戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

660 / 1218
第497話 謎の声

ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

カイライガルラ「ガルシュオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」

 

降りしきる雨の中、ミレニアムゴジラとカイライガルラによる力比べが起きていた。

 

2体の力は拮抗しており、一歩も譲らぬ状況であった。

 

カイライガルラ「ガルシュオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」

 

拮抗を打破しようとカイライガルラが動いた。

 

カイライガルラ「ガルシュオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」

 

ミレニアムゴジラの頭に向かって頭突きを叩き込んできた。

 

ミレニアムゴジラ「!!!」

 

単純なパワーだけならゴルザ、レッドキングに次ぐパワーを有するカイライガルラの頭突きにミレニアムゴジラは怯む。

 

カイライガルラ「ガルシュオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」

 

怯んだミレニアムゴジラの顔面をカイライガルラは殴る。

 

ミレニアムゴジラ「グルルルルル!!」

 

顔を殴られながらもミレニアムゴジラは反撃しようと向き直り放射火炎を発射した。

 

カイライガルラは頭部の触覚から熱線を発射し対抗する。

 

ミレニアムゴジラの放射火炎とカイライガルラの熱線がぶつかり合う。

 

だが、ただのいち怪獣が放つ熱線と地球最強の威力を有する火炎とではぶつかり合った瞬間に熱線を火炎が吸収してカイライガルラに命中する。

 

カイライガルラ「ガルシュオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」

 

しかしカイライガルラは放射火炎を受けながらもほとんど無傷であった。

 

それもそのはず、ガルラはパワーだけでなく『カウンターアーマー』と呼ばれる頑丈な鎧を持っており、ありとあらゆる攻撃から身を守っているのだ。

 

しかし、そんなことミレニアムゴジラは承知である。

 

ミレニアムゴジラが欲しかったのはカイライガルラを倒す為ではなく、その一瞬の怯みである。

 

狙うは一点、カイライガルラの唯一の弱点。

 

ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

ミレニアムゴジラの咆哮と共に初代怪獣王より長く鋭い爪がカイライガルラの唯一の弱点である喉を貫いた。

 

カイライガルラ「ガルシュオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!」

 

喉を貫かれ、カイライガルラは痙攣を起こす。

 

ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

爪を引き抜いてミレニアムゴジラは貫いた喉に向かって放射火炎を放った。

 

弱点を貫かれ、そこに放射火炎を叩き込まれてカイライガルラは痙攣を起こしながら仰向けに倒れて爆散した。

 

どんな強者にも弱点は存在する、例え傀儡化されていてもそれは同じことだったのだ。

 

ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

爆散したカイライガルラを見届けたミレニアムゴジラは天に向かって雄たけびを上げる。

 

かつては自分に仕えた怪獣である。

 

現在の怪獣王としてこれまで仕えた礼と傀儡化されてしまったことの謝罪を込めた雄たけびであった。

 

 

 

ファントム「ちっ、まだ完全な雨ではないか…次の手の為にも少しは戦力を温存するか」

 

ミレニアムゴジラがカイライガルラを撃破したのを見てファントムは言うと左手を黒く光らせた。

 

カイライメルバ「ピリャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

ファントムの光に反応するようにカイライメルバは両翼を広げて飛翔し、どこかへ飛び去ってしまった。

 

響「逃げた?」

 

未来「どうして…」

 

有利に立っていたハズなのに飛び去って行ったカイライメルバを不審に思う2人。

 

その時だった。

 

ビースト「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

響・未来「「!?」」

 

声に反応してみるとビーストが吹き飛ばされて、2人の前に落ちてきた。

 

ビースト「がはっ…く、くそ…」

 

なんとか起き上がろうとするビーストだがその体はボロボロで、カラータイマーの点滅も早くなっていた。

 

ゴモラ「ギイィィィイシャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

グドン「グウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!」

 

そんなビーストの前に苦しそうな声を上げているゴモラとグドンが接近してきていた。

 

ビースト(こいつは…ちょっとヤバいな…)

 

ビーストがそう思っていたその時だ。

 

?《母なる大地よ、この者たちの苦しみを祓い清めよ!!》

 

少し気の強そうな女性の声が響き渡ったかと思いきやゴモラとグドンを覆うように地面が動いた。

 

ゴモラ「!?」

 

グドン「!?」

 

自分たちを突如として覆う地面に驚きながらも攻撃する。

 

だが地面はかなり頑丈なのかゴモラとグドンの攻撃にもビクともせずに2体を覆いつくしてしまった。

 

ビースト「今のは…ぐっ………」

 

2体の怪獣が地面に覆われてしまったのを見てビーストは不思議に思っていたがカイライナツノメリュウの噛みつきにより傷ついた体は限界に達してしまい、膝を着いて小さくなり竜響の姿に戻ってしまった。

 

響「竜響くん!!」

 

竜響の姿に戻ったビーストを見て響は心配してビルから降りる。

 

その後ろから未来も降下し始めた。

 

ミレニアムゴジラ「グルルルル…」

 

ミレニアムゴジラも竜響を心配して近くまで行くとリルの姿となって向かっていく。

 

 

 

響「大丈夫?竜響くん」

 

リル「かうかう?」

 

とある工事現場にて竜響を見つけて、工事現場の仮設事務所に入り、傷の手当てをしながら響とリルは聞く。

 

竜響「あぁ、これくらい大丈夫だ」

 

2人に聞かれて竜響は答える。

 

未来「それにしてもあの声って誰なんだろう…」

 

ゴモラとグドンを地面で覆いつくした時に聞こえた声のことを言う。

 

竜響「さぁな…だが、味方だと頼もしいがな」

 

そう竜響が言った時だ。

 

?《希望を背負いし者たち…》

 

『!?』

 

さっきの女性の声が聞こえて、周囲を見渡すが誰もいなかった。

 

空耳かと思いきや事務所の扉が勝手に開き、地面に1本の線が走り出した。

 

?《こっちだ》

 

線が走り出してまた女性の声が聞こえた。

 

響「これって…」

 

竜響「向こうからお誘いか…行ってみるか?罠かもしれないぜ」

 

声の主がしたのだろう扉が開き、地面に線を走らせただろうと推測しながら竜響は聞く。

 

響「行ってみよう。もし敵ならあの時が一番チャンスだったんだし」

 

リル「かうーかうかうー」

 

訳:もし罠だったとしても僕が何とかするよ

 

未来「私も、響たちと同じ意見だよ」

 

竜響に聞かれて3人はそれぞれ答える。

 

竜響「よし、なら行こうぜ」

 

話が纏まり、4人は謎の声の誘いを受けることにした。

 

その時、竜響のビーストスパークにあるナツノメリュウの怪獣ストーンが光っていたのだが誰も気づいてはいなかったのだった。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。