キャロル「やはり来たか!!」
チタノザウルスたちを見てキャロルは言う。
ユグドラシルは地球生命そのものを改造するもの、それを本能で危険と察知した怪獣たちが破壊しに現れると予想していたからだ。
案の定、怪獣たちはユグドラシル破壊に出現した。
チタノザウルス「クルルルル……」
シェム・ハを攻撃したチタノザウルスは地面を砕いた自身の拳に手応えが無いことを感じ拳を抜くとシェム・ハの姿はどこにもなかった。
シェム・ハ「ただの抑止力風情が。神たる我に勝てると思っているのか」
声がした方向を見ると無傷のシェム・ハがいた。
チタノザウルス「クワワワアァァァァァァーーーーーーーーーーーーー!!」
無傷のシェム・ハを見てチタノザウルスはユグドラシルを見るとタッコングたちに指令を送る。
タッコング「ギグワアァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーー!!」
ザザーン「ガガアァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーー!!」
シーゴラス「グウォオォォォォォォーーーーーーーーーーーーー!!」
チタノザウルスの指令を聞いてタッコングたちは上陸し、ユグドラシルへ向かっていく。
シェム・ハ「行かせるものか…!?」
ユグドラシルへ向かっていくタッコングたちを攻撃しようとしたシェム・ハに光線が強襲してきた。
キャロル「お前の相手は俺たちだ!」
魔方陣を展開していたキャロルがシェム・ハに言う。
チタノザウルス「クワワワアァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーー!!」
キャロルの後ろに上陸したチタノザウルスが雄叫びを上げて共に臨戦していた。
シェム・ハ「愚かな。我1人でユグドラシルの守りにつくものか」
キャロル「なに?」
タッコング「ギグワギャアァッ!?」
キャロル「!?」
シェム・ハの言葉に首をかしげているとユグドラシル破壊に向かったタッコングの悲鳴を聞いて振り向くとタッコングたちの前にパルパレーパ・ブラジュナーとピア・デケム・ピークのジャイアンメカノイド2体が行く手を遮っていた。
キャロル「やはり護衛がいたか!」
ブラジュナーとピア・デケム・ピークを見てキャロルは言う。
シェム・ハ「さあ、こちらはこちらで楽しもうぞ」
不敵に笑いながらシェム・ハは言う。
緒川「神に挑むキャロルの錬金術と抑止力の怪獣軍団…」
弦十郎「だが…キャロルの力は思い出を焼却する以上…」
シェム・ハに戦いを挑むキャロルとチタノザウルスを見て2人は話していた。
キャロルの錬金術は自身の思い出を焼却することで発揮される。
全て焼却した時、発動者の命は失われてしまうのだ。
シェム・ハ「バラ撒けば躱せぬとでも踏んだか?なれど人の業では撃ち落とせぬ!」
キャロルの攻撃を回避しながらシェム・ハは言う。
チタノザウルス「クワワワアァァァァァーーーーーーーーーーーーー!!」
キャロルの攻撃を回避しているシェム・ハにチタノザウルスが再び殴りかかってきた。
シェム・ハ「無意味だ。だがそれ以上に目障りだ!」
チタノザウルス「クワガッ!?」
殴りかかってきたチタノザウルスをシェム・ハは腕から光線を発射してダメージを与えて数歩後退させる。
キャロル「高くつくぞ…俺の歌はぁー!!」
シェム・ハがチタノザウルスの相手をした瞬間にキャロルは順にを整えていた。
シェム・ハの周囲に魔法陣が展開され、シェム・ハを糸で絡めとった。
シェム・ハ「動けぬ…鉄砲に緊縛するか…」
糸で絡めとられたシェム・ハは抜け出せないことに驚く。
キャロル「恐るべきは埒外の物理法則によるダメージの無効化。だが拘束に対してはどうだ!」
あらゆるダメージを無かったことにする"無かったことになるダメージ"は確かに攻撃では脅威となる。
だが、己を傷つけない拘束には対応してはいないのだ。
そしてキャロルはさらに4つの魔法陣を展開した。
キャロル「アルカ・ヘスタ!!」
4つに魔法陣から火・水・金・風のエレメントが放たれ、シェム・ハを包み込む。
これの攻撃こそがキャロルとエルフナインの切り札である。
エルフナインが出撃する少し前の本部での出来事である。
エルフナイン「僕に考えがあります。切札はチフォージュ・シャトーに備えられた世界分解機能を限定的に再現し応用した錬金術です!」
弦十郎「まさか…君は響君とガウに代わって友達殺しの罪を背負うつもりなのか!?」
エルフナインの考えを先読みした弦十郎は驚いて聞いてきた。
チフォージュ・シャトーの世界解剖機能を限定的に使う、それは未来ごとシェム・ハを解剖し、消滅させるといものなのだ。
未来をシェム・ハごと倒す、つまりは友達殺しという名の十字架をエルフナインが背負うということに他ならない。
エルフナイン「大丈夫です。僕は未来さんごとシェム・ハを倒そうなんて思ってません。僕の狙いはあくまでもシェム・ハだけです!それに僕は1人じゃない、キャロルが付いてるんです!」
自信満々にエルフナインは言うのである。
そして現在。
キャロル「人の概念などとうに解析済み!ならばそれ以外の不純物を神と定めて分解するまで。俺の錬金術をナメてくれるな!」
そう、キャロルとエルフナインの狙いはあくまでもシェム・ハただ1人。
未来の体にシェム・ハの意志が入り込んだのならば“人の概念”、つまりは未来の部分のみを解剖せずそれ以外の不純物であるシェム・ハの意志だけを解剖しようというのだ。
シェム・ハ「だが…言う程に簡単を成すには膨大なエネルギーが必要なはず…一体どこから…」
シェム・ハのような神を分解するにはそれ相応のエネルギーを消費する。
それをいとも簡単に発動させるキャロルたちに驚く。
エルフナイン『思い出の焼却!足りない分は僕の思い出も一緒に燃やしてー!』
キャロルとエルフナイン、2人分の思い出を消費させる『アルカ・へスタ』の輝きが増していき、爆発が起きた。
弦十郎「分解したのか…?神を…錬金術で!」
爆発を見て弦十郎は言う。
爆発で起きた爆煙を見て警戒するキャロル。
その時だ、爆煙を突き破って紫の光線が放たれてきた。
キャロル「なっ!?」
光線に驚き反応できなかったキャロルは諸に喰らってしまい墜落する。
チタノザウルス「クワガッ!?」
さらに光線はチタノザウルスを胸部から貫いた。
貫かれたチタノザウルスは胸部に大穴が開いてしまい、その場に崩れるように倒れた。
キャロル「まさか…神獣鏡の凶払いで俺の錬金術を!?」
爆煙から現れた白きローブーファウストローブの神獣鏡を纏うシェム・ハを見てキャロルは言う。
神獣鏡はバラルの呪詛すら浄化する力がある。
シェム・ハはキャロルとエルフナインの“アルカ・へスタ”を凶に見立てて身を守ったのだ。
タッコング「ギグワア~…」
ザザーン「ガガア…」
シーゴラス「グウォオ~…」
同時にユグドラシル破壊に向かったタッコングたちがブラジュナーのケミカル・ナノマシンのポイズン攻撃により倒されていた。
シェム・ハ「とどめ…は刺さずに捨て置いてやろう。神に肉薄した褒美だ。星の命が改造される様を特等の席で御覧じろ」
そう言ってシェム・ハはユグドラシルへ向かっていく。
キャロル「くっ…さっさと帰ってきやがれ…シンフォギアー!!ゴジラー!!」
止められなかったキャロルの声が虚しく響くのだった。
パルパレーパ「我が神よ。お怪我は?」
片膝を付いてブラジュナーを操るパルパレーパは聞く。
シェム・ハ「心配は無用。あの程度で倒される我ではない。それよりも、頃合いだ。いきり立て」
聞かれたシェム・ハはそう言った瞬間、ユグドラシルが赤く輝きだした。
同時にタッコング、ザザーン、シーゴラスの3体の目が光無き赤い目となった。
緒川「この大量反応は…バラルの呪詛はまだ解かれてないというのにどうして!?」
モニターに映るユグドラシルの反応を見て緒川は驚く。
友里「ほぼ同タイミングにて風鳴邸地下電算室からのハッキングを確認!各地のコンピューター施設からの被害報告多数!さらに各地に生息していた怪獣たちの地上に現出!異常反応を出しています!」
藤尭「まさか…人類の脳を使わずともシェム・ハは現代の演算端末ネットワークシステムと怪獣たちの脳を応用して!?」
ユグドラシルの起動に使用する演算機能をシェム・ハは現代のスーパーコンピューターと怪獣たちの脳を代わりにすることで可能にしていた。
さらにそれらに驚いていると本部自体が激しく揺れた。
友里「外部からの攻撃に左舷の一部が損傷!浸水が始まっています!」
どうやら潜水していた本部の真横にユグドラシルが現れて激突してしまったようだ。
藤尭「ユグドラシルがあちこちに!鎌倉の1本じゃない、世界中に…ユグドラシルが!?」
世界中に現れるユグドラシルに驚く。
シェム・ハ「胸躍る!さぁユグドラシルにて全ての在り方を改造しよう!!」
両手を広げてシェム・ハは勝ち誇るように言うのだった。