戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第455話 シェム・ハの目論み

風鳴宗家の屋敷を見渡せる丘にS.O.N.G.のエージェントたちがノーブルレッドとシェム・ハ、ミレニアムゴジラを捜索していた。

 

「半径2km以内にてノーブルレッドとミレニアムゴジラの発見ならずとの報告!」

 

「捜査範囲を広げろ!連中の逃走速度より早く!」

 

しかし、捜索むなしく発見はできていない模様であった。

 

 

 

その頃、風鳴宗家の屋敷跡地・現ユグドラシルの地下。

 

訃堂がシェム・ハを操ろうとした施設にヴァネッサたちノーブルレッドとその前にシェム・ハ、そしてシェム・ハの後ろに白い髪に赤い目をし、背には炎のような形をした背鰭、尾てい骨辺りからは尻尾が生えた少年―ガウくらいにまで成長しているリルがいた。

 

シェム・ハは自身をコントロールしようとしたダイレクトフィードバックシステムを起動させる。

 

起動したシステムは本来のダイレクトフィードバックシステムとは違っていた。

 

ヴァネッサ「それは…?」

 

起動したシステムが違うことにヴァネッサは聞いてきた。

 

シェム・ハ「面白かろう?我を拘束せしめた戒めより我の断片を逆流させている。我は言葉であり故に全てを統治する」

 

どうやらダイレクトフィードバックシステムをユグドラシルの起動と他に利用しているようだった。

 

ヴァネッサ「これもまた…シェム・ハの力…あの時確かに私達は殺されたはず…現代に解き放たれた超抜の存在に…」

 

呟くように言うヴァネッサはこうなった経緯を思い出していた。

 

 

 

それは訃堂に裏切られ、アザルドの凶刃に掛かったあとのこと。

 

奇跡的に生き延びた3人は訃堂一派と弦十郎たちが戦っている隙に屋敷に忍び込み、シェム・ハのいる地下施設にいた。

 

ミラアルク「奴等が派手にやり合ってる今こそ、うちらのターンだぜ!」

 

エルザに手を貸しながらミラアルクは言う。

 

エルザ「どうするでありますか…?」

 

ヴァネッサ「神の力の管理者権限をこちらに移し替えるの。私達を簡単に切り捨てた風鳴 訃堂には相応の報いを受けてもらわないとね…」

 

聞かれたヴァネッサは機械を弄りながら答える。

 

ヴァネッサ「よし。これでダイレクトフィードバックシステムを…」

 

ヴァネッサがセキュリティを解除したのと同時にシェム・ハが目を開けて腕輪をしている右腕をエルザに向けた。

 

エルザ「何を…」

 

シェム・ハの動きに嫌な予感がしたエルザ、瞬間に腕輪が光の刃が伸びてエルザの胸を貫いた。

 

ミラアルク「おい!これって…」

 

エルザを刺したシェム・ハを見て驚いたミラアルクをシェム・ハは刺したエルザごと横一閃で切り裂いた。

 

ヴァネッサ「エルザちゃん!ミラアルクちゃん!」

 

2人が斬られたのを見てヴァネッサは手先のマシンガンを向けるがそれより早くシェム・ハが横一閃で凪ぎ払う。

 

シェム・ハ「遺憾よの。我が力、かつての何分の一にも満たぬとは…」

 

3人を殺したと思いきやシェム・ハは言って生きている3人を見る。

 

ミラアルク「ふざけたこと…言わせないぜ!何!?」

 

両腕と脚に羽を纏わせて構えたミラアルクは驚いた。

 

ミラアルク「一体…どういうわけだぜ?体にみなぎるこの力…まるで本物の!?」

 

自身にみなぎる力に戸惑うミラアルクと同じく驚いているエルザとヴァネッサ。

 

シェム・ハ「まるで本物の怪物とでも?ああそうさな。歪な形であったお前達を完全な怪物へと完成させたのだ。我の力の一つまみよ」

 

驚いているミラアルクにシェム・ハは当然のように言う。

 

ミラアルク「まさかそれって…もう人間には戻れないってことなのか!?」

 

シェム・ハ「愚問である。完成させるとはそういうことだ」

 

ミラアルクの問いにシェム・ハは答えた。

 

その答えにミラアルクは膝から崩れ、エルザはショックで泣き始めた。

 

ヴァネッサ「人の群れから疎外される恐怖と孤独は最早癒されることはなく…ああ…怪物はとうとうどこまでも異物に…」

 

変わり果てた自身の体を見ながらヴァネッサな呟く。

 

"神の力で人間に戻る"…その目的のために訃堂に協力し、さまざまな外道なることをしてきた。

 

どんなに辛いことがあっても3人助け合い、励まし合い、心が折れないようにしてきた。

 

なのにその報いが"人間に戻る"ではなく"完全なる怪物となる"ことにそのショックは計り知れなかった。

 

シェム・ハ「気鬱たる。ならば我に仕えよ。この星の孤独も阻害も全て我が根絶やしにしてくれる」

 

ショックを受けている3人に差し伸べるシェム・ハ。

 

 

 

そういった経緯でヴァネッサたちはシェム・ハに仕えていたのだ。

 

ヴァネッサ「…神よ」

 

"完全なる怪物"となりながらもシェム・ハを神と崇めるヴァネッサ。

 

エルザ「ヴァネッサが神と仰ぐなら私とミラアルクも従うであります!」

 

そんなヴァネッサの手を握り、エルザは言う。

 

ミラアルク「で、神様はどうやってうちら怪物の孤独や疎外感を拭ってくれるんだぜ?」

 

シェム・ハの目論む"この星の孤独も阻害も全て我が根絶やしにする"についてミラアルクは聞く。

 

シェム・ハ「知れたこと。この星の在り方を5000年前の形に戻すのだ」

 

聞かれたシェム・ハは言う。

 

ミラアルク「5000年前?そいつは先史文明期ゾッコン期だぜ…」

 

シェム・ハの計画にミラアルクたちは冷や汗を掻いていたのだった。




ーおまけ―

シェム・ハ「そうそう、そこの犬耳よ。そなたにや…」

エルザ「わーわー!!な、何を言おうとしているでありますか!その話は向こうで…」

シェム・ハ「ふむ、仲間には内緒であったか。だが安心せよ、我は神は神でも邪神ではない。無垢なる未来の命までは奪いはせぬ」

エルザ「では、お腹の子は無事でありますか!?」

シェム・ハ「なんだ?敵ではあるが想い人の子が無事で嬉しそうであるな」

エルザ「そ、そそそ、そんなこと…」

シェム・ハ「では我が野望を達せした暁にその者と幸せな家庭を築けるようにしてやっても良いぞ?」

エルザ「え、そ、それは本当でありますか!?」

シェム・ハ「任せておけ。神である我に不可能はない。どうする?」

エルザ「ガンス!俄然やる気が出てきたであります!!!」

ミラアルク「おぉ…エルザがいつになくやる気だぜ…」

ヴァネッサ「いったい何の話をしたのかしら?」



―おまけ2―

響「あ、すごくガウくんを去勢させたくなった」

ガウ「がう!?」

訳:なぜ!?

響「今すぐ取りに行こうか?ってか今すぐ取ろうか?」

ガウ「がうがう!がう、がう、がぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

訳:訳が分からないよ!ちょ、やめ、ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
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