は米国の先端技術の発信地点。同時に異端技術の研究拠点でもある。米国を一連の事件の黒幕と想像するにはいささか無理がありそうだ》
電話しながら八紘はロスアラモス研究所の襲撃後で一連の事件に米国が黒幕では無いと言う。
調「米国の異端技術って…」
弦十郎「ああ。断言はできないがロスアラモス研究所はかつてF.I.S.が所在したと目されている場所だ」
ロスアラモス研究所がF.I.S.が所在していたという疑惑を言う弦十郎。
弦十郎「その為にF.I.S.であった疑惑からガウの指示で怪獣軍団、副団長の右腕とされている怪獣が見張り役として縄張りの範囲に入れていた」
ガウはF.I.S.のことを聞いており、特に"僕は英雄だぁ!"の奴が響の腕を食ったと聞いた時には大変怒り、F.I.S.の関連してそうな施設を怪獣軍団の怪獣たちに警戒するように言ったのだ。
ロスアラモス研究所は怪獣軍団副団長の『暴竜 アンギラス』の右腕と揶揄されている怪獣たちの長老とも言われている『怪獣酋長 ジェロニモン』率いる軍団の一部隊、総勢10頭の勢力に見張られていると説明する。
八紘《かつての新エネルギー、原子力の…いや、すまない。核の話しはしない方がよかったな》
ガウのことを思い出して八紘は言う。
ガウ「がうがう!」
八紘《ん?なんと言ったんだ?》
弦十郎「たぶん"気にすんな"と言っているぞ」
八紘《そうか話を戻すが原子力の他、エシュロンといった先端技術もロスアラモスでの研究で実現したと聞いている》
話を戻して八紘は言う。
切歌「そんな所を襲ったってことはやはり何か大事なものを狙ってデスか!?」
八紘《伝えられてる情報ではさしたる力もないいくつかの聖遺物、そして…》
切歌の問いに八紘は答えながらある聖遺物の画像を送る。
クリス「これって…!やっぱそうくるのか」
聖遺物の画像を見てクリスが言う。
写し出された画像は極寒で回収したあの腕輪だったからだ。
八紘《極寒にて回収された先史文明期の遺産。腕輪に刻まれた紋様を楔形文字に照らし合わせると"シェム・ハ"と解読できる場所があるそうだ》
響「シェム・ハ…シェム・ハの腕輪…?」
腕輪にシェム・ハと書かれていたと聞いて響は『シェム・ハの腕輪』と言う。
八紘《そして残党は研究所を襲撃した際に、見張りをしていた怪獣たち全員をたった4体のノイズ怪獣で撃破せしめている》
調「たった4体で10体の怪獣を…」
切歌「どんだけ強いノイズ怪獣を持ってるんデスか!?」
たった4体のノイズ怪獣で2倍以上の数を有するジェロニモン部隊を全滅させたことを聞いて驚く。
弦十郎「何にしてもそんな残党とはいずれ戦うことになる」
八紘《事件解決に向け米国政府には引き続き協力を要請していく。これが私の戦いだ》
弦十郎「恩に着る!八紘兄貴!」
八紘に礼を言って弦十郎は通信を切る。
弦十郎「さて、意気込んだまではいいが怪獣10体をたちどころに全滅させるほどのノイズ怪獣を有している敵だ。ガウでも勝てる見込みはあまり期待できないだろう。どうしたもんか…」
ガウ「がう~…」
弦十郎の言葉にガウはしょんぼりとする。
クリス「あんまり気を落とすなよ。お前にはアタシらいるんだからよ」
しょんぼりするガウの肩にクリスは手を置いて励ましを言う。
ガウ「がう!」
クリスに励まされてガウは嬉しそうに鳴く。
すると発令室の扉が開いて緒川と翼が入ってきた。
響「もう大丈夫なんですね!翼さん!」
翼を心配していた全員が翼の復帰した姿に喜んだ。
ガウに至っては翼に飛び付いていた。
翼「心配をかけてすまない…だがもう大丈夫だ」
ガウをキャッチして心配してもらって翼は言う。
すると発令室が暗くなった。
ガウ「ガルルルルル!!」
暗くなった発令室に反応するようにガウはモニターの方を威嚇しだした。
響「ガウくん?」
威嚇しだしたガウに首を傾げているとモニターに1人の人物が映し出された。
訃堂《大丈夫とは何を指してのことであるか!》
翼「…お爺様」
映し出された人物―訃堂は翼に言う。
訃堂《夷敵による国土蹂躙を許してしまった先の一件、忘れたとは言わせぬぞ翼!》
翼「無論忘れてはいません!あの惨劇は忘れてはならぬ光景であり私が背負うべき宿業そのもの!」
訃堂《真の防人足り得ぬお前に全ての命を守ることなど夢のまた夢と覚えるがいい!》
翼「今の私では…守れない…?」
訃堂《歌で、世界は守れないということだ》
翼「歌では…世界を…」
訃堂《お前にまだ防人の血が流れてることを期待しているぞ》
ガウ「がうがう、がうがうー!」
訳:小わっぱが、少しは他人の気持ちを考えろ!
『!?』
訃堂《ん?》
通信を切りかけた訃堂にガウが怒りの声を上げた。
ガウ「がうがうがう、がうがうがうがう、がうがう!!」
訳:自分の孫を心配するどころか、責め立てるとはどういう了見だ、この青二才が!!
いつものガウらしくない感情任せの声に誰もが驚く。
ガウは目の前で本当の家族を悪魔の光である核実験により殺されている。
だから家族を誰よりも大事にするガウにとって訃堂の言葉は聞き捨てならないのだ。
訃堂《ケダモノの王が言いおる》
ガウ「がうがうがう!がうがうがうーがうー!!」
訳:ケダモノはそっちだ!命がけで戦っている者への労いの言葉すら知らないのか!!
訃堂《防人が戦場で命を懸けるのは必定よ。貴様のような外敵からこの国を守護するのが我が風鳴家の宿命ぞ!!》
ガウ「がうがう!がうがうーがうーがう!ががう!!」
訳:んなの知ったことか!ここいるは風鳴 翼!共に戦う仲間だ!!
激しく言葉でぶつかり合う訃堂とガウ。
訃堂《仲間など、取るに足らないものよ。防人に必要なのは歌でも、ましてや仲間でもない!防人に必要なのは夷狄を撃ち滅ぼさん絶対的な力のみだ!!》
そう言って訃堂は通信を強制的に切った。
ガウ「がう!がうがう…」
訳:待て!まだ話は…
翼「もういいんだ、ガウ」
通信を切った訃堂にまだ言うことがあるのか食って掛かろうとするガウを翼が止めた。
ガウ「がう!」
訳:でも!
翼「私のために怒ってくれたのだろ。大丈夫だ、だからもう、怒らないでくれ……」
ガウ「………」
翼に言われてガウはそれ以上何も言おうとはしなかった。
響「翼さん…」
翼「あんずるな立花、可愛げのない剣が簡単に折れたりするものか…」
心配する響に翼はそう言っていたが内心はかなりショックを受けていたのだった。
弦十郎「って、なんで親父とガウの会話が成り立っているんだ?」
作者「防人じいさんだから」
響「さっすが翼さんの血筋!」
翼「いや、絶対に違うだろう…」
ガウ「がうがう…」
訳:ようは考えてない…
予定より早いですが、XV篇(IFルート)で幸せになって欲しい人は?
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エルザ
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ミラアルク
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ヴァネッサ
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3人とも