戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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昨日はすいませんでした。

改めて、第454話になります!


第454話 また、一緒に

訃堂「親不孝者め…弱きを束ねるは神の力。歌で世界を救うなどと世迷言を…」

 

東京のとある施設内にある独房のような部屋に手錠を嵌められた訃堂が部屋に唯一ある家具である椅子に座って呟く。

 

すると外へ繋がる扉が開き、1人の人物が訃堂のいる独房の前に来た。

 

訃堂「ゴジラか…この儂を嘲笑いに来たか?」

 

気配で独房の前に来た人物がガウだと感づいて聞く。

 

※ここから訃堂とガウの会話が成り立ってますが、実際はガウが紙に自身の言っていることを書いて伝えています。

 

ガウ「別に、そんなんじゃないよ…」

 

聞かれたガウは素っ気なくながらもそう答えた。

 

ガウ「お前はお前なりにこの国を守ろうとした。でも、やり方が間違っていたんだよ。誰かを犠牲にして手に入れた力じゃ誰も守れない、そんな力はただの暴力でしかないよ」

 

訃堂が手にしようとした"神の力"…その強大故に"護国"といった綺麗ごとで固めたしても使い方を誤ればそれはただの暴力でしかない。

 

かつて"神の力"の依り代にされ『ディバインモンスター・カイザーギドラ』にされたガウだからわかることである。

 

訃堂「"ただの暴力"、か。かつて戦後のこの日本を再び悪夢へと追い落とした破壊神の言葉とは思えぬな」

 

60年前、戦後の敗戦から立ち直たばかりの日本を多数の怪獣たちと襲撃し、人々に再び悪夢を見せたかつてのゴジラのことを言う。

 

若き日の訃堂も町を蹂躙し、すべてを破壊するゴジラを見ており、それでゴジラのことを"破壊神"と呼んでいた。

 

ガウ「そんなこともあったね。でも、今の僕は"破壊神"じゃない。"怪獣王 ゴジラ"、この姿では"ガウ"、大好きなみんなから付けてもらった大切な名前があるんだよ」

 

かつて人間への復讐の炎を燃やして人間全てを根絶やしにしようとしていた頃を言われてガウは懐かしむがすぐに今の自分は昔とは違うと言う。

 

訃堂「かつて滅ぼさんとした人間に尻尾を振るか、堕ちたものよの」

 

人間全てを根絶やしにしようとしていたゴジラが人間と仲良くして、さらにその人間から名前まで貰ったことに訃堂は皮肉のように言う。

 

ガウ「勘違いすんな!」

 

訃堂の言葉を聞いてガウは少し大きな声で言う。

 

その目はかつてのゴジラ―人間を根絶やしにしようとしていた"復讐の炎"を目にたぎらせていた。

 

ガウ「僕はいつの日もあの惨劇を忘れたりしない、家族を殺したあの光を…そして今でも僕の中にはお前ら人間への復讐の炎が滾っているんだ。その気になればいつでもお前ら人間を皆殺しにする事なんて容易い。でも、それをしないのはお前が不要と思っていた響たちや"面汚し"と侮辱した翼や弦十郎、そして…翼の父親の八紘が教えてくれた。どんなに憎くて、辛いことがあっても…胸の歌を信じればどんな人とも分かり合える、繋がれる」

 

そう言うガウの目から"復讐の炎"が消えていっていた。

 

訃堂「人は裏切るのだぞ?儂がせずともいずれ…」

 

ガウ「それでも…少なくとも怪獣の中で僕はそれを信じてる。お前もそのことが分かればきっと…」

 

"人と人は繋がれる"と信じているガウはそう訃堂に言て踵を返すと独房を後にするのだった。

 

訃堂「ケダモノの王が…儂に説教か…」

 

独房を後にするガウを見送りながら訃堂は呟くのであった。

 

 

 

 

 

弦十郎「現時刻をもって全ての調査・聞き取りは完了した。現時刻を持って行動制限は解除となる」

 

S.O.N.G.本部の発令室にて翼の手錠を外しながら弦十郎は言う。

 

翼は操られていたとはいえ、訃堂一派に協力し、さらに怪獣王であるガウを攻撃・重症の深手を負わせたことにより行動を制限されていたのだ。

 

翼「調査・聞き取りだけ?…アマルガムの不許可使用とガウへの攻撃については…」

 

"アマルガム"が使用不可であることとガウへの攻撃に関する責任の追及が無いことに翼は驚き聞いてきた。

 

緒川「アマルガムに関しては翼さんが発動させる直前、使用許可が下りています。八紘氏がかねてより進めて来られていたのです。ガウくんへの攻撃に関してはガウくん本人が翼さんの本心による攻撃ではないと証言してくれています。それでも過激な怪獣たちはすでに抑え込んでくれています」

 

翼の問いに緒川はそう答える。

 

八紘は"アマルガム"が"イグナイト"に変わるシンフォギアの決戦仕様であることを熟知しており、訃堂により一時期は使用禁止になっていたが何とかしよう許可を日本政府に承認させていたのだ。

 

そしてガウは翼が本心で自分自身を攻撃したりしたのではないと"日本殲滅派"の怪獣たちを説得もしくは実力による説得が行われたのだ。

 

弦十郎「兄貴の葬儀に間に合わせられなかったこと…本当にすまなかった」

 

訃堂の凶弾から翼を庇い亡くなった八紘の葬儀の時に翼はまだ行動を制限されており間に合わせることが出来なったのを謝る弦十郎。

 

翼「敵に付け入られた不徳です。何より手錠をかけられたままでは合わせる顔がないと申し出たのは私です…」

 

弦十郎の謝罪に翼はうつむきながら言う。

 

いくら操られていたとはいえ仲間を裏切り、"防人"として振るうはずの刃を向けてしまったことを翼は恥じていた。

 

響「翼さん!」

 

ガウ「がう!」

 

声と発令室の扉が開く音が聞こえて振り向くと響たちが集まっていた。

 

翼「立花…ガウ…私は…」

 

響とガウを見て翼は目を逸らそうとする。

 

未来を攫ってしまったことと(いくら許したとしても)今まで数々の困難と強敵に立ち向かってきた大切な仲間に重症を負わせてしまったので合わせる顔がなかったのだ。

 

響「全部聞きました!」

 

そんな翼に響は先に口を開いた。

 

響「正直今はまだ頭の中ぐちゃぐちゃで混乱しています…だけど一つだけはっきりしてるのは翼さんが帰ってきてくれて本当によかった。嬉しかった」

 

翼「立花…」

 

いくら未来を攫い、ガウを気づ付けてもそれは操られていたこと。

 

翼の本心ではないと知って響は翼が元に戻り、ここに帰ってきてくれたことへの嬉しい気持ちを言う。

 

響「わからないことはこれから考えていきたいです。だから明日や明後日、その先のこれからをまた一緒に」

 

翼「あなたと私…また一緒に…?」

 

こんな自分を受け入れてくれる響に翼は戸惑う。

 

切歌「翼先輩!」

 

調「翼さん」

 

マリア「翼!」

 

ガウ「がう!」

 

訳:翼!

 

クリス「あたしら全員このバカと手を繋いできたんだ。先輩だけなしだなんて許さねーからな」

 

みんな響と手を繋いで困難や強敵と戦ってきた、その中に翼がいないのは嫌なのだ。

 

それが胸の信じ、紡いできた絆である。

 

響「一緒に戦って下さい」

 

手を差し伸ばす響。

 

翼「私は…」

 

響の一言とマリアたちの後押しに押され翼は涙を流しながら響の差し出した手を握た。

 

エルフナイン「わ~…おかえりなさい!翼さん!」

 

ガウ「がう、がうがうがう」

 

訳:ちょ、空気読んでよエルフナイン

 

少し空気が読めなかったエルフナインにガウはツッコムのだった。




―おまけ―

翼が響の手を再び握ったときのこと。

響「まあ、それはそれとして…」

感動の和解のあと響は翼の手を思いっきり握る。

翼「い、痛っ!?」

握られた翼は痛がって声を出す。

響「ガウくんを二度も刺したことへの制裁は受けてもらいますからね?」

笑ってはいるが笑ってない顔で言う響。

響の後ろにオーラとなって赤い襦袢に黒い衣服で帯を貝の口に締め、その上から結び切りの帯飾りを付け、足元は素足に草履を履き、牙が生え揃い、両耳が尖って、髪の毛は鬼には珍しい癖の無い黒髪をした容姿の鬼が金棒をぺしぺし叩きなが睨んでいるのが見えた。

翼「え…た、立花…」

鬼を見て翼は涙が引っ込み、顔を引きつらせる。

響「さ~て、どんなお仕置きをして差し上げましょうか」

鬼とリンクしてるのか響は翼に言う。

翼「み、みん…!?」

助けを求めようとした翼だが響(とオーラとなって現れた鬼)に圧倒されたのか響と翼以外の全員がすでに逃げておりいなかった。

響「覚悟しててくださいよ、つ~ば~さ~さ~ん♪」

翼「い、いやあぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」

今年最大の翼の悲鳴が本部中に響き渡ったのだった。

クリス「すまねぇ、先輩…」

マリア「あの子がああなったらだれも止められないわ」

調「帰ってきて早々に…」

切歌「ご愁傷様なのデス」

ガウ「がうがう」

訳:成仏してね

悲鳴を聞いて口々に言う面々。

全員『翼/先輩/さん/がう、南無~』

合掌して声を合わせて言う面々であった。

その後、翼は危うく八紘の後を追いかけるとこまでいったとかいかなかったとか…。



―おまけ2―

閻魔大王「って鬼灯くぅぅぅん!?何してくれてんの君ぃ!!」

鬼灯「いえ、私と中々のシンクロ率の方がいらっしゃたのでスタンド的な感じで憑依してきただけですよ」

閻魔大王「そのせいであっち(シンフォギア)のメインキャラ1人、こっち(地獄)に来かけてたじゃん!!」

鬼灯「まあ、その時は私が代わりに戦いますから」

閻魔大王「君がいったらパワーバランス崩れるからやめてね、絶対に!!」

IFルートで八紘に生きていてほしいですか?

  • 生きていてほしい
  • 原作のままで

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