戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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諸事情でまた、何話かに分けました。

すいません。

では、どうぞ!


第435話 四騎士、再び

翼たちが撤退して、しばらくした後のチフォージュ・シャトー内部にあるジェネレータ付近にヴァネッサがやってきた。

 

ヴァネッサ「早速でごめんね。状況を教えて」

 

破壊された右手を修理してきたのか、元に戻っている右手を振りながらヴァネッサはミラアルクとエルザに聞く。

 

ミラアルク「神の力は一部を除いて固着を開始。だけど想定以上の質量に城外へと緊急パージしたのがこの体たらくだぜ」

 

外の映像を映し出しながら、ミラアルクはことの経緯を離した。

 

ヴァネッサ「遊びなしのいきなりすぎる展開はそういう…」

 

ミラアルクの説明にヴァネッサは納得する。

 

エルザ「遠からずこの場所は突き止められていたはず!むしろ神の力の権限でシンフォギアとゴジラを退けられたのは僥倖であります!」

 

戦いを見ていたのかエルザは言う。

 

ヴァネッサ「そうだといいんだけど…」

 

シンフォギアとゴジラがそう簡単には諦めそうにないとヴァネッサは思う。

 

何故ならここにはシンフォギア装者の1人と近しい人物とゴジラが世界中を敵に回してでも守りたい存在がここにはいるのだから。

 

ミラアルク「決戦となるとお荷物の処分は早めに済ませておきたい所だぜ…」

 

倒れているエルフナインに止めを刺そうと、ミラアルクは爪を伸ばした。

 

するとヴァネッサがミラアルクの肩を掴んで止めた。

 

ヴァネッサ「新調した右手の具合を確かめなくちゃ。たまにはお姉ちゃんらしいところも見せないとね」

 

ミラアルクにそう言ってエルフナインに止めを刺すのを変わってもらうヴァネッサ。

 

ヴァネッサ「神の力を神そのものへと完成するまでにはもうしばらくの時間が必要。でも、もうすぐ神の眷属である眷属神が完成する。だからそれを邪魔する要因は小さくても取り除かなくちゃ」

 

そう言ってヴァネッサは新調した右手を手刀にすると倒れているエルフナインに斬りかかった。

 

瞬間、エルフナインは起き上がってヴァネッサの攻撃を回避する。

 

ヴァネッサ「あら?自分が原因で世界に仇なしてしまった以上生きているのも辛くないかしら?」

 

エルフナインが起きていたことを知っている口ぶりで、ヴァネッサは言う。

 

エルフナイン「確かに昔の僕ならば…世界を守るために消えていいとさえ思っていました…だけど、この体は大切な人からの預かりものです!今はここから消えたくありません!!」

 

ヴァネッサ「そう。だけどそれは聞けない相談ね」

 

エルフナインの言葉にそう返したヴァネッサは再び、右手を手刀にしてエルフナインに斬りかかる。

 

エルフナイン「どうすれば…だけど僕では…!」

 

どうすればこの窮地を脱せるか考えるエルフナインだが、その時間はほとんど無かった。

 

エルフナイン「誰かぁ!!」

 

エルフナインが叫んだその時、1人の女性がどこからか現れて剣を出すと、ヴァネッサの手刀を受け止めてエルフナインを守った。

 

ヴァネッサ「な…何なの!?」

 

どこから現れたのか、自身の攻撃を剣で受け止めた女性に驚く。

 

ファラ「ソードブレイカー、その一振りをあなたの剣と思うなら…」

 

タロットの小アルカナ『剣』を司る機体―元キャロル一派のオートスコアラーの1人『ファラ・スユーフ』は大剣を思わせる哲学兵装"剣殺し(ソードブレイカー)"で受け止めていたヴァネッサの右手を破壊した。

 

ヴァネッサ「日に二度も!?」

 

一日に二度も右手を破壊されて、ヴァネッサは焦りながら後ろにいるエルザとミラアルクと合流する。

 

それを見計らったかのようにジェネレーターのカプセルを破壊して新たなオートスコアラーが飛び出してきた。

 

レイア「先手必勝、派手にいく!!」

 

ファラと同じく元キャロル一派のオートスコアラーで、タロットの小アルカナ『コイン』を司る『レイア・ダラーヒム』は得意技の投げ銭で3人を攻撃する。

 

ミカ「ちゃぶ台をひっくり返すのはいつだって最強のあたしなんだゾ!」

 

レイアの攻撃で身動きが取れない3人を後ろからファラ、レイアと同じく元キャロル一派のオートスコアラーにして小アルカナ『杖』を司る『ミカ・ジャウカーン』がバッティングのように殴り飛ばした。

 

エルザ「!!」

 

殴り飛ばされた3人の中で、エルザは咄嗟にお腹を守るような行動をとった。

 

ミカが3人を殴り飛ばした隙に、4人目の女性がエルフナインを抱えて滑るようにその場を離れていく。

 

それに続くようにファラ、レイア、ミカの3人も離れていく。

 

エルフナイン「あなた達は…炉心に連結されていた廃棄躯体の…」

 

あのジェネレーターのカプセルに繋がれていたのは全てキャロルが使用していたオートスコアラーの残骸で、エルフナインはそんな残骸から復活して助けてくれたファラたちに驚く。

 

ガリィ「スクラップにスペアボディ?呼び方はいろいろあるけれど、再起動してくれたからにはやれるだけのことはやりますわよ」

 

元キャロル一派のオートスコアラーで、タロットの小アルカナ『聖杯』を司る『ガリィ・トゥーマーン』はエルフナインに言う。

 

あの時、ミラアルクにより自分の意志とは反してジェネレーターを起動させたのだが、同時に終末の四騎士(ナイトクォーターズ)であるファラ、レイア、ミカ、ガリィの4人を起動させて、神の力が外へ分離し、ジェネレーターが動かなくなった所で奇襲を仕掛けたと察する。

 

ミカ「マスターのようでマスターでない少しマスターっぽい誰かだけどマスターのために働くことが私達の使命なんだゾ!」

 

ファラ「この身に蓄えられた残存メモリーをエネルギーに利用しようと目論んだようですがそうは参りません!」

 

レイア「さて、マスター。今後の指示を頼む。このまま地味に脱出するもよし。無論、派手に逆襲するも…」

 

エルフナインを"マスター"と呼び、指示を仰ぐ。

 

エルフナイン「だったら!やりたいことがあります!」

 

 

 

友里「司令!外部より専用回線にアクセスです!」

 

弦十郎「繋いでくれ!」

 

弦十郎に言われて友里は外部からの通信に繋いだ。

 

外部との通信が繋がると、画面いっぱいにレイアとファラの顔が映る。

 

藤尭「わ~!!」

 

画面いっぱいに映るレイアとファラに藤尭は驚いて声を上げる。

 

エルフナイン《ごめんなさい!僕です!》

 

レイアとファラの間からエルフナインが出てきて言う。

 

エルフナイン《通信を行った以上、捕捉される可能性があるため要点だけ手短に!現在地点はチフォージュ・シャトー内部!僕と未来さん、リルくんはここにいます!》

 

緒川「未来さんとリルくんも…そこに!」

 

クリス「ったりめーだ!そう信じていたから無茶してきてんだ!あたしらも、ガウも…そして、あの馬鹿も!」

 

嬉し涙を拭ってクリスは言う。

 

 

 

エルフナイン「これからオートスコアラー達の助けを借りて未来の救出に向かいます。神そのものへと完成していない今ならまだ間に合います!」

 

弦十郎《君が?無茶だ!》

 

エルフナインの言葉に弦十郎は言う。

 

いくらシンフォギアと互角に渡り合える終末の四騎士(ナイトクォーターズ)であるファラ、レイア、ミカ、ガリィの4人がいるにしても、彼女たちはボロボロの体、残党とはいえ未だに強力なノイズ怪獣を所有している可能性があるヴァネッサたち3人が相手では分が悪すぎていたからだ。

 

エルフナイン「そう!無茶です!」

 

それでもエルフナインは言う。

 

エルフナイン「だから!応援をお願いします!」

 

例えバックアップ担当でも、自分がみんなのために何が出来るか、それを貫く覚悟はエルフナインの心に出来あがっていた。

 

エルフナイン「ここは敵の只中です。どうしたって危険が伴うのであれば戦うしかありません!」

 

弦十郎《…こちらも、響くんは負傷してまだ意識はない。ガウはさっき目覚めたが、まだ万全ではない、その為、神殺しは不完全な状態にある。救出に向かうまで何とか持ちこたえてほしい。頼んだぞ!》

 

エルフナインの覚悟を汲み取り、弦十郎は言うと通信が切れた。

 

ファラ「マスター」

 

ファラに呼ばれて振り向くとヴァネッサたちノーブルレッドが構えていた。

 

案の定、通信を捕捉されてしまったようだ。

 

レイア「地味に窮地…今度はさすがに不意を突けないかと」

 

そうレイアは言うとファラと共に構える。

 

エルフナイン「2人とも!」

 

2人が構えるてエルフナインは2人が何をする気でいるかを察した。

 

ファラ「ここは私達に。ガリィにはマスターのエスコートをお願いするわ」

 

ガリィ「任せて。目的地までの道のりはここに叩きこんであるから」

 

ファラに言われてガリィは自身の頭を指さしながら言うとエルフナインを抱えて走り出した。

 

ファラ「ミカも一緒に!」

 

レイア「お前がついていれば私もファラも憂いがない」

 

ボロボロとはいえ、終末の四騎士(ナイトクォーターズ)の中でも最強たるミカがいれば多少は安心して殿が出来ると言う。

 

ミカ「元気印の役割は心得てるゾ!」

 

ファラとレイアに言われてミカは言うと2人の後を追う。

 

エルフナイン「ごめん…違う!ありがとう!ファラ!レイア!」

 

2人にエルフナインは叫び言うと、その言葉に2人は微笑んだのだった。

 

ミラアルク「行かせやしないぜ!」

 

追撃しようとするミラアルクだったがファラが前に立ち塞がり、さらに跳躍したレイアの投げ銭攻撃が襲いかかってきた。

 

道を塞がれ、ミラアルクは素早く後ろへ下がりレイアの投げ銭攻撃を回避した。

 

ファラ「この道は通行止めです。他を当たっていただきましょう」

 

レイア「ああ。行かせるわけにはいかないな」

 

ファラと着地したレイアはヴァネッサたちに言うのだった。




次回はオリジナルで、レイア&ファラの戦闘になります!

本当にすいません!

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