戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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とある場所にて先の戦いでエルザはベッドに横になり、ミラアルクがその隣に座っていた。

エルザ「私めの不始末であります…あの時死んでもケースを手放さなければ…」

先の戦いで落としてしまったアタッシュケースのことを言うエルザ。

ミラアルク「何言ってんだ。死んだら元も子もないんだぜ」

エルザの頭を撫でながらミラアルクは言う。

あんなことをしでかしたミラアルクとは思えないほど和やかな顔をしていた。

エルザ「ですが…血液を必要としてるのはミラアルクだって同じ事であります…」

ミラアルク「戦わなければしばらく力は持つはずだ。ヴァネッサが戻るまでにはなんとかしてみせるぜ」

ミラアルク(うちはどんな手を使ってでもエルザとヴァネッサを…)

自身を責めるエルザを見て何かを決意するミラアルクだった。


第425話 家族を

調「…翼さん、とても大丈夫には見えなかったね」

 

切歌「復活の直後にあのどんでん返しはないデスよ…」

 

夜の公園のブランコに調と切歌は翼に言い責めた訃堂のことを話していた。

 

せっかく復活した翼に訃堂の"歌では世界を救えない"の言葉が過る。

 

"歌で世界は繋がれる"と信じている翼を全否定する言葉だからだ。

 

切歌「あーらよっと」

 

ブランコを揺らして勢いをつけると切歌は大ジャンプした。

 

切歌「暁選手、見事な着地で金メダルデス!」

 

着地して調に言うが調はまだ暗い表情だった。

 

調「いまだ見えない敵の正体…」

 

パヴァリア光明結社の残党を支援していると思われていた米国がそうでないと分かった今、誰が支援しているのかを気にしていた。

 

切歌「…それにしても血を欲しがるなんて今度の敵はほんとに吸血鬼みたいデス…およよー!」

 

何か閃く切歌。

 

調「どうしたの切ちゃん?」

 

切歌「わかってしまったデスよ!常識的に考えて次に狙われるのは血がいっぱいある所!」

 

言いながらある建物を指差す。

 

切歌「例えば!献血センターとか!あぁいう大きな病院に違いないデス!」

 

調「そんな単純なものじゃ…」

 

自信たっぷりに言う切歌に少し呆れて言う調だったが…。

 

空へ向けられた照明に照らされた影に見たことある翼の生えた少女が見えた。

 

調・切歌「「…あー!!!」」

 

少女を見てきりしらは同時に叫んだのだった。

 

 

 

友里《こちらでも確認できたわ。でも危険よ。二人とも先走らないで!》

 

病院に入って本部と連絡を入れて急ぐ。

 

切歌「そうも言ってられない状況なのデス!」

 

調「現場に一番近い私達に任せてください!通信終わり!突撃開始!」

 

常備している緊急用のリンカーを出してエレベーターに乗り、通信を切る。

 

 

 

ミラアルク(こっちもそろそろ限界かもだぜ…)

 

一方、屋上に着地したミラアルクは少し苦しそうにしていた。

 

切歌「待つのデス!事と次第によっては荒事上等の私達ですが!」

 

調「その前にあなたの所属と目的を聞かせてください!」

 

そこへ切歌と調が到着てミラアルクに警告した。

 

ミラアルク「そんな悠長…これっぽっちもないんだぜ!」

 

言われたミラアルクはいくつかのテレポートジェムを出して投げ、内1つを病院の外に投げた。

 

ノイズキュラノス「フウォオォォォォォォォォーーーーーーーーーーー!!」

 

投げられたテレポートジェムから複数のアルカ・ノイズとつばマリの凱旋ライブをミラアルクとアルカ・ノイズと共に滅茶苦茶にし、ゴジラを負傷させた『吸血分解魔獣 ノイズキュラノス』が出現した。

 

調「Various shul shagana tron…」

 

ギアを出して起動詠唱を唄い、纏う。

 

調「キリッ!よし!!」

 

纏い終わって調といつの間にかギアを纏っていた切歌は構える。

 

ノイズキュラノス「フウォオォォォォォォォォーーーーーーーーーーー!!」

 

病院近くに出現したノイズキュラノスは(ミラアルク)に代わり病院を破壊しようと接近する。

 

調「先ずはノイズ怪獣の!!」

 

切歌「足止めデ…」

 

ミラアルク「邪魔はさせないぜ!!」

 

ノイズキュラノスを足止めしようとした調ど切歌をミラアルクは右腕に翼を纏わせて豪腕にして攻撃してきた。

 

ミラアルクの豪腕攻撃を回避する2人。

 

ノイズキュラノス「フウォオォォォォォォォォーーーーーーーーーーー!!」

 

その隙に接近したノイズキュラノスが病院に手をかけたその時だった。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

ノイズキュラノスの足元からゴジラが雄たけびを上げて出現した。

 

ノイズキュラノス「フウォオォォォォォォォォーーーーーーーーーーー!?」

 

ゴジラが自身の真下から出現してノイズキュラノスは転倒した。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

転倒したノイズキュラノスにゴジラは放射火炎を発射した。

 

ノイズキュラノス「フウォオォォォォォォォォーーーーーーーーーーー!?」

 

ゴジラの放射火炎によりノイズキュラノスは吹き飛ばされていく。

 

調「ガウくん!」

 

切歌「ナイスなタイミングデス!」

 

現れたゴジラに2人は言う。

 

ゴジラ「グルルルルル!」

 

リターンマッチに燃えるゴジラは2人の言葉が聞こえていないのかノイズキュラノスに向かって行く。

 

ノイズキュラノス「フウォオォォォォォォォォーーーーーーーーーーー!!」

 

立ち上がったノイズキュラノスは凱旋ライブでゴジラを苦しめた『催眠怪音波』を発射しようとする。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

同じ技を2度も喰らうほどゴジラは弱くない。

 

放たれる前にノイズキュラノスの右目に向かって顔面を思いっきり殴った。

 

ノイズキュラノス「ギャオォォォォォォォォォォォォォォォォ!?!?」

 

殴られたノイズキュラノスは右目を手で押さえる。

 

目を押さえる手の隙間から血が流れていた。

 

さっきの攻撃で目を傷つけられたのだ。

 

ノイズキュラノス「フウォ…………………!?」

 

目を傷つけられて怒ったノイズキュラノスだったがゴジラは容赦なくアッパーを叩き込む。

 

アッパーを喰らい、背中から地面に倒れる。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

倒れたノイズキュラノスに股がったゴジラは容赦ない連打を叩き込む。

 

ノイズキュラノス「がばっ、がっ、げはっ、ごっ」

 

ゴジラの容赦ない連打の前にノイズキュラノスは口から血を出し、顔の形が変わりそうになる。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

ある程度殴ったゴジラはノイズキュラノスの首にお返しとばかりに噛みつき、その肉を噛み千切った。

 

ノイズキュラノス「ギャオォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」

 

首の肉を噛み千切られ、ノイズキュラノスは悲鳴をあげ、首から血が流れ出る。

 

ゴジラ「グルルルルル…ペッ!」

 

ノイズキュラノスから降りるとゴジラは口にあった肉を吐き捨て少し離れる。

 

ノイズキュラノス「フウォオォォォォォーーーー………」

 

チャンスとばかりに逃げようと地面を這いずるノイズキュラノス。

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

そんなノイズキュラノスに放射火炎を発射した。

 

ノイズキュラノス「ギャオォォォォォォォォォォォォォォォォ…………………」

 

放射火炎を喰らい、ノイズキュラノスは悲鳴を上げて爆発したのだった。

 

 

 

切歌「あなたの行動は護国ナントカ法に抵触する違法行為デス!これ以上の抵抗はやめるのデス!」

 

ミラアルク「慣れない御託が耳に障るぜ!」

 

アルカ・ノイズを倒しながら全然言えてない切歌にミラアルクはそう言いながら殴りかかるが…。

 

切歌「得意の卑怯な手もそんなスピードじゃ捉えられないデス!」

 

切歌は容易に回避して言う。

 

攻撃を回避されてミラアルクは空へ舞う。

 

切歌「調!ザババの刃を固めるデス!」

 

調「れでぃご!」

 

切歌に言われて調は歌唱しながら頷くと切歌は2本の鎌のアームドギアを地面に突き刺した。

 

突き刺した切歌のアームドギアの後ろにブースター付きの巨大な丸ノコ型にしたアームドギアを調が合体させる。

 

アームドギア同士が合体すると丸ノコのブースターが着火、パチンコのように射出された。

 

射出された丸ノコをミラアルクはイナバウアーのように回避するが…。

 

回避された丸ノコのブースターがさらに着火、Uターンしてミラアルクに向かって行く。

 

ミラアルク「な…!」

 

さらに着火したブースターに気づいていなかったミラアルクは丸ノコを喰らい屋上に叩きつけられると爆発が起きた。

 

調「やった!」

 

切歌「むしろやりすぎてしまったかもデス…」

 

やり過ぎたかもと切歌が言うと爆煙からダメージを負ったミラアルクが立っていた。

 

ミラアルク「負けないぜ…負けられないぜ…うちは守る…二人を…家族をー!!」

 

調「家族…?」

 

ミラアルクの言葉に調が反応した。

 

その時だった。

 

?「家族だなんて。ちょっとくすぐったいけれど悪くはないわね。ありがとう」

 

大人の女性の声が聞こえたかと思いきや何かが発射され辺りに電撃が走り、光が消えてしまった。

 

切歌「照明が!何も見えないデス!」

 

光が消えて慌てる切歌。

 

調「切ちゃん!落ち着いて!」

 

そんな切歌を落ち着かせる調だが…。

 

切歌・調「「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」

 

次の瞬間、2人にロケットパンチのようなのが命中した。

 

ゴジラ「グルルルルル!!」

 

辺りから光が消えてしまった中、ゴジラはその張本人を睨み付けた。

 

だが、ゴジラの後ろから闇を切り裂くように刃のようなのが襲いかかってきた。

 

ゴジラ「!?、ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?」

 

不意打ちに気付いたゴジラは致命傷を避けるために体を捻るが致命傷を避けるのが精一杯で横腹に喰らい膝を着いてしまう。

 

ゴジラ「ぐ、グルルルルル………」

 

刃の方を見ると暗くて体色とかは分からなかったが闇に浮かび上がる怪しく輝く赤い単眼の巨人が睨んでいた。

 

ヴァネッサ「あら、気配だけで私のいる場所や攻撃を避けるなんて…流石は怪獣王ね」

 

ゴジラが睨む先には褐色で、ロングヘアーの女性―パヴァリア光明結社残党錬金術師の1人『ヴァネッサ・ディオダティ』が空中にいた。

 

足元からロケットのようにブーストして降下しながら放った腕を合体させていた。

 

ヴァネッサ「付近一帯のシステムをダウンさせました。早くしないと病院には命にかかわる人も少なくないでしょうね」

 

優しそうな微笑みを見せながらヴァネッサは着地して言う。

 

調「入院患者を人質に…」

 

切歌「アイツは…」

 

ヴァネッサのロケットパンチを喰らいながらも立ち上がる2人。

 

エルザ「駆け付けたのはヴァネッサだけではありません。それにお目当てのものも騒動の隙に獲得済みであります」

 

声の方を見るとアタッシュケースに乗ったエルザがいた。

 

ミラアルク「うおー!!ヴァネッサ!エルザ!ダイダロスエンドだぜ!三人揃った今最大出力で…うっ…!」

 

何やら"ダイダロスエンド"なるのを出そうというミラアルクだったが倒れる。

 

ヴァネッサ「それはまた次の機会に。消耗が激しいミラアルクちゃんとエルザちゃんに無理はさせられません。ここは退きましょう。お姉ちゃん判断です」

 

倒れそうになるミラアルクを支えながらヴァネッサは言う。

 

調「あなた達は…」

 

ヴァネッサ「ノーブルレッド。きっとまたお目にかかりましょう」

 

そう言ってヴァネッサはエルザとミラアルクと共にテレポート用のジェムを叩き割って消えてしまった。

 

?「シェアッ!!」

 

ヴァネッサたちが消えてゴジラを攻撃した単眼の巨人は闇夜の空へ飛翔したのだった。

 

切歌「逃がすもんかデス!」

 

ゴジラ「グルルルルル!!」

 

調「駄目!」

 

追いかけようとする切歌とゴジラに調が止めに入る。

 

調「切ちゃん!ガウくん!今は患者さん達を!」

 

切歌「…デース!!」

 

ゴジラ「グルルルルル………ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

悔しさで切歌はアームドギアを地面に叩き付け、ゴジラは雄叫びを上げるのだった。




ヴァネッサたちの根城にしているアジトにてヴァネッサが誰かと通信をしていた。

ヴァネッサ「御所望の物はこちらに。シェム・ハの腕輪でございます」

ロスアラモス研究所から奪われた"シェム・ハの腕輪"を見せながらヴァネッサは言う。

訃堂《そうだ。七度生まれ変わろうとも神州・日本に報いるために必要な…神の力だ》

ヴァネッサの相手―訃堂は"シェム・ハの腕輪"を見ながら勝利を確信したように笑っていたのだった。


―おまけ―
エルザ「ガンス!」

ミラアルク「あざまーす!」

エルザ「っとくればあとはやっぱり…」

ヴァネッサ「なになに?2人してなんのはなし?」

ミラアルク「流石に無理があるぜ」

エルザ「それでも期待せずにはいられないであります!」

リル「かう?」
訳:あれなに?

ガウ「がうがうがうがう」
訳:あれは怪◯くんネタだよ

予定より早いですが、XV篇(IFルート)で幸せになって欲しい人は?

  • エルザ
  • ミラアルク
  • ヴァネッサ
  • 3人とも

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