戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第503話 甦る豪雨

ナツノメリュウ「ギャオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」

 

ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

ナツノメリュウの青い炎とミレニアムゴジラの放射火炎がファントムに向かって放たれる。

 

ファントム「ハッ!!」

 

ミレニアムゴジラとナツノメリュウの攻撃をファントムは六角形のシールドを展開して防御する。

 

響「どりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

そこへ響が右腕を高速回転させながらファントムにドリルナックルを繰り出す。

 

ファントム「これでも…」

 

未来「させない!!」

 

ファントム「ぐっ!?」

 

向かってくる響にアンチリンカーと同じ作用を有する光線を放とうとするが未来が鏡からビームを放って妨害する。

 

響「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ファントム「ぐはっ!!!」

 

未来に攻撃を妨害されたファントムの腹部に響のドリルナックルが叩き込まれる。

 

しかしファントムは叩き込まれた響の腕を掴んだ。

 

響「!?」

 

腕を掴まれて驚く響。

 

ファントム「俺を甘く見るな!!」

 

掴んだ響の胸部にファントムはゼロ距離で光線を放とうとする。

 

響「くっ!!」

 

咄嗟に響は空いていた左手で軌道をずらしたとの同時に光線が放たれて肩を貫く。

 

響「あぐっ!!」

 

肩を撃ち抜かれた響はファントムから手を離してしまい、地上へ落ちていく。

 

未来「響!!」

 

落ちていく響を見て未来は助けに行こうとする。

 

ファントム「貴様も落ちろ!!」

 

助けに行こうとする未来に向かってファントムはアンチリンカーと同じ作用を有する光線を放とうとする。

 

だがその腕を巻き取る蛇腹状の剣があった。

 

ファントム「!?」

 

自身に巻き付いた剣の先を見るとアームドギアを蛇腹状にしたマリアがいた。

 

マリア「アナタの相手は私たちよ!!」

 

ナツノメリュウ「ギャオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」

 

ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

マリアの言葉に同意するようにミレニアムゴジラとナツノメリュウが雄たけびを上げる。

 

ファントム「調子に乗るなよ…下等種族どもがぁ!!」

 

キレたファントムが叫びながらマリアのアームドギアを引き千切ると、湖から巨大な水柱が上がった。

 

上がった水柱の水は雨のように周囲へ降り注ぎ、その奥で二つの赤い光が見えていた。

 

ナツノメリュウ『この感じ、やはり蘇っていたか!!』

 

気配を感じ取ったナツノメリュウは言う。

 

ファントム「まだ完全に操れてはいないが、これこそが水を司る自然コントロールマシン・ゴウウだ!」

 

ゴウウ「キフォオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!」

 

蒼い東洋の龍のような姿をした体が蛇のように長い機械の龍―かつてコスモスが開発した自然コントロールマシンの1体『自然コントロールマシン 豪雨(ゴウウ)』が合成音の雄叫びを上げる。

 

マリア「あれが自然コントロールマシン…」

 

現れたゴウウを見てマリアは新たなアームドギアを出して構える。

 

ゴウウ「キフォオォォォォォゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!」

 

マリアたちが構えたのを見てゴウウは口の部分から滝のように水を勢いよく噴射してきた。

 

ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

滝のような水にミレニアムゴジラは放射火炎を発射した。

 

水と火炎がぶつかり合った瞬間だった。

 

ゴウウの水が放射火炎を一方的に消火させていた。

 

ミレニアムゴジラ「!?」

 

マリア「放射火炎が消火されてる!?」

 

海だろうと宇宙空間だろうと放てる放射火炎が一方的に、通常の炎のように消火されることに驚く。

 

ナツノメリュウ『いかん、避けよ!』

 

放射火炎が一方的に消火されるのを見たナツノメリュウが言うとマリアを掴んで飛翔、ミレニアムゴジラは放射火炎を止めて跳躍して回避する。

 

遮るモノがなくなった水は富士山麓の木々に命中すると枯らし始めた。

 

マリア「木が…」

 

木々が枯らされたのを見て驚くマリア。

 

ナツノメリュウ『ぬう…あの自然コントロールマシン、以前よりも強力になっておる…』

 

マリア「一体今の水はなんなの!?」

 

ナツノメリュウ『あれは酸の水だ。ゴウウはありとあらゆる液体を生成できる。恐らくゴジラの火炎を消火したのは金をも溶かす毒『王水』を混ぜていたのだろう』

 

マリア「水を司るって由縁ね…でもそれをどうやって倒すのよ!?」

 

ナツノメリュウからゴウウの能力を聞いたマリアは問う。

 

相手はかつて守護龍2体ですら倒すのを断念させるほどの強敵。

 

さらに現在最強の怪獣 ゴジラ一族であるミレニアムゴジラの放射火炎すら一方的に防いでしまうほどの力を有していたからだ。

 

ファントム「いいぞゴウウ!そのまま奴らを粉砕してしまえ!!」

 

ミレニアムゴジラの放射火炎を一方的に消火したゴウウを見てファントムは言う。

 

ゴウウ「………」

 

ファントムの声に気付いてゴウウはその方向を振り向いた。

 

そして……。

 

ゴウウ「キフォオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!」

 

ファントム目掛けて口から水を噴射してきた。

 

ファントム「ぐあっ…何を…!?」

 

水を浴びせられて起ころうとしたファントムだったか瞬間に体の違和感を感じて見ると自身の体が溶け始めていた。

 

ファントム「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?か、体が…俺の体が溶けている!?」

 

体が溶け始めていることに驚いてもがくファントム。

 

ファントム「こんな…こんな…ところ…で…………」

 

皮膚を溶かされ、肉を溶かされたファントムはものの数分の内に完全に溶け切ってしまった。

 

ビースト「ファントム!?」

 

完全に体を溶かされたファントムを見て丁度『傀儡ウルトラマン カイライオーブダークノワールブラックシュバルツ』を撃破したマグマバーニング状態のビーストは見て驚く。

 

ゴウウ「キフォオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!」

 

ファントムを倒したゴウウは長い体から蒸気を出すと、空を雲で覆うとそこから雨を降らせた。

 

雨を降らせたゴウウはミレニアムゴジラに向きなおり酸の水を口から噴射する。

 

ゴウウの水を見てミレニアムゴジラは放射火炎が一方的に消火されたのを思い出して回避しようとするが踏み込んだ足元が沈んでしまった。

 

ミレニアムゴジラ「!?」

 

足元を見ると地面がぬかるんで足を取られて、身動きが取れなくなっていた。

 

ビースト「リルの兄貴!!」

 

身動きが取れなくなったミレニアムゴジラの前にマグマバーニングから通常の姿に戻りながらビーストが割って入りシールドを展開してゴウウの水を防いだ。

 

しかし、防いでいたシールドが溶け始めていた。

 

ビースト「なっ!?シールドが溶けてる!?」

 

溶け始めたシールドを見て驚くビースト。

 

ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

シールドが溶け始めたのを見てミレニアムゴジラはビーストを突き飛ばした。

 

ビースト「兄貴!?」

 

突き飛ばされたビーストは驚きながら地面に背中を叩きつけてしまう。

 

ミレニアムゴジラ「ゴギャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」

 

ビーストがいなくなったことでシールドは消失、ミレニアムゴジラはゴウウの放った水を喰らって悲鳴を上げる。

 

皮膚がダメージを受けているのか白い煙がミレニアムゴジラから上がる。

 

ビースト「リルの兄貴!この、ソニックテール!!」

 

ゴウウの水に晒されるミレニアムゴジラを助けようとビーストは尻尾から蒼い三日月状の刃型の光線―『ソニックテール』を放ってゴウウに命中する。

 

ビースト「やったか!?」

 

爆煙に包まれたゴウウを見てそう言った瞬間だった。

 

ゴウウ「キフォオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!」

 

ビースト「なっ!?うわっ!!」

 

爆煙を突き破ってゴウウが現れるとビーストの体に巻き付いた。

 

ビースト「こいつ!!」

 

巻き付いたゴウウにビーストは引き離そうと腕に力を入れるが…。

 

ゴウウ「キフォオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!」

 

ゴウウはそれ以上の力でビーストを締め付けようとする。

 

ビースト「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ゴウウに締め付けられてビーストの悲鳴が響く。

 

ミレニアムゴジラ「!!」

 

ビーストを助けようとミレニアムゴジラはゴウウにタックルをしようと突進する。

 

ゴウウ「キフォオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!」

 

ミレニアムゴジラのタックルを喰らい、堪らずゴウウはビーストから離れて上空へ逃げる。

 

ビースト「ぐ、助かったぜ…リルの兄貴」

 

膝を着いてビーストはミレニアムゴジラにお礼を言う。

 

ミレニアムゴジラ「グルルルル…」

 

お礼を言われてミレニアムゴジラは"気にするな"と言うように喉を鳴らすとゴウウの方を向き、放射火炎を発射しようとエネルギーを集中させるがするが集中させていたエネルギーが背鰭から四散する。

 

ミレニアムゴジラ「グルルルルル!?」

 

集中させていたエネルギーが四散したのを感じて驚く。

 

ナツノメリュウ『この雨の中では我々の攻撃は通じんぞ』

 

ビーストと驚いているミレニアムゴジラの横にマリアと途中で拾ったであろう響、未来、クリス、翼、調、切歌を持ったナツノメリュウが着地した。

 

クリス「おい、それってどういうことだ?」

 

ナツノメリュウ『この雨にはありとあらゆる汚れを落とすナノマシンが組み込まれている。貴様らで言えば哲学兵装とやらのようなものだ』

 

響「えーっと、それは…」

 

切歌「どういうことデス?」

 

ナツノメリュウの言葉に首を傾げる2人。

 

翼「つまりは我々の攻撃を汚れと仮定してそのエネルギーを洗い流している?」

 

ナツノメリュウ『そうだ。この雨のおかげであの時もかなり苦戦させられた』

 

雨を降らせる雨雲を見ながらナツノメリュウは言う。

 

ナツノメリュウ『こうなってはもはや太刀打ちできん。雨が上がるまで一時撤退をせねばなるまい…』

 

そうナツノメリュウが言った時だった。

 

ビースト「ふざけんな。このままおめおめと引き下がってたまるかよ」

 

ミレニアムゴジラ「グルルルル!!」

 

訳:その通り!!

 

ビーストとミレニアムゴジラは撤退することを拒否した。

 

ナツノメリュウ『何を言っている!?話を聞いていなかったのか!?』

 

ビーストとミレニアムゴジラが拒否したのを聞いてナツノメリュウは驚く。

 

ビースト「聞いてたさ。だが、俺はウルトラマン。この星の命を守るのが俺の使命だ!!」

 

ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

訳:この星と怪獣たちのことを託された者としてこのまま放置しておけない!!

 

ビースト「それに俺たちは…」

 

ミレニアムゴジラ「グルルルル…」

 

訳:誰もが敬い、恐怖する偉大なる…

 

「「初代怪獣王 ゴジラ・ガウの息子だ!!/ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」」

 

そう言うとビーストとミレニアムゴジラはゴウウへ向かっていく。

 

ナツノメリュウ『お、おい!!』

 

ゴウウに向けって行ってしまったビーストとミレニアムゴジラを見てナツノメリュウは呼び止めるが2人には聞こえなかった。

 

ナツノメリュウ『初代怪獣王(ガウ)の息子だから引かぬだと…そんなもの意地ではないか……』

 

2人の言葉を聞いてナツノメリュウは言う。

 

マリア「えぇ、意地よ」

 

ナツノメリュウ『貴様ら!?』

 

マリアの声を聞いて見るとクリスの出したロケットに乗った響たちがいた。

 

翼「どんなに不利な状況下だと分かっていても…」

 

クリス「まだ戦える手段があるな、それを全部試したからだ!」

 

響「今の今までそうしてきた!この手が握る拳は決して呪いなんかじゃいって言ってたあの時だって!私たちは自分たちの我儘を意地にして戦ってきた!!」

 

未来「これからもそうして戦います!皆の未来を…明日を護るために!」

 

調「だから私たちは絶対に!」

 

切歌「逃げたりしないのデス!」

 

そう言って響たちはビーストとミレニアムゴジラの後を追うようにゴウウに向かっていく。

 

ナツノメリュウ『…………』

 

意地でゴウウへ向かっていく姿をナツノメリュウはただただ見送るしか出来なかったのだった。




お知らせ

明日、投稿できるか分かりません…

リアルが忙しくなってきたので…

すいません!

明日できたらしますが、できなかったら未定です!

すいません!

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