戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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XV編最終章3(第481話) 花咲く勇気で

響「キャロルちゃんの…黄金錬成…?」

 

目が覚めた響が見るとシェム・ハの光線をキャロルが錬金術で対抗していた。

 

シェム・ハ「錬金術を応用して?だが乱発叶わぬこの力に拮抗するとなると」

 

錬金術で自身の攻撃を防ぐキャロルを見てシェム・ハはその原理に察しが付く。

 

エルフナイン『そう!僕達二人の思い出を!全て焼却すればぁー!!』

 

キャロルの錬金術は己の思い出を焼却することで発動する。

 

だがそれでもキャロル1人分ではシェム・ハのような強大な力を持った者には対抗できない。

 

だが、今のキャロルはエルフナインの体で戦っている。

 

つまりこの力はキャロルとエルフナインの2人の思いでを焼却しているのだ。

 

2人分の思い出を焼却する錬金術がシェム・ハの光線を押し返す。

 

響「キャロルちゃん!エルフナインちゃん!」

 

キャロルの錬金術のことを知っている響は叫ぶ。

 

キャロル「立花 響!お前はどうする!何を望む!」

 

しかし心配されているキャロルは響に問う。

 

響「私は…未来を奪いたい!人助けなんかじゃなく私の我儘剥き出しの!」

 

キャロル「だったら手を伸ばし続けろ!いつかの俺にそうしたように!」

 

響「だけど…繋ぐこの手は呪われて…未来を殺す力が!」

 

ガウ「がうがう!!」

 

訳:それは違うよ!!

 

声の方を見ると右腕を抑えているガウがいた。

 

※ここからガウは普通に喋りますが周囲には「がう」としか聞こえてません。

 

ガウ「確かに響の拳は僕の血と共鳴して呪いがかかってる…それを呪いだっていうことも呪い。でも、それは違う。響の子の拳も、僕の血も、みんなの想いを背負っている…呪いなんかじゃい、響が何をどうしたいのか…それがこの力なんだと思うよ!」

 

響の手を取りながらガウは響に言う。

 

響「ガウくん…」

 

ガウの言っていることがなんとなくではあるが分かる響は己の拳を見つめる。

 

キャロル「ゴジラの言う通りだ。呪いと呪うそいつも呪い…その手にあるのは見ず知らずの誰かの想いだ!」

 

キャロルは最後の力を振り絞り、シェム・ハの光線を完全に跳ね返ってシェム・ハの右の角を黄金化させる。

 

その代償にダウルダブラが解けてしまい、キャロル(エルフナイン)は倒れてしまった。

 

響「キャロルちゃん!」

 

倒れたキャロル(エルフナイン)に駆け寄る響。

 

シェム・ハ「忌々しい。だが自分の全てを燃やし尽くしたようだな」

 

黄金にされた己の角を見ながらシェム・ハは毒づくがかなり優位を得たことに気付いていた。

 

響たちはエクスドライブモードであるがボロボロで満足には戦えない。

 

最大の懸念である神殺しの力を有する響とガウは未来を傷つけられないのを知っているため、戦うことができないからだ。

 

マリア「ここまでなの…?」

 

シェム・ハ「否!ここからだ!」

 

手も足も出ない状況にマリアが言うと、シェム・ハが言うと地球を覆うユグドラシルの枝が同じ方向にブーストし始めた。

 

 

 

友里「惑星規模の地殻変動確認!いえ!これは…」

 

藤尭「ユグドラシル球殻からの推進噴射によって地球の公転速度が加速しています!」

 

今起きている状況を観測した結果を2人は報告する。

 

シェム・ハはユグドラシルの球殻から推進噴射でさらに地球の公転速度を上げて5000年前に遡ろうとしていた。

 

 

 

シェム・ハ「さぁ、還るのだ。5000年前のあるべき形へ」

 

ユグドラシルの球殻の噴射が始まったのを見てシェム・ハは次る段階へ動き始めた。

 

シェム・ハ「太陽放射による接続障害を抑制。ここに生体端末のネットワークは構築される」

 

シェム・ハが行う次なる段階、それは全地球生命の生体端末化である。

 

ユグドラシルの球殻による推進噴射が始まってすぐに翼たちを含む世界中の人類がシェム・ハにより生体端末化が始まり、目は虚ろとなり、体は紫に光ってそこから光の粒が溢れ出てシェム・ハに集まってゆく。

 

それはヒオやマナたちコスモスや怪獣たちも例外ではなく、全世界の生命全てが生体端末化していた。

 

シェム・ハ「全人類に忍ばせたすべての命と力を統合し1にして全なるシェム・ハにて凌辱してくれる」

 

光が集まってきてシェム・ハは自身が完全になったことを感じて言ったその時だ。

 

シェム・ハは感じ取った、己の下から感じる2つのエネルギーを。

 

気になって見ると響とガウだけ生体端末化を免れており、シェム・ハを見ていた。

 

シェム・ハ「神殺しども…その力にて接続より免れたか!」

 

響とガウが生体端末化を逃れた理由を察して吸収を中断して臨戦する。

 

響「私は…私たちは未来を取り戻す!」

 

キャロルとガウに言われた言葉を胸に響は決意し、立ち上がった。

 

響「ガウくん!私に…未来を、大事な人を助けるための力を貸して!!」

 

ガウ「うん!!」

 

響にそう頼まれてガウは即答で答えると響の背中にしがみつくと己のエネルギーを響の両腕に纏わせるように放出する。

 

両腕にガウの力が纏わったのを感じて響はシェム・ハに向かっていく。

 

シェム・ハ「能わず!その拳は呪いの積層・神殺し!撃てばこの身を殺して殺す!」

 

攻めてきた響の拳を回避しながらシェム・ハは精神に揺さぶりをかける。

 

響「殺さない!お父さんが教えてくれた!呪いと祝福は裏表!あり方なんてどうとでも変えられる!変えてみせる!」

 

響たちの精神に揺さぶりをかけるシェム・ハの言葉を響は否定する。

 

響の右拳が一発がシェム・ハの左頬を捉えて吹き飛ばす。

 

シェム・ハ「断章の全てをこの身に集めたのだ!人に遅れる道理などありはしない!」

 

完全体となっている自分が押されるわけがないと否定しながら極大の光線を発射する。

 

響「だとしてもぉぉー!!」

 

放たれた光線を響とガウの2人の力を込めた左拳で四散させる。

 

響「私たちの想い!未来への気持ち!2000年の呪いよりもちっぽけだと誰が決めた!!」

 

極大の光線を四散さえて響は自分の心に秘める未来や他の人たちへの想いを誰かに何かされる筋合いはないと語りながらシェム・ハへの攻撃を強めていく。

 

そしてガウも響の想いに呼応するようにさらにエネルギーを渡していく。

 

響とガウの攻撃を避けきれず、シールドで防ぐシェム・ハ。

 

この瞬間に世界である奇跡が起きていた。

 

 

 

ヒオ「取り戻す…」

 

マナ「取り戻す…」

 

大統領「未来を…」

 

インド人「私達の…」

 

僧侶「明日を…」

 

弦十郎「この星の…明日を!」

 

世界で起きた奇跡、それは生体端末化されていた生命がシェム・ハの呪縛から解き放たれていた。

 

 

 

シェム・ハ「ネットワークに障害が!なれど!」

 

生命が生体端末化から解放されてネットワークに障害が起きながらもシェム・ハは残されたハッキングしたネットワークで改造を続けようとする。

 

調「きっと…取り戻すんだ!」

 

切歌「それはきっと大切な…」

 

マリア「本能が求め叫んでる!」

 

クリス「誰にも等しくあるために!」

 

翼「その手に束ねるんだ立花、ガウ…お父様が見せてくれた人の価値を!この星の全生命の輝きを!!」

 

響「バラルの呪詛が消えた今!隔たりなく繋がれるのは神様だけじゃない!」

 

シェム・ハが自身を完全にするために月遺跡にあるバラルの呪詛を管理する遺跡を破壊した今、その呪いが消え響とガウに地球生命全ての想いが繋がれる。

 

その一撃を響の右拳と響の背中から右肩へ移動したガウの右拳が重なって繰り出された。

 

シェム・ハ「束ねているのは人の…全生命の想い!?」

 

一撃を繰り出した2人の拳から生命の想いが結集しているのを感じ取り、シェム・ハは驚く。

 

響「神殺しなんかじゃない!繋ぐこの手は…太古から続く血は…私たちの…」

 

響・ガウ「「アームドギアだぁ!!!!」」

 

吠える2人の拳がシェム・ハ胸部を捉えた。

 

響「未来を…未来を!奪還するためにー!!」

 

ガウ「ぶっとべー!!」

 

シェム・ハ「まさか!本当に呪いを上書いて!?ぐあぁぁーーーーーーーーーーーーー!!!!」

 

呪いを上書いて集結した響とガウの拳に宿る全生命の想いを纏った一撃を喰らい、シェム・ハは断末魔を上げて、その魂が抜けて行く。

 

シェム・ハの魂が未来から抜けたシェム・ハの魂が爆発を起こす。

 

響「そして。花咲く勇気で。私の大好きを二度と手放さないために…」

 

爆煙から気を失っている未来をお姫様抱っこした響と響の背から顔を出しているガウの無事な姿が空にあった。




ファラ「負けないでマスター。頑張って!」

ミカ「みんなで草葉の陰から応援してるんだゾ!」

レイア「派手に行け!奇跡の殺戮者!」

ガリィ「よっ!絶唱70億!一人称が俺!へそ下あたり!」

キャロル「おい。誰か馬鹿にしてるだろ!」

ガウ「がうがう…」
訳:青い人だな…

リル「かうかう…?」
訳:へそ下あたり…?

エルザ「それについてはまだ早いであります!」

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