ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
ゴジラ?「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
チフォージュ・シャトー前にてゴジラとゴジラ?が戦っていた。
互いに互いの放射火炎を放っては相殺していた。
だが、ゴジラはゴジラ?への攻撃に戸惑いがあるのか、一撃一撃に迷いがあった。
相手をしているゴジラ?に対してゴジラの心が攻撃を躊躇わせているのだ。
ゴジラ?「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
それを知ってか知らずか、ゴジラ?は迷いあるゴジラの攻撃を回避しては赤い放射火炎を放って攻撃を決めてくる。
ゴジラ「グルルルルル…ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
ゴジラ?の赤い放射火炎を喰らい、ゴジラは数歩後退するがすぐに自身の蒼白い放射火炎を発射した。
ゴジラ?「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
ゴジラの放射火炎を避けたゴジラ?は一番大きな背鰭を向けると地面を砕くように突進してきた。
ゴジラは迷いで動きが一瞬遅く、回避が間に合わずに右横腹にゴジラ?の背鰭が深々と突き刺さった。
ゴジラ「ゴキャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
悲鳴に近いゴジラの鳴き声が辺りに響き渡った。
友里「ガウくんの腹部にダメージ!出血も確認されてます!!」
藤尭「いつもより動きが鈍い!」
ゴジラの動きの鈍さは本部でも確認できていた。
緒川「まさか、あのゴジラは未来さんかリルくんなのでは?」
弦十郎「まさか…だが、もしそうならガウの動きに迷いがあるのも納得がいくが…」
緒川の予測に弦十郎は考える。
ガウはゴジラになると基本的に敵対する相手に情けを掛けたりはしない。
むしろ相手が抵抗しなくなるまで徹底的に攻撃を繰り返す。
だが敵対する相手が身内や響たちならあり得ない話ではなかったからだ。
エルフナイン『そのまさかです!』
考えているとエルフナインが通信を入れてきた。
弦十郎「エルフナインくん!」
エルフナイン『すみません、連絡が遅くなりました!キャロルのおかげで何とかノーブルレッドを退けました!それで今、ガウくんと戦っているゴジラは紛れもなくリルくんです!』
弦十郎「なんだと!?」
エルフナインから聞かされて弦十郎は驚く。
エルフナイン『チフォージュ・シャトーの屋上にいる神の力の一部がすでにリルくんに埋め込まれていて、屋上にいる神の力が自身の身の危険を感じた時に己を守るための忠実なる僕としてリルくんの体を改造したんです!』
弦十郎「まさかそれが…」
エルフナインの解説に弦十郎たちはゴジラと戦っているゴジラ?を見た。
エルフナイン『はい、それが今のリルくん。かつて千年王国を滅ぼした神を守りし存在、眷属神です!!』
今いる神の力とは別の神が滅ぼした千年王国、その滅ぼした神を守護していたと言われる"眷属神"を口にするエルフナイン。
ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
刺していた背鰭を引き抜き、父であるゴジラに向かって赤い放射火炎を放つ神を守ることを使命とする存在と化してしまったリル―『眷属神 ミレニアムゴジラ』。
ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
背鰭が引き抜かれて膝を着いたゴジラにミレニアムゴジラの赤い放射火炎が命中、転倒させた。
ゴジラ「ゴガアァァァ………」
刺された時の傷とミレニアムゴジラの放射火炎が効いたのか、転倒したゴジラは起き上がれなかった。
ミレニアムゴジラ「グルルルルル……」
ゴジラを倒したミレニアムゴジラはチフォージュ・シャトーの方を向くと歩き始めた。
"主の危機を救う"、それしか今のミレニアムゴジラには無かった。
ゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
呼び止めるように鳴くゴジラだが、ミレニアムゴジラの耳には届かず、無視されてチフォー・ジュシャトーへ向かわれてしまうのだった。