戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第507話 受け継がれている意志

竜響「ん……!」

 

目が覚めた竜響の目に映ったのはツルリとした天井だった。

 

竜響「俺は…いったい…」

 

僅かに首を動かして見ると左腕に点滴が打たれていた。

 

?「やっと目が覚めたみたいね」

 

竜響「!?」

 

声に反応して見ると、竜響が寝かされているベッドの横で椅子に座っている短くボーイッシュの青い髪に、犬耳、尾骨からは青いフサフサの犬の尻尾があり、服からも分かるように胸は少し大きい少女がいた。

 

竜響「ね、姉ちゃん!?何で…っ!!」

 

起き上がろうとした竜響だったが、体から突き刺すような痛みに襲われた。

 

?「もう、無理はしないの。あと少し遅かったら毒で死んでたのよ?」

 

竜響「毒…あぁ…ゴウウのグリーンレインの…つーか、何で姉ちゃんがこの時代に?」

 

毒と聞いて竜響はゴウウが降らせた緑の雨―浴びた者を1時間で死に至らしめる『グリーンレイン』を思い出し、なぜ女性が過去にいるかと聞いてきた。

 

?「貴方のことだから、また無茶しそうだったから心配できたのよ」

 

竜響「そうなのか…」

 

姉から理由を聞いて納得する竜響。

 

?「ゆっくりしたいけど、そろそろこの時代のお父さんとお母さんが帰ってきそうだから、辛いだろうけど帰る用意してね」

 

竜響「おう…分かってる……」

 

言われて竜響は素直にそう言うとゆっくり起き上がるのだった。

 

 

 

帰る用意が出来た竜響を連れて発令室に女性は来ていた。

 

元の時代へ帰る時間が迫っていたのだった。

 

エウル「えっと、改めまして。竜響の姉、『エウル』と言います。この度は弟が大変お世話になりました」

 

竜響の姉である女性―『エウル』は弦十郎たちに名乗り、挨拶する。

 

弦十郎「貴女が来てくれなければ、こちらの装者の命が危うかった。感謝する」

 

エウルに感謝の言葉を述べる。

 

理由はゴウウの放った毒の雨“グリーンレイン”により竜響、リル、響たち装者、ナツノメリュウが命を落としかけたのだ。

 

グリーンレインの毒素は現代の医学や万能薬水、さらにオルガナイザーG1ですら除去出来なかった。

 

もはやこれまでかと思った時、エウルが未来からやって来て、彼女が母であるエルザから教わったという未来の錬金術でグリーンレインの毒素を除去したのだ。

 

藤尭「まさかガウくんたちに娘さんまでいたなんて…」

 

ガウとエルザに娘までいたのは予想外だったのか藤尭は言う。

 

友里「エルザちゃんに良く似てますね。竜響くんはガウくんに似てたし」

 

エウル「よく言われます」

 

母親であるエルザに似ていると言われて嬉しそうにする。

 

響「ねぇ、ガウくんたちには会っていかないの?」

 

過去とは言え両親がいるのだから会っていかないかと聞く。

 

竜響「会いたいのは山々だけど、俺たちは本来この時代には存在しちゃダメなんだよ」

 

エウル「もし私たちが過去のお父さんとお母さんに会ったら未来が変わってしまいます。それは未来世界においてタブーなんです」

 

本音は会いたいのだが会えば未来が変わってしまうからと断った。

 

もし、会ってしまうとまた違う未来となる、それは未来から来た2人からすれば一大事であるからだ。

 

すると竜響とエウルの背後に白い渦が現れた。

 

竜響「どうやら時間みたいだな」

 

エウル「そうみたいね」

 

背後に現れた白い渦を見て2人は言う。

 

リル「かうかう?」

 

訳:もう行くの?

 

竜響「あぁ。俺には俺が守らないといけない未来からあるからな」

 

クリス「そうか。何にしても達者でな」

 

切歌「美味しいものいっぱい食べるデスよ!」

 

調「無茶は禁物だよ」

 

マリア「本来の世界でも頑張りなさい」

 

翼「未来の防人として精進しろ」

 

別れの時間になるなりクリスたちは言いたいことを今の内に言う。

 

竜響「おう、任せときな!…あ、もし良かったら親父に伝えてくれないか?」

 

響「うん、いいよ」

 

竜響「“アンタの意志は、未来でも確りと受け継がれている。それを受け継いだ奴はアンタに恥じないように努めてる”ってな」

 

それは未来を守る者(息子)から偉大なる英雄(父親)に伝える言葉だった。

 

リル「かう、かうーかうー」

 

訳:うん、必ず伝えるよ

 

竜響「頼んだぜ。じゃあな」

 

言伝てを託して竜響は姉のエウルと共に白い渦へ入っていき未来へ帰還した。

 

同時に白い渦は小さくなり消滅した。

 

ガウの意志は未来で確実に受け継がれている。

 

それを知ることのできる良い機会であった。

 

後に響たちは竜響の言伝てをガウに伝えたのはまた別の話し。

 

 

 

所変わり、富士山麓の上空。

 

富士山麓の上空に紫の光が集まり、ファントムとなった。

 

ファントム「くそっ、再生に時間が掛かった…やってくれたなウルトラマンビースト…シンフォギア…ゴジラ一族…この怨み、未来で必ず晴らしてくれる!!!」

 

奥歯を噛み締めながらファントムは自身の頭上に黒い渦を展開し、中へ飛び込み自身も未来の世界へ帰還したのだった。

 

 

 

怪獣と人類の未来を掛けた戦いは終わった。

 

だが響たちには新たな戦いの波が迫っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パアァァァーーーーーーーーーーーーーーン!!!

 

チェンジ!シンカリオン!!




次回!

未来から来たガウとエルザの息子―『ウルトラマンビースト』こと『竜響』と共にファウストの野望を砕いた響たち。

だが、新たな戦いの幕はすでに上がっていた。

突如、出現した謎の巨大な怪物たち。

謎の巨大な怪物たちと戦うミレニアムゴジラと装者たち。

その瞬間、ミレニアムゴジラは響と共に見知らぬ世界へ迷い込んでしまう。

さらに謎の空間に閉じ込められてしまい、そこで新幹線が変形したロボットたちが現れて…!?

シャショット「次の停車駅は~、『異世界の共闘!怪獣VSシンカリオン!』で、ございま~す♪」

ハヤト「チェンジ!シンカリオン!!」
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