怪獣たちの暴走を他の怪獣たちと共に鎮圧したS.O.N.G.はある人物を本部に招いていた。
弦十郎「…………」
信じられないと言う風に弦十郎は相手を見ていた。
いや、他の面々も同じ状況であった。
竜響「んな、ジロジロ見られっと気持ち悪いだけど、弦十郎のじーさん」
弦十郎を“じーさん”と呼びながら竜響は言う。
弦十郎「いや、すまない。だが、本当にガウの息子なのか?」
竜響「そうだよ。っても、そうなるのは2年後の話だけどな」
弦十郎の問いに竜響はそう答える。
マリア「そのガウの息子がなんで過去の世界に?」
竜響「……」
マリアに聞かれた竜響は急に黙ってしまう。
マリア「なに?どうかしたの?」
急に黙ってしまった竜響に聞く
竜響「あ、あぁ、悪い悪い。マリアのばあちゃんが若いからスゲーびっくりしてな」
マリア「ば…」
"ばあちゃん"と呼ばれてマリアはヒクヒクと顔を引きつらせる。
竜響「ん?俺、なんか悪いこと言ったか?」
悪気は竜響自身全くなかったようで逆に聞いて来た。
マリア「…よ…」
竜響「え?」
マリア「誰がおばあちゃんよ!!」
竜響「どぅおぉ!!」
マリアの怒りと悲しみの鉄拳が竜響の頭に叩き込まれた。
竜響「な、なんでだよ…」
殴られた頭を抑えながら竜響は言う。
翼「落ち着け、マリア。彼は未来から来たのだから我々がおばさんなのは当然だろう」
マリア「分かってるわよ!でも、毎回毎回私は"ただの優しいマリア"だったり、ここで"ただの優しいマリアママ"っていうのを加えられているのよ!誰一人として(姉妹であるセレナを除いて)私を"お姉さん"なんて呼んでくれないじゃない!!」
本音をぶちまけるようにマリアは言う。
クリス「いや、でも…」
調「マリアの行動全部が…」
切歌「"ママ"あるいは"お母さん"というワードに直結させるのデス…」
マリア「ごふっ!!」
言われてショックのあまりに吐血するマリア。
弦十郎「ごほん!話が逸れた。それで君はなぜ、過去の世界であるこの世界に来たんだ?」
話を戻して、弦十郎が改めて聞く。
竜響「んなの決まってんだろ。ファントムの奴を追って来たんだよ」
聞かれて竜響はそう答える。
未来「そのファントムっていったい何者なの?」
竜響「奴は俺が本来いる時代で怪獣たちを傀儡化させて暴れさせている奴だ」
響「じゃあ、さっき怪獣たちが一斉に暴れたのって…」
竜響「十中八九、ファントムの仕業だ。怪獣たちの意思じゃない」
リル「かうかう…」
訳:やっぱり…
先ほどの怪獣一斉暴走の原因がファントムの仕業で、暴れた怪獣たちの意志ではないと聞かされて納得する。
弦十郎「では、そのファントムは何が目的で怪獣たちを暴走させ、破壊活動を行っているんだ?」
竜響「さあな。奴が何を考えているかは正直分かんねぇ。だが奴は怪獣たちを意図的に暴走させて人類を滅ぼそうとしているのは確かだ」
弦十郎「そうか…では、君と俺たちにとってファントムは共通の敵という事だな」
竜響「そうなるな」
弦十郎「どうやら、最後まで言わなくても分かっているようだな」
竜響「まあな」
そう話しながら弦十郎と竜響は互いに歩み寄り、手を握り合った。
竜響「しばらく世話になんぜ、弦十郎のじーさん」
弦十郎「こちらこそ、協力感謝する」
ファントムという共通の敵を撃破するまでの間、共同戦線を展開するという意味合いで握手をして互いに言う2人だった。