えー、昨日の話で『傀儡怪獣』と表記しましたがルビ打っていませんでした。
読み仮名は“くぐつ”ではなく、“かいらい”です。
くぐつだとベゼルブと被りますから…
ここでは傀儡(かいらい)です!
誠に申し訳ありませんでしたぁ!
未来「ウルトラマン…ビースト…」
響「って、ガウくんの息子ってどういうこと!?」
現れた獣人のウルトラマン―ウルトラマンビーストに驚く2人。
ファントム「ウルトラマンビースト…わざわざ追ってくるとはご苦労なことだな」
ビースト「お前が悪さをするからには例え過去だろうと追いかけてやるよ!」
ファントム「全く、親子共々…反吐が出る!」
ビーストに憎悪を向けるファントム。
カイライテレスドン「ガアァァァァァァァァァオォォォォォォォォォォォォォォォォン!!」
ファントムのビーストへの憎悪に反応するようにミレニアムゴジラを攻撃していたカイライテレスドンがデプス火炎を放ちながらビーストの方へ向かって行く。
ビースト「おっと、シェアッ!」
デプス火炎を避けてビーストは跳躍してカイライテレスドンの前に着地した。
ビースト「すぐに解放してやるからな。オラアァッ!!」
カイライテレスドンにそう言うと首を掴んで背負い投げのように投げて頭から地面に叩きつけた。
ビースト「デアッ!」
カイライテレスドンを地面に叩きつけたビーストは一旦後ろへ下がると両腕を蒼白く光らせた。
ビースト「ディーノミック光線!!」
蒼白く光らせた両腕を右腕を縦、左腕を横にしてL字にクロスさせるとカイライゴメスを倒した光線―『ディーノミック光線』を発射した。
カイライテレスドン「ガアァァァァァァァァァオォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!」
ビーストのディーノミック光線を喰らってカイライテレスドンは悲鳴を上げて爆散した。
その際、テレスドンの表情は穏やかであった。
カイライテレスドンが爆発した爆煙からビー玉サイズの小さな球体がビーストの方へ飛んでいき、カラータイマーに吸収された。
ビースト「さて、あと1体…うお!?」
カイライテレスドンを倒して残ったカイライアントラーがいる蟻地獄へ向かおうとした矢先、足元が崩れて新たな蟻地獄が出現した。
カイライアントラー「キャアァァァァァァァァァァゴオォォォォォォォォォォォォォォォ!!」
蟻地獄の底からカイライアントラーが出現し、雄たけびを上げる。
ビースト「ちぃ!もう移動してたのかよ!!」
出現したカイライアントラーを見てビーストはそう言うとサラサラを両足で蹴り、空中へ逃げる。
カイライアントラー「キャアァァァァァァァァァァゴオォォォォォォォォォォォォォォォ!!」
空中へ逃げるビーストを逃すまいとカイライアントラーは磁力光線を発射した。
ビースト「そいつは効かないぜ!!」
カイライアントラーの放った磁力光線を見てビーストの尻尾が蒼く輝いた。
ビースト「ソニックテール!!」
体を空中で縦に回転すると尻尾から蒼い三日月状の刃型の光線―『ソニックテール』が放たれてカイライアントラーの磁力光線を両断した。
カイライアントラー「!?」
磁力光線を両断されたことに驚くカイライアントラー。
するとビーストが目の前に着地してきた。
ビースト「よっこいしょ!!」
カイライアントラーの前に着地したビーストは大顎を掴むとそのままカイライアントラーを地面から引っこ抜いた。
ビースト「シェアッ!!」
カイライアントラーを持ち上げたビーストは自身ごと回転して巨大な竜巻を作り上げた。
発生した竜巻によりカイライアントラーとビーストの体が浮き上がる。
ビースト「セリャアッ!!」
竜巻の真ん中くらいまで行くとビーストはカイライアントラーを離し、さらに上へ飛翔した。
カイライアントラー「!!」
竜巻の風圧でカイライアントラーは動けないでいる。
ビースト「ウオラァッ!!」
動けないでいるカイライアントラーの真上からビーストが右足を突き出して急降下してきた。
カイライアントラーの体がビーストの蹴りにより真っ二つに両断された。
回転しているカイライアントラーの体に静止状態で落下してきたビーストの蹴りで摩擦熱を起こして装甲とも言うべき甲羅が脆くなったのだ。
カイライアントラー「キュアオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!」
体を両断されてカイライアントラーは断末魔を上げて空中で爆発。
竜巻もカイライアントラーの爆発で消滅した。
カイライアントラーの爆発した空中からまたもビー玉サイズの小さな球体がビーストのカラータイマーに吸収された。
響「リルくんが苦戦してた怪獣をあんなにあっさりと…」
未来「もしかして本当にガウくんの子供…?」
ミレニアムゴジラを苦戦させたカイライテレスドンとカイライアントラーを苦戦するどころか簡単に倒したビーストを見て呟く。
ビースト「これで
2体の
ファントム「悪いがこう見えても俺は忙しいんでな。今日はここまでにさせてもらう!」
そう言い残してファントムは右手から黒い光球を出すと地面に落とした。
光球が地面に当たった瞬間、激しい閃光が瞬いた。
「「「!?」」」
閃光によりビースト、響、未来は目を瞑って顔を反らす。
閃光が収まって目を開けるとファントムの姿はどこにもなかった。
ビースト「くそ、逃げられたか」
姿がないファントムにビーストは悔しそうに言う。
しかしすぐに落ち着いてカイライアントラーが開けた蟻地獄へ再度近づくと屈んで手を伸ばした。
手が何かを掴むと一気に引っ張り上げた。
引っ張り上げられたのはミレニアムゴジラだった。
ビースト「大丈夫か?リルの兄貴」
ミレニアムゴジラのことを"兄貴"と呼びながら心配するビースト。
ミレニアムゴジラ「グ、グルルルル…」
いきなり自分を"兄貴"と呼ぶビーストに戸惑いながらもミレニアムゴジラは"大丈夫"だと喉を鳴らしながら頷いた。
響「おーい、リルくーん!」
声を聞いてその方向を見ると響と未来がこっちに向かって走りながら手を振っていた。
ミレニアムゴジラ「グルルルル…」
リル「かう~♪」
響と未来を見てミレニアムゴジラは体を光らせてリルに戻ると響に向かってダイブした。
響「よっと!お疲れ様、リルくん!」
ダイブしてきたリルをキャッチして響は言う。
ビースト「うおぉ…響のおばさんに、未来のおばさんが小さい…」
響と未来を見てビーストは小さな声で言う。
未来「それで、貴方はいったい…」
ビースト「おっと、この姿だとちょっと目立つよな。待っててくれ。シェアッ!!」
未来に聞かれてビーストは言うと両腕を胸前でクロスさせて再び左右に開くと体が光って小さくなって行き、最終的には1人の人間の青年になった。
顔立ちはガウに似ており、右手には手甲のようなアイテムを付けて、背鰭は無いがガウと同じ尻尾が生えていた。
竜響「改めて、俺はウルトラマンビースト。本名は
青年―『竜響』は笑いながら自己紹介するのだった。