戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第514話 事情説明

響「う…ん…?」

 

その頃、同刻のある場所にて響は目を覚ましていた。

 

響「ここ…は…イッ!?」

 

状況を確認しようと起き上がった瞬間、激痛が走って驚く。

 

痛みが治まって体を見ると腹部にガーゼが張られ、包帯で巻かれていた。

 

響「この傷…!」

 

傷を見て響は自身がキングシトエルのレーザーで腹部を撃ち抜かれたことと落ちていくところをリルが変身したミレニアムゴジラに助けられたことを思い出した。

 

響「じゃあ、ここはいったい…」

 

そこまで思い出した響は自身の今の状況を確認した。

 

服は入院服のような服で、ベッドで寝かされ周囲をカーテンで仕切られ、右腕に輸血と思われる点滴がされていた。

 

?「目が覚めたみたいね」

 

声の方を見ると白衣を着て、長い髪、左目の目元にほくろがある女性がカーテンを開けて入ってきた。

 

響「えっと…どちら様ですか?」

 

ミドリ「私は久留米 ミドリ。この超進化研究所の担当女医よ」

 

響に聞かれた女医『久留米 ミドリ』は名乗る。

 

響「あの、私どうして…」

 

色々聞きたいことがあったがまずは自分自身がどうしてここにいるのかと聞く。

 

ミドリ「その子が貴女を抱えてきたのよ」

 

ミドリに言われて隣を見ると左脚と右肩に包帯を巻いて体を丸めて眠っているリルがいた。

 

ミドリ「自分もすっごく怪我をしているのに貴女の側を片時も離れようとはしなかったのよ」

 

響「そうでしたか…」

 

自分も怪我をしているのにも関わらず、自分の側にいてくれたリルを見て響はその姿をガウに重ねていた。

 

ミドリ「それでこんな状況なのだけど私たちの司令官が貴女たちのことを知りたいって言ってたから目を覚ましたこと伝えて良いかしら?」

 

響「あ、はい。大丈夫です!私もここのことを知りたいので!」

 

ミドリに聞かれて響はそう返答したのだった。

 

 

 

出水「初めまして。私は新幹線超進化研究所東日本指令室指令長 出水 シンペイと言います」

 

ミドリからの報告を受けて出水が医務室に来て挨拶した。

 

響「初めまして。私は立花 響です。こっちはリルくんっていいます」

 

リル「かう!」

 

挨拶してきた出水に響とリルも挨拶した。

 

出水「早速で済まないが君たちはどういった関係なんだ?」

 

響「親子です!」

 

リル「かう!」

 

出水に聞かれて2人は正直に答える。

 

出水「………」

 

正直に答えた2人に出水は少し戸惑いを見せる。

 

出水「えっとそれはどういう…」

 

響「私が身籠って、産みました!」

 

笑顔で出水に虚偽の発言をする響。

 

ガウと未来がいたらガウは卒倒し、未来は覚醒してシェム・ハになりそうな発言である。

 

出水「そうか…」

 

これ以上聞いたら何となく不味いと判断した出水は言う。

 

響「あの出水司令官さん…」

 

出水「出水で構わないよ」

 

響「あ、じゃあ、出水さん。こっちも聞いていいですか?」

 

出水「あぁ、構わないよ」

 

響「ここっていったいどこなんですか?」

 

出水「ここは次世代型新幹線の技術開発、運行、ダイヤと乗客の安全を追求していた官民一体型の組織『新幹線超進化研究所』だ」

 

響「なんでそんなところにリルくんが?」

 

出水「今言ったのは表でのこと。今の我々は10年前に起こったとある事件以来、国土を守る使命も追加されている。その防衛手段として、シンカリオンと呼ばれるロボットを我々は所有している。そのため彼が初めて現れた時、我々と戦闘することになったんだ」

 

シンカリオンたちと戦闘したことをリルを見ながら言う。

 

響「そうだったんですか…」

 

話を聞いて響は少し納得し、ある確信を得ていた。

 

響「今の話を聞いてここはやっぱり私たちがいる世界じゃないと思います」

 

出水「やはりか」

 

出水も何やら薄々気付いていたのかそう呟く。

 

出水「響さん、最後に君が纏っていた鎧のようなもの。アレはいったい何だ?それと彼のあの姿はいったい?」

 

響が纏っていた鎧―『ガングニール』のこととリルの本来の姿『ミレニアムゴジラ』のことを聞く。

 

響「あ、それはですね…」

 

本来なら口外してはならないのだが状況が状況だけに下手に隠し事をするよりかは良いと判断して響は話した。

 

ガングニールのことやその他のシンフォギアのこと、様々な聖遺物こと、そしてリルたち怪獣軍団のことやその父であるガウのことを。

 

出水「なるほど…突拍子もない話なのだが、どうも嘘ではないようにも思える」

 

響の話を聞いて出水はそう言う。

 

それもそのはず、今まで架空の存在と思っていた宇宙人・宇宙や地球怪獣・メーサー兵器や空中戦艦などの架空超兵器が存在するなど信じたくとも誰が信じる者などいないのだ。

 

しかし、出水は2人が嘘をついているとは思えずそう言ったのだ。

 

出水「今は2人とも回復したばかりだ。今日はこのくらいにしてまた改めてお話を聞かせてください」

 

話を切り上げてその場を去ろうとする出水。

 

響「はい!あ、出水さん!」

 

その出水を響は呼び止めた。

 

響「助けていただいてありがとうございます」

 

治療してくれたお礼を言う響。

 

出水「お礼ならリルくんにしてください。響さんが気絶している間、ずっと守っていたのですから」

 

そう言って出水は医務室を出ていくのだった。

 

 

場所は変わりとある地下に1人の人物―キングシトエルを操っていた人物がいた。

 

地下には広い地底世界が広がっており、都市が丸々入るくらいあった。

 

しかし、その半分くらいは激しい戦闘の跡なのか穴が開いていたり、崩れていたりしていた。

 

?(ヤハリ、"ゲンブ"達ハアチラ側二寝返ッタヨウダナ…マァイイ。裏切者ドモハマトメテ始末シテクレル)

 

人物の思念に反応するようにキングシトエルの他に黒い塗装で、鋭角的な意匠があり、角がある頭部は牛を思わせる何かがおり、雄たけびを上げるかのように列車の汽笛に似た音を立てていた。

 

そして、その前に軍人風で寡黙で厳めしい容姿をし、左右の胸には薔薇が描かれた怪人がいたのだった。


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