戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第474話 それぞれの為に

クリス「私達の帰る場所が…」

 

真っ赤に輝く地球を見て愕然とする。

 

ヴァネッサ「始まったようね…」

 

同じく響たちの後ろから地球を見ていたヴァネッサが呟くと2人は振り向いた。

 

響「あれが!あんなのがヴァネッサさんの望んだみんなと仲良くなれる世界なんですか!?」

 

赤く輝く地球を指さしながら響はヴァネッサに聞く。

 

ヴァネッサ「人間に戻れない完全怪物となった今…この身を苛む孤独を埋めるには全てを怪物にして仲良くするしかないじゃない…」

 

クリス「くっ…お前達が言う分かり合うって!」

 

ヴァネッサ「そうよ!そのためにシェム・ハは星の命を作り替え私達は封じられたシェム・ハの力を取り戻すためバラルの呪詛を解除するの!」

 

ヴァネッサの言う“みんなと仲良くする”、それは全ての人類をシェム・ハのユグドラシルで自分たちと同じ怪物へと改造することで孤独感を無くそうとしているのだ。

 

エルザ「ヴァネッサ…戦うでありますか…」

 

臨戦するヴァネッサにエルザは聞く。

 

ヴァネッサ「戦う…だから、エルザちゃんは下がってなさい。お姉ちゃん判断よ」

 

エルザ「………」

 

ヴァネッサに言われてエルザはアタッシュケースを動かして退避する。

 

ヴァネッサ(そうよ…勝たないといけないのよ。貴女と貴女のお腹の子のためにも!)

 

響「だったら私は…私達は!」

 

クリス「温もりと厳しさも繋がりも全部をくれた場所を守るために!」

 

それぞれの守るために臨戦する。

 

クリス「Killter Ichaival tron…」

 

起動詠唱を唄いギアを纏うリボルバー型のアームドギア2丁で射撃するクリス。

 

クリスの射撃の弾丸がヴァネッサに命中し、爆発する。

 

だが、ヴァネッサは背中から副腕を出してガードしていた。

 

そこへ響がヴァネッサの胸部目掛けて殴りかかってくるがヴァネッサは再び副腕でガードした。

 

ガードされて響は一旦、ヴァネッサから離れると同時にクリスがアームドギアから弾丸ではなくレーザーを射ってきた。

 

流石にレーザーは防げないと判断したヴァネッサは後ろへ跳んで回避する。

 

回避したヴァネッサに響が再び殴りかかってきたが副腕で掴み、受けとる。

 

ヴァネッサ「奪われた未来を取り戻すため!私達は先に進む!」

 

さらにもう片方の響の拳を副腕で受け止めて防ぐ。

 

ヴァネッサ「元に戻るとか帰るとか!そういうのはもう必要としないのよ!」

 

響の攻撃を防いでヴァネッサは響を宙に持ち上げると副腕を離して殴り飛ばした。

 

響「正中線に…打たせてくれない!」

 

ワンパンで相手を倒せる位置、正中線に打たせてくれないヴァネッサに響は呟く。

 

優位に立つヴァネッサは足元のブラスターを点火して上へ上昇すると周囲に光を集め、己の体の形状を変化させる。

 

その姿は人から遠くかけ離れ、女王蜂のような姿をしていた。

 

姿を変えたヴァネッサは全身からレーザーを発射、発射されたレーザーは1つに纏まり、巨大な1本のレーザーとなり響とクリスに向かっていく。

 

響「クリスちゃん!」

 

レーザーを見て響はクリスに飛び付いて回避する。

 

響「へいき…へっちゃら…」

 

レーザーを回避したが余波によるダメージに倒れる、

 

クリス「無茶すんな、バカ!だが、この距離なら!」

 

助けてもらっときながらクリスは響の頭を殴って言うとライフル型にしたアームドギアを構える。

 

さっきの一撃でヴァネッサに大きな隙が出来ていた。

 

今ならヴァネッサに有効打を与えられると判断し、トリガーに指をかけた。

 

ミラアルク「助太刀するぜー!」

 

クリス「うわっ!邪魔だ!」

 

トリガーに指をかけたクリスの顔面にコウモリみたいに小型化し、弱体化したミラアルクが飛び付いて射撃の妨害をした。

 

クリス「しまった!懐に!?」

 

ミラアルクを顔面から離してクリスが見たのは目の前に攻撃準備が整ったヴァネッサがいて驚いた。

 

ミラアルクが作った隙を見逃さなかったヴァネッサはレーザーを一斉発射した。

 

発射されたレーザーにより、2人は爆発に飲み込まれてしまった。


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