戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第515話 突然の歓迎会

ハヤト「っという訳で!突然ながら響さんとリルの歓迎会を始めまーす!!」

 

全員(リル除)『かんぱーい!!』

 

ハヤトの掛け声で持っていたジュースのコップを上げて乾杯する面々。

 

リル「かうかう…」

 

訳:本当に突然だ…

 

ノリノリで混じっている響と逆にポケーっとしているリル。

 

昨日、ミドリに野太い注射器をお尻に刺された後、ハヤトたちにいきなり"明日歓迎会をするから来てほしい"と言われて会場である待機室に来てみれば本当に歓迎会をしていた。

 

響はノリノリなのだが、リルは事情は知らなかったとは言え自身を攻撃してきた相手が開いた歓迎会を素直に喜べなかったからだ。

 

フタバ「ごめんなさい、突然こんなことになって」

 

そんなリルの側にフタバが来て言う。

 

フタバ「ハヤトくんたちがどうしても歓迎会をしたいって言うから、出水司令長も親睦を深めるのは丁度いいってことで開いたの。あと、貴方を攻撃しちゃったことへのお詫びも含めてね」

 

リル「かう…」

 

それなら直接謝ってくれればいいのにとリルは思っていた。

 

フタバ「直接謝ればいいと思ってるだろうけど、ハヤトくんたちはハヤトくんたちなりに時間がいると思ってるの」

 

リル「?」

 

フタバ「いきなり知らない世界に来て、いきなり攻撃されて…嫌な思いをしたと思ってるから少しでもその気持ちを洗い流してほしいんだと思うの」

 

ハヤトたちの考えをリルに伝えるフタバ。

 

リル「………」

 

フタバにハヤトたちの考えを聞いてリルはジーっとハヤトたちを見た。

 

最初の出会いは最悪だったけど、自分たちのことを考えてくれていることにリルは素直に受け止められることが出来たからだ。

 

リル「かう!」

 

何かを決意するようにリルは持っていたコップの中に入っているジュースを一気に飲み干すとハヤトの方に向かった。

 

ハヤト「!」

 

自身の方へ向かってくるリルに気付いてハヤトは振り向く。

 

リル「かうかうかうかうー、かうかう!」

 

訳:歓迎会ありがとう、これからよろしくね!

 

右手を差し出して握手を求めながら言う。

 

ハヤト「うん!こちらこそよろしく!!」

 

リルが何を言っているのか分かったのかハヤトは握手に応じた。

 

アズサ「ん?ところであの3人は?ケーキせっかく用意したのいないなんて」

 

響「え?まだ他に誰かいるの?」

 

アキタ「あぁ。ゲンブ、スザク、セイリュウの3人だ」

 

ツラヌキ「前は敵だっけど話せばいい奴らだぜ」

 

『ゲンブ』、『スザク』、『セイリュウ』なる3人がいると話すアキタとツラヌキ。

 

シノブ「3人なら少し気になることがあるから遅れると言っていた」

 

アズサ「そうなの?じゃあ、少しケーキ残しとかないとね」

 

シノブから伝えられてアズサはケーキを切って小皿に乗せ始める。

 

出水「それにしてもリルくんは尻尾と背鰭があること以外はハヤトくんたちと同じ普通の子供と変わらないな」

 

リルの容姿を見て出水は言う。

 

響「リルくんは元々純粋な恐竜だったんですけど、ガウくんと一緒にいる時に放射能の影響で進化しちゃったみたいで…」

 

そう、リルは元々世界で最後の純粋な恐竜の生き残りでガウの唯一無二の同族『ゴジラザウルス』だったのである。

 

しかしガウと長くいた影響で怪獣化『ゴジラザウルス変異体 リトルゴジラ』となり、シェム・ハ一派に未来と共に拉致された時に肉体を改造され、今の姿である『ミレニアムゴジラ』となっているのだ。

 

出水「放射能による肉体変化か…我々人類の影響で住処を追われた生物は多くいるが姿を変えてしまった者までいるとはこちらの世界でも他人ごとではないようだな」

 

響たちからある程度怪獣たちのことは聞いているので出水はそう言う。

 

米国の核兵器の実験で家族の命と自身の姿を失ったガウこと初代怪獣王 ゴジラのような存在がこの世界でも現れるかもしれないと思っているからだ。

 

出水「おっと辛気臭い話をしてしまったね。歓迎会を楽しんでくれ」

 

辛気臭い話をしていたことに気付いて出水は響きにそう言う。

 

響「はい!」

 

響も歓迎会を楽しもうとリルとハヤトたちの方へ向かっていった。

 

だが、そんな楽しい時間はもうすぐ終わろうとしていた…。

 

 

 

埼玉県さいたま市大宮区にある海水浴場の上空にその人物はいた。

 

?「サテ、始メヨウカ…」

 

人物がそう言うと人物に後ろからキングシトエルが姿を現した。

 

?「ヤレ、キングシトエル」

 

人物が言うとキングシトエルは頭部の上にある正八面体からレーザーを発射、海辺にあった町を破壊し始めた。

 

突然の攻撃を仕掛けた怪物に人々は悲鳴を上げながら逃げ始めた。

 

?「サア、来ルガイイ。シンカリオン、人間、ソシテ人間ト異ナル進化ヲ遂ゲシ者ヨ」

 

キングシトエルが町を破壊する姿を見ながら人物はそう言うのだった。


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