戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第433話 光の柱

未来(どこまで…落ちていくのだろう…)

 

未来は深い、深海のような場所に1人でいた。

 

未来(なんとかしないと…響やガウくんに心配かけちゃう…そうだ…私は響と仲直りしなきゃいけないんだ…)

 

虚ろな意識の中で未来は響と喧嘩したままだったと思い出した。

 

そんな未来の前に、何者かが手を伸ばしていた。

 

未来(あなたは…)

 

その何者かを見て、未来は目を見開いたのだった。

 

 

 

S.O.N.G.のトレーニングルームにてマリアはサンドバッグを殴ってトレーニングしていた。

 

マリア(非戦闘員の仲間を巻き込んだ今回の一件、衝撃は大きかったはず。特にガウにとっては全てをかなぐり捨て、リルを助けにいきたいハズ……)

 

サンドバッグを殴りながら響とガウの気持ちを考える。

 

マリア(まさか…あの時、神獣鏡の光を受けた2人が原罪を解かれた人間…神の依代に成り得る存在だなんて…そしてそれを越える存在、完全無比なる神となり得る可能性がリルにもあったなんて………)

 

かつて未来がF.I.S.に拉致され神獣鏡を纏った時、ガングニールの融合しかけていたのに関わらず未来を救おうとした響と共に神獣鏡の閃光を受けた時のこととアダムとの決戦時にガウは命を奪われ、神の力の依り代とされ、完全無比なる神の力の具現体『ディバインモンスター・カイザーギドラ』にされたことを思い出す。

 

マリア(それを誰もが受け止め強い心で乗り越えようと努めている…)

 

"誰もが"と思ったとき、マリアの脳裏に未だに乗り越えられない翼を思い出す。

 

マリア「駄目だな私は…苛立つ翼に差し伸べる手すら持っていない…仲違いくらい…セレナとだってしたことあるのに…」

 

サンドバッグを殴るのを止めて、アガートラームのコンバーターを見つめながら幼い日のことを思い出す。

 

些細な理由で喧嘩したことだった。

 

マリア「いつだって二人の間には歌が流れていて。仲直りするのに言葉なんていらなかったわね」

 

思い出して、その時の歌を口ずさむ。

 

マリア「このフレーズ…最近どこかで聞いたような…」

 

口ずさんだ歌にマリアは何か思い当たる節があった。

 

 

 

「調査結果はこの中に収めております」

 

とある研究所で研究者が緒川にアタッシュケースに入ったあるものを渡していた。

 

緒川「確かに受領いたしました」

 

研究者からアタッシュケースごとそれを受けとる緒川。

 

 

 

受領したアタッシュケースを持った緒川と緒川の護衛的な人たちが乗った車3台が研究所を後にするのを見ている人物―ヴァネッサがいた。

 

ヴァネッサ「疑いはまだしも証拠となるものを持ち帰られるのはまずいかもね。2人とも、聞こえて?」

 

研究所を後にする緒川たちを見て、ヴァネッサはチフォージュ・シャトーにいるエルザとミラアルクに連絡する。

 

ヴァネッサ「警戒監視網にてS.O.N.G.の動きを捉えちゃった。私達と風鳴機関の繋がりもバレたみたいだけどどうしよう?」

 

エルザ《位置は把握してるでありますね!?だったら迷うことはありません!》

 

ヴァネッサ「やっぱそうよね。ここはお姉ちゃんとして強襲しかないわね」

 

エルザに言われてヴァネッサは言う。

 

ミラアルク《神の力の具現化と眷族の具現化はうちらで進めとく。そっちは任せたぜ》

 

ヴァネッサ「えぇ、お願い」

 

ミラアルクに言われてヴァネッサは通信を切った。

 

ヴァネッサ「さて、新しいノイズ怪獣の力。見せるチャンスかもね」

 

不適に笑いながらヴァネッサは足元のロケットブースターを点火させて緒川たちを追うのだった。

 

 

 

弦十郎《間違いないのだな?》

 

緒川「はい。技研による解析の結果、廃棄物処理場で回収した物品は119.6%の確率でアンティキラの歯車とのことです」

 

弦十郎と通信しながら緒川は運転しており、受領したアタッシュケースの中身が"アンティキラの歯車"だと話す。

 

緒川「先立っての事故で失われたはずの聖遺物が敵のアジトにて発見される」

 

弦十郎《あの件に関して保管物品強奪の報せは受けていない。遺失を装い横流しされたと考えるならば…》

 

緒川「護災法施行後国内の聖遺物管理は風鳴機関に一括。指令の懸念通りやはり鎌倉とノーブルレッドには何らかの繋がりがあると見て…っ!」

 

敵のアジトで見つかった"アンティキラの歯車"が鎌倉、ひいては訃堂がノーブルレッドたちに横流ししていたこのとの絶対的な証拠なのだ。

 

そう話していた時、緒川たちのクネクネと動きをするヴァネッサが現れたかと思いきや胸部からのミサイルを発射した。

 

弦十郎《どうした!?》

 

緒川「敵襲です!おそらくは証拠物品を狙ってと思われます!」

 

発射されたミサイルを回避する緒川、だが後ろにいた護衛の車は全てミサイルの直撃を喰らい破壊された。

 

ヴァネッサ「折角誘ったのにつれないわ」

 

MS ドムのようにホバーで移動しながら緒川の車を追うヴァネッサ。

 

弦十郎《応援は既に手配している。到着まで振り切ってみせろ!》

 

緒川「そのつもりです!」

 

弦十郎に言われて緒川は言う。

 

ヴァネッサ「行かせない。スイッチオン・コレダー!」

 

跳躍したヴァネッサは両脚に内蔵されたステークを出して、緒川の車に向かっていく。

 

ステークを敵に突き刺し、100億Vの高圧電流で敵を焼き尽くす技―『ヴァネッサコレダー』(中身はガン○スターで、技名はオリジナル)を繰り出した瞬間、緒川の車が5台に分裂…分身した。

 

現代忍法の1つ『忍法・車両分身』でヴァネッサコレダーを回避したのだ。

 

ヴァネッサ「どういうこと!?」

 

車が分身して流石のヴァネッサも驚く。

 

ヴァネッサ「現代忍法…?」

 

分身した車が再び1つになったのを見て呟くヴァネッサ。

 

すると1台のトラックがヴァネッサは自身に向かってきているのに気付くとロケットパンチを発射して破壊した。

 

破壊されたトラックの荷台からクリス、マリア、ガウが飛び出してきた。

 

クリス「Killter Ichaival tron…」

 

起動詠唱を歌うクリス。

 

クリス「バーン!」

 

ギアを纏うとお約束の"バーン!"で決める。

 

"バーン!"を決めたクリスはリボルバー型のアームドギアを発砲する。

 

後ろに飛んで回避するヴァネッサだったがクリスの放った弾丸の弾道が曲がり、ヴァネッサに向かっていく。

 

ヴァネッサ「なんですって!?」

 

弾道が曲がったのに驚きながらもシールド展開して防ぐ。

 

マリア「隙だらけぇー!!」

 

後ろから攻めるも、ヴァネッサはいつの間にか放ったロケットパンチからガトリングガンを斉射する。

 

ガウ「がう!!」

 

ヴァネッサの攻撃からマリアを守ろうとガウが咄嗟に割って入ってきて、尻尾で地面を隆起させて畳替えしならぬアスファルト返しで防いだ。

 

ヴァネッサ「証拠隠滅は失敗…こうなったら装者とゴジラの足止めくらいしておかないとね」

 

任務を切り替えてヴァネッサはたまたま近くを通った一般車の屋根に飛び乗った。

 

そんなことを知らない一般車はそのまま高速道路に乗ってしまう。

 

一般車が高速道路に乗って他の一般車が見えてくるとヴァネッサは他の一般車の屋根を八艘飛び(壇之浦の合戦の時、剛であった平 教経(たいらの のりつね)に狙われた源 義経が繰り出した特技)のように次々と飛び乗って最終的にはトラックの荷台に乗った。

 

振り向くと同じく車の屋根から屋根へ飛び乗りながらクリスたちが追っていた。

 

クリス「また一般人を巻き込むつもりか?」

 

ヴァネッサ「御名答」

 

クリスの問いにヴァネッサは答えると指先のガトリングガンを斉射した。

 

マリア「そうは…させない!」

 

マリアが蛇腹にしたアームドギアで防ぐ。

 

ヴァネッサ「それがアガートラーム。妹ともどもよくその輝きを疑いもせず纏えるわね」

 

マリア「どういう意味!?」

 

アガートラームのことを知っているのかマリアは驚く。

 

ヴァネッサ「イラク戦争の折、米軍が接収した聖遺物の一つ。シュルシャガナやイガリマと異なり出自不明故に便宜上の呼称を与えられた得体のしれない謎のギア…なんてね」

 

そこまで言ってヴァネッサは肘からミサイルを発射した。

 

マリア「!?」

 

ヴァネッサのミサイルにマリアは反応出来なかった。

 

ガウ「がう!!」

 

マリアを守ろうとガウは尻尾でヴァネッサのミサイルを殴り飛ばして弾道を変えたがミサイルは道路に着弾した。

 

マリア「きゃぁーっ!!」

 

ガウ「ぎゃうーっ!!」

 

ミサイルが着弾して、その爆風で吹き飛ばされる2人。

 

しかしマリアは何とか体勢を整えて他の一般車に着地、ガウも自力で着地して直ぐにマリアのいる方に合流した。

 

クリス「あいつら得意の絡め手だ!揺さぶりに付き合ってペースを乱されるな!」

 

マリアとガウのいる一般車にクリスは合流して言う。

 

マリア「ええ…そうね!これ以上好きにさせない!」

 

クリスに言われてマリアは言う。

 

クリス「ガウも、あんまり無茶してここぞって時に動けなくなるぞ!」

 

ガウ「がう!」

 

ガウもクリスに言われて鳴く。

 

ヴァネッサ「それじゃあこんなのはどうかしら?」

 

ペースを取り戻したマリアたちを見てヴァネッサは右手人差し指からジェムを射出した。

 

ジェムから側頭部の排気管らしき部分からは常に炎を吹き出し、目や口っぽい部分から垣間見える歯車状の機構、腹部のシャッター、右腕が大きな重機のような腕で左が小さいことからシオマネキに似ており、その姿は"歩くスクラップ工場"の如き無骨な出で立ちのロボット―『ロボット分解怪獣 ノイズクレージーゴン』(別名:クレイジーゴン)が出現した。

 

ガウ「がうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

ノイズクレージーゴンが現れてガウは一般車を台にして高速道路から飛び降りると雄叫びを上げてゴジラとなり戦闘体勢なか入る。

 

ヴァネッサ「それで、貴女たちにはこれよ!」

 

ガウがゴジラとなってノイズクレージーゴンに対峙する時、ヴァネッサは跳躍すると膝と肘からミサイルを発射する。

 

クリス「あいつの相手は任せた!」

 

マリア「了解!」

 

クリスに言われてマリアが構えた瞬間、ヴァネッサの放ったミサイルが道路を破壊、マリアとクリスが乗っていた車が落ちる。

 

他の車はゴジラとノイズクレージーゴンの出現で緊急停止しており、無事であった。

 

ヴァネッサ「あなた達が不甲斐ないから余計な被害者出ちゃったかも」

 

空中に停滞しながら、車が落ちたのを見てヴァネッサが言った瞬間、大型ロケット2基の推進力でクリスが車を持ち上げて助け出していた。

 

ヴァネッサ「なんですって!?」

 

クリスが大型ロケット2基の推進力で車を助け出したのを見て驚く。

 

ヴァネッサ「けれど!弱点を抱えてるも同じ!!」

 

直ぐに冷静になり、両手の指先のガトリングガンで攻撃するがマリアの蛇腹にしたアームドギアによりガードされてしまう。

 

車を道路に戻したクリスは腰部アーマーから小型ミサイルを一斉に発射す『MEGA DETH PARTY』を発射した。

 

ヴァネッサ「くっ!」

 

MEGA DETH PARTYに対して指先のガトリングガンで弾幕を張り、迎撃する。

 

クリス「最大出力!」

 

さらに続けて推進力にしていた大型ミサイル2基を発射。

 

ヴァネッサ「狙いが大雑把すぎるわ!」

 

空中で捻り、回避するヴァネッサ。

 

しかしマリアが蛇腹でミサイル1基の弾道を変更させた。

 

ヴァネッサ「!?」

 

これにはヴァネッサは驚くしかなく、反応出来なかった。

 

クリス「喰らいやがれぇー!!」

 

車のボンネットの上で叫ぶクリス。

 

ヴァネッサは何とか回避したのだが、無理矢理だった為に高度が取れず、道路に叩きつけられる。

 

クリス「プチョヘンザだ!」

 

起き上がろうとするヴァネッサにリボルバー型のアームドギアを向けてクリス語を言う。

 

マリア「未来とエルフナイン、そしてリル。連れ去った3人の居場所を教えてもらうわ!」

 

3人の居場所を吐かせようとした、その時だった。

 

夜の空を照らす、目映い光の柱が現れた。

 

クリス「なんだ!?」

 

驚いて光の柱が伸びる場所を見た。

 

マリア「あれは…チフォージュ・シャトー!?」

 

光の柱が伸びる場所が『チフォージュ・シャトー』であることに驚く。

 

ヴァネッサ「マテリアライズ…?だけど早すぎる!」

 

光の柱の正体を知っているのか、ヴァネッサは意外すぎるようで言う。

 

そして光の柱が現れたのと同時にあの音楽が流れた。

 

マリア「やっぱりこの歌…私の胸にはアップルのようにも聞こえて…」

 

そう呟くマリアだが、光の中には胎動する銀色の繭のような何かがあったのだった。




マリア「いやいや待て待て!空耳ではありません!耳の穴かっぽじって聞き直して!あれはどう聞いてもアップルでしょ!?ていうかあなたには違って聞こえてるって事!?怖い怖い!それじゃホラーよ!脅かさないで!なーんてね♪」

ガウ「がひ……」←マリアの言葉にビビるガウ。

マリア「だ、大丈夫よ!?冗談だから!ね、ね!?」←慌てて弁解する。

ガウ「ぎゃうぅぅぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーーーーーーー!!」←あんまり、信用出来ず逃げ出す。

マリア「ちょっとガ………!?」←呼び止めようとしたら殺気に気づいて振り向く。

響「グルルルルル……」←無茶苦茶怒って最初から暴走モード

マリア「ちょっ…まっ……」

響「ウガアァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

マリア「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
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